カリッとした食感と香ばしい風味が魅力のくるみ。中でも素焼きくるみは、余計な味付けをせず、くるみ本来の美味しさをダイレクトに味わえるのが特徴です。ローストすることで引き出されるナッツの芳醇な香りは、食欲をそそり、一度食べ始めたら止まらない美味しさ。さらに、くるみに含まれる豊富な栄養素を効率よく摂取できるのも素焼きならではのメリットです。健康志向の方にもおすすめの素焼きくるみの魅力を、この記事では余すところなくご紹介します。
くるみとは?
栄養価が高いことで知られるくるみは、健康を意識する人々から注目を集めるナッツの一種です。食用とされるのは種子の部分で、木になっている際は外側の仮果と核果に包まれています。日本で流通しているくるみの多くはアメリカのカリフォルニア州産であり、中でも味がまろやかで色の薄いチャンドラー種が広く栽培されています。
収穫時期は8月末から11月末にかけてで、一年を通して市場に出回ります。和菓子やパンなど、様々な食品に使われることが多く、私たちの食生活に馴染み深い食材と言えるでしょう。また、低糖質であることから、ダイエット食品としても利用されています。
日本では縄文時代から食されていたと考えられており、北欧神話にも登場するなど、世界中で古くから親しまれてきた歴史を持っています。また、食用となる種子だけでなく、くるみの木も家具の材料として活用されています。その強度と加工のしやすさから人気が高く、チークやマホガニーと並ぶ世界的な銘木の一つとして知られています。
ローストと素焼き、生くるみの違い
日本では、ローストされたくるみを食すことが一般的ですが、海外では生のくるみもよく食されています。生のくるみは、そのしっとりとした柔らかい食感と、くるみ本来の自然な甘さを堪能できるのが魅力です。さらに、くるみに豊富なオメガ3脂肪酸や、熱に弱いビタミン類を効率的に摂取できるという利点もあります。
対照的に、ローストしたくるみはカリッとした軽い食感へと変化し、風味も香ばしくなります。栄養面では、ローストによってポリフェノールが増加し、抗酸化作用が高まるとされています。
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くるみの食べ方は?
多種多様な加工方法で市場に出回るくるみですが、健康志向の方には、素材本来の風味を堪能できる無塩タイプが推奨されます。その美味しさから手が止まらなくなることもありますが、高カロリーであるため、摂取量には気を配りましょう。
1日の摂取目安量は、およそ7粒(28g)、片手で軽く掴める程度とされています。適量を守り継続的に摂取することで、くるみに含まれる豊富な栄養素が健康維持に貢献すると期待できます。
ローストくるみの楽しみ方
ローストしたくるみは、そのまま味わうのはもちろん、塩や蜂蜜を少し加えるだけで、さらに美味しくいただけます。また、ヨーグルトや料理にトッピングすれば、食感のアクセントや香ばしい風味が加わり、より一層楽しめます。様々な食材と調和しやすく、普段の食生活に取り入れやすいのが魅力です。
お店で売られているくるみの多くはロースト済みですが、生のくるみを自宅でローストすることも可能です。ローストする際は、水に浸す必要はありません。
自分でローストすることで、焼き加減を調整できるだけでなく、温かい状態で味わえるのも手作りの醍醐味です。焦げ付かないよう、注意しながら加熱しましょう。
くるみの賞味期限と保存方法について解説
くるみの風味を損なわないためには、加工状態に応じた保存方法が重要です。特に、脂質の酸化が進みやすいので、開封後はなるべく早く食べきるようにしましょう。未加工の殻付きくるみは、冷暗所での保管で比較的長く鮮度を保てます。使う都度、殻を剥くのがおすすめです。ローストしたくるみは、直射日光と高温多湿を避け、涼しい場所で保管してください。生くるみは、冷蔵庫での保存が適しています。密閉容器やチャック付きの保存袋に入れることで、より品質を保てます。また、匂いを吸収しやすい性質があるため、魚や柑橘類など、香りの強い食品との同時保存は避けるようにしましょう。
くるみの匂いを嗅いだ際に、ペンキのような異臭がする場合は、酸化や腐敗のサインです。食べるのは控えた方が賢明です。