ローズマリーとは:知っておきたい基本情報と活用方法

庭先やキッチンでその姿を見かけることも多いローズマリー。爽やかな香りは料理の風味づけだけでなく、アロマテラピーなど幅広い用途で私たちを魅了します。この記事では、ローズマリーの基本情報から、知られざるパワー、そして日常生活での賢い活用方法までを徹底解説。美容と健康をサポートする万能ハーブ、ローズマリーの魅力を再発見し、あなたの生活に取り入れてみませんか?

ローズマリーとは

ローズマリーは、ハーブの中でも特に親しみやすく、多様な効果・効能を持つことで古くから人々に利用されてきました。抗菌作用、抗酸化作用、血行促進作用、抗炎症作用など、私たちの健康と美容に多岐にわたる恩恵をもたらします。ローズマリー(学名:Salvia rosmarinus)は、シソ科に属する常緑性の低木で、「迷迭香(マンネンロウ)」という和名でも知られています。原産地は地中海沿岸地域で、特に海岸部によく見られます。細長く緑色の葉から放たれる、甘くも爽やかな香りが特徴的で、生葉や乾燥させた葉は、古くから薬用として、また肉や魚料理の臭み消しや風味付けに活用されてきました。食用可能な花は、観賞用としても人気があります。さらに、水蒸気蒸留によって抽出される精油は、アロマテラピーや医療分野、商業用の消臭剤としても広く用いられています。抗酸化作用や血行促進効果が期待できることから、「若返りのハーブ」とも呼ばれ、エイジングケアの分野でも長い間注目されてきました。また、その清涼感あふれる香りは、集中力を高めたい時や疲労を感じる時に、気分をリフレッシュさせる効果も期待でき、心身のリラックスにも役立ちます。

ローズマリーの分類と学名の変遷

ローズマリーは、その独特な香りと多機能性によって世界中で愛用されているハーブですが、近年、植物学的な分類に変化がありました。以前は独立したRosmarinus属に分類され、「Rosmarinus officinalis」という学名で広く知られていましたが、分子系統学的な分析が進んだ結果、2017年2月に発表された研究論文により、シソ科のアキギリ属(Salvia)に含めることが適切であるという見解が示されました。この分類変更は、これまでSalviinae亜族に分類されていたDorystaechas属、Meriandra属、Perovskia属、Zhumeria属、そしてマンネンロウ属(Rosmarinus属)の5つの属が、アキギリ属として扱われるべきであるという研究結果に基づいています。その結果、「Salvia rosmarinus」(1835年にドイツの植物学者シュレヒテンダールによって使用された学名)が現在の正式な学名として提唱され、多くの植物データベースでもこの見解が採用されています。和名の「迷迭香(マンネンロウ)」は、学名に由来するものです。

「海の雫」を意味する語源と生態

ローズマリーという名前そのものにも、深い歴史と意味が込められています。種小名(以前は属名)である「Rosmarinus」は、ラテン語の「ros(雫)」と「marinus(海)」を語源としており、「海の雫」という意味を持っています。これは、地中海沿岸の岩場に自生し、海の飛沫を浴びながら育つローズマリーの姿に由来するとされています。この植物は、成長すると高さ1.8メートルに達する常緑の低木で、厚みのある細長い緑色の葉を一年中つけます。葉を軽くこすると、針葉樹の松を思わせるような、すっきりとした清涼感のある香りが広がります。冬から春にかけては、青色や紫色がかった白色、あるいは桃色の美しい花を咲かせ、観賞用としても人気があります。温暖で乾燥した気候を好む一方で、比較的寒さにも強く、日当たりの良い場所であれば一年を通して室内での栽培も可能です。種まきや挿し木で増やすことができ、アルカリ性から弱酸性の土壌を好みます。根腐れを起こしやすいため、水の与えすぎには注意が必要です。

