サラダやサンドイッチによく登場するレタス。実はレタスには様々な種類が存在し、それぞれ見た目、味、食感が異なることをご存知でしょうか?レタスはキク科アキノノゲシ属に分類される野菜であり、日本では昔から種類を問わず「チシャ」と呼ばれてきました。シャキシャキとした食感が特徴で、サラダなどの生食に使われることが多く、カロリーや栄養価、レシピも豊富です。この記事では、レタスの種類ごとの特徴、美味しいレタスの選び方、鮮度を保つための保存方法などを詳しく解説します。
レタスは大きく分けて4つのタイプに分類される
レタスは、見た目や特徴によって、結球レタス(玉レタス)、リーフレタス(葉レタス)、立ちレタス、茎レタスの4つのタイプに分類できます。それぞれのタイプはさらに細かく分類され、それぞれが独自の特性を持っています。
結球レタス(玉レタス)
結球レタスは、葉が内側に巻き込み、球状に結球するタイプのレタスです。「クリスプヘッドレタス」とも呼ばれ、一般的にレタスといえばこのタイプを指すことが多いでしょう。結球レタスには、最も一般的な「玉レタス」と、結球が緩やかな「サラダ菜」があります。一般的に見かける玉レタスは、葉がしっかりと球状に巻いており、淡い緑色をしています。パリッとした歯ごたえとシャキシャキとした食感が特徴で、クセがなく、生食だけでなく加熱調理にも適しています。代表的な品種としては、「サウザー」、「シスコ」、「マリーナ」などが挙げられます。一方、サラダ菜は玉レタスに比べて結球が緩く、葉先が広がっているのが特徴です。色は濃い緑色で、ほのかな甘みと柔らかい食感を楽しめます。葉にバターを塗ったような光沢があることから、バターヘッドレタスとも呼ばれます。サラダ菜は一般的な玉レタスよりも緑色が濃く、食感が柔らかいのが特徴で、5~6月頃と9~10月頃が旬です。品種には「グリーンバター」、「サマーグリーン」、「岡山サラダ菜」などがあります。
葉レタス(リーフレタス)
葉レタスは、葉が結球せずに広がって生育するタイプのレタスです。芯が目立たないのが特徴で、「グリーンカール(グリーンリーフ)」、「サニーレタス」、「フリルレタス」、「ブーケレタス」、「サンチュ」など、様々な種類があります。グリーンカールは葉先が縮れてカールしている葉レタスの一種で、別名「グリーンリーフ」とも呼ばれます。葉が緑色でカールしているため、サラダに加えると華やかな印象になります。シャキシャキとした軽い食感と、ほとんど苦味のない味わいが特徴ですが、生のままだとわずかに苦味を感じることもあります。サラダや肉巻きだけでなく、スープに入れるなど、幅広い用途で利用でき、品種には「グリーンウエーブ」、「グリーンオーク」などがあります。サニーレタスは、葉先が紫がかった暗い赤色をしているのが特徴です。葉は柔らかく、苦味も少ないため、生食に適しており、グリーンカールと同様に様々な料理に利用できます。独特の色合いが料理に華やかさを添えます。加熱する場合は、さっと火を通すのが美味しく仕上げるポイントです。品種には「レッドリーフ」、「サンブライト」などがあります。フリルレタスは、葉の縁がフリルのように波打っているのが特徴です。葉にはたくさんの切り込みが入ったような形状で、ドレスやスカートのフリルのように見えることから名付けられました。色は濃い緑色で、みずみずしく苦味がマイルドなため、シャキシャキとした食感とともにサラダやサンドイッチなどにおすすめです。主に長野県で生産されており、初夏から秋頃に旬を迎えます。品種には「フリンジーグリーン」、「フリルアイス」などがあります。ブーケレタスは、葉先が丸みを帯びている様子がブーケ(花束)に似ていることから名付けられたレタスです。