自家製レモンを育てて、食卓を彩りませんか? レモン栽培は意外と簡単で、鉢植えでも十分に楽しめます。無農薬レモンを収穫できれば、料理やお菓子作り、ドリンクなど、用途は無限大。この記事では、レモンの植え替え時期に焦点を当て、成功の秘訣をステップごとに解説します。適切な時期と方法で植え替えを行い、レモンの木を健康に育てましょう。
レモンの育て方!人気の柑橘を自宅で
見た目も愛らしく、風味豊かなレモンをご自宅で育ててみませんか?レモンというと、専門の果樹園で栽培されているイメージがあるかもしれませんが、実はご家庭の鉢植えでも十分に育てることが可能です。ちょっとしたコツを掴めば、無農薬のレモンを収穫することも夢ではありません。広い庭がなくても、ベランダなどで手軽に栽培できます。自分で育てたレモンは、皮まで安心して使えるのが嬉しいポイント。お料理やお菓子作り、ドリンクなど、様々な用途で楽しめます。収穫の喜びはもちろん、鮮やかな黄色の実がなる姿は、見ているだけでも心が癒されます。この記事では、レモンの基本的な育て方から、初心者の方にもおすすめの品種まで、詳しくご紹介します。
レモンの魅力と基本情報
レモンは、広い畑で栽培されるイメージが強いかもしれませんが、実は鉢植えでも十分に育てられます。むしろ、育成の管理のしやすさから考えると、鉢植えの方が適している場合もあります。特に、寒冷地では、冬の寒さを避けて移動できる鉢植え栽培がおすすめです。適切な管理を行うことで、鉢植えでもたくさんのレモンを収穫する喜びを味わえます。レモンはミカン科ミカン属の植物で、栽培難易度は比較的易しいとされています(★★)。
レモンは花が咲くの?開花時期は?
意外と知られていませんが、レモンは可愛らしい白い花を咲かせます。レモンは四季咲き性で、春から秋にかけて花と実をつけるため、長い期間にわたって花を楽しめます。多くの品種は春から秋に開花し、実が大きくなる過程で花も同時に楽しめます。日本で栽培する場合、一般的には5月から6月頃に咲いた花が、秋以降に果実として収穫されます。開花時期に水切れを起こすと花が落ちてしまうことがあるので、水やりには注意が必要です。
レモン栽培に適した気候と環境
レモンは寒さに弱い性質があり、気温が-3℃を下回ると枯れてしまうことがあります。一般的に、-2℃程度まで耐えられると言われていますが、風通しなども影響するため、一概に温度だけで判断することはできません。特に、冬の霜や寒風には弱いため、十分な防寒対策が必要です。庭に地植えする場合は、温暖で乾燥した気候を好むため、スペイン、イタリア、カリフォルニアなどの地中海性気候が適しています。日本では、比較的温暖な地域での栽培が安心です。寒さが厳しい地域で栽培する場合は、鉢植えにして、冬は室内に移動させて管理するのがおすすめです。また、レモンは強風や大雨にさらされると、病害虫の被害を受けやすくなります。そのため、雨が少なく、穏やかな気候の地域が栽培に適していると言えるでしょう。
レモンの実の栄養と活用方法は?
