甘酸っぱさがたまらない「すもも」。お店でよく見かけるプラムとは、どういった違いがあるのでしょうか?この記事では、すももとプラム、さらにプルーンの違い、すももの旬の時期や産地、美味しい食べ方について解説していきます。記事の後半では、すももを使ったおすすめレシピもご紹介しますので、ぜひ最後までお読みください。そのまま食べるのはもちろん、ジャムやコンポートなど、様々な楽しみ方ができるすももについて、詳しく見ていきましょう。
プラムとプルーン:原産地、品種、特徴の違いを解説
プラムとプルーンは、生まれた場所、実の特徴、日本での名前の使われ方に違いがあります。これらの違いを知ることで、それぞれのフルーツの良さをより深く理解できるでしょう。まず「プラム」は、中国が故郷とされる「日本すもも」の仲間を指します。明治時代に日本すももがアメリカに渡り、アメリカで品種改良が進み、今の「プラム」という名前で日本に戻ってきたという歴史があります。
日本すもも(プラム)の代表的な品種
現在、日本でたくさん作られているプラムの主な品種は、それぞれ異なる酸味と甘さのバランスを持っています。中でも「大石早生(おおいしわせ)」は、みずみずしく、甘酸っぱい味が特徴のすももです。お店には5月頃から並び始め、7月上旬が旬の時期です。重さは50g〜70gほどで、すももの中では小さめです。少しとがった桃のような形で、熟すと皮が赤くなり、完熟するとさらに鮮やかな赤色になります。日本での生産量がとても多いので、初夏の味覚として親しまれています。「貴陽(きよう)」は、高級な品種として知られるすももです。色は濃い赤色で、甘さが強く、ほどよい酸味が特徴です。重さは200gくらいになることもあり、世界一重いすももとしてギネス記録にも認定されています。旬の時期は8月で、その希少性と質の高さから、贈り物としても人気があります。「太陽」は、少し遅れて実る、大きめの実をつける品種で、甘味が強いすももです。十分に熟すと酸味が少なくなり、甘さが増し、果汁が多いのが特徴です。大きさは120g〜150gくらいで、すももの中ではやや大きめです。色は濃く、鮮やかな赤色をしており、夏の終わりの味覚として多くの人に好まれています。「ソルダム」は、アメリカ生まれの日本すももの品種で、日本では山梨県、長野県、和歌山県などで多く栽培されています。ソルダムは、熟すまでは緑色ですが、果肉が赤いのが特徴です。旬の8月頃になると、完熟の時期を迎え、皮の色は緑から赤黒く、果肉は鮮やかな赤色に変化し、見た目と味の変化を楽しむことができます。
西洋すもも(プルーン)の代表的な品種
「プルーン」は、ヨーロッパのコーカサス地方が原産である「西洋すもも」の仲間を指します。プルーンは、皮が青紫色の品種が多く、「サンプルーン」や「アーリーリバー」などが代表的な品種として挙げられます。旬の時期には、生のプルーンもお店に並び、品種によって異なりますが、ほどよい酸味とさわやかな甘さが特徴です。プルーンは乾燥させることで長く保存でき、ドライフルーツとして広く親しまれており、栄養価が高いことから健康食品としても人気があります。
すももの旬な時期と主な産地
すももは、初夏から晩夏にかけて色々な品種が楽しめる、夏に嬉しい果物です。通常、すももの旬は6月中旬頃から9月頃までと言われており、品種や栽培方法によって時期は多少変わりますが、長い期間にわたって様々な味を楽しめるのが特徴です。例えば、一番早く市場に出回るのは「大石早生」で、6月中旬頃からお店に並び始め、夏の訪れを感じさせてくれます。7月になると、「ソルダム」や「アーリーリバー」などの品種が旬を迎え、豊富な種類のすももが出回ります。そして8月に入ると、大玉で甘みが強い「太陽」や高級品種の「貴陽」が人気を集め、夏の終わりの味覚として親しまれています。このように、時期によって異なる品種を楽しめるのが、すももの魅力の一つです。すももは、寒さ、暑さ、乾燥に比較的強いことから、理屈上は日本全国で栽培可能と言われています。しかし、良質な果実を安定して生産するには、特定の気候条件が大切です。特に、開花時期に霜の影響を受けると実がつきにくくなるため、霜の被害が少ない地域での栽培が適しています。また、果実の生育期間から収穫時期にかけて雨が少なく、水はけが良く日当たりの良い土地は、すももの栽培に適した環境と言えます。日本の主なすももの産地としては、山梨県、和歌山県、長野県、山形県などが挙げられます。中でも山梨県は、国内生産量のおよそ3分の1を占める、すももの主要な産地として知られています。これらの地域は、桃、ぶどう、りんご、梅など、他の果物の栽培も盛んであり、長年の栽培技術と恵まれた自然環境が、高品質なすももの生産を支えています。
