ターサイ(タアサイ)徹底解説|栄養、旬、選び方、レシピ、保存法

スーパーでターサイ(タアサイ)という野菜を見かけたことはありませんか?小松菜や青梗菜に似ていますが、独特の甘みとシャキシャキ感が特徴です。中国原産のターサイは、日本に渡って約80年。近年はその栄養価と使いやすさで注目されています。この記事ではターサイの基本情報、栄養価、調理法、選び方、保存方法、簡単レシピを解説します。ターサイ初心者から、もっと美味しく食べたい方まで役立つ情報が満載です。ぜひ旬のターサイを食卓に取り入れて、その魅力を楽しんでください。

ターサイ(タアサイ)とは?基本情報と魅力

ターサイ(タアサイ)は、漢字で「搨菜」と書く中国原産の葉物野菜です。約80年前に中国から日本に伝わり、日本の食卓に浸透してきました。小松菜や青梗菜、ほうれん草に似ていますが、形状は独特です。低温で葉が地面を這うように広がり、バラのような美しさを見せます。この「這う」様子が名前の由来とも言われます。クセがなく、加熱すると甘みが増し、シャキシャキとした食感が楽しめます。中華料理、和食、洋食に合う万能野菜です。

旬は冬!中国野菜ターサイのルーツと特徴

ターサイは中国原産の野菜で、約80年前に日本に伝わりました。寒さに強く、旬は12月から2月頃の冬です。特に2月頃に収穫量が多くなります。冬の寒さで甘みが増し、葉が肉厚になり、栄養価も高まります。株の中心から放射状に葉が広がる見た目も特徴的です。旬の時期には手頃な価格で手に入るので、ぜひ食卓に取り入れてみましょう。

小松菜、青梗菜との違いは?見た目と味を比較

ターサイは小松菜や青梗菜と比べられますが、見た目と味には違いがあります。小松菜は細長く、青梗菜は株が立って成長しますが、ターサイは地面に葉を広げるように成長し、葉の表面には光沢があります。葉は肉厚で丸みがあり、茎も太めです。味はクセが少なく、甘みが強いのが特徴です。加熱すると甘みが増し、シャキシャキとした食感が楽しめます。中華料理だけでなく、和食や洋食にも活用できます。小松菜や青梗菜の代わりに使うことで、料理に新しい風味と食感を加えられます。

日本における栽培と市場の現状

ターサイは、国内では主に茨城県や静岡県といった関東地方で栽培されています。農林水産省による「平成30年 地域特産野菜生産状況調査」によれば、全国での収穫量は554トンですが、そのうち西日本での生産量はわずか8トンにとどまります。そのため、市場への流通も関東地方が中心となっており、西日本にお住まいの方は、店頭で見かける機会が少ないかもしれません。しかし、最近ではインターネット通販や高級スーパーなどでも購入できるようになってきました。もし見かけたら、ぜひ一度手に取って試してみてください。

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ターサイの優れた栄養成分と健康への貢献

ターサイは、その独特な風味に加え、現代人が不足しがちな栄養素を豊富に含んでいる点が魅力です。特に、ビタミンA(β-カロテン)、ビタミンC、カリウム、カルシウムを効率的に摂取できる野菜として知られており、これらの栄養素は私たちの健康維持に様々な良い影響を与えてくれます。小松菜や青梗菜と栄養成分が似ていることからも分かるように、日々の食生活に積極的に取り入れたい緑黄色野菜の一つです。文部科学省の食品成分データベースに掲載されているデータをもとに、それぞれの栄養素の働きについて詳しく見ていきましょう。

β-カロテン(ビタミンA)がもたらす美容と健康への効果

ターサイには、β-カロテンが豊富に含まれています。β-カロテンは、体内で必要に応じてビタミンAに変換される、プロビタミンAの一種です。ビタミンAは、髪の健康、視力の維持、そして粘膜や皮膚の健康をサポートする上で欠かせない栄養素であり、特に呼吸器系の健康を維持する働きがあると言われています。風邪などが流行しやすい時期の予防にも役立ち、免疫力の維持に重要な役割を果たします。さらに、β-カロテン自体にも強力な抗酸化作用があり、活性酸素から体を守り、がん予防や動脈硬化の抑制にも効果が期待されています。食品成分データベースによると、生のターサイ100gあたりには2200μg、茹でたものでは2400μgものβ-カロテンが含まれており、効率的な摂取が可能です。また、ビタミンA(レチノール活性当量)としては、100gあたり180μg含まれており、これは成人が1日に必要とする量の約2~3割を補える量です。