レモンの果実には、ビタミンCやクエン酸はもちろんのこと、葉酸、ポリフェノール類、リモネン、食物繊維、カリウムなど、実に様々な栄養成分が豊富に含まれています。これらの成分は、疲労回復や健康の維持・増進など、多岐にわたる効果が期待できるため、毎日の食生活に積極的にレモンを取り入れてみてはいかがでしょうか。レモンを生のまま食べるには酸味が強すぎるため、お料理の風味づけや、煮物、お漬物などに少量加えるのがおすすめです。また、採れたての果汁を使って美味しいお菓子を作ることも可能ですので、色々なレシピを探して、レモンを余すことなく活用してみてください。
家庭で育てるのにオススメのレモン品種
レモンには数多くの品種が存在します。それぞれの品種によって味や適した気候などが異なりますので、ご自身の好みに合うものを選んでみてください。ここでは、レモンを自宅で栽培してみたいという方に特におすすめの品種をいくつかご紹介します。
リスボンレモン
リスボンレモンは、日本国内でもっともよく見かける、非常に一般的な品種で、「レモン」と聞いて多くの方が思い浮かべるのがこの品種でしょう。元々はポルトガルが原産で、明治時代に日本へと導入されました。レモンの中でも特に育成しやすい品種として知られており、比較的寒さにも強いため、関東地方より西の温暖な地域であれば屋外での越冬も可能です。関東以北の地域で栽培を検討されている方には、特におすすめの品種です。強い酸味が特徴で、日頃スーパーで見かけるレモンを、ご自宅で収穫できた時の喜びは格別でしょう。
ジャンボレモン
ジャンボレモンは、その名前が示す通り、非常に大きくずっしりとした重量感のあるレモンです。プロの農家の方が育てた立派なものでは、1個あたり1000g近くまで成長することもあり、ソフトボールほどの大きさになることもあります。ただし、ご家庭でそこまで大きく育てるのは容易ではないため、一般的には400g程度を目安にすると良いでしょう。酸味は比較的穏やかで、屋外で栽培する場合は関東より西の地域が適しています。通常のレモンの4倍もの大きさになるとも言われており、その独特な外観から、果実だけでなく葉も鑑賞できる観葉植物として育てるのも面白いかもしれません。
ユーレカレモン
ユーレカレモンは、カリフォルニアで改良された品種で、世界中で広く栽培されています。寒さにはやや弱い性質を持ちますが、果肉はジューシーで柔らかく、果汁が豊富です。際立った酸味と、さわやかな香りが特徴です。
アンユーレカレモン
アンユーレカレモンは、ユーレカレモンの改良品種です。果実はやや小ぶりですが、トゲが少なく、苦味が少ないという特徴があります。
マイヤーレモン
マイヤーレモンは、オレンジとの自然交配によって生まれた中国原産のレモンです。トゲが少なく、酸味が穏やかで、生食にも適しています。
菊池レモン(島レモン)
菊池レモンは、マイヤーレモンの系統を受け継ぐ品種で、日本人の菊池雄二氏が八丈島に持ち込みました。地元では「島レモン」として親しまれています。
ピンクレモネード
ちょっと変わったレモンを育ててみたい方におすすめなのが、ピンクレモネードです。名前が示すように、果肉が淡いピンク色をしているのが特徴。実の色も黄色に青いストライプが入る独特な見た目で、観賞用としても楽しめます。
サイパンレモン
サイパンレモンは、サイパン島のすぐ近くのテニアン島が原産で、小笠原諸島や八丈島に持ち込まれた品種です。一般的なリスボンレモンよりも大きく育ち、丸みを帯びた独特の形をしています。収穫時期は、実の色が緑から黄色に変わる頃が目安。味は比較的まろやかで、大きくて可愛らしいレモンを育てたい方にぴったりです。
レモンのお手入れ!水やり、土や肥料の選び方、植え付け、剪定、摘果の基本
レモンを自宅で育てる前に、基本的な育て方を把握しておきましょう。水やり、土作り、肥料を与えるタイミング、植え付け、剪定、摘果など、レモン栽培の基礎知識を解説します。
苗の選び方と植え付け時期
