新高梨とは

新高梨とは

秋の味覚として人気の高い梨の中でも、ひときわ存在感を放つ「新高梨」。その堂々たる大きさと上品な甘さから、「梨の王様」とも称されています。ずっしりとした重みに、滴るほどの果汁、そして口の中に広がる芳醇な香り。一口食べれば、誰もがその魅力に引き込まれるでしょう。この記事では、新高梨がなぜ「梨の王様」と呼ばれるのか、その理由を徹底的に解説します。

新高梨とは:基本情報

「梨の王様」とも称される新高梨は、その圧倒的な大きさと上品な甘さが魅力の赤梨です。一般的なものは450gから500g程度ですが、特に大きく育ったものは800gから1500g、中には1kgを超えるものも存在します。農林水産省の『令和5年産果樹生産出荷統計』によれば、品種別の日本なし(和梨)生産量は、幸水が最も多く、次いで豊水、新高の順となっています。

新高梨の由来と歴史

新高梨は、1927年にその名が与えられました。当初は、新潟県の「天の川」と高知県の「今村秋」を掛け合わせて生まれたとされていました。その名前も、それぞれの県名から一字ずつ取って「新高」と名付けられたと伝えられています。「天の川」と、神奈川の「長十郎」が掛け合わされていると考えられています。もし当初から「長十郎」が親であると認識されていれば、別の名前が付けられていたかもしれません。

新高梨の特徴

新高梨の最も際立った特徴は、その並外れた大きさにあります。直径は約14cmにも達し、重さは平均して800gから1500gと、他の梨と比較して非常に大きなサイズです。しかし、その大きさからは想像できないほど味が濃厚で、シャリシャリとした心地よい食感、豊富な果汁、そして爽やかな甘みが口の中に広がります。果肉は白く柔らかで、気品のある香りも特徴的です。酸味が少ないため、甘さをより一層強く感じることができます。

新高梨の味と香り

新高梨は、バランスの取れた甘さと程よい酸味が織りなす、絶妙な味わいが特徴です。梨特有のジューシーさと、口いっぱいに広がる甘みが存分に楽しめます。また、芳醇で豊かな香りも、新高梨の大きな魅力の一つです。口にした瞬間に鼻を抜ける上品な梨の香りは、格別な体験をもたらします。

新高梨のカロリーと栄養成分

新高梨は、100gあたり約43kcalとされています。その約9割は水分で構成されていますが、カリウムやクエン酸といった体に必要な栄養素も豊富に含んでいます。特筆すべきは「ソルビトール」の存在です。ソルビトールは糖アルコールの一種で、整腸作用や便秘解消をサポートする効果が期待できるほか、一般的な糖類と比較してカロリーが低く、虫歯になりにくいという利点があります。梨は果物の中でもソルビトールを多く含むことで知られていますが、過剰な摂取はお腹の不調につながる可能性があるため、食べ過ぎに注意し、一度に大量に摂取するのは避けましょう。

新高梨の旬な時期と主な産地

新高梨が最も美味しくなる旬の時期は、9月から10月にかけてです。特に10月は出荷のピークを迎え、様々な場所で見かける機会が増えます。主な産地としては、熊本県、千葉県、新潟県、大分県、高知県などが挙げられます。中でも熊本県は生産量が最も多く、次いで千葉県、新潟県の順となっています。それぞれの地域が、梨の栽培に適した気候条件と独自の栽培技術を駆使し、甘くて高品質な新高梨を育てています。高知県では、新高梨を特産品として力を入れており、昭和初期から栽培が始まった歴史ある産地です。

美味しい新高梨の選び方

美味しい新高梨を選ぶためには、見た目、重さ、香りの3点に注目しましょう。まず、果皮の色は、わずかに緑がかった黄色が新鮮さの目安となります。全体に傷がなく、均一に色づいており、ふっくらと丸みを帯びた形状のものがおすすめです。手に取った際には、ずっしりとした重みを感じられるものが、果汁を豊富に含み、甘みが強い傾向があります。さらに、軸の部分から甘い香りが感じられるかどうかも、美味しさを見極めるポイントとなります。

