シフォンケーキとは?

シフォンケーキはふわふわの食感が特徴的なスポンジケーキの一種です。卵白を泡立てて作る空気の入ったメレンゲが、その軽くてしっとりとした食感の秘密なのです。洋菓子の定番メニューとして親しまれているシフォンケーキについて詳しくご紹介します。

シフォンケーキとは?

卵白を泡立て最高の空気を閉じ込めたメレンゲと、小麦粉、卵黄、砂糖などを混ぜ合わせた生地で作られるシフォンケーキ。中央に空洞のある円柱状の型を使い、オーブンで焼き上げられます。ふんわりとした食感が楽しめるのは、生地にバターではなくサラダ油などの植物油が使用されていることにも由来します。プレーンだけでなく、チョコレートやマーブル、抹茶など様々な風味が存在し、イチゴやフルーツ、生クリームと組み合わせて食べられるのが一般的です。19世紀後半にアメリカで誕生し、日本では1950年代に広く普及。喫茶店や洋菓子店のみならず家庭でも親しまれているスイーツです。

シフォンケーキの歴史や「シフォン」の意味について

シフォンケーキは、その名の由来するように、軽やかでふんわりとした独特の食感が魅力のケーキです。"シフォン"とはフランス語で"薄い織物"を意味し、絹のようななめらかな口当たりから名付けられました。 起源については諸説ありますが、有力な説として1927年にアメリカで料理愛好家のハリー・ベーカーが考案したと言われています。卵白を泡立てて空気を含ませる手法を編み出し、試行錯誤を重ねた末に誕生した新しい食感のケーキがシフォンケーキだったのです。 日本へは大正時代に伝わり、和菓子の発展に一役買いました。卵白とベーキングパウダーなどを使い、焼き上がりはしっとりしながらもふわふわの食感が楽しめます。プレーンなものからフルーツやチョコレートなどがアレンジされた様々な種類が存在し、多くの人々に愛されています。

スポンジケーキとの違い

シフォンケーキとスポンジケーキは、どちらも軽くふわふわとした食感が特徴ですが、いくつかの違いがあります。まず、材料に違いがあります。シフォンケーキは油を使用するため、しっとりとした仕上がりになりますが、スポンジケーキは油を使わず、卵の泡立てによってふんわりとした食感を作ります。また、シフォンケーキは型に油を塗らずに焼き、逆さまにして冷ますことで高さを維持しますが、スポンジケーキは通常型に油を塗ってから焼き、冷ましてから取り出します。このため、シフォンケーキは非常に柔らかく、口当たりが軽いのに対し、スポンジケーキはふんわりとしつつも少し弾力があり、しっかりとした生地感が特徴です。

シフォンケーキについてよくある疑問

シフォンケーキについてのよくある質問にお答えします。

Q: なぜシフォンケーキはサラダ油を使うとふわふわになるのでしょうか?
A: サラダ油はバターと異なり、常温でも液体の状態を保っています。この性質が生地を滑らかにし、膨らむ際のグルテンを伸ばしやすくします。その結果、サラダ油を使うことで、バターを使った場合よりもふわっとした軽い食感が得られます。

Q: シフォンケーキ型の中央に穴があるのはなぜですか?
A: シフォンケーキ型の中央に穴がある理由は、熱を均等に行き渡らせるためです。もし中央が詰まっていると、生地の中心まで十分に熱が伝わらず、生焼けになる可能性があります。この穴があることで、全体が均一に焼き上がるようになっています。

シフォンケーキの作り方

家庭で簡単に作れる美味しいシフォンケーキの作り方をご紹介します。シフォン型をお持ちなら、ぜひチャレンジしてみてください。

材料(17cmのシフォン型1台分)
卵: 4個
砂糖: 70g
サラダ油: 大さじ2
牛乳: 50cc
薄力粉: 70g
粉砂糖: 適量
手順
下準備: オーブンを170℃に予熱します。卵を卵黄と卵白に分け、卵白は冷蔵庫で冷やしておきます。

卵黄生地を作る: ボウルに卵黄と砂糖の1/3を入れ、泡立て器で白っぽくなるまで混ぜます。次にサラダ油を加え、全体がさらに白くなるまで混ぜます。最後に牛乳を加えてよく混ぜます。

粉を加える: 薄力粉をふるい入れ、中心から外側に向かって混ぜます。

メレンゲを作る: 別のボウルに卵白を入れ、ハンドミキサーの低速でほぐします。次に砂糖の半量を加え、高速で泡立てます。全体が白くふんわりしてきたら残りの砂糖を加え、柔らかいツノが立つまでメレンゲを作ります。

生地を合わせる: 卵黄生地にメレンゲの1/4を加え、泡立て器でしっかり混ぜます。残りのメレンゲを加え、底からすくうようにして優しく切るように混ぜます。

焼く: 生地を型に流し入れ、竹串で軽くかき混ぜて平らにします。170℃に予熱したオーブンで30分焼きます。

冷ます: 焼き上がったら、型のまま逆さにして冷まします。完全に冷めたら型から外し、お好みで粉砂糖をふります。

ポイント
生地を冷ます際に逆さまにすることで、ふわふわな仕上がりを保てます。
ケーキのサイズを変更する場合、材料も調整が必要です。

まとめ

シフォンケーキは、実は明治時代に横浜の米人パン職人が考案したと言われています。卵白を泡立てて焼くという、当時としては革新的な製法が軽い食感の秘密でした。また、卵白と卵黄を分けて使うことで、ケーキの耐久性も高まりました。こうした工夫が加わり、今日のシフォンケーキの形になったのです。こうした知られざる歴史があるからこそ、シフォンケーキは洋菓子の代表格と言えるでしょう。

シフォンケーキ