花木や果樹の苗には、生育期間に応じて1年生苗や2年生苗といった種類があります。これらは挿し木や接ぎ木をしてから、生産者がそれぞれ1年、2年と育てたものです。一般的に、年数が経っている苗ほど値段は高くなりますが、購入後の管理が比較的簡単になることが多いです。レモンの育てやすさを重視するなら、「大苗」と呼ばれる3年生以上の苗を選ぶのがおすすめです。大苗は購入した年に収穫できる可能性が高く、すぐに実を収穫したい人に最適です。購入する際は、できるだけ実際に苗を見て、幹が太くしっかりしていて、元気なものを選びましょう。すぐにレモンの実を収穫したい場合は、すでに実が付いている苗を選ぶのも良いでしょう。実が付いている苗を購入した場合でも、収穫を楽しんだ後、翌年の春に植え替えるのがおすすめです。レモンの植え付けに最適な時期は、寒さに弱い性質から、少し暖かくなり始める3月から4月頃です。
栽培場所の選び方と植え付け方
レモンを植える場所は、鉢植えでも庭植えでも、日当たりが良く、水はけの良い所を選びましょう。特に、実りの時期である秋から冬にかけても、十分に日光が当たる場所を選ぶことが大切です。強風が常に当たるような場所は避けるのが賢明です。ベランダで育てる場合は、特に風の通り道になっていないか確認しましょう。庭に複数株植える際は、大きく育つことを考慮して、株間を最低6m以上空けるようにしましょう。植え付けの際は、30cm四方の穴を掘り、堆肥を混ぜ込んでから植えます。冬の間に腐葉土と堆肥を混ぜ込んで土壌改良しておくと、より良いでしょう。苗木を植える際は、深植えにならないように注意が必要です。接ぎ木苗の場合は、接ぎ木部分が土に埋まらないように高さを調整して植え付けましょう。
土の選び方と植え替え
レモンを元気に育てるには、保水性と排水性のバランスが取れた土が理想的です。自分で土を配合する場合は、小粒の赤玉土と腐葉土を7:3の割合で混ぜるのがおすすめです。市販の培養土でも育ちますが、園芸店では果樹栽培専用の培養土も販売されています。特に初心者の方は、専用培養土を使うことで土作りの手間が省け、安心して栽培を始められます。
鉢植えでレモンを育てる場合は、定期的な植え替えが必要です。根詰まりを防ぐため、暖かい時期を選んで行いましょう。目安は1~2年ですが、鉢植え栽培では2~3年ごとに行うと良いでしょう。植え替えの時期は、植え付けと同様に3~4月が適しています。植え替えの際は、今まで使っていた鉢より一回り大きな鉢を用意し、水はけを良くするために鉢底ネットと鉢底石を敷きます。土は使い古したものを再利用せず、新しい果樹用培養土を用意しましょう。株を取り出す際は、根を傷つけないように丁寧に引き抜きます。根鉢を軽くほぐすと、新しい根が伸びやすくなります。植え替え後は、活着促進剤を水で1000倍に薄めたものを株元にたっぷりと与え、根の定着を促しましょう。ただし、最初から大きな鉢に植え替えるのは避けましょう。土の乾燥と湿潤のバランスが崩れ、生育不良の原因となります。実の数は木の大きさ、つまり鉢の大きさに比例するため、徐々に大きな鉢に替えていくのが上手に育てるコツです。
水やりの方法
レモンは乾燥を嫌うため、土の表面が乾いたらたっぷりと水を与えるのが基本です。水不足で株がしおれてしまうと、翌年の実付きに影響が出ることがあります。鉢植えの場合は、鉢底から水が流れ出るまでたっぷりと与えましょう。特に高温多湿な夏場は土が乾きやすいため、こまめに状態を確認しましょう。また、開花時期に水切れを起こすと花が落ちてしまうことがあるので注意が必要です。庭植えの場合は、基本的に降雨に任せて大丈夫ですが、雨が降らず乾燥した状態が2週間以上続く場合は水やりが必要です。植え付けから1~2年の間は、まだ根が十分に張っていないため、庭植えでも水切れに注意し、土の状態をこまめに確認しましょう。乾燥を防ぐために、株元に藁やビニールなどでマルチングをすると効果的です。
肥料の選び方と施肥の方法
レモンはたくさんの実をつけるため、栄養不足にならないように定期的な施肥が必要です。他の果樹に比べて肥料を多く必要とするため、適切な肥料管理を心がけましょう。レモンには、ゆっくりと効果が持続する緩効性肥料がおすすめです。緩効性肥料は効果が1~2ヶ月続くため、管理が容易です。
