ラフランス と洋梨の違い

ラフランス と洋梨の違い

秋の味覚として人気の高い洋梨。その中でも「ラ・フランス」は、とろけるような舌触りと芳醇な香りで、特に愛されています。しかし、「ラ・フランス」と「洋梨」の違いについて、詳しく知っている方は意外と少ないのではないでしょうか?この記事では、洋梨の基本情報から、ラ・フランスの特徴、さらには他の品種との違いまで、わかりやすく解説します。品種ごとの個性を知れば、洋梨選びがさらに楽しくなるはずです。

ラ・フランスと洋梨:その関係性

ラ・フランスは数ある洋梨の品種の一つであり、洋梨という大きなくくりは、バラ科ナシ属に属する果実全体のことを指します。様々な品種が存在する洋梨の中で、ラ・フランスは特に高い人気を誇る品種です。日本では洋梨の代表的な存在として知られていますが、実際には洋梨全体を指す言葉ではありません。

洋梨(西洋梨)について

洋梨はヨーロッパを原産とする果物で、西洋梨とも呼ばれています。その起源は中国に遡り、ヨーロッパへと伝播した後、現在では世界各地で栽培されています。日本の梨(和梨)と比較すると、洋梨は縦長の形をしており、熟すと滑らかな舌触りと豊かな香りが際立ちます。

ラ・フランスとはどんな梨?

ラ・フランスは、フランスで生まれた洋梨の品種です。1864年にクロード・ブランシュ氏によって発見され、その格別な美味しさから「ラ・フランス(フランスの味)」と名付けられました。日本へは1903年に導入されましたが、栽培の難しさや外観の地味さから当初は注目されず、バートレットという品種の受粉を助ける役割を担っていました。しかし、1980年代以降、その美味しさが広く認識されるようになり、市場に広く流通するようになりました。

なぜ日本でラ・フランスが栽培されるのか

洋梨は、冷涼で降雨量の少ない気候が栽培に適しており、山形県の内陸部はこれらの条件を満たしています。そのため、山形県では100年以上も前から洋梨栽培が積極的に行われており、ラ・フランスの生産量は日本全国でトップを誇り、全国生産量の約8割を占めています。

ラ・フランスは本場フランスで姿を消した?

ラ・フランスは、その故郷であるフランスにおいて、20世紀初頭にはほとんど栽培されなくなってしまいました。その背景には、他の洋梨と比較して実がなるまでの期間が長く、病害にも弱いという弱点がありました。ラ・フランスは1864年、フランスのクロード・ブランシュ氏が発見。そのおいしさに「わが国を代表するにふさわしい果物!」と賛美し、ラ・フランスの名前がついたというが、実際は栽培に多くの問題があったようです。フランスを含むヨーロッパ諸国の気候がラ フランス栽培に適していたなかった。栽培の困難さと長い生育期間のため、他の品種と比べて経済的に不利だった。

日本で育てられている様々な洋梨

前述の通り、国内では約20種類の洋梨が栽培されていますが、ここでは代表的なものを紹介します。中でもラ・フランスが最も多く、国内の洋梨栽培面積全体の約56.8%を占めています。その他、ル・レクチェ、バートレット、オーロラなど、個性豊かな品種が栽培されています。

ル・レクチェ

新潟県を中心に栽培されている、フランス生まれの洋梨です。栽培の難しさから、長らく地元で消費されていましたが、近年になって生産量が増加しました。ラ・フランスよりも一回り大きく、芳醇な香りが際立つのが特徴です。

バートレット

イギリスを原産とする洋梨で、世界中で最も多く栽培されています。甘さは控えめでほどよい酸味があり、果肉がしっかりとしているため、加熱調理しても形が崩れにくいことから缶詰によく利用される品種です。日本では、主に北海道や青森県で栽培されています。

オーロラ

アメリカで生まれたオーロラは、とろけるような舌触りと、深みのある甘さが魅力の洋梨です。旬は9月上旬と比較的早く、山形県が国内最大の産地として知られています。

ゼネラル・レクラーク

フランスで発見されたゼネラル・レクラークは、一般的な洋梨よりも大ぶりなのが特徴です。果汁をたっぷりと含み、そのジューシーな味わいは格別。青森県が主な産地となっています。

マルゲリット・マリーラ

フランス原産のマルゲリット・マリーラは、大玉で、口にした瞬間とろけるような、なめらかな食感が特徴です。旬は9月から10月にかけてで、山形県で多く栽培されています。

メロウリッチ

日本生まれのメロウリッチは、山形県で誕生し、2009年に品種登録されたばかりの希少な品種です。特筆すべきはその糖度で、洋梨の中でもトップクラスの16度から17度にも達します。

