鮮やかな赤紫色が食卓を彩るトレビス。その美しい見た目からは想像できない、ほろ苦い大人の味わいが魅力です。イタリア料理ではおなじみの野菜ですが、日本ではまだ馴染みが薄いかもしれません。しかし、トレビスは見た目だけでなく、栄養も満点！この記事では、トレビスの知られざる魅力に迫ります。旬の時期や選び方、栄養価はもちろん、家庭で手軽に楽しめるレシピまで、トレビスを余すことなく堪能するための情報を徹底的に解説します。
トレビスの基本情報：赤チコリという別名
まずはトレビスとはどんな野菜なのか、基本的な情報と特徴を見ていきましょう。トレビスは、キク科の植物で、チコリの一種です。「赤チコリ」という名前でも知られています。チコリは一般的に、株から伸びる芽を食用としますが、トレビスは結球して育ちます。その葉を食べるのが特徴です。紫キャベツと見た目が似ているため混同されることがありますが、全く異なる種類の野菜です。紫キャベツは葉全体が紫色で、葉脈も同様の色をしています。また、葉には厚みと硬さがあります。一方、トレビスは葉が鮮やかな赤紫色で、葉脈は白いのが特徴です。葉自体も薄くて柔らかいという違いがあります。原産地はヨーロッパや北アフリカで、現在はイタリアが主な産地です。イタリア料理やフランス料理では、よく使われる食材です。日本へは1980年代に輸入されましたが、まだ一般家庭での利用は多くありません。しかし、近年はその色合いと独特の風味から、レストランや家庭で注目されるようになっています。
トレビスの魅力：ほろ苦さ、彩り、豊富な調理法
トレビスの葉は柔らかく、特徴的なほろ苦さがあります。加熱すると苦味が増すため、サラダやマリネなど、生のまま食べるのが一般的です。赤紫色のトレビスは、食卓を華やかに演出し、見た目にも楽しめます。また、その苦味を活かして、焼いて食べるのもおすすめです。フライパンやオーブンで軽く焼き、ソースをかけたり、肉料理の付け合わせにしたりします。特にチーズとの相性が良く、イタリアではパスタやリゾットの具材としてもよく使われます。生で食べるだけでなく、加熱することで苦味が変化し、奥深い味わいを楽しめるのも魅力です。彩りの美しさと多様な調理法が、トレビスを料理のアクセントとしてだけでなく、主役にもする理由です。
トレビスの旬と産地：国産トレビスも増加中
トレビスは一年を通して流通していますが、輸入品が多く、イタリア産やアメリカ産が一般的です。以前は輸入野菜というイメージが強かったものの、近年は国内での生産量が増加傾向にあり、国産の新鮮なトレビスも手に入りやすくなってきました。国産トレビスの旬は、一般的に11月から3月頃です。この時期のトレビスは葉がしっかりと締まっており、苦味の中に甘みを感じられるのが特徴です。長野県で栽培されているトレビスは、6月から10月頃が旬とされています。これは、高冷地の気候を利用した独自の栽培方法によるものです。主な産地としては、岡山県、鹿児島県、北海道、長野県などがあります。国産トレビスは、輸入品とは異なる風味や食感が楽しめるため、時期によって産地を意識して選ぶのも良いでしょう。
トレビスの栄養価：カリウムとアントシアニンがたっぷり
トレビスは、その目を引く色彩に加え、豊富な栄養成分を含む健康的な野菜です。トレビス1個（生、約240g）に含まれる栄養成分は以下の通りです。カロリーは41kcalと低く、タンパク質2.7g、脂質0.5g、炭水化物9.4g、食物繊維4.8gを含有します。特に注目したいのはカリウムの量で、1個あたり696mgと非常に豊富です。カリウムは、人体に必要なミネラルの一種で、体液の浸透圧を正常に保つ上で重要な役割を果たします。また、過剰なナトリウム（塩分）の排出を促す効果があるため、塩分摂取量の調整を助け、むくみの軽減や高血圧の予防に貢献すると考えられています。トレビスの鮮やかな赤紫色は、アントシアニンという色素によるものです。アントシアニンはポリフェノールの一種で、強力な抗酸化作用を持つことで知られています。この抗酸化作用によって、体内の活性酸素を除去し、細胞の老化や生活習慣病の予防に役立つ可能性があると言われています。見た目の美しさに加えて、内側から健康を支える栄養素を豊富に含むトレビスは、積極的に食生活に取り入れたい野菜の一つです。