緩効性肥料は、まず植え付け時に元肥として施します。その後、実が大きくなり始める6月頃と9月頃に追肥を行いましょう。さらに、成長期直前の2~3月、花後で実が成長する6~7月、暑さが和らぎ実が栄養を必要とする9月、収穫後の11月以降にもう一度追肥するのが理想的です。これらのタイミングで追肥を行うことで、肥料切れを防ぎ、翌年の生育を促進します。肥料を与える際は、錠剤タイプの肥料が幹や根に直接触れないように注意が必要です。肥料は根の先端から吸収されるため、幹の近くではなく、枝葉の先端あたりに施すと効果的です。鉢植えの場合は鉢の縁に沿って土の上に置き、庭植えの場合は少し離れた場所に埋め込むように施しましょう。
剪定の時期と方法
レモン栽培で欠かせない手入れが剪定です。枝を切りすぎることなく、樹の形を整えてあげましょう。剪定に適した時期は、春先の3月頃です。レモンは春に伸びる新芽に翌年の春に実をつけることを覚えておきましょう。春に行う剪定の主な目的は、枝が密集した部分を整理し、株全体に太陽光がまんべんなく当たるようにすることです。込み入った部分の細い枝や、交差している枝、下向きに伸びている枝などを根元から切り取り、樹形をすっきりとさせましょう。この際、その年の春に伸びてきたばかりの新しい枝は、翌年に花を咲かせ、実をつける大切な枝となるため、間違って切らないように注意が必要です。反対に、前年に伸びて実をつけた枝は切り取っても問題ありません。また、生育を無駄に促す「徒長枝」や、枯れた枝、葉が付いていない枝なども、光合成の効率を高めるために積極的にカットします。ただし、光合成に不可欠な元気な葉はできるだけ残し、枝を短く切りすぎないようにバランスを考えながら剪定することが重要です。夏以降から秋にかけて枝が急速に伸びることがありますが、これらの枝は実を結ばないため、付け根から少し残して切り落としましょう。
摘蕾と摘果の方法
レモンは一本の木に非常に多くの花を咲かせ、たくさんの実をつけます。しかし、大きく育てるには十分な光合成が必要で、一般的には一つの実に対して数十枚の葉が必要と言われています。そのため、木の葉の数に対して花の数が多すぎる場合は、実を大きく育てるために蕾を間引く「摘蕾」を行いましょう。また、夏以降に咲いた花からできた実は、日本の冬を越すのが難しく、大きく育たないことが多いです。日本の気候では実らせるのが難しいため、すべて取り除くのがおすすめです。安定した収穫を目指すのであれば、春に咲いた花からできた実の収穫を中心に考えると良いでしょう。
レモンの実が多くなりすぎている場合は、実が小さいうちに「摘果」を行いましょう。レモンは房状に花を咲かせ、そのままにしておくとたくさんの実が密集します。より美味しくジューシーな実を収穫するためには、摘果がおすすめです。実をつけすぎると、それぞれの実が小さくなるだけでなく、木に負担がかかり、翌年の収穫量が減る可能性があります。摘果の適期は7月から8月頃です。8月には、より綺麗で大きな実を1枝に1~2個残し、他は取り除く作業をします(鉢植えの場合は、1枝に1個を目安にしましょう)。木の下の方についている小さな実から順に摘み取り、最終的には一つの果実に対して約25枚の葉が残る程度に調整すると良いでしょう。幼苗を購入した場合は、まず木を大きく育てることが大切です。実がなっても摘果し、2~3年は木の成長に栄養を回してあげましょう。
レモンの冬越しと寒冷地対策
寒さに弱いレモン栽培において、冬の管理は非常に重要です。特に冬に気温が-3℃を下回る地域では、十分な寒さ対策が欠かせません。耐寒性は-2℃程度と言われていますが、風通しも影響するため、温度だけで判断するのは難しいでしょう。寒冷地に住んでいる場合は、冬に移動できるよう鉢植えで育てるのがおすすめです。
庭に植えたレモンの木は、木全体を不織布や寒冷紗などで覆うのがおすすめです。地面も堆肥やウッドチップなどでマルチングすることで、寒さ対策になります。鉢植えの場合も、屋外や軒下で管理する際は、覆いをかぶせることで寒さから守ることができます。室内で冬越しさせることもできますが、日当たりや風通しが悪いと木が弱る可能性があるため、適切な環境を確保するようにしましょう。温暖な地域でも苗木の時期は寒さに弱いため、置き場所や植え場所に応じて寒冷紗で巻いてあげるなど、防寒対策を行うと良いでしょう。
レモンを育てるときに気をつけるべき病気や害虫は?
