洋菓子 種類 焼き菓子

焼き菓子は、洋菓子の中でも人気が高く、様々な種類があります。香ばしい香りと絶妙な食感が魅力的で、一口食べれば心が癒されるでしょう。焼き菓子には古くから受け継がれた伝統的なものから、最新のトレンドを取り入れた革新的なものまで存在します。この記事では、焼き菓子の代表的な種類とその特徴について紹介していきます。

洋菓子の種類を分類ごとに紹介

洋菓子には様々な種類があり、水分量によって生菓子・半生菓子・干菓子の3つに大別されます。生菓子は水分量が30%を超えるもので、クリームやフルーツを使ったお菓子が該当し、消費期限は作られた当日中です。半生菓子は水分量が10~30%のお菓子で、焼き込みのタルトやパウンドケーキなどが分類され、数日間の消費期限があります。一方、干菓子は水分量が10%以下のお菓子で、クッキーやキャンディなどが長期保存が可能な品々です。このように、洋菓子は水分量によってその特徴が異なり、さまざまな種類が存在しています。生菓子からビスケットまで、それぞれ異なる食感や風味を楽しむことができ、菓子の世界は無限の広がりを見せています。

洋菓子の種類①スポンジケーキ

スポンジケーキは、卵と砂糖を主原料とした伝統的な洋菓子の代表格です。生地を卵白と卵黄を別々に泡立てる「別立て」の方法で作ることにより、ふわふわと軽く、やわらかい食感が実現されます。 焼き上がりの生地には、バニラエッセンスなどの香り付けや、角砂糖、ドライフルーツ、ナッツなどを加えてアレンジを楽しむことができます。単体でお茶菓子として愛されるだけでなく、ショートケーキやロールケーキ、チョコレートケーキなど、他の菓子の土台としても欠かせません。美しい形状と上品な甘さから、洋菓子店の定番商品として親しまれています。 スポンジケーキを使った代表的な菓子には、以下のようなものがあります。

◆ショートケーキ 生地とクリームの層を重ねた菓子。クリーム以外にもフルーツやジュレ、ガナッシュなどを使ったアレンジが可能で、海外ではレイヤーケーキと呼ばれています。

◆ロールケーキ 板状に焼いた生地にクリームを塗り、巻いた菓子。クリームの種類や中に巻くフルーツなどでアレンジの幅が広がります。

◆シフォンケーキ 中央に穴が空いた形に焼き上げられ、サラダ油と多めの卵白で軽い食感が特徴的なアメリカ発祥の菓子です。

◆パンケーキ フライパンで丸く焼いたケーキで、日本ではホットケーキと呼ばれています。世界各国で親しまれているお菓子です。

洋菓子の種類②バターケーキ

卵と生クリームを贅沢に使用した、しっとりとした食感が魅力のバターケーキ。バターの風味がふわりと香り、甘さと塩気の絶妙なバランスが楽しめます。焼型の形状で呼び名が異なり、円形がバターケーキ、長方形がパウンドケーキと呼ばれています。 伝統的なパウンドケーキは、イギリス発祥の菓子で、小麦粉・バター・砂糖・卵を1ポンドずつ使う由来があります。一方のフランス名「カトルカール」は、4つの材料を同量で使うことを意味します。 また、パウンドケーキ生地にラム酒漬けのドライフルーツを加えたフルーツケーキや、ドイツ発祥の「バウムクーヘン」もバターケーキの一種です。バウムクーヘンは、樹木の年輪のような独特の模様が特徴的で、国の基準を満たしたものだけが本物と呼ばれます。 大人の味わいがたまらないバターケーキは、コーヒーや紅茶のおともに最適。ぜひ、焼きたての香り高いひとときをお楽しみください。

洋菓子の種類③シュー菓子

シュー菓子は、軽くてサクサクした魅力的な食感が人気の一品です。バター、水、小麦粉から作られるシュー生地は、焼成中に発生する蒸気を利用して膨らませることで、軽い口当たりを実現しています。 代表的なシュー菓子には、シュー生地にカスタードクリームを詰めた「シュークリーム」があります。フランスでは「シュー・ア・ラ・クレーム」、英語圏では「クリーム・パフ」と呼ばれ、丸く絞り出した形状がキャベツに似ていることから名付けられました。 また、細長くシューを焼き、クリームを詰めるか挟んだ「エクレア」は、フランス発祥の定番菓子です。チョコレートなどの糖衣がけされたものが一般的で、フランスでは最も基本的なお菓子の一つとされています。 さらに、小さなシュークリームをカラメルで組み立てた「サントノレ」は、パリの名店で考案された華やかな見た目の菓子です。バリエーションも豊富で、お祝いの席で好んで食べられています。 そのほか、リング状のシュークリームで「パリ・ブレスト」は、自転車レースの開催を記念して作られました。プラリネなどの風味付けされたクリームが特徴的です。 このように、シュー菓子はフランス伝統の軽い食感と、さまざまな創作によって多彩な味わいを楽しめる人気の洋菓子です。

