ところてんは、日本で夏に人気の冷たい和菓子ですが、栄養価の高さも見逃せません。小さなゼリー状の食材には、体に優しい栄養素がたっぷり詰まっています。今回は、ところてんに含まれる栄養素と健康面でのメリットについて、詳しく解説します。
ところてんとは
ところてんは、海藻の一種である天草を主原料とする日本の伝統的な和菓子です。天草は日本近海をはじめ、世界各地の海に生息する海藻で、様々な種類がまとめて"天草"と呼ばれています。製造工程では、天草を煮出して抽出した成分を固め、ところてん突きと呼ばれる道具で押し出し、麺状に加工します。 淡い白色が一般的ですが、抹茶や小豆、ゴマなどの風味をつけたバリエーションも昔から存在します。夏場に最適なさっぱりとした味わいで、お茶請けや甘味としてだけでなく、かき氷のトッピングやゼリー代わりとしても楽しめます。一方で、菌の付着に注意が必要な点は伝統的な和菓子ならではの課題です。 ところてんは、単に手軽な食べ物にとどまらず、日本人の美意識と伝統文化が凝縮された、夏の季節を彩る上品な存在といえるでしょう。
ところてんのカロリーと栄養
ところてんは、低カロリーながら良質な栄養を含んだ健康的な和菓子です。100グラムあたり約70キロカロリーと、カロリーは控えめですが、食物繊維が豊富に含まれています。小豆由来の食物繊維は便通を改善する働きがあり、でんぷん質は満腹感を得やすくします。また、鉄分やカルシウムなどのミネラル分も含まれており、赤血球の形成や骨の形成をサポートします。つまり、ところてんは上品な味わいの低カロリー和菓子で、食物繊維やミネラルが豊富な健康的なおやつなのです。
ところてんと寒天の栄養の比較
ゼリーなどの材料としても使われる寒天と、ところてん。それぞれの栄養価を100g当たりで比較してみましょう。 《ところてん》 ・カロリー…121kcal ・炭水化物…24.5g ・たんぱく質…3.8g ・食物繊維…1.2g ・塩分…0.01g 《寒天》 ・カロリー…14kcal ・炭水化物…3.5g ・たんぱく質…0g ・食物繊維…4.7g ・塩分…0g ところてんは小豆由来のたんぱく質を多く含み、カロリーも高めです。一方の寒天は、食物繊維が豊富な一方でカロリーは控えめ。原料の違いにより、栄養面での特徴が分かれています。 目的に応じて使い分ける必要がありそうです。ところてんはタンパク源として、寒天は低カロリーで便秘予防に適した食材として活用できます。素材の良さを生かした上手な組み合わせが、健康的な食生活を送る秘訣となるでしょう。
ところてんを使ったレシピ
ツルツルとした喉ごしが楽しめるところてんの多彩な味わいをご紹介します。 さっぱり夏の味! ところてん冷麺 暑い日にぴったりのさっぱりめんです。ところてんを冷やし、めんつゆベースの甘酸っぱい冷麺のたれと合わせました。体が喜ぶ爽やかな一品です。 夜食にも◎ ところてんあったか麺 温かいだしでいただくところてんは、いつもと違う新鮮な味わいです。しょうがで風味を利かせた豚ひき肉を加え、食べごたえも◎。夜食にもおすすめの一品です。 贅沢な和のデザート ところてんあんみつ ところてんに黒蜜をかけると、まるでくずきりのようなやさしい味わいに。お好みのフルーツやバニラアイスをトッピングすれば、贅沢な和のデザートに早変わりです。 ひんやり、あったか、甘いと、ところてんには多彩な魅力があります。夏のテーブルを彩る味わいをお楽しみください。
ところてんには食物繊維が含まれている
ところてんは、夏にぴったりの低カロリーなデザートです。こんにゃくいもから作られるため、食物繊維が豊富に含まれています。食物繊維は便秘を改善し、腸内環境を整える働きがあるのです。 こんにゃくいもには難消化性デンプンも含まれており、おなかの調子を整えてくれます。ダイエット中の方におすすめなのは、満腹感が得られながらカロリーが控えめだからです。 夏バテで食欲が落ちがちな時期に、手軽でヘルシーなところてんはありがたい存在。暑い夏こそ、ぜひさっぱりとした独特の食感と素朴な味わいを楽しんでみてはいかがでしょうか。 また、温かいだしで食べるとまた違った味が楽しめます。さまざまなアレンジを試して、ところてんの新しい魅力を発見してみるのも良いかもしれません。
まとめ
ところてんには、食物繊維やビタミン、ミネラルなどの栄養素が豊富に含まれています。食物繊維は便秘の改善に役立ち、ビタミンB群は疲労回復を助けます。また、カリウムなどのミネラルは血圧の維持に貢献します。夏バテ対策にもなるところてんは、低カロリーでヘルシーな和菓子として、暑い季節に体を労わるのに最適な一品なのです。