べか菜(山東菜)の完全ガイド:特徴、育て方、選び方、レシピ、保存法

「べか菜」または「山東菜」という野菜をご存じでしょうか。見た目は白菜に似ていますが、結球しない独特の形状をしており、小松菜のように使いやすい小型のものから、漬物に適した大型のものまで、さまざまな用途で食卓を豊かにします。中国の山東省が原産で、明治時代に日本へ伝わってから、特に関東地方で広く食されています。アブラナ科に属するこの野菜は、葉の柔らかさとアクの少なさから、生食をはじめ、煮物、炒め物、漬物など、幅広い料理に活用できるのが魅力です。この記事では、べか菜(山東菜)の基本的な特徴、家庭菜園での育て方、選び方のポイント、保存方法、そしておすすめのレシピまで、その魅力を詳しく解説します。この記事を通して、べか菜(山東菜)の新たな魅力を発見し、毎日の食卓に取り入れるヒントを得ていただければ幸いです。

べか菜(山東菜)とは?特徴と白菜との違い

べか菜(山東菜)は、アブラナ科の葉物野菜で、日常的に目にする白菜と同じ仲間ですが、いくつかの点で違いが見られます。最も大きな特徴は、一般的な白菜のように葉が結球しないことです。葉は外側に大きく広がるように成長します。そのため、小さいうちに「べか菜」として収穫され、小松菜やほうれん草のように手軽に利用されることが多いです。一方、漬物などに使う場合は、株を大きく育てて「山東菜」として収穫します。このように、用途に合わせて使い分けられるのが、この野菜の魅力です。

名前の由来と地域ごとの呼び方

「山東菜」という名前は、原産地である中国の山東省に由来します。日本へは明治時代初期に伝わり、各地で栽培されるようになりました。地域によってさまざまな呼び名があり、関東地方では「べか菜」という名前が一般的です。関西や九州地方では、「菜っ葉」や「はくさい菜」と呼ばれることもあります。これらの多様な呼び名からも、べか菜(山東菜)が日本の食文化に深く根付いていることがわかります。

べか菜(山東菜)の葉の魅力

べか菜(山東菜)の葉は、見た目にも特徴があります。鮮やかなライムグリーンの色合いは、食欲をそそります。葉は柔らかく、加熱後もその食感が損なわれにくいのが特徴です。また、アクが少ないため、下処理なしでそのままサラダとして食べられます。特に、柔らかい間引き菜は生食に最適で、シャキシャキとした食感とさっぱりとした味わいを楽しめます。肉厚で水分を多く含んでいるため、煮物や炒め物、漬物など、加熱調理にも適しています。

「べか菜」と「山東菜」の使い分け

べか菜と山東菜は、同じ種類の野菜ですが、収穫のタイミング、大きさ、主な用途によって名前が変わります。一般的に「べか菜」と呼ばれるのは、株がまだ小さく、葉がやわらかい状態で早く収穫されたものです。小松菜やほうれん草のように、和え物や炒め物、お味噌汁の具など、普段使いの葉物野菜として気軽に調理できます。お店でよく見かけるのはこの早採りされたべか菜で、ほぼ一年中栽培されているため、手に入りやすいのが特徴です。

一方、「山東菜」と呼ばれるのは、株が大きく育ち、重さが3kgから6kgにもなる大きなものです。主に漬物用として栽培され、収穫時期は11月下旬から1月頃の冬が中心です。白菜と同じように、株を丸ごと漬け込むことで、山東菜ならではの風味と食感を存分に楽しめます。このように、同じ野菜でも、収穫時期と用途によって名前が異なり、それぞれ違った魅力と活用方法があるのがべか菜(山東菜)のおもしろいところです。

