ゴジベリー(クコの実)とは?栄養と効果、美味しい食べ方・レシピ

鮮やかな赤色が目を引くゴジベリー。杏仁豆腐のトッピングとして親しみのある方もいるかもしれません。実は近年、スーパーフードとして注目を集めており、美容や健康に関心の高い方々の間で話題となっています。ゴジベリーは、中国では古くから「不老長寿の薬」として珍重され、欧米でもその栄養価の高さから「ゴジベリー」の名で親しまれてきました。この記事では、ゴジベリー(クコの実)の驚くべき栄養と効果効能を徹底解説。美味しい食べ方や、毎日の食生活に取り入れやすいレシピもご紹介します。ゴジベリーの力を知って、より健やかで美しい毎日を送りましょう。

ゴジベリー(クコの実)とは?知っておきたい歴史と名前の由来

クコはナス科クコ属の植物で、高さは1~2mほどの落葉低木です。夏には可愛らしい淡紫色の花を咲かせ、秋になると長さ1.5cmほどの楕円形の赤い実をつけます。日本では一般的に「クコの実」と呼ばれていますが、中国語では「gou qi(ゴウチー)」、欧米では「ゴジベリー」や「ウルフベリー」として広く知られています。
原産は東アジアで、中国では古くから薬用植物として大切にされてきました。生薬としての「枸杞子(くこし)」は、乾燥させたクコの実のことで、中国では昔から「不老長寿の薬」として用いられてきました。その歴史は非常に古く、紀元前に書かれた中国最古の薬物書「神農本草経」や、中国の詩篇「詩経」にもその記述が見られます。あの世界三大美女の一人、楊貴妃も毎日食べていたと言われるほど、その効果は高く評価されていたのです。
日本でも、全国の河川敷や林の縁、海岸近くの日当たりの良い土手や原野などに自生しており、江戸時代の書物「大和本草」にも記載があるなど、古くから人々に親しまれてきた植物です。しかし、近年までは、日本でクコの実は今ほどポピュラーな食品ではありませんでした。近年、欧米でセレブなどが愛用する「スーパーフード」として注目され、「ゴジベリー」という名前で日本に再上陸し、一大ブームを巻き起こしたのです。
ちなみに、本草綱目によれば、クコはカラタチのようなトゲを持ち、コリヤナギのように枝がしなやかであることから「枸杞(クコ)」と名付けられたとされています。

ゴジベリー(クコの実)の栄養成分と注目すべきポイント

以下は、クコの実の代表的な栄養成分です。中でも特に注目すべき、ゴジベリー(クコの実)が「スーパーフード」と呼ばれる理由となった栄養成分について詳しくご紹介します。

ミネラルが豊富

ミネラルは、無機質とも呼ばれる五大栄養素の一つです。体を構成する主要な4元素(酸素、炭素、水素、窒素)以外のものの総称で、骨や歯、皮膚などの材料になったり、体の機能や組織を調整・強化したりして、心身のバランスを正常に保つなど、非常に重要な役割を担っています。ミネラルは体内で生成できないため、食事から摂取する必要があり、様々なミネラルをバランス良く摂ることが大切です。クコの実には、ミネラルがバランス良く含まれており、特にカリウム、鉄、銅、亜鉛、マグネシウムは、ドライフルーツの中でもトップクラスの含有量であると言われています。特に注目すべきはカリウムの含有量で、ゴジベリーには100gあたり1132mgものカリウムが含まれています。これは、カリウムを豊富に含む野菜として知られるほうれん草の690mgと比較して、約1.5倍もの量に相当します。

ビタミンB1

ビタミンB1、別名チアミンは、水に溶けやすい性質を持つビタミンです。摂取した糖質を効率的にエネルギーへと変換する際に不可欠であり、疲労感の軽減や、健康的な皮膚や粘膜を維持する上で重要な役割を果たします。さらに、脳や神経におけるスムーズな情報伝達をサポートするためにも必要な栄養素です。

ビタミンB2

ビタミンB1が糖質の代謝に関与するのに対し、ビタミンB2は脂質の代謝をサポートします。皮膚、粘膜、髪、爪などの健康的な成長を促進する効果があり、成長期には特に重要なビタミンとして知られています。

ナイアシン

ナイアシンは、ニコチン酸とニコチンアミドをまとめた名称で、ビタミンB3とも呼ばれる栄養素です。糖質、タンパク質、脂質の代謝を円滑に進めるのを助け、皮膚や粘膜を健康に保つ働きや、血流を促進する効果が期待できます。

ビタミンC

ビタミンCは、細胞同士を結びつけるコラーゲンの生成に欠かせないビタミンです。コラーゲンは、肌のハリを保つだけでなく、血管、粘膜、骨、軟骨などを丈夫にする働きも期待されています。また、強力な抗酸化作用を持つため、老化の防止に加え、動脈硬化や心筋梗塞といった生活習慣病の予防にも役立つ可能性があります。さらに、ビタミンCの摂取は免疫機能を高め、ストレスへの抵抗力を向上させるなど、現代人にとって嬉しい効果が数多く報告されています。ゴジベリーに含まれるビタミンCは非常に豊富で、100gあたり約400mgと、レモン(100gあたり約100mg)と比較しても、その含有量の多さが際立っています。

