スモモ プラム 違い
「すもも」と「プラム」は、実は同じ果物を指す呼び方の違いです。日本語では昔から「すもも」と呼ばれ、英語では一般に「プラム」と言います。店頭では輸入品や品種名の表記などの理由で「プラム」と書かれることも多く、言葉が違うだけで中身は同じと考えて大丈夫です。味の特徴は、みずみずしい果汁と甘酸っぱさ。皮が薄く、洗えば皮ごと食べられる手軽さも魅力です。呼び名が分かれているのは、言語や流通の事情、栽培の歴史が背景にあるためで、品質やおいしさの優劣を意味するものではありません。はじめて買うときは、表示の言葉よりも実物の状態に注目すると失敗が少なくなります。
プルーンとの関係
似た名前の「プルーン」は、広い意味ではすももの仲間ですが、主に“乾燥して食べる用途に向くすもも”や、その乾燥品を指す言葉として使われます。生で食べるすももに比べ、果肉がしっかりして糖度が高いタイプが乾燥に適しており、乾かすことで甘さと香りがぎゅっと凝縮します。そのままおやつにしたり、ヨーグルトに添えたりと保存性の高さが特長です。一方、生食向けのすもも(=プラム)は、噛んだ瞬間に果汁があふれ、爽やかな酸味が楽しめます。つまり、同じ仲間でも「生でジューシーに楽しむ果実」と「乾燥で濃厚に楽しむ果実(製品)」という向き不向きの違いがある、と覚えると理解しやすいでしょう。
旬の時期と主な産地
すももの旬はおおむね初夏から初秋、目安として6月中旬~9月ごろです。早い時期は酸味がさっぱり、盛夏には甘みが強いものが増え、季節の移ろいに合わせて風味の違いを楽しめます。栽培は全国で可能ですが、良質な果実にはいくつか条件があります。開花期の遅霜が少ないこと、日当たりがよく水はけのよい土、そして昼夜の寒暖差が挙げられます。こうした環境では色づきが良く、香りや甘さがのりやすくなります。市場では地域ごとに出荷時期がずれるため、夏の間じゅう何度も新鮮なすももに出会えるのが魅力です。店頭の表示に産地や収穫時期が書かれていれば、食べ比べの参考になります。
新鮮なすももの見分け方
美味しさの目安は「色・重さ・ハリ・香り」。まず全体の色づきが均一なものを選び、赤系ならムラなく濃く色づいているものが食べ頃のサインです。手に取ったとき、見た目より重く感じる個体は果汁が多くジューシーです。表面にうっすら白い粉が付くことがありますが、これは果実自身が作る「ブルーム(果粉)」で、水分の蒸発を防ぐ天然のコート。残っているほど収穫が新しい目安になります。皮のハリや弾力もチェックポイントで、やわらかすぎるものは過熟の可能性があります。傷や押し跡、べたつきが強いものは避け、香りが立っているかも確かめると失敗が減ります。
食べ方と保存のコツ
基本は洗ってそのまま。冷やすと甘酸っぱさが引きしまります。まだ硬く酸味が強い場合は、直射日光を避けた常温で数日おき、指で押してわずかに弾む程度まで「追熟」させると甘みが増します。食べ頃になったら乾燥を防ぐために1個ずつ紙で包み、袋に入れて冷蔵庫の野菜室へ。数日のうちに食べ切りましょう。長く楽しみたいなら冷凍も便利。洗って水気をふき、1個ずつ包んで冷凍し、半解凍で食べればシャリっとした食感に。加熱すると酸味がやわらぎ、色や香りが際立つので、デザートづくりの素材としても活躍します。皮は薄いので、栄養もとりやすく、皮ごと食べるのもおすすめです。
まとめ
すももとプラムは呼び方が違うだけで同じ果物。みずみずしい果汁と甘酸っぱさが魅力で、英語圏ではプラム、日本ではすももという表記が主に使われます。似た名前のプルーンは、乾燥に向くすももやその乾燥品を指すことが多く、保存性と濃厚な甘さが特長です。旬は6~9月ごろで、地域や時期により酸味と甘味のバランスが変わります。選ぶときは色づきの均一さ、ずっしりした重み、皮のハリ、白い粉(ブルーム)をチェック。硬い個体は追熟で甘く、食べ頃は冷蔵で短期保存、長期なら冷凍が便利。生・冷凍・加熱と楽しみ方が広く、初めてでも扱いやすい果物です。
よくある質問
質問1:すももとプラムは本当に同じ?
すももとプラムは同じ果物なのですか? A. はい、同じです。日本語の一般的な呼び方が「すもも」、英語の呼び名が「プラム」。店頭では輸入事情や表示の慣習からプラム表記が目立つこともありますが、どちらも同じ仲間です。味や品質の差を示す言葉ではないので、表記よりも実際の状態を見て選ぶのがポイント。色づきが均一で重みがあり、皮にハリがあるものが食べ頃の目安です。迷ったときは香りも確認し、さわやかな甘い香りが立つものを選びましょう。
質問2:プルーンは何が違うの?
プルーンはすももやプラムとどう違いますか? A. プルーンは、乾燥しておいしくなるタイプのすももや、その乾燥品を指すことが多い言葉です。生食向けは果汁が多く爽やか、乾燥向けは果肉がしっかり・糖度が高いのが特長。乾燥させると甘みが凝縮して保存性も上がり、日々の間食や朝食のプラス一品に使いやすくなります。生で楽しむ日はジューシーな果実を、ストックしておきたいときは乾燥品、と使い分けると無駄がありません。どちらも同じ仲間だと理解しておくと選択がスムーズです。
質問3:硬い実をおいしくするには?
買ったすももが硬いときはどう食べ頃に近づけますか? A. 直射日光を避け、風通しのよい室内で常温の「追熟」を行います。数日置くと果肉が少しやわらぎ、酸味が丸くなって甘みが増します。指で触れてわずかに弾む感触になったら食べ頃。そこからは乾燥を防ぐため1個ずつ紙で包み、袋に入れて冷蔵庫の野菜室へ移し、数日以内にいただきましょう。すぐに食べない分は冷凍して半解凍で楽しむのもおすすめ。皮は薄く栄養も含むため、よく洗って皮ごと味わうと風味と食感をいっそう楽しめます。