植物性ヨーグルト:種類と選び方、毎日の食生活に取り入れるメリットを解説!

健康志向の高まりとともに、植物性ヨーグルトへの注目が集まっています。牛乳由来のヨーグルトと異なり、豆乳やアーモンドミルクなどを原料とするため、乳アレルギーの方やヴィーガンの方にも安心。低糖質・低脂質でありながら、食物繊維が豊富な点も魅力です。この記事では、植物性ヨーグルトの選び方を徹底解説。毎日の食生活に手軽に取り入れられる、ヘルシーな選択肢を見つけてみましょう。

植物性ヨーグルトの基本:なぜ今、選ばれるのか

食生活の多様化と健康への関心の高まりを背景に、植物性ヨーグルトの市場は拡大の一途をたどっています。日本においても「ヴィーガン」や「ベジタリアン」といった食のスタイルを選ぶ人が増えるにつれて、その存在感を増しています。

その最大の魅力は、糖質と脂質が控えめでありながら、食物繊維が豊富であるという点にあり、健康的な食生活を求める人々にとって魅力的な選択肢となっています。さらに、動物性食品と比較して、製造過程における環境への負荷が少ないことから、持続可能な選択肢としても注目されています。

植物性ヨーグルトの主な種類と特徴

植物性ヨーグルトは、使用される植物性原料によって、風味、食感、栄養価が大きく異なります。原料によって異なる食感、香り、味わいを楽しめる点が魅力です。ここでは、植物性ヨーグルトによく使われる原料と、それぞれの特徴をご紹介します。

豆乳ヨーグルト

植物性ヨーグルトの代表的な存在といえば、「豆乳」を使ったヨーグルトです。豆乳に乳酸菌を加えて発酵させたもので、大豆由来の原料であるため、大豆イソフラボンや食物繊維など、女性に嬉しい栄養素が豊富に含まれています。従来の牛乳由来のヨーグルトと比較しても、まろやかな風味と、乳酸菌やビフィズス菌による発酵が生み出す穏やかな酸味が特徴です。とろりとした絹ごし豆腐のような食感と、あっさりとした味わいを楽しめます。大豆イソフラボンや植物性タンパク質が豊富に含まれており、女性の健康維持や美容に貢献するとされています。そのまま食べるのはもちろん、ドレッシングなど、さまざまなレシピに活用できます。近年、特に種類が増加している豆乳ヨーグルトは、低カロリー、低糖質、低脂質であり、満腹感が持続しやすいことから、日々の健康習慣として取り入れられています。

大豆ヨーグルト

原料に「大豆」を使用した植物性ヨーグルトも存在します。大豆ヨーグルトは豆乳ヨーグルトとは異なり、豆乳を絞る過程で取り除かれる「おから」の成分も含まれているため、食物繊維が豊富であるという特徴があります。大豆は「畑の肉」と呼ばれるほど良質なタンパク質を含み、特に大豆イソフラボンは、大豆にわずか0.4%前後しか含まれない貴重な成分です。大豆イソフラボンは、女性ホルモンと似た働きをすることが知られており、健康や美容に関心のある方から注目されています。大豆ヨーグルトは、酸味が少なくクリーミーな味わいが特徴で、女性や子供も食べやすく、普段のヨーグルトの代わりに習慣化しやすいでしょう。ジャムやシロップをかけておやつとして楽しんだり、味噌汁やアボカドにトッピングして、食卓にもう一品加えてみるのもおすすめです。

お米のヨーグルト

植物性ヨーグルトの中には、お米を原料とするものがあります。これは、米粉を使用したヨーグルト風の食品で、お米由来の乳酸菌を活用し、お米、乳酸菌、水というシンプルな材料のみで作られています。炊き上げたお米を、発酵食品から抽出した植物性乳酸菌で発酵させることで、独特のもちもちとした食感と、お米本来の優しい甘さが生まれます。お米のヨーグルトは、マヨネーズの代替品としてサラダに、またスムージーの材料としても最適で、シンプルな原料ゆえに、料理の味を邪魔することなく引き立てます。乳成分や大豆を一切含んでいないため、牛乳アレルギーや大豆アレルギーの方でも安心して食べられる、アレルギー対応食品としても注目されています。

アーモンドミルクヨーグルト

近年、特に人気を集めているのが、アーモンドミルクをベースにしたヨーグルトです。乳成分を一切使用せず、アーモンドと水だけで作られています。牛乳ヨーグルトと比較して、低カロリー、低糖質でありながら、カルシウムを十分に摂取でき、さらにビタミンEや食物繊維など、アーモンド由来の栄養素も豊富に含んでいます。アーモンドミルクヨーグルトは、なめらかな口当たりと、アーモンドの香ばしい風味が特徴です。ココアに加えてアーモンドの豊かな風味を楽しんだり、マッシュポテトにマヨネーズの代わりに加えても美味しくいただけます。