免疫力向上に不可欠なビタミンC

ターサイには、ビタミンCも豊富に含まれています。100gあたり31mgのビタミンCが含まれており、これは1日に必要な量の約2~3割を摂取できる量です。ビタミンCは、風邪の予防や疲労回復をサポートするだけでなく、コラーゲンの生成を促進し、肌の健康を保ち、肌荒れの改善にも効果が期待できます。また、強力な抗酸化作用によって、ストレスから体を守り、免疫機能の維持にも重要な役割を果たすため、特に感染症が広がりやすい冬の時期には積極的に摂取したい栄養素です。水溶性ビタミンであるため、調理の際は加熱しすぎないように注意することで、より効率的に摂取できます。

むくみや高血圧のケアに役立つカリウム

ターサイには、ミネラルの一種であるカリウムが豊富に含まれています。その含有量は100gあたり約430mgと、多くの野菜や果物の中でも際立っています。カリウムは、体内の過剰なナトリウム(塩分)を排出する働きがあるため、むくみが気になる方や血圧が高めの方にとって、非常に大切な栄養素です。現代の食生活では塩分摂取が多くなりがちなので、カリウムを豊富に含むターサイを積極的に食事に取り入れることで、ナトリウムとのバランスを調整し、健康維持に役立てることができます。また、利尿作用を促し、体内の余分な水分を排出するサポートも期待できます。

丈夫な骨や歯を作るカルシウム

ターサイは、カルシウムも豊富に含んでいます。100gあたり約120mgのカルシウムが含まれており、これは牛乳100gと比較しても多い量です。カルシウムは、骨や歯の主要な構成成分であることはもちろん、筋肉の収縮や神経伝達、血液凝固など、体の様々な機能に関わっています。特に日本人はカルシウムが不足しがちであるため、ターサイのような野菜から効率的にカルシウムを摂取することは、骨粗しょう症の予防など、健康維持にとても有効です。成長期のお子様からご年配の方まで、幅広い世代にとって推奨される栄養素です。

ターサイを美味しく、効率的に食べる調理のポイント

ターサイの栄養を最大限に引き出し、その美味しさを堪能するためには、いくつかの調理のポイントがあります。特に、ターサイに含まれる栄養素の特性を理解し、適切な調理方法を選ぶことが大切です。これらのポイントを意識することで、ターサイをより美味しく、健康的に楽しむことができるでしょう。

油との組み合わせで栄養吸収率をアップ

ターサイに豊富に含まれるビタミンA(β-カロテン)は、「脂溶性ビタミン」に分類されます。脂溶性ビタミンは、油と一緒に摂取することで吸収率が高まる性質があります。そのため、炒め物や油を使ったドレッシングなどと組み合わせることで、ターサイの栄養をより効率的に体内に取り込むことができます。例えば、ごま油を使った中華風炒めや、オリーブオイルを使ったソテーなどは、栄養面でもおすすめの調理法と言えます。豚肉やエビなど、油分を含んだ食材と一緒に調理するのも良いでしょう。

サッと加熱で栄養キープ!

ターサイに含まれるビタミンCやカリウムといった水溶性の栄養素は、加熱に弱い性質があります。長時間加熱すると、これらの栄養素は水に溶け出したり、分解されたりして失われやすくなります。そのため、調理する際は、できるだけ短時間でサッと加熱することを意識しましょう。例えば、炒め物なら強火で手早く炒め、お浸しにする場合も茹ですぎないように注意が必要です。短時間加熱することで、ターサイならではのシャキシャキとした食感を残し、素材本来の甘みを引き出すこともできます。栄養価と美味しさの両方を考慮して、最適な調理方法を選びましょう。

ターサイ選びと鮮度を保つ保存術

せっかく手に入れたターサイを美味しく、最後まで使い切るためには、新鮮なものを選び、適切な方法で保存することが大切です。ここでは、新鮮なターサイの見分け方と、冷蔵・冷凍それぞれの保存方法をご紹介します。これらのポイントを押さえれば、いつでも美味しいターサイを食卓に並べることができます。

