ダコワーズは、そのサクサクとした食感と甘さが絶妙に組み合わさったフランスの伝統的な焼き菓子で、多くの人々を魅了してやみません。その見た目はシンプルながら、一口食べると広がる芳醇な香りと軽やかな口溶けが忘れられなくなります。この菓子の美味しさは、主にアーモンドやヘーゼルナッツのパウダーが主役のメレンゲ生地に加え、中に詰められるクリームの豊かさによるものです。今回の記事では、そんなダコワーズの魅力と美味しさの秘密を紐解いていきます。
ダックワーズについて
「ダックワーズ」は、フランス生まれの焼き菓子で、小判型の生地が二枚重なり、その間にクリームが挟まれています。その名称は、発祥地とされるフランス南西部の「ダクス」という街から来ているとされています。ダックワーズの最大の特長は、アーモンドの香ばしさが広がる軽い生地に、濃厚なクリームの組み合わせです。薄力粉、砂糖、メレンゲ、アーモンドプードルといった材料はシンプルですが、メレンゲの泡を潰さないように混ぜることで、外はサクサク、中はふんわりとした食感が生まれます。はさむクリームには、一般にバタークリームやガナッシュクリームが用いられますが、抹茶やいちご、紅茶などの味をつけたり、生クリームやカスタードクリームを使ったりと、さまざまなアレンジが可能です。さらに、フルーツやナッツ、ピスタチオを加えることで、よりリッチな味わいになることもあります。このように、多彩な風味を楽しめるのがダックワーズの大きな魅力といえるでしょう。
ダックワーズの発祥地:日本、それともフランス?
実は、日本で一般に目にする小判形のダックワーズは、日本独自のものだったのです。フランスでは、ダックワーズはしばしばホールケーキの土台など、「ケーキの生地としての一種」として使用されることが多いとされています。日本独特のダックワーズが生まれたのは1980年代の頃です。当時、パリのパティスリーで働いていた日本人シェフが日本で人気の和菓子「最中」に形や食感を着想を得て、小判形のダックワーズを作り始めたと言われています。驚いたことに、この小判形のダックワーズは後に逆輸入され、現在ではフランスでも作られるようになっています。もちろん、日本国内でもこのお菓子の人気は続いており、洋菓子店のみならず、多くのスーパーやコンビニでも手に入る程親しまれる存在です。
ダックワーズとマカロンの特徴の違い
「ダックワーズ」と似たお菓子に「マカロン」がありますが、その相違点は何でしょうか?ここでは、それぞれの特徴と違いについて見ていきましょう。
外観の違い
外観に関して言えば、ダックワーズとマカロンの違いは非常に明確です。通常、ダックワーズは小判型の楕円をしており、一方、マカロンは丸い形をしています。また、ダックワーズは焼く前に砂糖をまぶすことで表面が荒れてひび割れることがありますが、マカロンはつややかでスムーズな仕上がりです。
素材の違い
マカロンとダックワーズの生地には、メレンゲ、アーモンドプードル、砂糖が共通の素材として使われています。実際にはほぼ同じ成分ですが、ダックワーズには小麦粉が含まれているため、マカロンと比べると、よりしっかりとした口当たりになります。
作り方の違い
マカロンとダックワーズの風味を決定づける要因は、大きくメレンゲの扱いにあります。前述のように、ダックワーズはざっくりとした質感を目指し、メレンゲの泡を壊さないように混ぜ合わせます。対して、マカロンは気泡を優しく潰すように混ぜ合わせるため、ダックワーズに比べて滑らかで光沢のある仕上がりになります。外側のサクサク感と中のしっとり感を堪能できるのが特徴です。
まとめ
フランスと日本の文化が調和して誕生した洋菓子、ダックワーズ。作り方が難しいと感じるかもしれませんが、メレンゲを上手に扱えるようになれば、自宅で手軽に楽しむことが可能です。覚えておけば、ティータイムの楽しみや、来客時のおもてなし、贈り物としてさまざまなシーンで重宝します。レパートリーに加えて、料理の幅をさらに広げてみてはいかがでしょうか。