南米原産のフェイジョアは、一度味わうと忘れられない独特の風味を持つエキゾチックフルーツです。パイナップルとバナナを合わせたような甘い香りと、甘酸っぱく爽やかな味わいが特徴で、近年日本でも人気が高まっています。この記事では、フェイジョアの魅力的な味を徹底解剖!どんな風味なのか、どのように食べたら美味しいのか、その秘密を詳しく解説します。フェイジョアの奥深い世界へ、あなたを誘います。
フェイジョアとは?基本的な特徴と魅力
フェイジョアは、その独特な風味を様々に楽しめる果物です。最も手軽なのは、完熟した実をそのまま味わう方法でしょう。スプーンで果肉をすくって食べると、フェイジョア本来の甘みと香りが口いっぱいに広がります。外側の皮は少し硬めで渋みがあるため、リンゴのように薄く剥いて食べるのが一般的ですが、品種によっては皮ごと食べられるものもあります。食べ方は自由で、皮を剥いて輪切りにしたり、半分にカットしてスプーンで掬ったりと、好みに合わせて楽しめます。

また、フェイジョアは加工しても美味しくいただけます。ジャムやコンポートにすれば、日持ちもしますし、ヨーグルトやアイスクリームのトッピングとしても最適です。パウンドケーキやタルトなどの焼き菓子に混ぜ込むと、フェイジョアの豊かな香りがアクセントとなり、ワンランク上のデザートに仕上がります。スムージーやカクテルの材料としても利用でき、その個性が飲み物に奥深さを与えてくれます。特に、フェイジョアで作る果実酒は格別で、その風味は多くの人々から愛されています。このように、フェイジョアは様々な方法で、その魅力を存分に味わうことができる果物なのです。
フェイジョアの育て方:初心者でも成功する10のポイント
フェイジョアは比較的育てやすい果樹ですが、たくさんの実を収穫し、丈夫な木を育てるには、いくつかのコツがあります。ここでは、フェイジョア栽培で成功するために、ぜひ知っておきたい10のポイントを詳しく解説します。
1. 栽培場所:日当たりと防寒対策
フェイジョアは太陽の光を好む植物です。年間を通して、できるだけ日当たりの良い場所を選んで育てることが大切です。日光が不足すると、生育が悪くなるだけでなく、花つきが悪くなったり、実の品質が低下したりする原因となります。一日の大半の時間、直射日光が当たるような場所を選ぶことが、フェイジョアを健康に育てるための基本です。
フェイジョアはある程度の耐寒性を持っていますが、厳しい寒さや冷たい風に長時間さらされると、葉が落ちてしまうことがあります。特に、寒冷地で栽培する場合は、冬場の寒さ対策が重要です。鉢植えの場合は、冬の間は軒下など霜が当たらない場所に移動させると良いでしょう。地植えの場合は、寒冷紗や不織布などで木全体を覆って防寒対策を施すことが効果的です。これらの対策を行うことで、寒さによるダメージを軽減し、春からの成長をスムーズに促すことができます。
2. 水やり:乾燥を防ぐ適切な管理
フェイジョアは乾燥に弱い性質があるため、適切な水やりが欠かせません。特に鉢植えの場合は、乾燥しやすいため注意が必要です。土の表面が乾いたら、鉢底から水が流れ出るくらいたっぷりと水を与えましょう。鉢皿に溜まった水は、根腐れの原因となるため必ず捨ててください。夏場は乾燥しやすいので、朝夕の1日2回水やりを行うと良いでしょう。
一方、地植えのフェイジョアは、降雨によって十分な水分が得られることが多いため、基本的に水やりの必要はありません。ただし、雨が降らず土が乾燥している場合や、日照りが続く場合は、適宜水を与えるようにしましょう。特に、実が大きくなる時期に水不足になると、実の成長が悪くなる可能性があるため、注意が必要です。
3. 施肥:成長を支える肥料計画
フェイジョアの生育を良くし、たくさんの実を収穫するためには、肥料の与え方が大切です。春になり新芽が出始めたら、液体肥料を与えると、新しい枝や葉がぐんぐん伸びます。実の収穫が終わった後にも、同じように液体肥料を与えましょう。これは、実を作るために使ったエネルギーを補給し、次の成長に備えるためです。
鉢植えでフェイジョアを育てる場合は、年に3回、具体的には3月、7月、10月に有機肥料を与えるのがおすすめです。こうすることで、フェイジョアは常に栄養を吸収でき、安定して成長します。もし元気がないように見えたり、成長が遅いと感じたら、水やりの際に液体肥料を少し混ぜて与えることで、一時的に栄養を補給し、元気にすることができます。
庭に植えたフェイジョアにも肥料は必要ですが、鉢植えほど頻繁でなくても大丈夫です。一般的には、3月と10月の年2回、有機肥料を与えれば、土の栄養を保ち、木を健康に育てられます。庭植えの場合、根が広範囲に伸びるので、ゆっくりと効果が続く有機肥料が適しています。
4. 用土:最適な土壌環境を作る
フェイジョアを育てる上で、水はけの良い土壌は非常に重要です。土がいつも湿っていると、根が呼吸できなくなり、根腐れの原因になるため、注意が必要です。鉢植えで育てる場合も、土を選ぶ際には水はけの良さを最優先に考えましょう。
土の配合として、赤玉土を基本に使うのがおすすめです。赤玉土は、適度な保水性と排水性を兼ね備えているため、フェイジョアの根に適した環境を作ります。赤玉土に腐葉土を混ぜる場合は、赤玉土7に対して腐葉土3の割合が良いでしょう。この割合で混ぜることで、根が健康に育ちやすい、ふかふかとした土壌を作ることができ、水分と空気のバランスが保たれるため、フェイジョアが元気に育つ環境を作れます。