新鮮ターサイを見分けるコツ

新鮮なターサイを選ぶ際には、以下の点に注意して選びましょう。

  • **葉の色と輝き**: 葉全体が鮮やかな緑色をしていて、みずみずしいツヤがあるものがおすすめです。葉が黄色っぽく変色していたり、しなびているものは鮮度が落ちています。
  • **葉の厚み**: 葉に厚みがあり、しっかりとしているものは、新鮮で甘みが詰まっています。葉が薄いものは避けましょう。
  • **株の張り**: 株の中心から葉が放射状に力強く広がっていて、葉が折れていないものが良品です。茎が太く、手に持ったときにずっしりと重みを感じるものも新鮮な証です。
  • **根元の状態**: 根元に土が付着していないか、傷んでいないかを確認しましょう。腐敗している部分や、変色している部分がないかも重要なチェックポイントです。

冷蔵保存で鮮度を長持ちさせるコツ

ターサイを冷蔵庫で保存する際は、葉物野菜に適した保存方法を試してみましょう。ターサイを新聞紙でふんわりと包み、ポリ袋に入れて冷蔵庫の野菜室に立てて保存すると、鮮度を長く保つことができます。これは、ターサイが畑で育っていた環境に近づけることで、鮮度を維持しやすくするためです。乾燥を防ぎつつ、適度な湿度を保つことが大切です。冷蔵保存の目安は約1週間です。葉がしんなりとしてきたら、傷み始めているサインなので、早めに使い切るようにしましょう。特に乾燥に弱いので、新聞紙でしっかりと包むのがポイントです。

冷凍保存で長期保存を可能にする方法

ターサイを使い切れずに余ってしまう時や、もっと長く保存したい場合は、冷凍保存がおすすめです。冷凍することで、約1ヶ月間の保存が可能となります。冷凍する際は、生のまま冷凍するよりも、軽く加熱してからの方が良いでしょう。具体的には、さっと湯通しするか、炒めるなどして火を通し、粗熱を取ってしっかりと水気を絞ってから冷凍することで、解凍後の食感が損なわれにくくなります。使いやすい大きさにカットして、冷凍保存用の袋に入れ、できる限り空気を抜いて冷凍庫へ。調理する際は、凍ったまま鍋やフライパンに入れて加熱できるので、時間がない時にも便利です。

ターサイの絶品レシピ集:バラエティ豊かな料理で楽しむ

独特のクセがなく、シャキシャキした食感とほのかな甘みが魅力のターサイは、中華料理はもちろんのこと、和食や洋食など、様々なジャンルの料理と相性が良い万能野菜です。炒め物や和え物、スープ、お浸しなど、色々な調理法で楽しめます。ここでは、ターサイの美味しさを存分に味わえる、簡単レシピを2つご紹介します。

ターサイと豚バラのオイスター炒め

ターサイのシャキシャキ食感と豚バラの旨みを最大限に引き出した、定番の中華風炒めです。オイスターソースのコクが全体をまとめ、白ごはんが止まらなくなる一品。手早く作れるので忙しい日のメインおかずにもぴったりです。

材料(2人分)

ターサイ…1袋

豚バラ薄切り…150g

にんにく…1片

サラダ油…大さじ1

オイスターソース…大さじ1

醤油…小さじ1

砂糖…ひとつまみ

酒…大さじ1

塩・こしょう…適量

作り方

ターサイは根元をよく洗い、ざく切りにする。

豚バラを食べやすい大きさに切り、にんにくはみじん切りにする。

フライパンに油とにんにくを入れて熱し、豚肉を炒める。

肉に火が通ったらターサイを加えて強火で一気に炒める。

調味料を加え、全体に絡めたら完成。

ターサイとえびの中華スープ

ターサイの柔らかい葉とプリッとしたえびが相性抜群のやさしい味わいのスープ。シンプルな味付けながら旨みがしっかり出て、身体がほっと温まる一品です。

材料(2人分)