白菜とべか菜(山東菜)の明確な違い

べか菜(山東菜)は白菜の一種ですが、いくつかの点で白菜とは異なる特徴があります。一番大きな違いは「結球性」です。白菜は内側の葉が重なり合って球状になる「結球型」ですが、べか菜(山東菜)は葉が外側に開いた「半結球型」または「不結球型」です。そのため、見た目や形も異なります。また、大きな山東菜は白菜よりも葉が厚く、水分が多い傾向があります。

調理方法の違いとしては、山東菜は煮込むととてもやわらかくなりますが、白菜よりも煮崩れしやすいという特徴があります。そのため、煮物や鍋料理に使うときは、調理時間に気をつけたり、大きめに切るなどの工夫が必要です。アクが少ない点は共通していますが、べか菜は特にやわらかく、生のままサラダとして食べられるため、白菜よりも幅広い料理に使えます。これらの違いを知っておくと、それぞれの野菜の特性を活かした料理をもっと楽しめるでしょう。

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家庭菜園でべか菜(山東菜)を育てよう!栽培の全工程

べか菜(山東菜)は家庭菜園でも比較的簡単に育てられる野菜です。ここでは、種まきから収穫までの詳しい手順と、栽培中の管理方法について解説します。初心者の方でもおいしいべか菜を収穫できるように、わかりやすくご説明します。

栽培適期と土壌準備

べか菜(山東菜)の栽培に適した時期は、春と秋の年2回です。春まきは3月から5月頃、秋まきは8月から10月頃が目安です。お住まいの地域の気候に合わせて、適切な時期を選びましょう。土壌の準備は、元気な野菜を育てるためにとても大切です。まず、栽培する畑やプランター全体に肥料(堆肥や有機肥料など)をまんべんなくまき、土を深く耕します。土がふかふかになるまでしっかり耕すことで、根が深く伸び、水はけと保水性の良い環境を作ることができます。耕し終わったら、レーキなどで土の表面を平らに整えます。こうすることで、種まきがしやすくなり、発芽後の成長も均一になります。

種まきの方法とポイント

土作りが終われば、いよいよ種をまきます。山東菜(べか菜)の種まきでは、「条まき」が一般的です。これは、地面に支柱や棒で浅い直線状の溝を作り、その溝に沿って種をまく方法です。溝の深さは1cmを目安にしましょう。品種は様々ですが、ここでは「大東京べかな」の種をまきました。山東菜の種は非常に小さく、土の色に紛れて見えにくいことがあります。発芽しない種もあるため、少し多めにまくのが一般的ですが、後の間引きを考えると、1cm間隔で丁寧にまくと良いでしょう。種をまいた後は、薄く土を被せ、軽く手で押さえて種と土を密着させます。最後に、たっぷりと水をあげましょう。

発芽後の管理:水やり、間引き、土寄せ

種まきから数日~1週間ほどで、可愛らしい芽が出てきます。発芽するまでは、土が乾かないようにこまめに水やりをするのが大切です。特に乾燥しやすい時期は、朝晩2回、土の表面が乾いたらたっぷりと水を与えましょう。種を多めにまいた場合は、芽が密集して生えてくることがあります。そのままにしておくと、株同士が養分や光を奪い合い、十分に育たなくなるため、適宜「間引き」を行います。

間引きは、風通しと日当たりを良くし、残す株の成長を促すことが目的です。密集している場所から、生育が悪いものや形の悪いものを選んで抜き取ります。最終的には、株間が10~15cm程度になるように調整しましょう。間引きと同時に行うのが「土寄せ」です。間引きで株元が不安定にならないように、周りの土を軽く株元に寄せて安定させます。間引きで抜き取った若い葉、いわゆる「間引き菜」は、ベビーリーフとしてサラダなどに利用でき、栄養も豊富で家庭菜園ならではの楽しみです。