新鮮でおいしいトレビスの選び方
トレビスを美味しく味わうためには、新鮮なものを選ぶことが重要です。購入時には、いくつかのポイントを確認しましょう。まず、葉全体にハリとみずみずしさがあり、鮮やかな赤紫色をしているものが新鮮であるサインです。葉脈の白い部分に変色がないかどうかも大切な判断基準となります。変色している場合は、鮮度が低下している可能性があります。また、形が整った球形で、葉がしっかりと詰まっているものを選びましょう。手に取った際にずっしりとした重みを感じるものは、水分を豊富に含み、葉が密集している良質なトレビスである可能性が高いです。カットされたものが販売されている場合は、切り口がみずみずしく、変色していないものを選びましょう。これらの点に注意することで、より新鮮で美味しいトレビスを選び、その魅力を最大限に堪能できます。
トレビスを長持ちさせる保存方法
トレビスの葉はデリケートで、乾燥しやすい性質があります。そのため、適切な方法で保存することで、鮮度を長く保つことができます。購入後、乾燥を防ぐために、トレビス全体をラップで丁寧に包んでください。その後、ポリ袋に入れて密閉し、冷蔵庫の野菜室で保管するのがおすすめです。この方法で保存することで、トレビスからの水分蒸発を抑え、葉のシャキシャキとした食感や鮮やかな色味を比較的長く保つことができます。保存期間の目安は、およそ5日から1週間程度です。ただし、野菜は生鮮食品ですので、なるべく早く使い切ることをおすすめします。適切な保存方法を実践して、いつでも美味しいトレビスを楽しんでください。
トレビスのおすすめレシピ：サラダから加熱料理まで
紫と白のコントラストが美しいトレビスは、ほろ苦さとシャキッとした食感が特徴の葉野菜です。サラダに加えるだけで一気に料理が華やかになり、加熱すると甘みが引き立つ万能食材でもあります。ここでは、トレビスをもっと美味しく楽しむためのおすすめレシピを、サラダから加熱料理まで幅広く紹介します。
1. トレビスの鮮やかサラダ
トレビスの魅力をストレートに味わえる、最もシンプルで人気のレシピがサラダです。
● トレビスと柑橘のさっぱりサラダ
トレビスのほんのり苦みは、オレンジやグレープフルーツなどの酸味が爽やかな柑橘類と相性抜群。オリーブオイル・レモン汁・塩を使ったシンプルなドレッシングで、素材の味を引き立てます。彩りも美しく、食卓を明るくしてくれる一皿です。
● トレビスとナッツの香ばしサラダ
くるみやアーモンドを加えることで、食感にアクセントが生まれ、満足感もアップ。バルサミコ酢を使ったドレッシングが、トレビスの苦みによく合います。チーズを加えても相性がよく、リッチな仕上がりになります。
2. トレビスのグリル：甘みと旨みが引き立つ
生とは違った一面を楽しめるのが、トレビスを焼いたレシピ。加熱することで苦みが和らぎ、自然な甘さが引き立ちます。
● トレビスのグリル バルサミコソースがけ
トレビスをくし切りにしてオリーブオイルを絡め、フライパンまたはグリルで焼き目がつくまで加熱します。仕上げにバルサミコソースをかければ、レストランのような味わいに。肉料理の付け合わせにも最適です。
● トレビスのロースト チーズのせ