β-カロテン

β-カロテンは、植物中に存在するオレンジ色の天然色素です。体内でビタミンAに変換され、その効果を発揮します。皮膚や粘膜の健康維持をサポートし、免疫力を高める作用があると考えられています。また、強力な抗酸化作用を持ち、エイジングケアや生活習慣病の予防にも役立つと期待されています。

クコ多糖体 (LBP)

栄養成分表示には記載されていない場合もありますが、クコの実を特徴づける重要な成分の一つです。クコ多糖体は優れた抗酸化作用を持ち、健康と美容に多岐にわたるプラスの効果をもたらすとされています。さらに、細胞の免疫機能を向上させ、がん細胞の増殖を抑制する効果も報告されています。

ゼアキサンチン

成分表には表示されないこともありますが、クコの実には豊富なゼアキサンチンが含まれています。ゼアキサンチンはカロテノイドの一種で、目の網膜の中心部である黄斑に存在し、光によるダメージから目を保護する役割を果たします。強力な抗酸化作用でも知られ、活性酸素を除去し、身体へのダメージを軽減します。

ベタイン

ベタインはアミノ酸の一種であり、植物や魚介類などの自然界に広く存在する天然物質です。血糖値の急な上昇を抑制したり、脂肪肝、動脈硬化、糖尿病などの生活習慣病を予防する効果が期待されています。

ポリフェノール

ポリフェノールは、多くの植物に含まれる、独特の苦みや色素の元となる成分です。アスコルビン酸(ビタミンC)やトコフェロール(ビタミンE)と同様に、優れた抗酸化作用を持ち、美容効果や年齢に応じたケアに役立つと考えられています。さらに、動脈硬化、糖尿病、肥満といった生活習慣病を予防する可能性も示唆されています。

クコの実(ゴジベリー)はどんな味がする?

生のクコの実は、風味豊かな味わいを楽しめますが、独特の青臭さや苦味があるため、一般的には乾燥させたものが流通しています。乾燥させたクコの実も、かすかな甘みとともに、独特の酸味と苦味があり、一般的なドライフルーツとは異なる独特の風味を持っています。味の感じ方には個人差があり、「形容しがたい味」「あまり味がしない」という声も聞かれます。SNS上では、「漢方薬のような風味と赤い実?がクコの実かな。杏仁豆腐に入っているようなもので、味はあっさりしていました」(ハナトコバト氏)、「クコの実を初めて食べたけど、何とも言えない味がする。干しぶどうに近いような気もする。」(とろなが@C92逆転王氏)、「今日のおやつはクコの実。干し柿と似た味がする気がする(どちらも好き)」(糸加氏)といった意見が見られます。全体として、クコの実の味は表現が難しい、独特の風味を持つと言えるでしょう。この独特の風味は、人によって好みが分かれるかもしれません。

まとめ

クコの実(ゴジベリー)は、昔から「長寿の薬」として重宝され、現代では「スーパーフード」として世界中で注目されています。豊富なミネラル、ビタミン類、カロテノイド、クコ多糖類など、多種多様な栄養成分を含んでおり、生活習慣病の予防、滋養強壮、疲労回復、免疫力アップ、美容とエイジングケア、視力サポートなど、幅広い効果が期待されています。乾燥したものをそのまま食べるだけでなく、デザート、薬膳料理、参鶏湯、混ぜご飯、クコ酒など、様々な料理や飲み物に取り入れることで、手軽に栄養を摂取し、彩りを添えることができます。独特の風味を持つクコの実ですが、その健康効果と料理への使いやすさから、毎日の食生活に取り入れることで、美容と健康をサポートしてくれるでしょう。

クコの実の1日の摂取量はどのくらいが目安ですか?

一般的に、乾燥クコの実の1日の摂取量の目安は、約10gから20gとされています。これは、大さじ1杯から2杯程度に相当します。初めて摂取する場合は、少量から試してみて、体調に合わせて量を調整することをおすすめします。

クコの実の過剰摂取による影響は?

クコの実は豊富な栄養成分を含んでいる一方で、摂りすぎには注意が必要です。過剰に摂取すると、消化不良による腹部の不快感や、胃腸への負担を感じることがあります。ごくまれに、アレルギー症状が現れるケースも報告されていますので、体調に変化があった際は、速やかに摂取を中止し、医療機関を受診してください。特に、血液をサラサラにする薬(抗凝固剤)を服用中の方は、クコの実に薬の効果を増強する作用があるため、摂取前に必ず医師に相談してください。

クコの実の入手先について

クコの実(ゴジベリー)は、一般的なスーパーマーケットのドライフルーツ売り場や、健康食品専門店、アジア食品を扱うお店、またはインターネット通販などで手に入れることができます。多くの場合、乾燥させた状態で袋詰めされたものが販売されています。
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