冬の味覚として愛されるみかん。特に温州みかんは、その手軽さと甘さで老若男女問わず人気です。しかし、「せっかくなら一番美味しい時期に食べたい!」そう思いますよね?この記事では、温州みかんの収穫時期を徹底解説。甘さのピークや旬を見極めるためのポイント、地域ごとの違いまで情報満載でお届けします。この記事を読めば、あなたも最高に美味しいみかんを見つけられるはず!
みかんの基本:定義と特性
一般的に「みかん」という言葉は、小さめの柑橘類を広く指しますが、ここでは特に日本で最も多く生産されている「温州みかん」について詳しく解説します。この記事では、温州みかんを「みかん」と呼んで話を進めていきます。
温州みかんの起源と歩み
「温州」という名前は、柑橘類の栽培で有名な中国の浙江省に由来しますが、温州みかんが生まれた場所は中国ではなく、実は鹿児島県の長島だと考えられています。
みかん栽培に最適な環境と地域
みかんは温暖な気候を好みます。特に、和歌山県、愛媛県、静岡県が有名な産地ですが、熊本県や長崎県といった九州地方でも、1960年代以降、生産量が大きく増加しました。
収穫時期と品種の違い:味と個性
みかんは、品種によって収穫できる時期が異なり、その時期によって呼び名も変わってきます。農林水産省の統計によると、みかんは大きく「早生温州」と「普通温州」に分けられます。さらに、「早生温州」の中には、特に早く収穫される「ハウスみかん」や「極早生みかん」が含まれます。みかん業界では、「普通温州」を、収穫時期が早いものから順に「中生温州」、「普通温州」、「晩生温州」と細かく分類しています。
極早生みかんの魅力と風味
9月頃から10月末にかけて市場に出回る、シーズン序盤を飾るのが「極早生みかん」です。その外観は、鮮やかな濃い緑色と淡い黄色が混ざり合った独特の色合いをしています。味わいは、際立った酸味が特徴で、爽やかな風味を堪能できます。
早生温州みかんの特色と風味
11月初旬から11月末頃に出荷のピークを迎えるのが「早生温州」です。外皮は全体的に黄色みを帯びており、極早生みかんよりも日照時間が長いため、糖度が増し、甘みと酸味の調和がとれた味わいが特徴です。
中生温州みかん・普通温州みかんの特色と風味
12月初旬から12月下旬頃に旬を迎えるのが「中生温州」と、一般的に呼ばれる「普通温州」です。多くの方がみかんと聞いて思い浮かべるのがこの種類で、贈答品としても人気があります。外皮は全体的にオレンジ色をしており、収穫時期が遅い分、より長い時間太陽の光を浴びるため、糖度が高く、まろやかで食べやすいのが特徴です。
晩生温州みかんの特色と風味
12月下旬頃から翌年の3月頃まで、シーズン終盤に出荷されるのが「晩生温州」です。収穫後、一定期間貯蔵することで甘さを凝縮させてから出荷されます。高い糖度に加え、しっかりとした酸味も持ち合わせており、昔ながらのみかんらしい濃厚な味わいが楽しめます。外皮と瓤嚢(じょうのう)がやや硬めで厚いのが特徴で、この厚みが長期保存を可能にしています。
みかんの大きさによる味の違い
みかんは、収穫時期だけでなく、サイズによっても味が変わってきます。みかんのサイズ規格は、直径によって2Sから3Lまで6段階に分けられています。一般的に、大きなサイズよりも小さなサイズのみかんの方が、味が濃縮されており甘みが強いと言われています。2Sサイズは、甘さと酸味が凝縮されていて味が濃厚ですが、酸味が強く感じられることもあります。甘味と酸味の調和が取れていると言われているのが、SサイズとMサイズです。
家庭菜園での温州みかん栽培:基本とポイント
自宅で温州みかんを育てるのは、ガーデニングの楽しみの一つです。庭に植えることも、鉢植えで育てることも可能です。広いスペースがあれば、地植えにしてたくさんの実を収穫できます。実がなるまでには数年かかりますが、その後は毎年収穫を楽しめます。
ミカンの植え付け時期と土づくり
ミカンの植え付けに最適な時期は、暖かくなる3月以降です。常緑樹は寒さに弱いため、冬の植え付けは避けるのが賢明です。2月の寒い時期に、大きめの穴を掘り、堆肥20リットルと苦土石灰200グラムを混ぜて土壌改良をしておきましょう。植え付け時には、有機配合肥料300グラム程度を混ぜ込み、苗の根を丁寧に広げて、深植えにならないように注意します。植え付け後、先端を切り、40センチ程度残すと、新しい枝が出やすくなります。最後に、土と根が密着するようにたっぷりと水を与えます。
ミカンの仕立て方:3本主枝仕立て
樹木の仕立て方には様々な方法がありますが、ミカンの場合は、3本の主枝を斜めに広げる「3本主枝仕立て」が一般的で、理想的な形とされています。3方向に主となる枝を伸ばすように仕立てていきます。最初の4~5年は自由に伸ばし、その後、生育の良い枝を3本選び、仕立てていくと良いでしょう。
ミカンの剪定:不要枝の整理と風通しを良くする剪定