ココナッツヨーグルト

ココナッツミルクを原料としたヨーグルトも存在します。これも乳成分を一切使わず、ココナッツミルクを乳酸菌で発酵させた植物性ヨーグルトの一種です。ココナッツミルクの濃厚な風味と、とろけるような食感が特徴で、デザート感覚で楽しめる製品が多く見られます。ココナッツミルクヨーグルトの特筆すべき点は、中鎖脂肪酸を手軽に摂取できることです。中鎖脂肪酸のみで構成されたオイルは「MCTオイル」として知られ、消化吸収が早く、速やかにエネルギーに変換されるという特性があります。日々の食生活に取り入れることで、運動能力の向上や疲労回復効果が期待できます。ココナッツ特有の甘い香りと、ほのかな酸味を活かして、アイスクリームやスパイスを効かせたカレーにアレンジするのもおすすめです。

えんどう豆ヨーグルト

最近では、えんどう豆を原料とするヨーグルトも登場しており、タンパク質が豊富で、クセが少なく食べやすいのが特徴です。これらの多様な植物性原料を使用したヨーグルトは、消費者の様々な嗜好や健康ニーズに応える、幅広い選択肢を提供しています。

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植物性ヨーグルトのメリット・デメリット

植物由来のヨーグルトは、従来の動物性ヨーグルトとは異なる利点と注意点があります。これから植物性ヨーグルトを試してみたい方、あるいは動物性ヨーグルトからの切り替えを検討している方は、以下の情報を参考に判断すると良いでしょう。

栄養価が豊富

植物性ヨーグルトの魅力は、その優れた栄養バランスです。牛乳ヨーグルトと比較して、食物繊維、ミネラル、葉酸など、特に女性にとって嬉しい栄養成分が豊富に含まれていることが多いです。また、植物性タンパク質も摂取できるため、日頃の食事で不足しがちなタンパク質の補給にも役立ちます。さらに、植物性ヨーグルトは使用される原料によって異なる栄養素を摂取できるため、個々のニーズに合わせて選択できる点が大きなメリットです。例えば、豆乳ヨーグルトであれば美肌効果が期待される大豆イソフラボン、アーモンドミルクヨーグルトであれば悪玉コレステロールの抑制に役立つオレイン酸を摂取できるなど、目的に応じた選択が可能です。

低脂肪・低糖質

植物性ヨーグルトの利点として、低脂肪かつ低糖質であることが挙げられます。そのため、食生活への影響を最小限に抑えつつ、気軽に日々の食事に取り入れることができます。現代社会では、肉や揚げ物に含まれる脂肪分や、ご飯、パン、麺類などに含まれる糖分を過剰に摂取しがちな傾向があります。日本人の食事摂取基準(2020年版)では、炭水化物(糖質+食物繊維)の摂取目安は、総エネルギーの50〜65%とされています。例えば、成人男性で必要エネルギー量が2000kcalの場合、炭水化物の目安は250〜325g、糖質の目安は229〜304gである。女性の場合、必要エネルギー量が1800kcalなら糖質の目安は207〜272gとなります。脂肪や糖質の過剰摂取は、健康を損なうリスクを高めます。脂肪の過剰摂取は、血液中の中性脂肪や悪玉コレステロールを増加させる可能性があり、糖質の過剰摂取は、生活習慣病、気分の落ち込み、さらには老化を促進するリスクがあると言われています。植物性ヨーグルトを食生活に加えることで、これらのリスクを抑えながら、満足感のある食生活を送ることが期待できます。

アレルギー体質の方も安心

牛乳アレルギーの方や、乳糖不耐症の方でも安心して食べられるのが、植物性ヨーグルトの大きな利点です。市販されている植物性ヨーグルトの多くは、牛乳由来の成分を一切使用していません。多くの製品が100%植物由来にこだわり、植物性乳酸菌を使用して発酵させているため、乳アレルギーをお持ちの方や、ヴィーガン、ベジタリアンの方も安心して楽しむことができます。また、牛乳を摂取するとお腹の不調を感じやすい乳糖不耐症の方にとっても、植物性ヨーグルトは優れた代替食品となります。