病害虫対策と不織布の活用

山東菜(べか菜)を元気に育てるためには、病害虫対策も欠かせません。特にアブラナ科の野菜は、アオムシなどの害虫に狙われやすいため、対策が必要です。最も効果的な方法の一つが「不織布」を使うことです。種まき後、または発芽後すぐに不織布をかけることで、害虫の侵入や産卵を防ぐことができます。不織布をしっかりと被せておけば、農薬を使わなくても虫から葉を守ることができ効果的です。不織布は収穫までかけておくのがおすすめです。週に1回程度畑に行き、間引きや土寄せをする際に不織布を一度剥がして作業し、作業後に再度しっかりと被せましょう。不織布の中で株が窮屈になる心配はほとんどありません。不織布の活用は、農薬を使いたくない家庭菜園に有効な手段です。

成長の記録と収穫の喜び

栽培期間中は、週に一度畑の様子を観察し、必要に応じて間引きや土寄せ、水やりを行います。例えば、3月14日に種まきをし、4月5日には可愛らしいベビーリーフが芽を出し、混み合ってきます。このタイミングで一度目の間引きを行い、間引き菜をサラダとして味わいます。その後も週ごとに成長し、4月18日には不織布の中がいっぱいになるほどになります。このように、間引きと土寄せを繰り返しながら株の間隔を空けていくことで、それぞれの株が大きく育っていきます。

そして、種まきから約1ヶ月半~2ヶ月後、例えば5月2日には、収穫を迎えることができます。それぞれの株が大きく成長し、たくさんの山東菜(べか菜)を収穫できます。家庭菜園で愛情込めて育てた野菜を収穫する喜びはひとしおです。収穫したての新鮮な山東菜は、最高の味わいです。春まきの山東菜の収穫が終わると、次はミニトマトなどの夏野菜の栽培が始まるなど、季節と共に様々な野菜作りを楽しめます。一連の栽培を通して、植物の生命力や、手間をかけることの楽しさを実感できるでしょう。

新鮮なべか菜(山東菜)を選ぶ・保存するコツ

食卓に美味しく新鮮なべか菜(山東菜)を取り入れるには、購入時の選び方と、ご家庭での適切な保存方法を把握することが大切です。大きく育った山東菜と、早採りされた小ぶりのべか菜では、選び方や保存方法に少し違いがありますので、それぞれのポイントをしっかり押さえておきましょう。

べか菜(山東菜)を選ぶ際の共通ポイント

まず、べか菜(山東菜)を選ぶ上で共通して重要なのは、葉の状態をよく見ることです。新鮮なものは、葉がぎゅっと詰まっていて、全体的にピンとしたハリがあります。葉がしんなりしていたり、元気なくぐったりしているものは、鮮度が落ちているかもしれません。また、葉の色も大切な判断材料です。生き生きとしたライムグリーンや鮮やかな緑色で、変色や黄ばみがないものを選びましょう。これらの基本ポイントを確認することで、質の良いべか菜(山東菜)を見極めることができます。

大型の山東菜の選び方

漬物などに使われる大きく育った「山東菜」を選ぶ際には、さらにいくつか見ておきたい点があります。まず、切り口をチェックしましょう。収穫から時間が経っていないものは、切り口が小さく、断面が平らで潤っています。もし切り口が大きく、断面が盛り上がっていたり、乾燥している場合は、収穫から時間が経っている可能性があるので避けた方が良いでしょう。また、手に取った時にずっしりと重みを感じるものを選ぶのがおすすめです。これは、水分をたっぷり含んでいて、新鮮さの証となります。株全体に傷や虫食いがないか、葉が折れていないかなども確認し、より良い状態のものを選びましょう。

小型のべか菜の選び方

小松菜のように束で売られている小型の「べか菜」は、みずみずしさが特に重要です。葉全体が鮮やかな緑色をしていて、水分をたっぷり含んでいるかを確認しましょう。葉先までピンと伸びていて、しおれていたり、葉が折れ曲がったりしていないものが新鮮であるサインです。また、根元の部分も確認しましょう。変色がなく、きれいに切り揃えられているものが理想的です。束で販売されている場合は、全体的に葉が密集していてボリュームがあるものを選ぶと良いでしょう。べか菜は生でも食べられるため、見た目の鮮度は特に重要な判断基準となります。

