東京バナナとは

日本の都会である東京から名前を冠し、世界中の観光客から愛されるスウィーツといえば、「東京バナナ」が頭に浮かぶ方も多いでしょう。東京土産の代表格として知れ渡り、ひとたびパッケージを開けるとその香りと風味に癒され、特別な瞬間を味わうことができます。今回は、その魅力に迫っていきたいと思います。

東京バナナとは

「東京ばな奈ワールド」は、東京の代表的なお土産として名高い「東京バナナ」が基盤となったブランドです。1991年の発売当初から、30年以上にわたり、その魅力は一切衰えることなく観光客の心を掴んできました。
特徴的なデザインのスポンジケーキである東京バナナ。そのパッケージに施された黄色と黒を基調としたシンプルながら愛くるしいバナナのイラストは、一目でその存在を知らせます。中には、バナナ風味のクリームがたっぷり詰められており、その絶妙な甘さと酸っぱさのバランスは一度食べたら忘れられない味わいになっています。
自分自身へのご褒美や、特別な方へのギフトとして、また新たな観光土産として「東京バナナ」は大変喜ばれています。訪れる人々がその独特な味を堪能することで、東京から発信されるカルチャーとなりつつあります。未来に向けても東京バナナの魅力は不変のものとなり、観光客を楽しませ続けることでしょう。

東京ばな奈がバナナである理由

かつて、商いや行楽で息づいてきた東京がまだ名物に恵まれておらず、「お土産は、各地域自慢の食材や名物に限る」という従来の観念を思い切って一掃する決意を固めたことが東京ばな奈の誕生のきっかけとなりました。

 

こうして、「この多文化都市に最適なものは何か?」と考え抜いた結果、頭角を現したのが「あらゆる年齢層が口にでき、楽しめる味」であるという結論でした。そして、その典型的な事例として頭に浮かんだのが、バナナだったのです。 

「歳を重ねた方々には異国情緒あふれる味、成人や子供たちにとってはピクニックやおやつの時間に欠かせない味。楽しい思い出と共にいつもそばにあるバナナならば、皆に喜ばれるでしょう」と、商品開発者は語ります。

当然、味わいや原材料にもこだわりが詰まっています。本格的なバナナを丹念に裏ごししたピューレを用いて作るオリジナルのクリームは、バナナが本来持つ自然な美味しさが存分に堪能できるカスタードクリームとなっています。また、スポンジは、バナナのカスタードクリームが滑らかに溶け込むような、柔らかく優しい食感に調整しています。

「東京ばな奈」ネーミングの秘密

「東京ばな奈」――そのネーミングから、おしゃれな東京を象徴する品として、お土産やお菓子市場に新風を巻き起こした記憶が蘇ることでしょう。しかし、そこには一体、なぜ「東京ばな奈」という名が付けられたのでしょうか? 

その名称の背後には、商品の魅力を最大限に引き立てる独自の戦略が秘められています。まず、""東京""という言葉は、都会のエネルギーとおしゃれさを連想させるだけでなく、高貴なイメージを与えます。また、「ばな奈」は商品のバナナ型デザインを直観的に示すと同時に、楽しくて親しみやすい印象を持たせます。

 

さらに、「東京ばな奈」の「ばな奈」部分には、1984年に初めて発売された時代背景が影響しています。その当時、日本ではアイドルのバラード曲に「ばな奈」を組み込んだ楽曲が人気となり、それが「東京ばな奈」の名前にも採用されて、一躍話題になったのです。 

その独特なデザインからは、年齢や性別を問わずに愛される「東京ばな奈」本来のスイーツとしての姿を引き立てる工夫が感じられます。「見ぃつけたっ」のフレーズは、「普段は忘れ去られがちだけれど、深く秘められている美味しさ」に繋がるかくれんぼのイメージも持ち込んでいます。

このように細部まで計算されたアイディアが散りばめられた結果、1992年に羽田空港での販売がスタート。その年の年末には東京駅でも販売が開始され、30年以上に渡って東京の伝統的なお土産として、絶大な愛情を受け続けてきました。

まとめ

「東京バナナ」の存在は、東京という都市の活気と魅力を象徴しています。柔らかいケーキに包まれた甘いバナナクリームのハーモニーが、都市の喧騒を一時的に忘れさせてくれるからです。また、その美味しさは国境を越えて多くの人々に愛され、世界中から東京を訪れる観光客がその魅力を再認識するきっかけにもなっています。だからこそ、「東京バナナ」を手にするその瞬間は、東京での特別な思い出となるのです。

東京ばな奈