レモンの木を守るためには、病害虫対策が欠かせません。特に、以下の害虫や病気に注意しましょう。これらの病気や虫を見つけたら、すぐに取り除くことが大切です。状況に応じて薬剤などを使用し、広がりすぎないように対策しましょう。
アブラムシ
多くの方がご存知の害虫です。アブラムシが大量発生すると、排泄物が原因でウイルス性の病気を引き起こす可能性があるため、早期に適切な薬剤などを使用して対策を行いましょう。
アオムシ
アゲハチョウの幼虫であり、レモンにとって最も分かりやすい食害を引き起こすのがアオムシによる被害です。アゲハチョウはレモンの木に好んで卵を産み付けるため、春になるとレモンの木に現れるのは、ある意味、季節の風物詩とも言えるでしょう。柔らかい新芽や葉を食べてしまうため、見つけたらすぐに捕殺しましょう。
カミキリムシ
ある程度成長したレモンの木に卵を産み付け、孵化した幼虫は木の内部を食い荒らします。放置すると木が枯れてしまうこともあるため、早期の駆除が重要です。日頃から木の幹に穴が開いていないか、木の幹の周りに木くずが落ちていないかを注意深く観察しましょう。穴を見つけた場合は、その穴に針金を差し込んで幼虫を退治します。
ミカンハモグリガ
葉にまるで絵を描いたかのような白い筋ができるのが特徴的な害虫です。発見し次第、葉を取り除くなどの対策を講じることが大切です。
かいよう病
レモン栽培において注意すべき病害の一つが、葉や果実に褐色の斑点が現れるかいよう病です。早期発見と迅速な対処が重要となります。特に、強風による揺れやトゲによる傷が感染の原因となることがあるため、トゲの剪定も有効な予防策となります。
ハダニ
夏の高温乾燥期にはハダニが発生しやすくなります。雨の当たらない場所や軒下などの環境では特に注意が必要です。葉水を与えるなどの対策を講じ、予防に努めましょう。
接ぎ木とは
接ぎ木は、植物の繁殖方法の一つです。異なる種類の植物を組み合わせ、それぞれの良い性質を受け継いだ個体を作り出すことができます。具体的には、土台となる植物(台木)に、増やしたい品種の枝(穂木)を接合します。この際、樹皮の内側にある形成層と呼ばれる組織同士を密着させることで、両者が一体化し、新たな植物として成長します。
レモンの接ぎ木
レモンを接ぎ木で増やす際には、カラタチなどの柑橘類を台木として利用することが一般的です。接ぎ木を行う前に、適切な台木を用意しましょう。台木が穂木よりも太い場合は、芽接ぎという方法が適しています。これは、レモンの芽を樹皮ごと切り取り、台木に接着させる方法です。一方、台木と穂木の太さがほぼ同じであれば、切り接ぎという方法を選択できます。これは、枝同士を切り込みを入れて繋ぎ合わせる方法です。いずれの方法においても、形成層同士をしっかりと密着させることが成功の秘訣です。接合部を接ぎ木テープで固定し、乾燥を防ぎながら管理することで、新たな芽の発生を促すことができます。
植えつけから収穫までの期間
レモンの実がなるまでの期間は、苗の状態によって大きく変わります。すでに実がついている苗を選べば、その年のうちに収穫できる可能性があります。
まだ小さい苗から育てる場合、収穫までには3年以上かかることも珍しくありません。生育環境によっては、なかなか実がならないこともあります。そのような時は、レモンにとって最適な育て方ができているか、もう一度確認してみましょう。
レモンの収穫時期
レモンは、通常春から夏にかけて花を咲かせ実をつけます。中でも、春に咲いた花から育った実を秋に収穫するのがおすすめです。地域差はありますが、10月頃を目安に収穫すると良いでしょう。果実の色が緑色から黄色に変わり始める頃が、収穫に適したタイミングです。収穫せずに木に置いておくと、果皮がどんどん厚くなってしまいます。
また、まだ緑色の状態で収穫したレモンは、グリーンレモンと呼ばれます。香りが高く、酸味が強いのが特徴です。いくつか早めに収穫して、爽やかなグリーンレモンを味わってみるのもおすすめです。
レモンの収穫方法
レモンの木には、品種によってはトゲがあるものもあります。怪我をしないように、事前に手袋を着用しておきましょう。
収穫する際は、剪定鋏やナイフなどの刃物を使って、軸の部分を丁寧に切り取ります。手で無理にもぎ取ると、果実を傷つけてしまうことがあるため、刃物を使うのがおすすめです。
収穫したレモンは、常温で10日程度保存可能です。食用としてだけでなく、ドライフルーツにしてインテリアとして飾ったり、ハーバリウムの材料にするなど、様々な活用方法があります。
まとめ
レモンは、料理の風味を引き立てるアクセントや調味料として広く使われており、スーパーでもよく見かける人気の果実です。太陽の光を浴びて、たくさんの葉を揺らしながら黄色い実をつけるレモンの木は、地中海を思わせるような美しい景観を作り出します。おしゃれな庭のシンボルツリーとしても最適です。比較的育てやすい果樹であり、適切な管理をすれば無農薬レモンを収穫することも可能です。鉢植えでも実をつけさせることができますが、温暖な地域にお住まいで、広いスペースを確保できるのであれば、ぜひ地植えに挑戦してみることをおすすめします。鉢植え栽培では数個程度の収穫でも、地植えにすると大きく育ち、状態が良ければ100個以上の収穫も夢ではありません。品種によって、耐寒性の強さや、実の形、皮の厚さ、酸味などが異なるため、お好みの品種を見つけて育てるのも楽しいでしょう。ぜひ、レモン栽培に挑戦してみてください。
レモンは鉢植えでも栽培できますか?