植物性ヨーグルトの留意点

植物性ヨーグルトを選ぶ際に考慮すべき点として、牛乳ヨーグルトと比較してカルシウム量が少ない傾向にあることが挙げられます。カルシウムは、丈夫な骨や歯を維持するために欠かせない栄養素であり、不足すると骨密度が低下し、骨粗しょう症のリスクを高める可能性があります。特に日本では、高齢になるにつれて骨粗しょう症患者が増加する傾向にあります。そのため、これまで牛乳や牛乳ヨーグルトからカルシウムを摂取していた方は、植物性ヨーグルトに切り替える際は、他の食品からカルシウムを意識的に摂取するように心がけましょう。例えば、豆腐や納豆などの大豆製品、緑黄色野菜(ブロッコリーや小松菜など)、アーモンドなどのナッツ類はカルシウムを豊富に含んでいます。さらに、カルシウムの吸収を助けるビタミンDが豊富なきのこ類(きくらげやしいたけなど)を一緒に摂ることで、より効果的にカルシウムを補給することができます。

牛乳ヨーグルトとの比較:利点と留意点

植物性ヨーグルトと並んで、多くの人に親しまれている牛乳ヨーグルトにも、独自の利点と注意点があります。これらの特徴を理解することで、ご自身の健康状態や食生活の目標に合わせて最適な選択をすることができます。

牛乳ヨーグルトの利点

牛乳ヨーグルトの大きな利点は、植物性ヨーグルトよりもカルシウム含有量が多いことです。カルシウムは、人体を構成するミネラルの中でも重要なものであり、骨や歯の健康維持だけでなく、神経機能や血液凝固など、様々な生理機能に関わっています。日本人の食事摂取基準(2020年版)では、カルシウムの推奨量は年齢階級別に細かく設定されており、例えば18~29歳男性で800mg、30~74歳男性で750mg、75歳以上の男性で700mg、18~74歳女性で650mg、75歳以上の女性で600mgとされています。しかし、現代の食生活ではカルシウムが不足しがちです。カルシウムを多く含む食品は他にもありますが、牛乳ヨーグルトは手軽に摂取できるため、忙しい朝や小腹が空いた時などに便利です。カルシウムを効率的に摂取したい方にとって、牛乳ヨーグルトは非常に有効な食品と言えるでしょう。

牛乳ヨーグルトの留意点

牛乳ヨーグルトの注意点として、人によっては消化不良を起こしやすく、お腹がゴロゴロしたり、下痢をしたりすることがあります。これは「乳糖不耐症」と呼ばれる状態で、牛乳に含まれる乳糖を分解する酵素(ラクターゼ)の働きが弱い、または不足していることが原因で起こります。分解されなかった乳糖は大腸で発酵し、ガスを発生させたり、水分を吸収して便を緩くしたりします。特に、激しい下痢が続く場合は、自己判断せずに医療機関(消化器内科など)を受診し、専門医の診断を受けるようにしましょう。乳糖不耐症の症状がある場合は、乳糖を含まない植物性ヨーグルトへの切り替えを検討するのも良いでしょう。

まとめ

近年、健康への意識向上、食生活の多様化、そして地球環境への配慮といった背景から、植物性ヨーグルトへの関心が急速に高まっています。糖質や脂質が控えめで、食物繊維が豊富なためヘルシーであること、牛乳アレルギーや乳糖不耐症を持つ方、ヴィーガンの方でも安心して食べられること、そして環境への負荷が少ないサステナブルな食品であることなどが、人気の理由として挙げられます。今後も植物性ヨーグルト市場のさらなる発展と、魅力的な新製品の登場が期待されます。

植物性ヨーグルトとは何ですか?

植物性ヨーグルトとは、牛乳の代わりに、大豆、ココナッツ、米、えんどう豆、アーモンドなどの植物由来の原料を、乳酸菌やビフィズス菌で発酵させて作られたヨーグルトのことです。牛乳アレルギーの方、乳糖不耐症の方、ヴィーガン志向の方、健康や環境に関心のある方々に選ばれています。多くの製品は、牛乳由来の成分を一切使用していません。

植物性ヨーグルトの主なメリットは何ですか?

植物性ヨーグルトは、一般的に糖質や脂質が控えめでありながら、食物繊維が豊富です。さらに、大豆由来の製品には大豆イソフラボンや植物性タンパク質、発芽大豆由来の製品にはGABA、アーモンド由来の製品にはオレイン酸やビタミンE、ココナッツ由来の製品には中鎖脂肪酸(MCTオイル)などが含まれている場合があります。乳アレルギーや乳糖不耐症の方、ヴィーガンの方でも安心して摂取できる点が大きな利点です。動物性食品と比較して環境への負荷が少ないことも、注目されるポイントです。

牛乳由来のヨーグルトと比べて味の違いはありますか?

はい、牛乳由来のヨーグルトと比べると、植物性ヨーグルトは酸味や風味が穏やかで、全体的にさっぱりとした味わいが特徴です。原料によって風味も異なり、たとえば大豆をベースにしたものは、まろやかで絹ごし豆腐のような食感、ココナッツをベースにしたものは、クリーミーで甘い香り、アーモンドをベースにしたものは、香ばしい風味を楽しむことができます。

植物性ヨーグルト