ローズマリーの象徴的な意味と花言葉

ヨーロッパでは古くから、ローズマリーは教会、故人、そして生者を邪悪なものから守る神秘的な力を持つと信じられており、「記憶」や「忠誠」を象徴するハーブとして、お祝い事、結婚式、葬儀など、人生における様々な場面で用いられてきました。特にキリスト教圏では「変わらぬ愛と忠誠」のシンボルとされ、聖母マリアにまつわる有名な物語も伝えられています。聖母マリアがヘロデ王の軍隊から逃れる際、幼いイエスを連れてエジプトへ向かう途中、白い花を咲かせていた低木に青いマントをかけ、その下で休息をとりました。すると、その白い花はマントと同じ青色に変わり、聖母マリアとイエスは追っ手から逃れることができたとされています。この出来事から、その花は「ローズ・オブ・マリー(マリアのバラ)」と呼ばれるようになったと言われています。さらに、ローズマリーは様々な花言葉と誕生花を持っています。誕生花としては、1月13日、1月21日、4月23日、5月9日、5月27日、9月17日、9月20日、10月6日、11月15日、11月22日など、多くの日付に割り当てられています。花言葉には、「追憶」「思い出」「記憶」「貞節」「変わらぬ愛」「誠実」「親切」「私を思って」「静かな力強さ」「あなたは私を蘇らせる」といった、深い愛情や記憶、誠実さを象徴するものが多く、古くから人々の心に寄り添うハーブとしての役割を表しています。これらの花言葉は、ローズマリーが単なる香り付けのハーブとしてだけでなく、人々の感情や文化に深く根ざした存在であることを物語っています。

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ローズマリーの多彩な効果・効能

ローズマリーは、古くからの知恵と近年の研究により、心身の健康をサポートする様々な効果・効能を持つことがわかっています。その清々しい香りは、集中力を向上させ、気分転換を促すため、記憶力や注意力の向上、眠気覚ましに役立つとされています。特に勉強や仕事中に利用することで、その効果を実感しやすいでしょう。さらに、ローズマリーが持つ抗菌・抗酸化作用は、体の内側と外側の両方から働きかけ、年齢による肌の悩みに対応するスキンケアや、毛穴を引き締める効果も期待できます。加えて、ローズマリーの血行促進効果は、疲労回復を助け、冷え性の改善にも貢献すると考えられています。頭皮の血流を促進することで、抜け毛予防や白髪対策といったヘアケア製品にも利用されています。ローズマリーは抗炎症作用も有しており、筋肉痛や関節痛の緩和に役立つ可能性があります。消化器系においては、胆汁の分泌を促進し、食欲不振や消化不良の改善をサポートし、胃腸の調子を整える効果が期待できます。また、呼吸器系にも良い影響を与え、粘液溶解作用により、鼻水や痰を和らげ、鼻詰まりの緩和に役立つと考えられています。

ローズマリーの歴史的薬効と「盗賊の酢」の物語

ローズマリーは、古来より薬草として用いられ、特に記憶力を高める効果があると信じられていました。かつてヨーロッパで大流行したペストの予防にも利用された歴史があります。特に有名なのは、17世紀に南フランスのマルセイユでペストが蔓延した際のエピソードです。ペストで亡くなった人々から盗みを働いていた盗賊たちが、なぜかペストに感染しなかったという話があります。彼らは、セージ、タイム、ラベンダー、ローズマリーなどのハーブを酢に浸した液体を体に塗布することで感染を防いだとされ、この酢は「盗賊の酢(Four Thieves Vinegar)」と呼ばれました。当時、病気の原因は瘴気(ミアズマ、悪い空気)だと考えられていたため、ローズマリーを焚いて空気を清めることが、病人のいる場所や病院で行われました。イギリスでは、かつて伝染病予防のために法廷に持ち込まれたこともあります。さらに、ローズマリーをアルコールと共に蒸留して作られたローズマリー水、通称「ハンガリーウォーター」は、もともと薬用酒として用いられ、後にヨーロッパ初のアルコールベースの香水として美容にも利用されるようになりました。これらの歴史的事実は、ローズマリーが単なる料理用ハーブ以上の、深い薬用・文化的な価値を持っていたことを物語っています。

科学が明らかにするローズマリーの機能性成分と研究例

ローズマリーの持つ多様な効果は、その豊富な機能性成分に起因すると考えられています。主な成分としては、抗酸化作用を持つカルノシン酸やロスマリン酸、そしてカフェタンニン類などの多様なポリフェノールが含まれています。これらのポリフェノールは、強力な抗酸化作用を発揮し、体内の活性酸素を除去することで、細胞のダメージを防ぎ、エイジングケアや病気の予防に貢献すると期待されています。ローズマリーの香りの源となる成分には、1,8-シネオールやカンファーなどが含まれており、これらの成分が消化促進、殺菌、強壮効果、さらには美肌効果につながると考えられており、「若返りのハーブ」とも呼ばれています。近年の研究では、乾燥ローズマリーを95%エタノールで抽出した成分(精油は含まれない)に、高い抗ウイルス活性と抗酸化活性が認められており、その消臭効果は市販の消臭剤にも応用されています。動物実験においては、高脂肪食によって引き起こされる肝臓の壊死を予防できることが確認されており、肝機能保護や炎症性腸疾患への効果も期待されています。以前、日本の「食品ピラミッド」では、ローズマリーが癌予防効果のある食材として分類されていた時期もあり、その健康効果に対する関心の高さが窺えます。