洋菓子の種類④発酵菓子類

発酵菓子類は、生地に酵母を加えて発酵させることで独特の風味と食感を生み出す一群の洋菓子です。代表的なものとしてパン、デニッシュ、ブリオッシュ、クロワッサンなどが挙げられます。 パンは小麦粉に酵母、塩、水を加え発酵させた生地を焼き上げたものです。弾力的な食感と酵母による香ばしい風味が特徴で、フランスパン、食パン、バゲットなど多様な種類があります。 デニッシュは「徐菓子法」と呼ばれる製法で作られ、サクサクとしたバターの風味が絶品です。ブリオッシュは卵とバターを多用することで極上のしっとり食感を実現しています。 クロワッサンは「徐菓子法」の生地をロール状に巻いた代表的な発酵菓子で、バターの豊かな風味とサクサク食感、軽やかな口当たりが魅力です。 発酵菓子にはこのほかにも、ブリオッシュ生地を使ったサヴァラン、デニッシュペストリー、ドイツ発祥のシュトレンなどの種類があり、酵母による発酵工程を経ることで風味と食感に深みが生まれます。

洋菓子の種類⑤フィユタージュ類

フィユタージュ類は、バター生地を何十層にも重ね合わせた美しい構造と、しっとりとしたクリームとのコントラストが魅力的な洋菓子です。フランス語で"薄い層"と"地面"を意味する言葉から名付けられ、層になった生地の間にクリームやフルーツなどが挟まれています。 主な種類は以下の通りです。

◆ミルフィーユ
バター生地の層の間にカスタードクリームなどを挟み、一口サイズに切り分けられています。さくさくとした食感とたっぷりのクリームが絶妙な味わいを生み出します。

◆ナポレオン
ミルフィーユに似た生地と構造ですが、長方形の形をしています。層になったバター生地の間にカスタードクリームや赤いフルーツが重ねられ、上部はチョコレートがけやアーモンドスライスで飾られることが多く、フランス革命の英雄にちなんで名付けられたと言われています。 一つ一つ丁寧に作られたフィユタージュ類は、その作り手の技と心遣いを感じさせる味わいで、ティータイムを格別なものにしてくれるでしょう。

洋菓子の種類⑦キャンディ類

上品な風味と様々な形状で愛される砂糖菓子 砂糖や水飴を煮詰め、常温で固めた菓子類は、フランスでは「コンフィズリー」と呼ばれています。その代表的な種類には、フルーツのピューレを砂糖で固めた「パート・ド・フリュイ」、生クリームやバターを加えてなめらかな味わいの「キャラメル」、ナッツやドライフルーツをねっとりとした砂糖菓子に混ぜ込んだ「ヌガー」などがあります。 フランス菓子の伝統を継承しつつ、近年は風味や形状の個性化が進んでいます。例えば、パート・ド・フリュイでは様々なフルーツの味が楽しめるようになり、キャラメルには生クリームを増量した濃厚な味わいのものも登場しています。一方、ヌガーにはメレンゲを加えて軽い食感を実現するなど、新たな素材の組み合わせも試みられています。 こうした砂糖菓子は、上品でありながら個性的な味わいと形状で、幅広い世代から支持されています。時と場合に合わせて、様々なコンフィズリーを楽しむことができます。

洋菓子の種類⑧チョコレート類

カカオ豆を発酵させ、焙煎したカカオマスを砂糖やココアバターと混ぜ合わせて固めた菓子、それがチョコレートです。世界中で愛されるこの万能な洋菓子には、様々な種類が存在します。 ガトーショコラは、フランス語で「チョコレートケーキ」を意味し、生地やクリームにチョコレートを使用した菓子の総称です。「オペラ」「フォンダン・オ・ショコラ」(フランス)、「ブラウニー」(アメリカ)、「ザッハトルテ」(オーストリア)などがその一例です。 トリュフチョコレートは、チョコレートとクリームを混ぜ合わせたガナッシュを丸め、ココアパウダーやチョコレートで糖衣をしたお菓子で、その形状がキノコのトリュフに似ていることから名付けられました。 一方のボンボン・ショコラは、中にフィリングを詰めた一口サイズのチョコレートです。板状に層を作ってから切り分けチョコレートコーティングする「フランス方式」と、型にチョコレートを流し込んでからフィリングを詰める「ベルギー方式」があります。 このように、チョコレートは様々な形態で楽しむことができる万能な洋菓子なのです。

洋菓子の種類⑨デザート類

フランス語の「デセール」に由来するデザートは、本来食事の最後に食べる菓子類を指し、糖分やビタミンなどの栄養素を補う役割がありました。主な種類は以下の通りです。

◆プリン
卵液を加熱してカスタードを固めたもので、南米ではフラン、フランスではクレームカラメルと呼ばれます。凝固剤を使用して固めるものはケミカルプリンに分類されます。

◆クレープ
薄い生地を使い、折りたたんで様々な具材を包んだパンケーキの一種です。洋酒をかけてフランベするクレープシュゼット、生地を何枚も重ねたミルクレープ、そば粉を使うガレットなどのバリエーションがあります。

甘くてなめらかなムースやプリン、フレッシュなフルーツを使った新鮮でさっぱりとしたデザートは、優雅な食事の終わりを飾る絶品の一品です。ティラミスのコーヒー風味のマスカルポーネクリームとカカオパウダー、チーズケーキのしっとりした食感とベリーソースの相性など、大人の味わいが堪能できます。暑い夏にはフルーツタルトやパフェが人気で、色鮮やかで見た目も楽しいデザートが食卓を彩ります。ちょっと贅沢な気分で優雅な一時を味わえる、そんな特別なデザートばかりです。

まとめ

焼き菓子は多様な種類と歴史があり、それぞれに独特の香りや食感を楽しめます。伝統的なものからトレンドを取り入れた革新的なものまで、焼き菓子の世界は深く、幅広い選択肢があります。ぜひ様々な焼き菓子を試し、その魅力に触れてみてはいかがでしょうか。小さな一口が心を癒し、至福のひと時をもたらしてくれるはずです。

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