はい、レモンは鉢植えでの栽培も可能です。庭がないご家庭でも、手軽にレモン栽培を楽しめます。特に寒冷地では、冬の寒さから守るために、移動可能な鉢植え栽培が適しています。適切な手入れを行うことで、鉢植えでもたくさんのレモンを収穫することができます。収穫量は鉢の大きさに比例するため、レモンの成長に合わせて鉢を大きくしていくと良いでしょう。
レモン栽培に適した環境と注意点は?
レモンは寒さに弱い性質があり、-3℃以下になると枯れてしまう可能性があります。そのため、冬場の寒さ対策が非常に重要です。理想的な環境は、温暖で乾燥した地中海性気候です。温暖な地域であれば地植えも可能ですが、寒い地域では鉢植えにして、冬は室内に移動させるのがおすすめです。また、強風や雨にさらされると病害虫が発生しやすいため、できるだけ風当たりの少ない場所で育てましょう。冬場は、不織布で覆ったり、根元をマルチングするなどして防寒対策を施しましょう。
レモンに含まれる栄養と活用方法は?
レモンには、ビタミンC、クエン酸、葉酸、ポリフェノール、リモネン、食物繊維、カリウムなど、健康に良い成分が豊富に含まれています。疲労回復や美容効果も期待できます。レモンは酸味が強いため、そのまま食べるのは難しいですが、料理の風味づけ、ジャム、お菓子作りなど、様々な用途で活用できます。自家栽培のレモンなら、農薬の心配もなく、皮まで安心して利用できます。
レモンの苗を選ぶ際のコツは?
レモン栽培初心者の方には、3年生以上の大苗がおすすめです。大苗は、植え付け後すぐに収穫できる可能性が高いです。苗を選ぶ際は、実際に苗の状態を確認し、幹が太く、しっかりとしたものを選びましょう。すぐに収穫を楽しみたい場合は、すでに実の付いている苗を選ぶのも良いでしょう。ただし、実付きの苗を購入した場合でも、収穫後には植え替えを行うことをおすすめします。
レモンの収穫時期と収穫のタイミングは?
レモンの実を収穫するのに最適な時期は、一般的に春に開花した花から実がなった年の秋です。地域差はありますが、目安としては10月頃が良いでしょう。収穫のタイミングとしては、実の色が緑色から黄色へと変わり始める頃がおすすめです。まだ完全に黄色くなる前の緑色のレモンは「グリーンレモン」と呼ばれ、特有の香りと強い酸味が楽しめます。収穫作業時は、品種によってはトゲがある場合もあるため、手袋を着用し、剪定ばさみやナイフなどを用いて丁寧に軸を切り取ってください。
レモンの剪定と摘果は、なぜ大切なのですか?
剪定は、密集した枝を整理し、レモンの木全体に均等に日光を当てるために不可欠な作業です。剪定によって光合成を効率的に行えるようになり、樹木の健康を維持することができます。特に、夏から秋にかけて伸びる新しい芽は実を結ばないため、根元からわずか5ミリ程度を残して切り落としましょう。摘果は、実が過剰につきすぎた場合に、小さい実を間引く作業です。摘果を行うことで、残った実に栄養が行き渡り大きく育ちやすくなるだけでなく、樹木への負担を軽減し、翌年の収穫量減少を防ぐ効果も期待できます。鉢植えで栽培している場合は、8月頃を目安に1つの枝につき1個の実を残すように摘果しましょう。苗木の場合は、木の成長を優先するために、2~3年は実がなっても摘果することが重要です。
レモンに生えているトゲを切っても大丈夫ですか?
レモンの木が成長するにつれて、収穫時に枝の中に手を入れる際にトゲが気になる場面も増えてくるでしょう。トゲはハサミなどで切除しても問題ありません。強風によって木が揺さぶられ、トゲが実や葉を傷つけることで、かいよう病などの病気を引き起こす原因となることもあるため、病害虫対策としてトゲをカットすることは有効な手段と言えます。近年では、トゲが少ない品種も流通しているので、これからレモンを育てようと考えている方は、そのような品種を選択することもおすすめです。