ローズマリー使用時の注意点と安全性

多くの利点を持つローズマリーですが、使用にあたってはいくつかの注意点があり、特に医療目的で大量に使用する場合には注意が必要です。重度の高血圧の方は、ローズマリーの摂取や使用を控えることが推奨されます。ローズマリーには血行を促進する作用があるため、血圧に影響を与える可能性があるためです。また、妊娠中の方は、大量摂取を避けるようにしましょう。ハーブの中には子宮収縮作用を持つものもあり、安全のために過度な使用は避けることが大切です。調味料としての使用量であれば一般的に問題ないとされていますが、ヒトに対する医療目的での大量使用における薬効については、信頼できる十分な臨床データが確立されているとは言えません。そのため、自己判断での過剰摂取や、専門家のアドバイスなしに治療目的で使用することは避けるべきです。

ローズマリー精油の特性と使用上の注意点

ローズマリーのエッセンシャルオイルを使用する際は、その特性を深く理解することが不可欠です。精油の成分構成は、植物の種類(ケモタイプ)、原産地、収穫年によって異なり、特にカンファーを多く含む精油は、過去に中毒を引き起こした事例が報告されています。ローズマリー精油に含まれるカンファーの割合は、高い場合50%を超えることもあり、この高濃度のカンファーは神経系に影響を与え、痙攣などの症状を引き起こす可能性があります。そのため、カンファー含有量の高い精油は、特に乳幼児、妊婦、てんかんを患っている方は使用を避けるべきです。また、市場に出回っている精油の中には、品質を偽ったり、量を増やすために不正な混ぜ物をするケースも見られます。カンファー油、テレビン油、ユーカリ油、アトラスシダー油などが添加されたり、低品質の精油を良く見せるためにテルペンを取り除く処理が行われることがあります。このような偽りのある精油を使用した場合、本来のアロマテラピー効果は期待できず、健康上のリスクを招くおそれがあります。精油を購入する際は、信頼できるブランドを選び、成分表示をしっかりと確認することが重要です。これらの注意点を守り、ローズマリー、特に精油を正しく使用することで、そのメリットを安全に享受することができます。

ローズマリーの育て方と代表的な品種

ローズマリーは、地中海沿岸が原産の常緑低木であり、適切な環境下では年間を通して葉を収穫できる多年生植物です。日当たりと風通しの良い場所を好みますが、比較的寒さにも強いため、地域によっては屋外での冬越しも可能です。土壌は弱アルカリ性から弱酸性が適しており、特に水はけの良い環境が重要です。過剰な水やりは根腐れの原因となるため、土の表面が乾いてからたっぷりと水を与えるようにしましょう。鉢植えでも十分に育てることができるため、ガーデニング初心者にもおすすめのハーブです。

ローズマリーの種まきから収穫までの手順

ローズマリーは、種から育てる方法と挿し木で増やす方法があります。種まきに適した時期は春(4月~5月頃)で、育苗箱に種をまき、発芽を待ちます。発芽後、本葉が数枚出てきたら、個別のポットに植え替えます。苗の丈が10cm程度に成長したら、庭や大きめの鉢に定植します。定植後、2~3週間経過し、株が成長し始めたら、先端の芽を摘む「摘心」を行うことで、わき芽の成長を促進し、株の形を整え、収穫量を増やすことができます。通常、一年目の収穫は、株が十分に育った9月頃から始めるのが一般的ですが、その後は一年を通して収穫が可能です。収穫する際は、茎葉の先端から10~15cm程度の長さを切り取ることで、植物への負担を軽減し、継続的な収穫が可能です。自宅で手軽に栽培することで、新鮮なローズマリーを料理、美容、アロマテラピーなど、様々な用途で活用することができます。

