独特の風味とシャキシャキとした食感が魅力のラッキョウ。カレーの付け合わせとしてはもちろん、そのままでも美味しく、食卓の名脇役として親しまれています。実はラッキョウは、ネギやニラと同じユリ科ネギ属の野菜。普段私たちが食べているのは、土の中で育った鱗茎と呼ばれる部分なんです。この記事では、ラッキョウの種類や特徴、美味しい食べ方までを徹底解説!知れば知るほど奥深い、ラッキョウの世界へご案内します。
ラッキョウとは?基礎知識と種類
ラッキョウは、ユリ科ネギ属の多年草で、ネギやニンニクなどと同じ仲間です。地中にできる鱗茎と呼ばれる部分を食用とします。地上にはニラのような葉を伸ばします。生のラッキョウは独特の辛味がありますが、一般的には甘酢漬けや醤油漬けなどの漬物として食されます。その歯ごたえのある食感と風味が人気で、日本の食卓には欠かせない存在です。ラッキョウにはいくつかの品種があり、それぞれ形や大きさが異なります。代表的な品種とその特徴は以下の通りです。
- らくだ:最も一般的な品種で、栽培量が多いのが特徴です。比較的、粒が大きい傾向があります。
- 玉らっきょう:特有の香りが穏やかで、小粒な品種です。輸入品が多く、生の状態で店頭に並ぶことは稀です。
- 八房:らくだと玉らっきょうの中間くらいの大きさで、収穫量は少なめです。
- 九頭竜:福井県で栽培されている小型の品種で、粒の大きさが揃っているのが特徴です。
- エシャレット:ラッキョウを軟白栽培したもので、早摘みして生のまま食べられます。辛味が少なく、サラダなどにもよく合います。
エシャレット以外の品種は、主に漬物として利用されます。生のラッキョウは、5月から7月頃に市場に出回ります。様々な品種を試して、お好みのラッキョウを見つけてみてはいかがでしょうか。
ラッキョウの栄養成分と健康効果
ラッキョウは、乾燥させた鱗茎が「薤白(がいはく)」という生薬としても用いられるほど、栄養価の高い野菜です。特に注目したい栄養成分は、食物繊維、アリシン、カリウムの3つです。
- 食物繊維:ラッキョウには、100gあたり約21gもの食物繊維が含まれています。これは、ゴボウの約4倍に相当します。食物繊維は、腸内環境を整え、便秘解消を助ける効果や、食後の血糖値の急上昇を抑える効果が期待できます。
- アリシン:ラッキョウ特有の香りと辛味の成分です。正確には、ラッキョウに含まれるアリインという物質が、切ったり加熱したりすることでアリシンに変化します。アリシンは、ビタミンB1の吸収を促進し、疲労回復や滋養強壮に役立ちます。さらに、抗菌作用や血行促進作用も期待されています。
- カリウム:ラッキョウ100gあたり、約230mgのカリウムが含まれています。カリウムは、体内のナトリウムバランスを調整し、余分な水分を排出する効果があり、むくみ予防や血圧を下げる効果が期待できます。
これらの栄養成分により、ラッキョウは便秘の改善、疲労回復、高血圧の予防など、様々な健康効果が期待できる食品と言えるでしょう。ただし、アリシンは刺激が強い成分なので、過剰摂取には注意が必要です。
美味しいラッキョウの選び方と注意点
ラッキョウは初夏が旬の野菜です。良質なラッキョウを選ぶためのポイントをご紹介します。
- 形:ふっくらとしていて、丸みのあるものがおすすめです。粒の大きさが揃っているとなお良いでしょう。
- 硬さ:適度な硬さがあるものを選びましょう。柔らかすぎるものは、鮮度が落ちている可能性があります。
- 色:表面が緑色になっていないか確認しましょう。日光に当たりすぎると緑色に変色し、食感が悪くなります。
- 傷や芽:表面に傷がないか、芽が出ていないかを確認しましょう。これらは風味を損なう原因になります。
- 土付き:できれば、土が付いているものを選ぶと、より新鮮です。
ラッキョウを食べる際の注意点も確認しておきましょう。
- 食べ過ぎ:ラッキョウには硫化アリルが含まれており、過剰に摂取すると胃腸に負担をかけ、胃もたれや下痢を引き起こす可能性があります。
- 食べる量の目安:1日に3~5粒程度を目安にしましょう。ただし、粒の大きさや種類、体調によって適切な量は異なりますので、調整してください。
適量を守れば、ラッキョウは健康に良い効果をもたらしてくれるでしょう。

らっきょうの保存方法:常温・冷蔵・冷凍
らっきょうは、適切な保存方法で保存することで、より長く美味しく楽しむことができます。保存方法としては、常温、冷蔵、冷凍の3つの方法があります。
- 常温保存:漬けたらっきょうを常温で保存すると、らっきょうに漬け汁の味が染み込み、より美味しくなります。直射日光を避けた冷暗所で保存し、自家製なら約1年程度保存可能です。