ターサイ…1/2袋

むきえび…100g

生姜(千切り)…少々

鶏ガラスープの素…小さじ1

水…400ml

ごま油…少々

塩・こしょう…適量

作り方

ターサイはざく切りにする。

鍋に水と鶏ガラスープ、生姜を入れて温める。

沸騰したらえびを入れ、色が変わったらターサイを加える。

2〜3分煮て、塩・こしょうで味を整える。

仕上げにごま油を回しかけて完成。

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まとめ

冬に旬を迎えるターサイは、独特な見た目と風味豊かな味わいが魅力の中国野菜です。β-カロテン(ビタミンA)、ビタミンC、カリウム、カルシウムなど、健康維持に欠かせない栄養素を豊富に含んでおり、免疫力アップ、美容効果、むくみ対策、骨の健康サポートなど、幅広い効果が期待できます。油と一緒に手早く調理することで、栄養を効率的に摂取しながら、その美味しさを最大限に引き出すことができます。新鮮なターサイの選び方や、冷蔵・冷凍による適切な保存方法をマスターすれば、鮮度を長く保ち、食材を無駄にすることなく活用できます。中華料理はもちろんのこと、和食や洋食にもアレンジ自在なターサイは、日々の食卓を豊かに彩り、栄養バランスを整えるのに最適な食材です。この記事でご紹介した情報やレシピを参考に、旬のターサイを積極的に食生活に取り入れ、ご家族皆様でその美味しさと健康効果をご堪能ください。

ターサイの味の特徴は?

ターサイは、クセが少なく、ほのかな甘みが持ち味です。特に冬の寒さを経ることで甘みが増し、葉の厚みも増します。加熱調理すると、さらに甘みが際立ち、シャキシャキとした食感がより一層楽しめます。小松菜や青梗菜と似た風味を持ちながらも、より甘みが強く、えぐみが少ない点が特徴と言えるでしょう。

ターサイは生食できますか?

通常、ターサイは加熱調理して食べるのが一般的です。生で食べられないわけではありませんが、葉物野菜特有の苦味や青臭さを感じることがあります。加熱することで甘みが増し、葉も柔らかくなるため、より美味しく食べられます。特に油と一緒に調理することで、脂溶性ビタミンであるβ-カロテンの吸収率を高めることができます。

ターサイと小松菜や青梗菜の違いは何ですか?

外観上の違いとして、小松菜は細長い葉が特徴で、青梗菜は株が вертикально に伸びて成長します。一方、ターサイは株の中心から放射状に葉を広げる独特の形状をしています。葉は肉厚で丸みを帯びており、表面にはツヤがあります。味に関しては、ターサイは小松菜や青梗菜に比べて甘みが強く、クセが少ないと感じる方が多いようです。

ターサイが最も美味しい時期はいつですか?主な産地についても教えてください。

ターサイは冬、特に12月から2月にかけてが旬を迎えます。厳しい寒さの中で育つことで、甘みが増し、葉も厚みを増します。主な産地は茨城県や静岡県などの東日本地域で、国内のターサイの大部分がこの地域で栽培されています。西日本ではあまり生産されていないため、主に東日本で流通しています。

ターサイの栄養を効果的に摂取するための調理方法はありますか?

ターサイにはβ-カロテン(ビタミンA)が豊富に含まれています。β-カロテンは脂溶性ビタミンなので、油を使った調理をすることで、より効率的に体内に吸収できます。炒め物や、油分を含むドレッシングと合わせるのがおすすめです。また、ビタミンCなどの水溶性ビタミンは熱に弱い性質があるため、短時間でサッと加熱することで栄養素の損失を最小限に抑えられます。同時に、シャキシャキとした食感も楽しめます。炒め物やお浸しなど、加熱時間を短くする調理法が最適です。

ターサイを長持ちさせるための保存方法を教えてください。

冷蔵保存する場合は、ターサイを新聞紙で包み、その上からポリ袋に入れて、冷蔵庫の野菜室で立てて保存すると、約1週間程度鮮度を保てます。これは、ターサイを畑で育っていた状態に近づけることで、鮮度を維持しやすくするためです。ターサイは乾燥に弱いので、しっかりと包むことが重要です。長期保存を希望する場合は、軽く茹でるか炒めるなど、一度加熱してから粗熱を取り、しっかりと水気を切って、使いやすい大きさにカットして冷凍保存袋に入れて冷凍庫で保存すれば、約1ヶ月間保存できます。

ターサイ