べか菜(山東菜)の保存方法

せっかく手に入れたべか菜(山東菜)を、できるだけ長く美味しく味わうためには、適切な保存方法を知っておくことが大切です。大きく育った山東菜と、小ぶりなべか菜では、それぞれ適した保存の仕方が異なります。

丸ごとの大型山東菜の保存

大きく丸ごとの山東菜を保存する際に最も重要なのは、乾燥させないことです。山東菜全体を丁寧に新聞紙で包み込み、温度変化の少ない冷暗所(例:風通しの良い玄関や、日の当たらない物置など)で保管しましょう。この方法で、ある程度の期間は鮮度を維持できます。ただし、どんな野菜も鮮度が落ちると味が落ちてしまいます。できるだけ早く、購入してから一週間以内を目安に調理することをおすすめします。冷蔵庫に余裕があれば、新聞紙で包んだ上からポリ袋に入れて、冷蔵庫の野菜室で保存すると、さらに長持ちします。

小型のべか菜の保存

小松菜のように束ねられた小型のべか菜は、大型の山東菜に比べて水分が抜けやすいため、より丁寧に保存する必要があります。まず、乾燥を防ぐために、新聞紙やキッチンペーパーで全体を包み、さらにポリ袋に入れて密閉します。そして、冷蔵庫の野菜室に「立てて」保存するのがポイントです。これは、野菜が畑で育っていた時と同じような状態にすることで、鮮度を保ちやすくするためです。立てて保存することで、葉が自然な状態を保ち、余分な水分が蒸発するのを抑えます。小型のべか菜は、大型のものよりも傷みやすいため、できるだけ早く食べるようにしましょう。購入後、数日以内に使い切るのが理想です。もし使い切れない場合は、軽く茹でて水気を絞り、小分けにして冷凍保存することも可能です。冷凍したべか菜は、お味噌汁やスープなどの汁物、あるいは炒め物などに加熱調理して使いましょう。

べか菜(山東菜)の美味しい食べ方と絶品レシピ

べか菜(山東菜)は、アクが少なく、葉が柔らかいのが特徴です。生のままサラダにしたり、煮物、炒め物、お漬物など、和洋中問わず様々な料理に使える万能な野菜です。ここでは、べか菜(山東菜)の美味しさを最大限に引き出す食べ方と、おすすめのレシピをご紹介します。

生でも加熱しても!多彩な調理方法

山東菜(べか菜)は、ほうれん草のような下茹での手間がいらないため、生のまま美味しく食べられます。特に、まだ小さくて柔らかい間引き菜は、シャキシャキとした歯ごたえとさっぱりとした風味が際立ち、サラダに最適です。大きく育って葉がしっかりとしてきたら、浅漬けにしたり、軽く茹でておひたしにしたり、炒め物に使ったりと、加熱調理にも幅広く活用できます。白菜と同じように、鍋料理や八宝菜のような炒め物にも相性が良く、餃子の具材としても美味しくいただけます。その柔らかさとアクの少なさから、どんな料理にも馴染みやすく、他の葉物野菜とは違った風味と食感を楽しめます。

間引き菜の活用方法と下処理のポイント

家庭菜園ならではの楽しみと言えば、間引き菜を有効活用することです。間引き菜には、これから成長するために必要な栄養が小さな葉に凝縮されているため、栄養価が高いのが特徴です。ベビーリーフのような間引き菜は、採れたてをサラダでいただくのが特におすすめです。また、収穫したばかりの山東菜(べか菜)には、畑の土が付いていることがあるので、調理前に丁寧な下処理をすることが大切です。大きめのボウルにたっぷりの水を張り、山東菜を浸して泥を洗い流します。何度か水を替えながら、葉の間に挟まった土を丁寧に落としましょう。根元をまとめて持ち、ハサミで根を切ると、スムーズに下処理ができます。このひと手間を加えることで、より美味しく、安心して山東菜を味わうことができます。

