毎年5月の第2日曜日にやってくる母の日。カーネーションを贈ったり、感謝の言葉を伝えたりと、日頃の労をねぎらう大切な日として定着しています。しかし、この母の日は一体いつ、どこで始まったのでしょうか?単なる商業的なイベントとして捉えられがちですが、実は深い歴史と心温まる起源を持っています。この記事では、母の日のルーツを辿りながら、その歴史的背景や、世界に広まった経緯、そして日本での定着について詳しく解説していきます。母の日の由来を知ることで、より一層感謝の気持ちを深めてみませんか。
母の日はいつ?
母の日は、毎年5月の第二日曜日と定められています。ゴールデンウィークが終わって間もない時期で、おおよそ5月中旬頃にあたります。年によって日付は変動し、最も早い年で5月8日、遅い年では5月14日となります。例えば、2024年の母の日は5月12日、2025年は5月11日です。事前に母の日がいつになるかを確認しておけば、当日慌てることなく準備ができるでしょう。
母の日の起源
母の日の起源には複数の説がありますが、一般的に知られているのはアメリカで生まれたという説です。ここでは、特に有名な母の日の由来についてご紹介します。1907年、アメリカに住むアンナ・ジャービスという女性が、亡き母を偲び、フィラデルフィアの教会で追悼会を開きました。その際、アンナは母が好きだった白いカーネーションを参列者に配りました。この出来事がきっかけとなり、母を敬う日を設けようという動きがアメリカ全土に広がりました。そして1910年、ウェストバージニア州知事が「5月の第2日曜日を母の日とする」と発表し、1914年にはアメリカ議会で正式に母の日が制定されるに至りました。アンナが白いカーネーションを贈ったことから、カーネーションは母の日の象徴として広く知られるようになりました。その後、白いカーネーションは「亡くなった母に贈る花」、赤いカーネーションは「健在な母に贈る花」として用いられるようになったのです。なお、アメリカ発祥の説の他にも、古代ローマやギリシャにおける女神に感謝する祭りが起源とする説も存在します。
父の日も母の日がきっかけ
母への感謝を伝える母の日と同じように、父への感謝を表す日として、6月の第3日曜日には「父の日」があります。この父の日も、実はアメリカが発祥の記念日です。その起源は1910年に遡り、JBドットという女性が「父の日の礼拝」をしてもらったことが始まりとされています。彼女は、男手一つで育てられた経験から、「母の日があるのに、父の日がないのはおかしい」と感じ、「父に感謝する日を設けたい」と強く訴えたそうです。この彼女の思いが、父の日が広まるきっかけとなりました。ただし、アメリカで祝日として正式に認められたのは、1972年のことでした。
日本の母の日はいつ始まったのか?
日本で母の日が知られるようになったのは、大正時代に遡ります。当初はキリスト教関連の組織が中心となり、その普及に努めていました。その後、昭和6年には大日本連合婦人会が、皇后陛下の誕生日を母の日と定めましたが、一般には浸透しませんでした。母の日が全国的な行事として定着するきっかけとなったのは、昭和12年に開催されたお菓子会社のイベント「母の日大会」でした。このイベントがメディアで取り上げられたことで、母の日の認知度が向上しました。当初は日曜日開催ではありませんでしたが、戦後、アメリカ文化の影響を受け、5月の第二日曜日が母の日として定着し、日本全国に広まりました。
母の日は、余裕をもって準備を
毎年5月の第二日曜日は、お母さんへの感謝を伝える母の日です。ゴールデンウィーク明けと重なるため、つい忘れてしまいがちですが、事前の準備がおすすめです。母の日の過ごし方は国によって様々です。日本ではカーネーションが定番ですが、最近では他のプレゼントも人気があります。バラやアジサイなどの花や、お母さんが喜ぶアイテムを贈るのも良いでしょう。早めに準備をして、大切な人へ感謝の気持ちを伝えてみましょう。