- 冷蔵保存:冷蔵庫で保存すると、らっきょうのシャキシャキとした食感を長く楽しめます。自家製なら約5年程度保存可能ですが、出し入れが多いと保存期間は短くなります。
- 冷凍保存:保存容器や密閉袋に、空気が入らないように漬け汁ごとらっきょうを入れて冷凍保存します。作りすぎた場合は冷凍保存が便利ですが、冷凍焼けすると風味が損なわれる可能性があるため注意が必要です。
らっきょうを保存する際は、基本的に漬けてから保存しましょう。漬け汁に浸しておくことで、保存料なしでも1年程度は保存できます。らっきょう漬けに適した保存容器は、酸に強いガラス瓶やホーロー容器です。ガラス瓶は中身が見えるので、蓋を開けなくても漬かり具合を確認できます。美味しいらっきょう漬けを長く楽しむために、適切な方法で保存しましょう。
自家製ラッキョウ漬けレシピ:塩漬けからアレンジまで
ラッキョウは、そのまま食べるだけでなく、様々な料理に活用できます。ここでは、基本のラッキョウ漬けの作り方と、それを使ったアレンジレシピをご紹介します。
基本のらっきょう漬け:塩漬け
らっきょうを初めて漬けるなら、まずは基本の塩漬けがおすすめです。シンプルながらも風味豊かで、ご飯のお供やカレーの添え物として最適です。
■材料
- らっきょう:1kg(下処理後約750g)
- 塩:大さじ3.5
- 冷ました湯:250ml
- 赤唐辛子:1本
■作り方
- らっきょうの下処理を行います。泥付きのらっきょうは泥を洗い落とし、根と先端を切り落として薄皮をむきます。下処理が終わったら水気をよく切り、清潔なボウルに入れます。
- ボウルに塩を全て加え、らっきょうに塩を馴染ませるように手や菜箸で丁寧に混ぜます。
- 消毒済みの保存瓶に②のらっきょうを入れ、冷ました湯を注ぎます。ボウルに残った塩も瓶に入れ、蓋をします。
- 2日ほど置くと水分が出てきます。その後、赤唐辛子を加えて保存します。
- 作ってから1週間から10日ほどで美味しく食べられます。
らっきょうを使ったアレンジレシピ:肉団子
らっきょう漬けを細かく刻んで肉団子に混ぜ込むと、食感と風味のアクセントになり、普段とは違った美味しさを楽しめます。甘酢漬けやたまり漬けのらっきょうを使っても美味しく仕上がります。■材料
- らっきょう漬け:30g(みじん切り)
- 豚こま肉:150g
- 小麦粉:少量
- サラダ油:適量
- いりごま:適量
■調味料
- 醤油:大さじ1
- みりん:大さじ1/2
- 酒:大さじ1/2
■作り方
- 豚こま肉を広げ、みじん切りにしたらっきょう漬けを中央に乗せて巻き込みます。端まで巻いたら軽く握って形を整え、表面に薄く小麦粉をまぶします。
- フライパンに油を熱し、①の肉団子を並べ、表面に焼き色がつくまで焼きます。焼き色がついたら蓋をして、弱火で約2分蒸し焼きにします。
- 蓋を取り、調味料を加えて煮詰め、全体に絡めます。タレにとろみがついたら皿に取り出します。
- 盛り付けの際に、いりごまをふりかけて完成です。
上記のレシピ以外にも、らっきょうはサラダ、和え物、炒め物など、様々な料理に活用できます。ぜひ、いろいろなレシピを試して、らっきょうの新たな美味しさを発見してみてください。
結び
らっきょうは、独特の風味と心地よい食感が魅力の野菜です。豊富な栄養を含み、様々な健康効果も期待できます。生のらっきょうが手に入る旬の時期には、ぜひ新鮮ならっきょうで自家製らっきょう漬けに挑戦してみてください。また、らっきょう漬けを使ったアレンジレシピも豊富なので、色々な料理に取り入れて、らっきょうの新しい魅力を発見してみてはいかがでしょうか。適切な保存方法を守れば、長期間美味しく楽しめます。らっきょうを日々の食生活に取り入れて、健康的な毎日を送りましょう。
ラッキョウは一日にどれくらい食べるのが適切ですか?
ラッキョウを食べる量の目安としては、一日あたり3~5粒程度が良いでしょう。ただし、ラッキョウのサイズや種類、個人の体質によって最適な量は変わってきます。過剰に摂取すると、胃の不快感や下痢を引き起こす可能性があるため、まずは少量から試してみて、体の調子を見ながら量を調整することをおすすめします。
ラッキョウの臭いが気になる場合の対処法はありますか?
ラッキョウ独特の臭いは、アリシンという成分が原因です。食べる量を減らす、または加熱調理をすることで臭いを抑えることができます。さらに、食後に牛乳や緑茶を飲むのも効果的です。
ラッキョウの漬物はどのくらい保存できますか?
ラッキョウの漬物の保存期間は、保存方法によって異なります。常温で保存する場合は約1年、冷蔵庫で保存する場合は約5年が目安となります。ただし、保存状態や出し入れの頻度によって保存期間は短くなることがあります。冷凍保存もできますが、食感が変化する可能性があるため、なるべく早く食べきるようにしましょう。