山東菜(べか菜)の間引き菜を使った簡単サラダ

収穫したばかりの新鮮な山東菜(べか菜)の間引き菜をシンプルに味わう、手軽で美味しいサラダのレシピをご紹介します。間引き菜ならではの爽やかな風味と心地よい食感が楽しめます。

材料

  • 山東菜(べか菜)の間引き菜:1束
  • ツナ缶:1缶(油漬けまたは水煮、お好みで)
  • 醤油:小さじ1
  • ごま油:小さじ1
  • かつお節:お好みで(ツナ缶がない場合や、風味を足したい時に)

作り方

  1. 山東菜(べか菜)は丁寧に洗い、しっかりと水を切ってから、口に入れやすい大きさにカットします。
  2. ボウルに水気を切った山東菜、軽く油を切ったツナ缶(または水煮缶)、醤油、ごま油を加えます。
  3. 全体を丁寧に混ぜ合わせます。ツナ缶の代わりに、風味豊かな鰹節を加えても美味しくいただけます。鰹節の風味が山東菜の味を引き立てます。
  4. 器に盛り付ければ完成です。ツナ缶を加えることで、より満足感のある一品になります。

山東菜(べか菜)の浅漬け

山東菜(べか菜)本来の優しい味わいと、柔らかい食感を堪能できる、定番の浅漬けです。シンプルな味付けなので、ご飯のお供やちょっとしたおつまみにも最適です。

材料

  • 山東菜(べか菜):1束
  • 塩:小さじ1
  • 昆布だし:少量(昆布茶の粉末でも代用可能)

作り方

  1. 山東菜を丁寧に洗い、水気をよく切ってから、食べやすい大きさに切ります。茎の部分が硬い場合は、細かく切るか、薄くスライスするのがおすすめです。
  2. カットした山東菜をボウルに入れ、塩小さじ1と昆布だし(または昆布茶の粉末)を少量加えます。
  3. 手で山東菜を優しく揉み込みます。全体に塩味がなじみ、少ししんなりとするまで丁寧に揉みましょう。
  4. 揉み込んだ山東菜を、ジッパー付き保存袋など密閉できる容器に入れるか、清潔な保存容器に移し、冷蔵庫で30分~数時間ほど漬け込みます。
  5. 作ってすぐに食べても美味しいですが、一晩置くと味がより染み込み、風味が増してさらに美味しくなります。いただく直前に軽く水分を絞ると、シャキシャキとした食感を楽しめます。

大きな山東菜の本格漬物

大きく育った山東菜は、肉厚な葉とたっぷりの水分を活かし、本格的な漬物にするのがおすすめです。白菜漬けと同様に、冬場の保存食として昔から親しまれています。

作り方

  1. 山東菜を丁寧に水洗いし、土や汚れをしっかりと洗い流します。その後、1株を縦方向に6~8等分に切ります。こうすることで、塩味が均一に染み込み、漬け込み作業がスムーズになります。
  2. カットした山東菜を、風通しの良い場所で半日程度、軽く天日干しにします。余分な水分が抜けることで、風味が凝縮され、食感が向上します。完全に乾燥させず、少ししんなりする程度で十分です。
  3. 清潔な漬物容器の底に、塩を薄く敷き、その上に山東菜を丁寧に並べていきます。山東菜と塩を交互に重ねながら、風味豊かな昆布、ピリ辛な鷹の爪(輪切り)、爽やかなゆずの皮などを適量加えます。
  4. すべての山東菜を容器に詰め終えたら、落し蓋をし、重石を置きます。最初は、山東菜の重量の2〜3倍程度の重めの重石を乗せ、水分(上がり水)が出てくるのを待ちます。
  5. 上がり水が十分に上がってきたら、重石を軽くし(山東菜の重量の半分程度)、そのまま2~3日ほど漬け込みます。漬け込み時間は、お好みの漬かり具合に応じて調整してください。
  6. 漬け上がったら、軽く水洗いして水気を絞り、食べやすい大きさにカットしていただきます。冷蔵庫で保存し、1週間~10日程度を目安に早めに食べきりましょう。