オーブンでローストしたトレビスに、粉チーズやモッツァレラをトッピング。とろけるチーズがほろ苦さをマイルドにし、コクのある味わいに仕上がります。ワインとの相性も抜群です。
3. トレビスを使った温かいスープ
実はトレビスはスープにも使える食材です。
● トレビスとベーコンのスープ
ベーコンの旨みが加わることで、トレビスの苦みがほどよく中和され、食べやすくなります。玉ねぎと炒めてから煮込むと、甘みとコクが加わり、寒い季節にぴったりの一皿になります。
4. パスタにも合う万能食材
トレビスは炒めると食べやすくなり、パスタとの相性も良好です。
● トレビスとしらすのペペロンチーノ
ニンニクと唐辛子を炒めたオイルにトレビスを加え、しんなりしたところでパスタと合わせます。しらすの塩気と苦みのバランスが絶妙で、簡単なのに専門店のような仕上がりになります。
5. リゾットでまろやかに楽しむ
トレビスの色がほんのり移って、見た目も上品なレシピです。
● トレビスのクリームリゾット
生クリームや牛乳を使ったリゾットにトレビスを入れると、ほろ苦さが全体の味を引き締めてくれます。濃厚ながら飽きずに食べられる一皿で、特別な日のメニューにも最適。
まとめ
トレビスは、鮮やかな赤紫色と独特の苦味が特徴的なキク科のチコリの一種です。見た目は紫キャベツに似ていますが、種類も味わいも食感も大きく異なります。栄養面では、カリウムやアントシアニンが豊富に含まれており、健康的な食生活をサポートします。生でサラダやマリネにするのが一般的ですが、加熱することで苦味が和らぎ、より深みのある味わいになります。日本ではまだあまり馴染みがないかもしれませんが、もし見かけることがあれば、ぜひこの記事でご紹介した選び方や保存方法を参考にして、彩り豊かでヘルシーなトレビス料理に挑戦してみてください。きっと新たな発見があるはずです。
トレビスはどんな野菜ですか？紫キャベツとは何が違うのですか？
トレビスは、キク科のキクニガナ属に分類される野菜で、「赤チコリ」とも呼ばれるチコリの一種です。鮮やかな赤紫色の葉を持ち、独特の苦味が特徴です。対照的に、紫キャベツはアブラナ科のキャベツの仲間であり、葉全体が紫色で、葉脈も紫色をしています。また、葉に厚みがあるのも特徴です。トレビスは紫キャベツに比べて葉が薄く柔らかい点が、大きな違いと言えるでしょう。
トレビスの旬はいつですか？主な産地はどこですか？
国産トレビスの旬は、一般的に11月から3月頃とされています。ただし、長野県では栽培期間が異なり、6月から10月頃が旬となります。主な産地は、岡山県、鹿児島県、北海道、長野県などですが、年間を通してイタリアやアメリカからの輸入品も市場に出回っています。
トレビスに含まれる栄養成分とは？
トレビスは、体内の水分量を調整し、ナトリウムの排出を促すカリウムを豊富に含んでいます。また、特徴的な赤紫色はアントシアニンというポリフェノールによるもので、高い抗酸化作用が期待できます。さらに、食物繊維も比較的多く、低カロリーである点も魅力です。
トレビスの苦味を抑えるには？
トレビスは特有の苦味がありますが、加熱によって苦味が強くなる性質があります。サラダやマリネなど、生のまま食べるのが一般的で、酸味のあるドレッシングやハチミツ、チーズなどと組み合わせると、苦味が和らぎ美味しくいただけます。加熱調理する場合は、ソテーやブルスケッタなど、工夫次第で美味しく調理できます。
美味しいトレビスの選び方と保存方法は？
新鮮なトレビスを選ぶ際は、葉にハリとみずみずしさがあり、鮮やかな赤紫色で葉脈の白い部分が変色していないものを選びましょう。球体が綺麗に丸く、葉がしっかりと巻いていて、手に持った時にずっしりと重みを感じるものがおすすめです。乾燥を防ぐために、ラップで包み、ポリ袋に入れて冷蔵庫の野菜室で保存しましょう。保存期間の目安は5日から1週間程度です。