葉は明るい緑色で少し細長く、葉先には丸みのある切り込みが入っています。苦味やクセが少ないため、生のまま食べるのがおすすめです。土を使わない水耕栽培で育てられるため、虫や汚れがつきにくく、気候の影響を受けにくいため、通年で流通しており、生産管理がしやすいというメリットがあります。ブーケレタスは平成18年に誕生した新しいレタスの商品名で、現在ブーケレタスと呼ばれているのは1種類のみです。サンチュは、他のレタスのように株ごと収穫するのではなく、外側の葉から1枚ずつ収穫するため、長期間の収穫が可能です。葉の縁が波打っているように縮れていて、ヒラヒラとしているのが特徴で、他の葉レタスと比べても葉が大きく、葉肉もしっかりとしていて、焼肉や具材を包みやすいのも大きな特徴です。焼肉などを巻いて食べるのが一般的な食べ方です。品種には「チマ・サンチュ」、「カルビーグリーン」などがあります。
立ちレタス
立ちレタスは、葉が結球せずに垂直に成長するレタスの総称で、その姿は白菜を思わせる楕円形をしています。代表的な品種としては、「ロメインレタス(コスレタス)」や「レッドロメイン」が挙げられます。ロメインレタスは、しっかりとした葉脈のシャキシャキとした食感が特徴で、半結球レタスの一種です。外葉は濃い緑色でわずかな苦味を持ち、内側の葉は淡い緑色で甘みがあるという、異なる風味を楽しめるのが魅力です。原産はギリシャのコス島であるため、コスレタスとも呼ばれ、「立ちチシャ」という名称でも知られています。「ロマリア」や「アルト」などの品種が存在します。レッドロメインは、赤紫色と緑色のコントラストが美しいレタスです。太陽光に当たる部分が赤紫色に、そうでない部分が緑色になることで、鮮やかな彩りを生み出します。肉厚な葉はパリッとした食感で、心地よい歯ごたえがあります。「ルル」や「ROMANA ROUGE D’HIVER」などの品種があります。
茎レタス
茎レタスは、長く伸びた茎が特徴的なレタスで、一般的なレタスとは大きく異なる外観をしています。主に茎を食用とするレタスであり、茎の皮を剥いて細切りにし、生のままサラダにしたり、炒め物や和え物にしたりして食べます。茎はアスパラガスやブロッコリーのような食感で、肉野菜炒めやきんぴらなど、加熱調理されることが多いですが、若い葉はサラダやおひたしとして生食も可能です。また、茎レタスの茎を細く裂いて乾燥させたものは「山クラゲ」と呼ばれ、生の状態とは異なるコリコリとした食感が楽しめます。「山クラゲ」は乾燥させた状態で中華料理の食材などとして販売されています。茎レタスの品種としては、「ケルン」などが知られています。
エンダイブ(ニガチシャ)
エンダイブは、独特の苦味が特徴的なレタスで、別名「ニガチシャ」とも呼ばれます。地中海沿岸が原産で、4月から11月頃に旬を迎えます。レタスに似た形状や食感を持つものの、厳密にはレタスの仲間ではなく、チコリの一種です。サラダとして生で食べられることが多いですが、その苦味を活かして炒め物などに使用することもできます。
レタスの種類ごとの栄養の違い

レタスに含まれる栄養素は、種類によって含有量や種類が異なります。例えば、玉レタスや立ちレタスは淡色野菜に分類される一方、サラダ菜や葉レタスは緑黄色野菜に分類されることがあり、これも栄養成分の差を生む要因の一つです。β-カロテンは、一般的に緑黄色野菜に多く含まれており、体内でビタミンAに変換され、皮膚や粘膜の健康維持に貢献します。また、ビタミンCや食物繊維の量も種類によって差が見られます。したがって、摂取したい栄養素に応じてレタスを選ぶことは、食生活をより豊かにする面白い方法と言えるでしょう。
新鮮なレタスの見分け方
