イタリアの伝統的なデザートの中で、ひときわ美しい姿と味わいを持つカンノーリ。一度その甘美な味を知れば、多くの人が虜になることでしょう。起源はシチリア島にあると言われ、外はサクサク、中はふんわりとしたリコッタチーズをたっぷりと詰め込んだこのお菓子は、家庭でも作れるようになった今、その神秘的な歴史や作り方のテクニックを知ることで、より深く味わうことができます。今回は、カンノーリの魅力に迫り、その秘密を紐解いていきます。
カンノーリについて
カンノーリとは、イタリアのシチリア島にルーツを持つ、甘いお菓子として知られています。
筒状に揚げたサクサクの生地の中に、リコッタチーズをベースにしたクリームがぎっしり詰まっており、洋酒の香りが漂う、イタリアを代表するスイーツです。
もともとシチリア島の祭りの際に作られる特別な菓子でしたが、1972年の映画「ゴッドファーザー」で紹介されたことで人気が爆発し、今ではイタリア全土やイタリア系移民の多いアメリカでも多くの人に楽しまれています。特にアメリカのイタリア料理店では、定番のデザートとして広く提供されています。
また、イタリアンスイーツとしては、「カッサータ」も見逃せません。これは、ドライフルーツやナッツを加えたチーズクリームを固めたもので、シチリアの伝統菓子として知られ、特に夏にぴったりの爽やかなお菓子です。ぜひ試してみてください。
カンノーリの魅力
カンノーリの特徴として挙げられるのは、そのパリッとした香ばしさと、濃厚でありながらも爽やかな後味です。リコッタチーズを使ったクリームは、滑らかなタイプや食感を残したタイプがあり、店や家庭ごとにアレンジが異なります。
また、シチリアで作られる酒精強化ワイン「マルサラ酒」が生地やクリームに風味を加えるのも独特です。このように地域の素材を大切に使う点から、カンノーリは伝統を感じさせるスイーツです。
シチリアの本場では、さくらんぼの砂糖漬けだけでなく、特産のピスタチオをトッピングするのが一般的だそうです。
近頃は、リコッタチーズだけでなく生クリームやカスタードクリームも使われたり、チョコレートや地元のお酒、フルーツを加えるなど、さまざまなアレンジが楽しまれています。伝統にとらわれないアプローチがカンノーリの魅力の一端を担っているのでしょう。
"カンノーリ"とは「小さな筒」を意味します
カンノーリという名称は、イタリア語で「小さな筒」という意味に由来します。この名前は、筒状の見た目から自然と定着しました。
では、どのようにしてカンノーリの筒の形が作られるのでしょうか。
このデザートの生地は、主に小麦粉、砂糖、卵を混ぜ合わせて作ります。生地がしっかりしてきたら薄く伸ばし、カンノーリ型と呼ばれる金属製の棒に巻きつけて揚げます。これにより、特有の筒状の形が生まれるのです。
生地は植物油やラードを使い、低温でじっくりと揚げることによって、サクサクとした心地よい食感の筒になります。
「カンノーリ」と「カンノーロ」の相違点とは?
"カンノーロ"と"カンノーリ"という呼び名にはどのような違いがあるのかご存じですか?
実際には、イタリア語の文法上、この違いは単数形と複数形によって生じます。
単数形では"カンノーロ"と呼び、"カンノーリ"は二つ以上の場合に使用されます。少し混乱するかもしれませんが、ぜひ覚えておきましょう。
カンノーリは作りたての状態で味わうのが基本!
カンノーリの最大の特徴は、パリッとした生地と滑らかなクリームの絶妙な食感です。クリームの水分で生地が柔らかくならないよう、注文があってからクリームを詰めるお店が多く見受けられます。
カンノーリを最高の状態で楽しむためには、レストランで食べる時もお持ち帰りする時も、提供されたら早めに食べるのがベストです!