鮮やかな花色と多様な草姿で、ガーデニング愛好家を魅了するバーベナ。その愛らしい姿から「美女桜」とも呼ばれ、庭先を華やかに彩ります。一年草として扱われる品種から、比較的寒さに強い多年草まで、豊富なバリエーションも魅力の一つ。今回は、バーベナの多様な魅力と、初心者でも育てやすい栽培のポイントを詳しく解説します。あなたのお庭にぴったりのバーベナを見つけて、長く美しい花を咲かせましょう。
バーベナとは
バーベナは、クマツヅラ科に分類されるバーベナ属(学名:Verbena)の植物の総称です。日本では、その美しい花姿から「美女桜(ビジョザクラ)」という別名でも親しまれています。その種類は豊富で、原種と品種を合わせると約250種にも及び、花の色も白、赤、ピンク、紫、そしてこれらの色が混ざった複色など、バラエティに富んでいます。
原産地は南北アメリカの温暖な地域ですが、日本にも同属の植物が自生しています。開花期間が長く、春から秋の終わりまで花を咲かせ続け、夏の暑さにも負けずに鮮やかな花を咲かせるのが特徴です。本来は多年草ですが、寒さに弱い品種が多いため、日本では一年草として扱われることもあります。一方で、比較的寒さに強く、多年草として育てられる品種も存在します。
バーベナの草姿は品種によって大きく異なり、地面を這うように横に広がるものから、草丈が1メートルを超えるものまであります。生育スタイルも立ち上がるタイプと地面を這うタイプがあり、後者のほふく性は、特に栄養繁殖系の品種に多く見られ、暑さや寒さに比較的強く育てやすいのが魅力です。この特性を活かして、グランドカバーや寄せ植え、ハンギングなど、様々な用途で楽しむことができます。
バーベナには、繊細なコスモスの葉に似た切れ込みのある葉を持つ「タピアン」シリーズ(宿根バーベナやテネラと呼ばれることもあります)や、葉に切れ込みがない「花手毬」シリーズ、そして‘ピンク・パフェ’などの品種があります。さらに、リギダやボナリエンシス(サンジャクバーベナ)といった、背が高くなる品種も存在します。
バーベナの基本情報
バーベナの詳しい基本情報は以下の通りです。
- 学名:Verbena
- その他の名前:ビジョザクラ(美女桜)
- 科名 / 属名:クマツヅラ科 / クマツヅラ属(バーベナ属)
- 開花時期:春~晩秋
- 原産地:南北アメリカの熱帯~亜熱帯地域
- 草丈:ほふく性~1m以上
- 用途:花壇、鉢植え、グランドカバー、ハンギング
バーベナの種類・品種
バーベナは非常に多くの種類と品種があります。ここでは、その中でも代表的な品種をいくつかご紹介します。
バーベナ・テネラ
葉が細かく切れ込んでいるのが特徴的なグループです。宿根バーベナとも呼ばれ、比較的寒さに強い性質を持っています。
‘ピンク・パフェ’
愛らしいピンク色の花が特徴的な品種です。葉に切れ込みがないタイプになります。
「タピアン」シリーズ
地面を覆うように広がる特性があり、グランドカバーとして最適です。耐暑性・耐寒性に優れており、初心者でも育てやすいのが魅力です。
「花手毬」シリーズ
丸い手毬のような花房が目を引くシリーズです。コンパクトなサイズなので、鉢植えでの栽培にも向いています。
バーベナ・ボナリエンシス(サンジャクバーベナ)
背が高くなる品種で、花壇の後ろに植えることで奥行きのある庭を作ることができます。細い茎の先に小さな花をたくさん咲かせ、風に揺れる姿が美しいです。
バーベナ・リギダ
耐寒性を持つ品種であり、多年草として親しまれています。花壇に植えると、その鮮やかな色彩で庭を華やかに彩ります。
バーベナの栽培時期
バーベナを栽培する際は、以下の時期を目安にすると良いでしょう。ただし、気候条件や品種によって適した時期が異なる場合があります。
- 植え付け:3月から6月頃
- 開花期:春から秋遅くまで
- 切り戻し:8月中旬から下旬
- 種子まき:春または秋
- 挿し木:春先から初夏、または秋
バーベナは、多彩な花色と長い開花期間が魅力的な植物です。基本的な育て方を守ることで、初心者の方でも比較的容易に育てられます。ぜひバーベナを育てて、その美しい花を楽しんでください。
まとめ
この記事では、バーベナの基本情報から育て方、品種について詳しく解説しました。バーベナは比較的育てやすい植物であり、様々な品種が存在します。ご自身の庭やベランダに合った品種を選び、ガーデニングを満喫してください。この記事が、皆様のバーベナ栽培のお役に立てれば幸いです。
質問:バーベナは一年草でしょうか?それとも多年草でしょうか?
回答:バーベナには、一年草として扱われる品種と、多年草として扱われる品種が存在します。一般的に、寒さに弱い品種は一年草として扱われ、寒さに強い品種は多年草として扱われる傾向があります。
質問:バーベナ栽培に適した土壌とは?
回答:バーベナは、水持ちと水はけのバランスが取れた、空気の通りが良い土壌を好みます。市販されている草花用の培養土に、腐葉土や完熟堆肥などを混ぜて使うと良いでしょう。また、酸性の土壌は苦手なため、植え付けを行う前に苦土石灰を混ぜて、土壌のpH調整を行うことをおすすめします。
質問:バーベナの花付きが悪いのですが、どうしたら良いでしょうか?
回答:バーベナの花が咲かない原因として考えられるのは、日光不足、栄養不足、水不足などです。バーベナは日当たりの良い環境を好むため、1日あたり最低でも5~6時間程度は日光に当ててあげてください。また、肥料が不足すると花付きが悪くなるため、定期的な追肥を心掛けましょう。水やりは、土の表面が乾いたらたっぷりと与えるのが基本ですが、水のやり過ぎは根腐れの原因となるため注意が必要です。