ミカンがある程度成長すると、枝葉が密集し、どこから手を付けて良いか迷うことがあります。ミカンは常緑樹なので、一度に多くの枝を切ると弱ってしまう可能性があります。そのため、年間で切る枝の量は全体の3割程度に抑え、時間をかけて理想の樹形に近づけるように剪定しましょう。剪定の適期は一般的に3~4月の春です。特に重要なのが、内側に伸びる枝(内向枝)の整理です。外側に伸びる主枝に対し、内側に向かって成長する強い枝は積極的に切り取り、木の内部まで光が届くようにします。また、下垂している枝は、下図を参考に少し切り上げて、地面に付きすぎないように調整します。最終的には、木の反対側の光が少し見える程度に枝を透かせば完了です。他にも細かな注意点はありますが、全体的に風通しを良くするイメージで取り組みましょう。
ミカンの施肥:年3回の肥料が重要
ミカンの肥料を与える時期は、大きく分けて年に3回です。最も重要なのは、春に与える元肥で、3月の上旬から中旬頃に行います。2回目は、夏肥として6月上旬に追肥を行い、果実を大きく育てます。この時期の肥料が遅れると、果皮と果肉の間に隙間ができる「浮き皮」が発生したり、果実の色づきが悪くなることがあるので注意が必要です。最後の秋肥は、10月下旬から11月頃に、翌年の花芽を育てるために与えます。これらの肥料はそれぞれ目的が異なります。実が少ない裏年の場合は、追肥を控えるようにしましょう。
ミカンの葉が黄色くなる原因と対策
ミカンの葉が黄色く変色する原因について解説します。よくある原因は以下の通りです。
1. 肥料不足(特に窒素)…単純な栄養不足です。肥料を与えていない場合や、夏の乾燥で肥料を吸収できていないことが考えられます。適切な施肥と夏の水やりを心がけましょう。
2. 苦土(マグネシウム)欠乏…葉脈は緑色ですが、葉がまだらに黄色くなっている場合は、マグネシウム不足の可能性が高いです。ミカンではよく見られます。冬に苦土石灰を毎年施用することに加え、夏の間もマグネシウムを含む肥料を与えると、樹が元気になり、味も向上します。
3. 夏秋梢(かしゅうしょう)…ミカンには、春、夏、秋と年に3回新しい枝が伸びます。最も実をつけるのが春枝で、春枝が多いほど樹の状態が良いと言えます。夏秋梢は、エカキムシなどの害虫に食害されやすく、黄色くなることがあります。夏秋梢は比較的生産性が低い枝なので、家庭栽培では切除しても大きな影響はありません。見た目が気になる場合は切り取ってしまって構いません。
4. 凍害…冬の寒さによる被害です。葉が落ちてしまい、木が大きなダメージを受けることがあります。凍害を受けた年は、実をつけさせずに、樹勢回復に努めましょう。
5. ダニ…ダニによる食害も考えられます。ダニは小さくて見えにくいため、夏以降に大量発生していることが多いです。葉を触って手に汚れが付く場合は、ダニの存在を疑ってください。殺ダニ剤やマシン油を散布して駆除しましょう。
ミカンの摘果:豊作を維持するために
ミカンは、豊作の年と不作の年が交互に訪れる「隔年結果」という現象が起こりやすい果樹です。これを防ぐためには、適切な施肥と摘果作業が非常に重要です。他の果樹と異なり、大きく育てたからといって美味しい実になるわけではありません。家庭栽培の場合は、自然に実が落ちるのが落ち着く7月上旬から中旬頃に摘果を行いましょう。果実1つあたり葉が20枚程度になるのが理想的なバランスです。傷のあるもの、形が悪いもの、小さい実を優先的に取り除きます。また、真上を向いている実や、果柄が極端に太い実は品質が良くないことが多いので、摘果しましょう。
温州みかんの収穫適期と収穫の仕方
温州みかんは、その種類によって収穫時期が異なります。例えば、早生温州みかんであれば10月中旬頃から、普通温州みかんであれば11月中旬頃から収穫を始めるのが一般的です。より長く収穫を楽しみたい場合は、全体のおよそ7割ほど色づき始めた頃から、少し早めに収穫をスタートすると良いでしょう。収穫する際は、果実だけを丁寧にハサミで切り取ります。
まとめ
この記事ではみかんの収穫時期について解説しました。おいしい時期を逃さず、旬のおいしいみかんを味わってみてください。
質問:温州みかんの収穫時期はいつ頃ですか?
回答:温州みかんの収穫時期は、品種によって異なります。早生温州みかんであれば10月中旬頃から、普通温州みかんであれば11月中旬頃から収穫が始まります。収穫期間を長く楽しむためには、実が7割程度色づいた段階で、早めに収穫を開始することをおすすめします。
質問:庭先で温州みかんを栽培する上で気をつけることはありますか?
回答:ご自宅の庭で温州みかんを育てる場合、苗を植えるタイミング、土壌の準備、枝の剪定方法、肥料の与え方、実の間引きなどが大切になります。特に、暖かくなる3月以降に苗を植え付け、水はけが良く有機質に富んだ土壌を用意し、内側に向かって伸びる枝を整理する剪定を行うことが重要です。
質問:温州みかんの葉が黄色く変色する理由は何でしょうか?
回答:温州みかんの葉が黄色くなる原因としては、栄養不足、マグネシウム欠乏、夏から秋にかけて伸びる新梢、寒さによるダメージ、ハダニなどの害虫被害などが考えられます。栄養不足の場合は適切な肥料を与え、マグネシウム欠乏の場合は苦土石灰を施し、夏秋梢は切り落とし、寒さ対策や害虫駆除を適切に行うことが効果的です。