ローズマリーの多様な品種:立性とほふく性

ローズマリーには、100種類以上の園芸品種が存在し、その生育特性によって大きく「立性」と「ほふく性」に分類されます。花の色も、野生種では青色や紫色が一般的ですが、白色やピンク色の花を咲かせる品種も存在します。立性種はその名の通り、上方向にまっすぐ伸びる性質を持ち、生垣やブッシュ状に育てたり、トピアリーとして仕立てるのに適しています。料理用として栽培されることも多く、比較的硬い茎を持つため、肉料理の串として利用されることもあります。一方、ほふく性種は地面を這うように横に広がる性質を持ち、グランドカバーやハンギングバスケット、斜面の緑化などに利用されます。柔らかい茎を持つものが多く、観賞用として人気がありますが、もちろん料理にも使用可能です。これらの多様な品種の中から、栽培の目的や場所、好みに合わせて選ぶことで、ローズマリーの栽培をより楽しむことができます。野生のローズマリーには純粋な種は少なく、そのほとんどが変種であることも、品種の多様性を示す要因となっています。

料理で楽しむローズマリーの活用法

ローズマリーは、キッチンに欠かせないハーブの一つです。そのシャープでいて甘く、清々しい香りと独特の風味は、普段の食事をより豊かにしてくれます。特に、肉料理の臭みを消す効果があり、鶏肉や羊肉との相性は抜群です。地中海地域、特にプロヴァンス地方の料理では、特有の臭みを持つ羊肉料理にローズマリーは必要不可欠なハーブとして重宝されてきました。ローズマリーの香りの源となる成分には、1,8-シネオールやカンファーなどが含まれており、これらの成分が甘い香りと爽やかなほろ苦さを生み出しています。さらに、ローズマリーには消臭効果、抗菌作用、そして抗酸化作用があり、肉の鮮度を保つ効果も期待できるため、ヨーロッパでは羊肉、豚肉、牛肉など、独特の風味を持つ食材の臭い消しや保存性を高めるために、昔から利用されてきました。旬の時期は5月から9月頃で、茎にしっかりと葉がついており、香りが強いものが良品とされています。料理に使用する際は、生のまま枝ごと加えるか、葉を枝から取り、細かく刻んで使用します。ただし、香りが非常に強いため、使用量には注意し、控えめに加えることが大切です。

ローズマリーが活躍する多彩なレシピと組み合わせ

ローズマリーは、肉料理だけでなく、ジャガイモやその他の様々な野菜を使った料理とも良く合い、素材の味を引き立てます。例えば、ジャガイモや鶏肉、旬の野菜にオリーブオイルをかけ、潰したニンニクとローズマリーの枝葉を添えてオーブンで焼けば、シンプルな食材でもローズマリーの香りが加わり、本格的な味わいの一品に変わります。オイルサーディンにローズマリーを加えてオーブンで調理するだけでも、驚くほど美味しい前菜が出来上がります。また、冷蔵庫に常備しておくと便利な「ローズマリーバター」もおすすめです。細かく刻んだローズマリーの葉を、常温で柔らかくしたバターと混ぜ合わせるだけで手軽に作れます。お好みで擦りおろしたニンニクを加えると、さらに風味が豊かになり、肉や魚のグリルに添えたり、焼きたてのパンに塗ったりと、様々な使い方ができます。ラップやクッキングシートで棒状に成形し、冷蔵保存しておけば、必要な時にすぐ使えて便利です。さらに、新鮮な生の葉をオリーブオイルやビネガーに漬け込み、香りを移したフレーバーオイルやビネガーを作ることも可能です。これらはサラダドレッシングやマリネ液として活用でき、料理のバリエーションを広げます。

意外な組み合わせ!ローズマリーを使ったデザート

意外な組み合わせとして、ローズマリーとチョコレートのデザートも楽しむことができます。チョコレートムースに細かく刻んだローズマリーを混ぜ込むと、ローズマリーのすっきりとした清涼感がチョコレートの濃厚な甘さを引き締め、甘いものが苦手な方にも喜ばれる大人のデザートが完成します。料理研究家の副島モウ氏も、ローズマリーの爽やかな風味と濃厚なチョコレートが調和した大人のデザートレシピを紹介しており、ハーブやスパイスの個性を活かした新しい味覚の発見に繋がるでしょう。かつて、ローズマリーは日本の「食品ピラミッド」において、癌予防効果が期待できる食材として、緑茶、ブロッコリー、ニンニク、大豆などと共に3群の最下位に位置づけられていたこともあり、その健康効果への期待の高さが伺えます。このように、ローズマリーは単なる香辛料としてだけでなく、様々な料理のシーンでその魅力と健康効果を発揮する万能なハーブです。

