ロカボとは?無理なく続けられる糖質制限の基本を徹底解説

「ロカボ」という言葉、最近よく耳にするけど、どんな意味か知っていますか?この記事では、ロカボという新しい食習慣について解説します。極端な糖質制限とは違い、おいしく、楽しく、適正な糖質を摂ることを目指します。この記事では、ロカボの基本的な考え方から、具体的な方法までわかりやすく徹底解説します。健康的な食生活への第一歩を踏み出しましょう!

ロカボとは?糖質制限・カロリー制限との違い

ロカボは、一般社団法人 食・楽・健康協会の登録商標であり、適切な糖質量の意味で用いられています。一般社団法人 食・楽・健康協会は、極端な糖質抜きではなく、おいしく楽しく適正糖質を取ることを推奨し、1食で摂取する糖質量を20~40g、デザートは10g以下、1日70~130gにするという適正糖質を提唱しています。ここで重要なのは「ローカーボ」ではなく「ロカボ」という点であり、過度な糖質カットではなく、美味しく、そして楽しく適正な糖質を摂取することを推奨している点です。ロカボでは、糖質の摂取量に一定の下限を設けることで、厳格すぎる糖質制限がもたらす体への負担を軽減することを目的としています。ロカボと混同されやすい言葉として「糖質制限」や「カロリー制限」がありますが、これらの間には明確な違いが存在します。

糖質制限とは、その名の通り糖質の摂取量を制限することですが、具体的な摂取量の範囲が定められていないため、極端な場合は糖質量を大幅に減らすケースも見られます。このような過度な糖質制限を行うと、体内でケトン体(エネルギー源としてブドウ糖が不足した際に体内で作られる物質)という物質が増加し、倦怠感や吐き気、不快感などの症状が現れたり、アシドーシス(血液が酸性に傾く危険な状態)と呼ばれる深刻な症状や呼吸機能の低下、意識障害、脱水症状などを引き起こすリスクがあります。そのため、ロカボではケトン体による健康への影響を考慮し、糖質の摂取量に下限を設けているのです。

また、ロカボで制限されるのはあくまで糖質の摂取量のみであり、エネルギー全体の摂取量(カロリー)には制限がありません。カロリー制限を目的に食事の量を減らすと、満腹感が得られにくく、結果として間食が増えたり、次の食事で食べ過ぎてしまうことがあります。しかし、ロカボでは糖質の多い食品を控える代わりに、他の食品でお腹を満たすことが可能です。そのため、食事に満足感を得ながら続けやすいという特徴があります。このように、エネルギー摂取量に制限がないという点で、ロカボはカロリー制限とは異なるアプローチの食事法と言えるでしょう。

ロカボを実践するメリット

ロカボに取り組むことで、肥満の予防や血糖値の改善といった効果が期待できます。さらに、ロカボは継続しやすい点も大きな魅力です。「美味しく、楽しく、続けられる」というのがロカボの重要な考え方です。

肥満が進むと、インスリンの働きが低下し、高血糖を引き起こしやすくなります。血糖値とは、血液中に含まれるブドウ糖の濃度のことを指します。食事から糖質を摂取すると血糖値は上昇しますが、膵臓から分泌されるホルモンであるインスリンの働きによって、血糖値は正常な範囲に戻ります。インスリンには、ブドウ糖を脂肪細胞に取り込む性質があり、糖質を過剰に摂取すると、脂肪として蓄積される量も増え、肥満につながると考えられています。また、肥満になるとインスリンが結合する受容体の数が減少し、インスリンの効きが悪くなります。その結果、インスリンの分泌量は増えているにもかかわらず、インスリンの働きが低下した「インスリン抵抗性」と呼ばれる状態に陥り、最終的には糖尿病へと進行してしまう可能性があります。

ロカボでは、糖質の摂取量を適切にコントロールすることで、血糖値の急激な上昇を抑制することができます。したがって、ロカボは糖質の摂取による肥満が気になる方や、血糖値が高めの方に適した食事法と言えるでしょう。ロカボの実践によって、体重のコントロール、血糖値の改善、高脂血症の改善、血圧の改善など、様々な効果が期待できます。

ロカボの具体的なやり方

ここでは、ロカボを実践するための具体的な方法について解説します。注意すべき点についても触れますので、ロカボを始める前に必ず確認しておきましょう。

ロカボの1日の糖質量

ロカボでは、1回の食事における糖質量を20〜40gに抑え、間食は10gまでとし、1日の糖質摂取量を合計で70〜130gにコントロールします。令和5年国民健康・栄養調査報告書の『栄養素等摂取量-エネルギー・栄養素等,年齢階級別,平均値,標準偏差,中央値-総数,1歳以上』において、20歳以上の炭水化物摂取量の平均値は、男性で約273.7g、女性で約228.1gと記載されています。食物繊維摂取量の平均値は、男性で約17.8g、女性で約15.2gです。つまり、ロカボに取り組むことで、1日に摂取する糖質の量を100〜160g程度減らすことになります。