新高梨のおすすめの食べ方

新高梨はその大きさが特徴であるため、通常サイズの梨よりもやや大きめにカットするのがおすすめです。例えば、4等分ではなく8等分のくし形に切ると、より食べやすいサイズになります。梨全般に言えることですが、お尻の部分は糖度が高く甘みが強いため、くし形にカットすることで、甘さを均等に楽しむことができます。また、皮を剥いた後、時間が経つと変色してしまうことがあるため、砂糖水や塩水、レモン水などに浸してから保存すると、変色を防ぐことができます。

新高梨の保存方法

新高梨は比較的保存がきく果物ですが、適切な方法で保管することで、より長く美味しく味わえます。 新高梨を丸ごと保存する場合は、高温多湿な場所を避け、風通しの良い冷暗所での保存が基本です。 完熟したものは冷蔵庫に入れ、乾燥しないように一つずつ丁寧にラップや新聞紙で包み、密閉できるチャック付き保存袋などに入れると良いでしょう。 保存する際は、ヘタを下向きにするのがポイントです。 梨はヘタの部分から呼吸をするため、ヘタを下にすることで呼吸を抑え、鮮度を保つことができます。 この方法で、約1週間、野菜室であれば10日程度は美味しく保存できます。 カットした新高梨を保存する場合は、変色を防ぐために砂糖水、塩水、またはレモン水にさっと浸してからラップでしっかりと包み、密閉容器に入れて冷蔵庫で保存してください。 カットした梨は丸ごとの梨に比べて日持ちが短いため、なるべく早く食べるようにしましょう。

新高梨を使ったレシピ

新高梨は、そのまま生で食べるのはもちろん、様々な料理に活用できます。 コンポートやジャムなどに加工すれば、いつもと違った食感と風味を楽しむことができます。 また、新高梨をすりおろして手作りドレッシングにするのもおすすめです。 新高梨にはタンパク質分解酵素が豊富に含まれているため、肉料理に使うと肉を柔らかくする効果も期待できます。

新高梨の荒尾梨(ジャンボ梨)について

熊本県荒尾市では、特に大きく高品質な新高梨を「荒尾梨(荒尾ジャンボ梨)」というブランド名で出荷しており、市の特産品となっています。 荒尾梨は、大分県で栽培された新高梨の中でも、特に品質の高いものだけに与えられる特別な名称です。 熊本県荒尾市では、新高梨が「荒尾ジャンボ梨」という名で親しまれています。 荒尾市は100年以上の梨栽培の歴史を持ち、新高梨は市のシンボルとして大切にされています。 かつて炭鉱で栄えた時代には、荒尾から故郷へ荒尾ジャンボ梨を贈ることが一種のステータスだったそうです。

まとめ

新高梨(にいたかなし)は、新潟県で生まれた日本を代表する大玉の梨の一つです。親は「天の川」と「長十郎」で、その名の通り非常に大きく、重さが800gを超えるものもあります。果肉は柔らかくジューシーで、甘みが強く酸味が少ないのが特徴です。旬は秋で、9月下旬から10月にかけて収穫されます。贈答用としても人気があり、その大きさと美味しさから広く親しまれています。

よくある質問

質問1:なぜ新高梨は「梨の王様」と呼ばれているのですか?

 新高梨は非常に大きなサイズと濃厚な甘みを持っており、一般的な梨と比べて圧倒的な存在感があります。そのため「梨の王様」と称されることがあります。  

質問2:新高梨の旬はいつですか?

新高梨の旬は9月下旬から10月にかけてで、特に10月に出荷のピークを迎えます。  

質問3:新高梨を美味しく長持ちさせるには、どう保存すれば良いですか?

丸ごとの新高梨は、ラップや新聞紙で包み、チャック付き保存袋に入れて密閉し、冷蔵庫の野菜室で保存すると乾燥を防ぎ、美味しさが長持ちします。  
新高梨