極上の層を楽しむ:オペラケーキの魅力

フランスのパティスリー界における珠玉の逸品、オペラケーキは、その名の通り壮大な味わいを提供します。何層にも重なる薄いスポンジ生地とクリームが生み出すハーモニーは、一口食べるごとに口の中で「アリア」を奏でます。この贅沢で美しいデザートは、特別な日にはもちろん、普段のコーヒーブレイクにも最適です。詳しく見ていきましょう。

オペラケーキ

オペラ(フランス語:Opéra)は、ガトーショコラと並ぶ一品であり、パティシエが目標とするデザートのひとつとされています。

四角い形状のケーキで、ガトーショコラの一種である「オペラケーキ」です。このケーキは、約2センチメートルの高さがあり、一般的には7層の構造を持っています。各層は、コーヒー風味のシロップでしっとりと仕上げられたアーモンドと小麦粉のビスキュイ・ジョコンド生地、コーヒー風味のバタークリーム、チョコレートと生クリームを使ったガナッシュから成り立っています。ケーキの表面は硬いチョコレートでコーティングされ、時には「オペラ」の文字や金箔が飾られることもあります。

オペラの歴史

フランスのデザート、オペラはその簡素な外見とは裏腹に豊かな風味で評価されています。では、このケーキが誕生した背景について紐解いてみましょう。

オペラという名前の起源とは?

オペラはフランス発祥のお菓子で、代表的なものとして知られます。その起源については「パリのダロワイヨ」が1955年に考案したというのが一般的ですが、実はその元となる菓子は既に「マルセル・ビュガ」というパティスリーで作られていたようです。この店のオーナーはダロワイヨの当時のオーナーと義理の兄弟関係にありました。マルセル・ビュガは、戦前戦後に活躍したパティシエ、ルイ・クリシーからこの菓子のレシピを受け継ぎました。後にビュガが自宅でのディナーでこの菓子を出したところ、ダロワイヨのオーナーが非常に気に入り、名前を「オペラ」に改めて自店で販売することになったと伝えられています。

オペラにおける金箔の意義とは?

「オペラ」という名前はダロワイヨのオーナーによって、1875年に完成したパリの象徴的な建物であるオペラ座ガルニエ宮から取られたとされています。また、この命名には、オペラ座に足を運ぶエトワールや練習生たちへの敬意が込められているとも言われています。

オペラが有名なお店

オペラケーキが有名なお店として、フランスの名店がいくつかあります。特に有名なパティスリーをご紹介します。

ダロワイヨ (Dalloyau)
ダロワイヨは、フランスの老舗パティスリーで、オペラケーキを誇る名店です。1836年に創業されたこの店では、オペラケーキが特に有名で、伝統的な味わいを大切にしつつも、常に高いクオリティを保っています。ダロワイヨのオペラケーキは、深いコーヒー風味と滑らかなガナッシュが絶妙なバランスを成しており、長年愛されています。

ピエール・エルメ・パリ (Pierre Hermé Paris)
パリの有名パティスリーで、オペラケーキをはじめとするフランス菓子の名店です。ピエール・エルメのオペラケーキは、伝統的なレシピを基にしながらも、独自のアレンジが加えられており、上質な味わいが特徴です。

オペラケーキ