春の訪れを告げる山菜、こごみ。ゼンマイのような可愛らしい渦巻きが特徴的で、山歩きで見つけると心が躍りますよね。この記事では、こごみの正体から、美味しく味わえる旬の時期、気になる栄養価までを徹底解説します。さらに、アク抜きなどの下処理方法や、和え物、天ぷらなど、食卓を豊かにする人気レシピもご紹介。こごみについて深く知り、春の味覚を存分に楽しみましょう。
こごみとは?種類、特徴、名前の由来を詳しく解説
こごみは、正式には「クサソテツ」という名前で、イワデンダ科クサソテツ属の多年生シダ植物です。その若芽が「こごみ」として食され、「こごめ」と呼ぶ地域もあります。英語ではFiddleheads、フランス語ではcrosses de fougereとして知られ、世界中で楽しまれています。何と言っても特徴的なのは、若芽の先端が渦巻き状になっている、その可愛らしい見た目です。この形が、人が寒さなどで体を丸めている姿に似ていることから「こごみ」と名付けられたと言われています。冬には地上部は枯れてしまいますが、根は生き残り、春になると再び渦巻き状の新芽を伸ばします。成長が早く、茎とともに葉も細長く伸び、大きく成長したクサソテツは緑豊かな美しい葉をつけるため、観葉植物としても親しまれ、夏には涼しげな印象を与えます。山菜の中でも、ふきのとうやゼンマイなどと比べてアクが少ないため、えぐみが少なく食べやすいのが魅力です。そのため、特別なアク抜きをしなくても調理でき、天ぷらやごま和えなど、シンプルな料理でその風味を堪能できます。こごみは日本全国の野山に自生していますが、近年では栽培も盛んになり、スーパーなどでも手軽に購入できるようになりました。栽培されているものの中には、日照条件の調整や品種改良によって、茎の部分に脚のような翼葉(よくよう)がほとんどなく、見た目がより美しいものもあります。購入する際は、色が鮮やかでみずみずしく、渦巻きがしっかりと巻いているものを選ぶのがおすすめです。
こごみの旬の時期と地方差
こごみの旬は、新芽が顔を出す春から初夏にかけてです。具体的には、暖かい地域では3月頃から出始め、関西や本州中央部の平野部では4月からゴールデンウィークの頃が収穫のピークとなります。東北地方や標高の高い地域では、5月上旬から6月中旬頃まで旬が続きます。この時期になると、地面から特徴的な渦巻き状のこごみが顔を出し、スーパーの店頭にも並び始めます。地域によって旬の時期が異なるため、それぞれの地域の旬を意識して探してみるのも面白いでしょう。
こごみの主な採取場所と見つけ方
こごみは群生する傾向があり、一つの株を見つけると、その周辺にも株が生えていたり、一本の株から複数の茎が伸びていたりすることが多いため、一度にたくさん収穫できることがあります。山でこごみを採取する際は、湿り気があり、水はけが良く、日当たりの良い場所を探すと見つけやすいでしょう。深い森の中にはあまり生えておらず、大きな河川の河川敷などの草地に多く見られます。山でも平地でも、これらの条件が揃っている場所であれば、こごみが自生している可能性が高いです。春の山菜採りの楽しみの一つとして、かわいらしいこごみを探してみてはいかがでしょうか。
こごみを採取する際の注意点
山でこごみを採取する際には、注意すべき点があります。こごみは一つの株から複数の芽を出し、シーズン中に次々と新しい芽を伸ばしますが、すべての芽を採取してしまうと株が弱り、最悪の場合、枯れてしまうこともあります。そのため、翌年以降も収穫を楽しめるように、一つの株から出ている芽のうち、一部を残しておくことが重要です。自然の恵みを享受し続けるためには、持続可能な採取を心がけましょう。
こごみに含まれる栄養素
こごみは、健康維持に役立つ栄養素を豊富に含んでいます。特にカリウムは、体内の水分バランスを整え、余分なナトリウムの排出を助ける効果が期待できます。また、βカロテン、ビタミンC、葉酸などのビタミン類もバランス良く含まれています。βカロテンは体内でビタミンAに変換され、皮膚や粘膜の健康を保ち、視力維持にも関わります。ビタミンCは抗酸化作用を持ち、免疫力向上やコラーゲンの生成をサポートします。葉酸は細胞の生成や成長に不可欠であり、特に妊娠中の女性にとって重要な栄養素です。これらの栄養情報は、「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」に基づいています。
こごみの下処理方法:アク抜きは不要?