その他のおすすめ調理法

べか菜(山東菜)は、漬物以外にも様々な料理に活用できます。白菜の代わりに、鍋料理や八宝菜などの炒め物に使うのもおすすめです。柔らかい食感とアクの少なさで、他の食材の味を邪魔せず、全体の風味をより豊かにしてくれます。加熱する際は、山東菜は白菜よりも煮崩れしやすい傾向があるため、調理の最後に加えるなど、加熱時間には注意しましょう。

また、お浸しにする場合は、さっと茹でて醤油やポン酢でシンプルに味わうのがおすすめです。ごま和えにしても美味しくいただけます。味噌汁の具材としても、優しい風味ととろけるような食感が汁物とよく合います。さらに、餃子の餡に加えることで、ジューシーで風味豊かな餃子に仕上がります。鮮やかなライム色の葉は、見た目にも美しく、食卓を彩り豊かにしてくれます。柔らかくて食べやすい野菜なので、日々の食生活に積極的に取り入れてみてください。特に浅漬けは、作りたてのフレッシュな味わいと、翌日の味が染み込んだ美味しさの両方を楽しめるので、ぜひ一度お試しください。

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べか菜(山東菜)の旬と出回り時期

べか菜(山東菜)は、比較的年間を通して市場に出回っていますが、「山東菜」として大きく育ったものと、「べか菜」として若採りされるものでは、旬の時期が異なります。これらの時期を知っておくと、より美味しく、新鮮なべか菜(山東菜)を選ぶことができます。

大型の山東菜がおいしい時期

山東菜は、大きく育てて漬物などに利用されますが、本格的な収穫シーズンは、晩秋から冬にかけての11月下旬から1月あたりです。この時期の山東菜は、寒さにあたることで甘みが増し、葉も厚みを増して、漬物に適した状態になります。市場のデータを見ると、山東菜全体の出荷量は年間を通して見られますが、特に3月頃から徐々に増え始め、12月頃に出荷のピークを迎える傾向があります。これは、冬の需要期を見越して大きく育てられた山東菜が、市場に多く供給されるためと考えられます。旬の時期には、特に品質の良い山東菜が手に入りやすいでしょう。

小型のべか菜の栽培シーズン

一方、若いうちに収穫される「べか菜」は、ほぼ一年を通して栽培が可能です。温暖な地域やハウス栽培では、季節に関係なく栽培されるため、市場への供給も安定しています。家庭菜園でも、春と秋が種まきに適した時期とされていますが、きちんと管理すれば、ほぼ一年中、新鮮なべか菜を収穫できます。そのため、スーパーなどで小松菜やほうれん草のように束で売られているべか菜は、比較的いつでも手に入れることができる野菜です。季節を問わず食卓に彩りと栄養を加えてくれるので、とても便利です。

まとめ

べか菜(山東菜)は、アブラナ科の植物で、白菜の一種ですが、結球しない独特の姿を持つ魅力的な野菜です。中国の山東省が原産で、日本では地域によって「べか菜」「山東菜」「菜っ葉」など、さまざまな名前で親しまれています。この野菜の特長は、柔らかくアクの少ない黄緑色の葉で、サラダとして楽しめる間引き菜から、漬物に適した大きな株まで、幅広い用途で利用できます。特に家庭菜園では、春と秋に種をまくことができ、土づくりから種まき、間引き、土寄せ、不織布を使った病害虫対策、収穫までの一連の作業を通して、野菜を育てる喜びを存分に味わえます。選び方のポイントは、葉のハリや色、切り口の状態、そして重さなどが重要です。保存する際は、乾燥を防ぐために新聞紙で包み、冷蔵庫の野菜室で立てて保存すると、鮮度を保つことができます。