すももの表面の白い粉「ブルーム」は新鮮さの証

すももの皮の表面に、うっすらと白い粉のようなものが付いているのを見ることがあります。この白い粉は「ブルーム」と呼ばれ、果実自身が作り出す自然なワックス成分です。ぶどうや柿など、多くの果物にも見られるもので、ブルームは果実の鮮度を保ち、水分が蒸発するのを防ぎ、外からの菌や傷から果実を守る役割を持っています。ブルームは体に害のあるものではなく、むしろ収穫されてからの時間が短く、とても新鮮であることの証です。そのため、すももを選ぶ際には、ブルームがしっかりと付いているものを選ぶことをおすすめします。ブルームがたくさん付いているほど、新鮮で品質が良く、美味しいすももである可能性が高いと言えるでしょう。購入後は、食べる直前までブルームを洗い流さずに保存することで、より長く鮮度を保つことができるので、ぜひ参考にしてください。
美味しいすももの選び方と保存方法
甘酸っぱくて果汁たっぷりのすももを最大限に楽しむには、新鮮で熟した果実を選び、適切な方法で保存することが大切です。まだ熟していないすももは酸味が強いため、すぐに食べる場合は熟したものを選んで購入するようにしましょう。
美味しいすももの選び方
すももを選ぶ際は、まず全体の色が均一になっているかを確認しましょう。特に赤色のすももであれば、皮全体が鮮やかな赤色になっているものがおすすめです。まだ熟していないものは、皮が黄緑色っぽく、酸味が強いため、追熟させる必要があります。次に、かたさを確認しましょう。皮に少し弾力があり、指で軽く触れた時にほどよいかたさやハリを感じられるものが良いでしょう。やわらかすぎるものや、表面がしなびているものは、熟し過ぎているか、鮮度が落ちている可能性があるため、避けるのがおすすめです。また、手に取った時にずっしりと重みを感じられるかどうかも、果汁をたっぷり含んだ美味しいすももを見分けるポイントとなります。
すももの最適な保存方法
すももを購入後、美味しく、かつ長持ちさせるには、熟度に応じた保存方法が重要です。完熟したすももは、過熟を防ぐため、乾燥しないように紙袋(または新聞紙やキッチンペーパー)で包み、さらに保存袋やポリ袋に入れて冷蔵庫の野菜室で保存します。この方法で3日から1週間程度は鮮度を維持できます。一方、果皮がまだ緑色で硬い未熟なすももは、追熟が必要です。新聞紙などで包み、風通しの良い涼しい場所で常温保存しましょう。数日後、全体が色づき、軽く触って柔らかくなったら食べ頃です。追熟が進んだら冷蔵保存に切り替えてください。
まとめ
今回は、夏に人気のフルーツ「すもも」の基本情報から、「プラム」や「プルーン」との違い、旬の時期、産地、表面の白い粉「ブルーム」について詳しく解説しました。すもも、プラム、プルーンは異なる果物に見えますが、実はバラ科の「すもも」の仲間で、原産地によって呼び方が変わります。プラムには大石早生、貴陽、太陽、ソルダムなど様々な品種があり、プルーンにもサンプルーンやアーリーリバーなど、それぞれ異なる味と色を持つ品種があります。すももは、生のまま皮ごと食べるのはもちろん、追熟させて甘みを増したり、冷凍してシャーベットのようにしたり、ジャムやコンポート、スムージー、タルト、ソルベ、パウンドケーキなど、加熱調理や加工で様々な風味を楽しめます。甘酸っぱい味わいは、デザートやおやつ、料理のアクセントとして食卓を豊かにします。この記事を参考に、すももの選び方、保存方法、食べ方、レシピを試して、旬のすももを楽しみ、ご家族や友人と夏の思い出を作ってください。
すももとプラムは同じものですか?
はい、一般的に日本では「すもも」と「プラム」は同じ果物を指します。スーパーで「プラム」として売られているのは、中国原産の「日本すもも」であることが多いです。明治時代に日本すももがアメリカで品種改良され、「プラム」として日本に再び入ってきました。
すももとプルーンは何が違いますか?
プルーンも広義にはすももの一種ですが、日本では「日本すもも(プラム)」と区別し、ヨーロッパのコーカサス原産の「西洋すもも」を「プルーン」と呼びます。プルーンは皮が青紫色のものが多く、生でも食べられますが、ドライフルーツやジャムなど加工用としてもよく使われます。
すももの主な品種は何があるでしょうか?
日本すもも、一般的にプラムとして知られる品種には、みずみずしさと甘酸っぱさが特徴の「大石早生」、高品質で大きな果実が魅力の「貴陽」、高い糖度と豊富な果汁が自慢の「太陽」、果肉が赤色で、熟すと皮が濃い赤黒色になる「ソルダム」などがあります。一方、西洋すもも、別名プルーンとしては、「サンプルーン」や「アーリーリバー」といった品種が挙げられます。