こごみは、他の山菜に比べてアクが少ないため、特別なアク抜きは基本的に必要ありません。この手軽さが、家庭で調理しやすい理由の一つです。ただし、若芽の先端が丸まっている部分には、土やゴミが溜まりやすいので、調理前に流水で丁寧に洗い、汚れをしっかり落とすことが大切です。丁寧に下処理をすることで、こごみ本来の風味を存分に楽しむことができます。
こごみのおすすめレシピ:定番から変わり種まで

こごみはアクが少なく、下処理が簡単なので、様々な料理に活用できます。DELISH KITCHENの人気レシピから、こごみの風味を活かした定番の天ぷらと、意外な組み合わせが楽しめるペペロンチーノをご紹介します。その他にも、炒め物、胡麻和え、マヨネーズ和えなど、和洋中様々な料理に合います。独特の食感と鮮やかな緑色が、食卓に彩りを添えてくれるでしょう。これらのレシピを参考に、春の味覚を味わってみてください。
定番!こごみの天ぷら
こごみ料理で特に人気なのは、やはり天ぷらでしょう。独特のシャキシャキ感と、かすかな苦みが、揚げたての衣と絶妙にマッチし、まさに旬の味覚を堪能できます。天ぷら粉を使えば、誰でも手軽に美味しい天ぷらが作れます。揚げたてを塩でシンプルに味わうもよし、温かい蕎麦やうどんに添えて、風味豊かな一品にするもおすすめです。DELISH KITCHENのレシピ「季節感じる! こごみの天ぷら」を参考に、ぜひご家庭で揚げたてを味わってみてください。
春の風味!こごみとベーコンのペペロンチーノ
和のイメージが強いこごみですが、洋食にも意外なほど良く合います。特におすすめは、こごみの緑色が食欲をそそるペペロンチーノです。ニンニクの香ばしさ、唐辛子のピリ辛、ベーコンの旨みが、こごみの爽やかな風味と見事に調和します。このレシピの良い点は、スパゲッティが茹で上がる直前に、こごみを加えて一緒に茹でられること。下処理の手間を省きつつ、こごみの色と食感を活かした美味しい一皿が簡単に作れます。「春の味わい♪ こごみとベーコンのペペロンチーノ」で、春の食卓を彩ってみませんか?
その他のおすすめの食べ方
天ぷらやペペロンチーノ以外にも、こごみは色々な調理法で楽しめます。シンプルに茹でてお浸しにするのはもちろん、胡麻和えやマヨネーズ和えにすれば、こごみ特有のぬめりと食感が楽しめます。豚肉などと炒め物にしたり、パスタの具材にするのはもちろん、炊き込みご飯の具材としても美味しくいただけます。アクが少ないので、色々な味付けに合わせやすく、アレンジ自在です。
まとめ
この記事では、かわいらしい見た目の山菜「こごみ」について、正式名称、名前の由来、旬の時期、産地、採取場所、採取時の注意点、栄養、下処理方法、そしておすすめレシピをご紹介しました。こごみはクサソテツという植物で、春から初夏が旬の山菜です。他の山菜に比べてアクが少なく、下処理なしで使えるのが魅力です。天ぷらや胡麻和えなどの定番料理はもちろん、パスタなどの洋食にも良く合います。この春、お店でこごみを見かけたら、ぜひこの記事を参考に、旬の味覚を食卓に取り入れてみてください。
こごみとはどんな山菜?
こごみは、シダ植物の一種である「クサソテツ」の若い芽のことです。その愛らしい見た目は、先端が渦を巻くように丸まっている点にあります。この丸まった姿が、まるで人が縮こまっているように見えることから「こごみ」と呼ばれるようになったと言われています。分類上はイワデンダ科クサソテツ属に属し、他の山菜と比べてアクが少ないため、下処理の手間が少なく、食べやすいのが魅力です。
こごみの旬はいつ?
こごみが最も美味しくなる旬は、新芽が顔を出す春から初夏にかけてです。地域によって時期は異なり、暖かい地域では3月頃から、本州の中央部では4月からゴールデンウィークあたり、そして東北地方や標高の高い地域では5月上旬から6月中旬にかけて収穫の最盛期を迎えます。旬の時期にはスーパーマーケットで見かけることもありますし、湿り気があり、適度に日の当たる山間部や川辺などで自生しているものを採取することも可能です。
こごみはアク抜きは必要?
こごみは、フキノトウやゼンマイといった他の山菜に比べると、アクの量が非常に少ないため、基本的にアク抜きは必要ありません。ただし、特徴的な丸まった部分には土などの汚れが溜まりやすいので、調理をする前に、流水で丁寧に洗い流すことが大切です。