ロカボで食べられる主食量

ロカボに取り組む際、1食あたりのご飯の摂取量は70gを目安にすると良いでしょう。通常、お茶碗一杯のご飯は約150gですので、ロカボではその半分程度の量に抑えることになります。ご飯70gに含まれる糖質は約25g。おかずを工夫することで、1食の糖質摂取量を40g以内にコントロールできます。

もしご飯70gを他の主食で代用する場合、食パンなら6枚切りのものを1枚(約60g)、茹でうどんなら半玉(約120g)が目安となります。

ロカボにおける調味料の注意点

ロカボを実践する上で、見落としがちなのが調味料に含まれる糖質量です。主食やおかずの糖質には気を配っていても、調味料までは意識が向かないという方もいるかもしれません。煮物や照り焼きを作る際、砂糖やみりんを意外と多く使用していることがあります。また、揚げ物にはウスターソースが欠かせないという方もいるでしょう。ロカボに取り組む際には、調味料の糖質量にも注意し、できるだけ使用を控えたり代替品を活用したりすることをおすすめします。

ロカボでおすすめの食べ物

ロカボ生活で積極的に活用したいのが、フラクトオリゴ糖です。フラクトオリゴ糖は、炭水化物の一種である難消化性オリゴ糖で、胃や小腸で分解・吸収されにくく、大腸まで届くという特徴があります。摂取しても血糖値の上昇を穏やかにするため、インスリンの分泌への影響も少ないと考えられています。使い方は簡単で、普段の料理で使用している砂糖やみりんをフラクトオリゴ糖に置き換えるだけです。ただし、フラクトオリゴ糖は砂糖に比べて甘味が控えめなので、料理全体を薄味にしたり、出汁の風味を活かすなどの工夫をすると、より美味しく活用できます。

ごはんや甘い物を我慢できない時の対処法

ご飯や甘いものが大好きで、量を制限することに抵抗がある方のために、できるだけストレスを感じずにロカボに取り組むためのヒントをご紹介します。

低糖質食品を賢く利用する

どうしてもご飯が食べたい時は、通常の白米よりも糖質を抑えた「低糖質米」を選ぶのがおすすめです。市場には、こんにゃく入り、レジスタントスターチや難消化性デキストリン配合など、多種多様な低糖質米が出回っています。

甘いものを楽しんだら、主食の量を調整する

時には、カフェでケーキや甘いドリンクを味わったり、職場の方や友人からお菓子をいただくこともあるでしょう。もし糖質量が10gを超える間食をしてしまった場合は、他の3食で糖質量を調整すれば問題ありません。

例として、ケーキドーナツ1個(60g)には約35gの糖質が含まれています。これを1日に1個食べると、間食で摂取できる糖質量を25g超過してしまいます。その際は、残りの3食で合計25g分の糖質を減らすように心がけましょう。1日の糖質摂取量を70〜130gの範囲内に収めれば良いので、3回の食事それぞれで少しずつ調整するのがおすすめです。

まとめ

今回は、ロカボの定義、メリット、そして具体的な実践方法について解説しました。過度な糖質制限とは異なり、ロカボは糖質の摂取量に下限が設けられているため、体への負担が少ない食事法と言えます。さらに、ロカボは糖質以外の制限が少ないため、継続しやすいのが魅力です。フラクトオリゴ糖や低糖質食品を上手に活用し、ロカボライフを始めてみましょう。

ロカボは全ての人に適していますか?

ロカボは、体重が気になる方や血糖値がやや高めの方に推奨される食事法です。ただし、基礎疾患をお持ちの方や妊娠中の方は、事前に医師に相談してから始めるようにしてください。

ロカボを続ける上で気をつけるべきことは?

ロカボは、糖質を大幅にカットする食事法ではありません。重要なのは、栄養バランスを考えた食事をすることです。タンパク質、脂質はもちろんのこと、ビタミンやミネラルも意識して摂るようにしましょう。

ロカボ向けの賢い外食の選び方は?

外食を選ぶ際には、糖質の多いメニュー(ごはん、麺類、パンなど)は量を調整し、野菜、肉、魚といったタンパク質が豊富な食材を積極的に選びましょう。さらに、使用されている調味料にも気を配ることが大切です。

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