日常生活で役立つローズマリーの知恵:暮らし編

ローズマリーは料理だけでなく、私たちの日常生活の様々な場面で役立つハーブです。特に風邪の症状が気になる時には、「ハーバルスチーム」が効果的です。鼻詰まりや喉の痛みを感じる際に、洗面器にお湯を張り、ローズマリーの精油(数滴)もしくはドライハーブを加え、タオルを頭から被って蒸気を吸い込むことで、揮発性の香りの成分が鼻腔や喉に作用し、心身の調子を整える効果が期待できます。湯気と共に広がる清涼な香りが、不快な症状を和らげてくれるでしょう。また、血行を促進し、冷えを解消する効果のあるローズマリーは「アロマバス」としても活用できます。浴槽にローズマリーの精油を5滴ほど垂らすか、ドライハーブ20gをだしパックなどに入れて湯に浮かべれば、爽やかな香りがバスルームに広がり、心身ともにリフレッシュできます。疲れた日の終わりには特におすすめです。さらに、意外な使い方として「掃除機のにおい対策」にも利用できます。ティッシュにローズマリーの精油を1滴たらし、それを掃除機で吸い込むだけで、排気口から出る不快な臭いが軽減され、フィルター内の消臭・抗菌にも繋がります。靴の消臭には「ドライハーブ」が役立ちます。履かなくなった靴下に直接ドライハーブを入れ、足首周りを紐で縛って靴の中に入れておけば、爽やかな香りが靴の嫌な臭いを和らげてくれます。除湿効果も期待したい場合は、お茶パックに重曹とハーブを入れ、それを靴下に入れると良いでしょう。ハーブが手元にない場合は、エッセンシャルオイルを重曹に垂らしたもので代用可能です。重曹の除湿効果は約1ヶ月で弱まるため、定期的に交換することをおすすめします。

ローズマリーを贈る心温まるギフトと歴史的背景

趣味でガーデニングをされている方へ、育てたローズマリーを「贈り物」にするのはいかがでしょうか。ローズマリーは100種以上の園芸品種があり、青や紫、ピンクなど様々な色の美しい花を咲かせます。収穫したローズマリーの茎を束ねて花束のようにすれば、心がこもったプレゼントになります。テューダー朝時代のイギリスでは、香りの良いハーブを束ねた小さな花束を「タッジー・マッジー」と呼び、疫病から身を守るために持ち歩いていました。ローズマリーはその殺菌効果から、必ずこの花束に加えられていたそうです。さらに、ローズマリーを使った美味しいレシピを添えてプレゼントすれば、喜ばれること間違いなしです。

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美容と健康をサポートするローズマリーの活用法:美容編

ローズマリーは、血行を促進し、抗菌作用もあるため、美容、特にヘアケア用品として非常に役立ちます。頭皮を健康に保ち、美しい髪を育てるために、様々な形で活用されています。ローズマリーに含まれる有効成分は、頭皮を清潔にし、血流を良くすることで、健康な髪の成長をサポートします。自宅で手軽にできる方法としては、濃いめに煮出したローズマリーティーを冷まして、シャンプー後のリンスとして使うのがおすすめです。頭皮の引き締めやフケ対策にも効果が期待できます。より効果的なケアをしたい場合は、椿油などのキャリアオイルにローズマリーの精油を数滴混ぜた「ヘアオイル」がおすすめです。シャンプー前に頭皮全体に優しくマッサージするようになじませ、髪全体にも行き渡らせてから、いつも通りシャンプーで洗い流します。こうすることで、頭皮の血行が促進され、髪に栄養を与えることができます。自宅で育てているローズマリーが伸びすぎたら、それを使って「ローズマリートリートメント」を手作りすることも可能です。作り方の詳細は、専門のレシピを参考にしてください。また、ローズマリーの有効成分を抽出した「ローズマリーオイル」も自作できます。手作りのオイルは、直射日光を避けて、1ヶ月以内に使い切るようにしましょう。自家製ローズマリーを使ったケアは、添加物を避けたい方や、自然志向の方に特におすすめです。