食卓では、その万能さが光ります。間引き菜を使ったツナサラダや、シンプルな浅漬けは、べか菜のやさしい風味を最大限に引き出す最高のレシピです。大きく育った山東菜は、本格的な漬物として冬の食卓を豊かに彩ります。その他、鍋物、炒め物、おひたし、味噌汁、餃子の具材としても活躍し、どんな料理にも合う柔軟性を持っています。大型の山東菜の旬は冬ですが、小型のべか菜は一年を通して栽培・収穫できるため、いつでも気軽に楽しめます。この記事で紹介した知識とレシピを参考に、ぜひべか菜(山東菜)を毎日の食生活に取り入れ、その多様な魅力とおいしさを体験してみてください。きっと、食卓がより豊かで健康になるはずです。

べか菜と山東菜は同じ野菜のことですか?

はい、べか菜と山東菜は同じ種類の野菜で、どちらもアブラナ科に属しています。主に収穫する時期と大きさによって呼び方が変わります。小さく、まだ若い状態で収穫したものが「べか菜」と呼ばれ、小松菜のように手軽な葉物野菜として使われます。一方で、漬物にするために大きく育てたものが「山東菜」と呼ばれ、重さが3~6kgにもなる大きな株を指します。

べか菜は白菜とどう違うのですか?

べか菜、別名山東菜は、白菜の仲間ですが、一番の特徴は結球しないことです。通常の白菜は葉が内側に巻き込み、しっかりと球状に結びますが、べか菜(山東菜)は葉が外側に広がるように生育します。また、大きく育った山東菜は、白菜に比べて葉が厚く、水分を多く含んでいることが多く、加熱すると白菜よりも柔らかくなりやすい傾向があります。

べか菜は生で食べられますか?アク抜きは必要ですか?

はい、べか菜は生の状態で美味しくいただけます。アクが少ないため、アク抜きの手間は不要です。特に、小さくて柔らかい間引き菜は、サラダにすると、そのみずみずしい食感とさっぱりとした風味を存分に楽しむことができます。

べか菜の旬はいつ頃ですか?

大きく育った山東菜としての旬は、晩秋から冬にかけての11月下旬から1月頃です。この時期は甘みが増し、漬物にするのに最適です。一方で、小ぶりのべか菜は一年を通して栽培されており、比較的いつでも手に入れることができます。特に3月頃から市場に出回る量が増え、12月頃に最盛期を迎えます。

家庭菜園でべか菜を育てる際のポイントは何ですか?

家庭菜園でべか菜を栽培する上で重要なポイントはいくつかあります。まず、種まきに適した時期は、春(3~5月)と秋(8~10月)です。土壌は、肥料を混ぜて耕し、ふかふかの状態にしてから平らに整えます。種は、1cm程度の間隔で「条まき」するのがおすすめです。発芽後は、土が乾燥しないように丁寧に水やりを行い、葉が混み合ってきたら間引きと土寄せを忘れずに行いましょう。病害虫対策としては、不織布で覆うことで、農薬を使わずに虫から守ることができます。間引いた葉も美味しく食べられます。

山東菜(べか菜)の上手な選び方と保存方法を教えて!

新鮮な山東菜を選ぶポイントは、葉が密に重なり合っていて、ピンと張りがあり、鮮やかな緑色で潤いがあることです。大きな山東菜の場合は、切り口が小さく、手に持った時にずっしりと重みを感じるものがおすすめです。保存する際は、乾燥させないように注意しましょう。丸ごとの大きな山東菜は、新聞紙に包んで風通しの良い冷暗所に置くと良いでしょう。小さめのべか菜は、新聞紙などで包んだ後、ポリ袋に入れて冷蔵庫の野菜室に立てて保存すると長持ちします。いずれにしても、できるだけ早く食べるようにしましょう。

山東菜