シルバーベル

山形県で生まれたシルバーベルは、ラ・フランスから生まれた品種です。ラ・フランスよりもサイズが大きく、甘さと酸味の調和がとれている点が魅力です。収穫時期はクリスマスシーズン頃です。

マックスレッド・バートレット(レッド・バートレット)

アメリカ原産のレッド・バートレットは、バートレットの変種で、その名の通り果皮が鮮やかな赤色に染まります。主に秋田県で栽培されています。

バラード

バラードは山形県で誕生した洋梨で、バートレットとラ・フランスの血を引いています。現在、日本で栽培されている西洋梨の中で最も糖度が高く、酸味が少なく、果汁が豊富であることが特徴です。

美味しい洋梨の見分け方

美味しい洋梨を選ぶには、いくつかのコツがあります。品種によって最適な見分け方は異なりますが、共通して言えるのは、軸の近くを軽く押したときに柔らかさを感じるかどうかです。また、芳醇な香りが漂ってきているかも重要なポイントです。表面に傷がなく、一部分だけが極端に柔らかくなっていないものを選ぶようにしましょう。

洋梨の旬な時期

洋梨は品種ごとに美味しい時期が異なりますが、一般的には9月から12月頃が旬と言えます。例えば、ル・レクチェは他の洋梨よりも追熟に時間がかかるため、12月から1月頃が食べ頃になります。

洋梨の追熟について

お店で購入した洋梨がまだ硬い場合は、追熟を行う必要があります。洋梨が乾燥しないように、柔らかい紙で包んでから袋に入れ、直射日光やエアコンの風が当たらない場所で常温保存しましょう。追熟が完了したら、冷蔵庫の野菜室で保管し、なるべく早く食べるようにしてください。

カットする前の保存方法

追熟させた洋梨は、乾燥を防ぐためにペーパータオルなどで包み、袋に入れて冷蔵庫の野菜室で保存します。丸ごとなら3〜4日程度保存できます。ただし、野菜室からの出し入れが多いと温度変化で品質が劣化する可能性があるため、なるべく早めに食べきることをおすすめします。

カットした後の保存方法

カットした洋梨は、変色を防ぐためにカット面にレモン汁を塗り、ラップでしっかりと包んでから保存袋に入れて冷凍保存するのがおすすめです。約1ヶ月程度保存可能です。少し溶けかけの状態のシャーベットとして食べると、格別な味わいを楽しめます。

山形県と新潟県の洋梨事情

ラ・フランスといえば山形県。国内生産量の約8割を誇り、まさに日本一の産地です。対照的に、新潟県は高級品種ル・レクチェの主要な生産地として知られています。これらの地域は、洋梨栽培に適した自然環境、特に気候と土壌に恵まれており、卓越した品質の洋梨が生み出されています。

世界の梨生産量ランキング

日本は和梨も洋梨も栽培が盛んですが、実は世界最大の梨生産国は中国です。2019年の統計では、年間約1700万トンという圧倒的な量を生産しており、これは世界の梨生産量の70%以上を占めます。日本はというと、世界で12位に位置しています。

まとめ

この記事では、ラ・フランスと洋梨の違いを掘り下げ、品種、栽培方法、食べ頃、保存方法といった様々な角度から解説しました。洋梨の世界は実に奥深く、個性豊かな品種が数多く存在します。それぞれの魅力を知り、ご自身の好みに合う洋梨を見つけて、より豊かな食生活を送ってみてはいかがでしょうか。さあ、今年は色々な品種の洋梨を試して、お気に入りの味を見つけてみましょう。

よくある質問

質問1:ラ・フランスと一般的な洋梨の違いとは?

ラ・フランスは数ある洋梨の中でも特に知られる品種で、その際立った特徴は、優雅な香りと、とろけるような舌触りです。日本国内で栽培されている洋梨の中で、最もポピュラーな品種としても知られています。

質問2:ラ・フランスはいつが一番美味しい時期ですか?

ラ・フランスの旬は、おおよそ10月下旬から12月にかけてです。果実を手に取り、軸の付け根あたりが柔らかく感じられ、甘く熟した香りが漂ってきたら、まさに食べ頃を迎えたサインです。

質問3:洋梨をより長く保存するためのコツはありますか?

洋梨をできるだけ長く楽しむためには、追熟させた後は冷蔵庫の野菜室で保管するのがおすすめです。また、カットしたものは冷凍保存すると良いでしょう。カットした洋梨の変色を防ぐためには、レモン果汁を少量かけるのが効果的です。
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