新鮮でおいしいレタスを選ぶためには、いくつかのポイントがあります。購入時にこれらの点に注意することで、より良い品質のレタスを手に入れることができます。まず、レタスを持つ際は、重すぎないものを選びましょう。葉が密集しすぎていない方が、みずみずしく、鮮度が高い傾向にあります。次に、葉の縁をチェックします。しなびているものは避け、葉が生き生きとしていて、色鮮やかなものを選びましょう。最後に、芯の切り口を確認します。変色がなく、白くみずみずしい状態であれば、鮮度が保たれている証拠です。
レタスの保存方法
レタスは水分を多く含む野菜なので、乾燥対策が鮮度維持の鍵となります。保存方法は、丸ごと1玉の場合とカットされたもので異なります。
丸ごと1玉の冷蔵保存
丸ごとレタスを保存する際は、以下の2つの方法が効果的です。一つは、切り口に「小麦粉を塗る」方法です。レタスは芯から水分が失われやすいため、小麦粉で蓋をすることで乾燥を防ぎます。もう一つは、「爪楊枝を刺す」方法です。芯に数本の爪楊枝を刺すことで、成長を抑制し、鮮度を保つ効果があると言われています。どちらの方法を選ぶ場合でも、湿らせた新聞紙やキッチンペーパーでレタス全体を包み、ポリ袋に入れて冷蔵庫の野菜室で保存すると、さらに長持ちさせることができます。
カットされたレタスの冷蔵保存
カットされたレタスは、断面から水分が抜けやすく、乾燥しやすい状態です。そのため、断面を湿らせたキッチンペーパーで丁寧に覆い、さらにラップでしっかりと密閉することが重要です。これにより、水分の蒸発を最小限に抑え、鮮度を維持できます。保存期間の目安は2~3日程度ですが、できるだけ早く使い切るようにしましょう。
まとめ
レタスは、大きく分けて結球レタス、リーフレタス、立ちレタス、茎レタスの4つのタイプに分類され、それぞれに様々な品種が存在します。結球レタスはそのシャキッとした歯ごたえが特徴であり、リーフレタスはサラダ菜をはじめ、グリーンカール、サニーレタス、フリルレタス、ブーケレタス、サンチュなど、バラエティ豊かな種類があります。立ちレタスであるロメインレタスは、独特の風味と食感が楽しめ、茎レタスは、そのコリコリとした食感から炒め物などの加熱料理に最適です。また、レタスではありませんが、独特の苦みを持つエンダイブもサラダによく用いられます。これらのレタスは、外観、味、食感、栄養価、そして調理方法において、それぞれ異なる個性を持っています。普段よく食べるレタスに加えて、異なる種類のレタスを試してみることで、新たな発見があり、食卓がより豊かなものになるでしょう。生食はもちろん、加熱調理も可能なので、色々な料理に活用し、味の違いを堪能してみてはいかがでしょうか。
レタスの主なタイプは何種類ありますか?
レタスは、その形状や特性に応じて、大きく「結球レタス」「リーフレタス」「立ちレタス」「茎レタス」という4つの主要なタイプに分類することができます。
玉レタスとリーフレタスはどう違いますか?
結球レタスは、葉が密に重なり合って球状に結球するのに対し、リーフレタスは葉が結球せず、根元から葉が広がって成長する点が大きく異なります。結球レタスは、みずみずしく、さっぱりとした味わいが特徴で、リーフレタスは、柔らかいものから歯ごたえのあるものまで、様々な食感と風味が楽しめます。
ロメインレタスの特徴は何ですか?
ロメインレタスは立ちレタスの一種であり、半結球型をしています。葉肉が厚く、シャキシャキとした食感が特徴で、外側の葉はわずかに苦味があり緑色が濃く、内側の葉は甘みがあり淡い緑色をしており、異なる風味を味わえるのが魅力です。原産地がギリシャのコス島であることから、コスレタスと呼ばれることもあります。