まとめ

ローズマリーは、爽やかな香りに加え、学名の変化に表れる植物学的な深み、「海の雫」や「記憶」、「変わらぬ愛」を象徴する豊かな歴史と文化的な意味合いを持つ、多面的な魅力を持つハーブです。抗菌、抗酸化、血行促進、抗炎症、消化促進、鼻詰まり緩和など、多様な効果に加え、昔はペスト除けの「泥棒の酢」や美容のための「ハンガリーウォーター」として使われてきた歴史は、その薬効の高さと人々の生活への密着度を示しています。現代でも、その成分が持つ抗ウイルス作用や肝臓保護効果が科学的に研究されており、食用としての価値も見直されています。料理の風味を引き立てるハーブとして、肉料理の臭み消しから意外なデザートのアクセントまで幅広く使われる一方、アロマバスでリフレッシュしたり、ハーブスチームで風邪の症状を和らげたり、掃除や靴の消臭など日常生活の様々な場面、そしてヘアケアを中心とした美容分野でも、その可能性を発揮します。比較的育てやすく、種まきや挿し木で色々な品種を育て、一年を通して収穫を楽しめます。ただし、高血圧の方や妊娠中の方、精油を使う際にはカンファーの濃度や品質などに注意が必要です。正しい知識を持って安全に使うことで、ローズマリーは私たちの生活に豊かな香りと恵みをもたらし、心身の健康と快適な毎日をサポートしてくれるでしょう。この記事でご紹介した情報を参考に、ぜひローズマリーを生活に取り入れて、その素晴らしさを実感してください。

ローズマリーの主な効果・効能は何ですか?

ローズマリーには、気分転換効果(集中力アップ、記憶力向上)、抗菌・抗酸化作用(スキンケア、エイジングケア)、血行促進(疲労回復、冷え性改善、抜け毛・白髪予防)、抗炎症作用(筋肉痛・関節痛の緩和)、消化促進、鼻づまりの緩和など、様々な効果・効能があります。古くからペスト予防や記憶力向上のために使われており、現代では抗ウイルス作用や肝機能保護に関する研究も進められています。

ローズマリーの学名が変更されたと聞きましたが、新しい学名は何ですか?

ローズマリーの学名は近年変更されました。以前はRosmarinus officinalisという名称でしたが、分子系統解析の結果、2017年にシソ科の仲間であるアキギリ属(Salvia)に分類されることになり、現在ではSalvia rosmarinusが正式な学名として用いられています。これは、ローズマリーが遺伝学的に他のアキギリ属植物と非常に近い関係にあることが明らかになったためです。

妊娠中にローズマリーを使用しても問題ありませんか?精油を使う際の注意点はありますか?

妊娠中は、ローズマリーを大量に摂取することは避けるようにしてください。また、重度の高血圧の方は使用を控えることが推奨されます。ローズマリーの精油を使用する際には、特にカンファーの含有量が多いものについては、乳幼児や妊婦、てんかんの症状をお持ちの方は使用を避けてください。さらに、市販されている精油の中には、品質が保証されていないものも存在するため、信頼できるメーカーのものを選び、成分表示をしっかりと確認することが大切です。

ローズマリーはどのような料理に活用できますか?

ローズマリーは、爽やかで甘い香りが特徴で、肉料理(鶏肉、羊肉、豚肉、牛肉など)の臭みを消し、風味を豊かにするのに最適です。また、ジャガイモや他の野菜を使ったオーブン焼きや、じっくり煮込む料理にもよく合います。細かく刻んだローズマリーとバターを混ぜて作る「ローズマリーバター」は、パンやグリル料理との相性が抜群で、長期保存も可能です。意外な使い方としては、チョコレートデザートに少量加えることで、奥深い大人の味わいを楽しむことができます。ただし、香りが強いため、使用量には注意が必要です。

ローズマリーを自宅で栽培する際のコツはありますか?

ローズマリーは、日当たりと風通しが良い場所を好みます。また、水はけの良い、弱アルカリ性から弱酸性の土壌が栽培に適しています。根腐れを防ぐために、水の与えすぎには注意し、土の表面が乾いてからたっぷりと水を与えるようにしましょう。種まきは春(4月から5月)に行うのが一般的ですが、挿し木で増やすことも可能です。苗が育ってきたら摘心を行い、株の形を整えることが大切です。一年目の収穫は9月頃から可能で、その後は一年を通して、茎葉の先端部分を10~15cmほど切り取って収穫できます。

ローズマリーの香りをめぐる、歴史的な物語は存在しますか?

ローズマリーは数多くの歴史的逸話に彩られています。例えば、17世紀にヨーロッパを襲ったペストの大流行時、感染者から金品を盗んだ盗賊たちが、何故か感染を免れたという話があります。彼らがローズマリーを酢に浸した液体を常用していたことから、「泥棒の酢」と呼ばれるものが生まれ、その効能が語り継がれるようになりました。さらに、聖母マリアが幼いイエスを連れて逃避行中に、ローズマリーの木の下で休息した際、それまで白かった花がマリアの青い衣の色に染まったという伝説があり、「マリアのバラ」とも呼ばれています。古代より、記憶力を高める効果や、魔除けの力があると信じられてきました。

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