5. 植え付け:成功のためのステップ
フェイジョアは、1本だけでは実がつきにくい性質があります。そのため、実をたくさん収穫したい場合は、違う品種を2本近くに植えるのがおすすめです。植え付けに最適な時期は、春の3月中旬から4月中旬です。この時期は、新芽が出る前で根がつきやすく、植え付け後の成長がスムーズです。植え付け場所は、水はけが良く、風の影響を受けにくい、日当たりの良い場所を選びましょう。
植え付けの手順としては、まず直径と深さが50cmくらいの穴を掘ります。掘り出した土に、腐葉土と赤玉土を混ぜ、さらに粒状肥料を加えて混ぜます。この土を穴の底に戻し、土壌を改良します。次に、苗木の根を軽くほぐし、広げるように配置し、混ぜ合わせた土で根元を覆いながら丁寧に植え付けます。植え付け後、木の高さが50cmくらいのところで切り戻し、形を整え、株を安定させます。最後に、支柱を立てて苗木を固定し、たっぷりと水をやり、土と根を密着させることが大切です。
6. 剪定:時期と方法を知って樹形を整える
フェイジョアの剪定は、木の健康を維持し、たくさんの実を収穫するために欠かせない作業です。剪定に最適な時期は、新芽が出る前の3月から4月です。この時期に剪定することで、冬の間に伸びすぎた不要な枝を取り除き、新しい成長にエネルギーを集中させることができます。
フェイジョアの枝が伸びすぎて混み合っている場合は、6月頃に新しく伸びた枝の葉を10枚ほど残して先端を切ります。この作業により、枝分かれを促進し、木の中に光と風が入りやすくします。その後も、新しく伸びた枝に同じように処理を施し、形を整えながら成長をサポートします。
間引き剪定では、株元から生える不要な枝や、木全体の小さな枝の中から、交差している枝、内側に向かって伸びている枝、枯れた枝などを取り除き、木の構造をはっきりさせます。これにより、空気の循環と光の透過が良くなり、病気や害虫のリスクを減らすことができます。また、木が目標の高さに達した後は、古くなった枝を切り戻し、新しい枝を育てる「更新剪定」も重要です。適切な剪定を行うことで、フェイジョアの樹勢を保ち、毎年安定した収穫を得ることができます。
7. 摘蕾:良質な実を育むために
フェイジョアは、植えてから4~5年経つと成熟期を迎え、たくさんの花を咲かせます。しかし、咲いた花すべてをそのままにしておくと、養分が分散してしまい、枝の先に咲く花は十分に育たず、小さな実しか生らないことがあります。また、実が熟すまでに時間がかかってしまうこともあります。大きく品質の良い実を収穫するには、「摘蕾」という作業が非常に効果的です。
摘蕾を行うタイミングは、春に新しい枝が伸び始め、その枝につぼみが現れ始めたらすぐに行います。具体的な方法としては、新しく伸びた枝の根元に近い部分にある、勢いの良い蕾を2つだけ残し、先端にある蕾はすべて摘み取ります。この作業によって、木は限られたエネルギーを、選ばれた蕾に集中させることができます。その結果、養分が効率的に行き渡り、一つ一つの実が大きく、高品質に育つのを促進します。摘蕾は手間のかかる作業ですが、良質なフェイジョアを収穫するためには、欠かせない手入れの一つと言えるでしょう。
8. 人工授粉:実付きを良くする工夫
フェイジョアは、異なる品種を一緒に植えないと実がつきにくい性質があります。そのため、安定して実を収穫するには、複数の品種を植えることが大切です。複数の品種を植えていても、昆虫による自然な受粉である程度は実がなりますが、より多く、確実に収穫するためには、人工授粉が有効です。
人工授粉の方法は簡単です。まず、異なる品種の新鮮なフェイジョアの花を用意します。次に、柔らかいハケや筆、綿棒などを使い、一方の品種の花から花粉を丁寧に採取します。採取した花粉を、もう一方の品種の雌しべに優しくこすりつけるようにして、花粉を付着させます。この作業を丁寧に行うことで、受粉の確率を上げることができます。品種によっては、1本でも実がなるものもありますが、人工授粉を行うことで、さらに実付きが良くなり、多くの良質な実が期待できます。
9. 増やし方:フェイジョアの増やし方
フェイジョアを増やすには、いくつかの方法があります。主な方法として、「挿し木」「取り木」「種まき」の3つがあります。挿し木は、親木の枝を切り取り、発根させて新しい苗を作る方法で、親木と同じ性質を受け継ぐことができます。取り木は、枝の一部に傷をつけ、土や水苔で覆って発根させる方法で、比較的大きな苗を得やすいとされています。種まきは、果実から採取した種をまいて育てる方法ですが、種から育てた場合、親木とは異なる性質を持つ可能性があり、実がなるまでに時間がかかることが多いです。それぞれの特徴を理解し、目的に合った方法を選ぶことが重要です。
10. 病害虫対策:コウモリガとカイガラムシ
フェイジョアは比較的病害虫に強い果樹ですが、注意が必要なものも存在します。代表的なものとして、「コウモリガ」が挙げられます。コウモリガの幼虫は、木の幹の中に侵入し、内部を食い荒らすことで、木の成長を妨げます。特に、若い苗木が被害を受けると、深刻な影響を受けることがあります。
コウモリガは、株元に雑草が生い茂った環境を好み、そこに卵を産み付けたり、隠れたりする傾向があります。そのため、株元を清潔に保ち、定期的に雑草を取り除くことが、コウモリガの発生を防ぐための重要な対策となります。また、「カイガラムシ」もフェイジョアに見られる害虫の一つです。カイガラムシによる被害は比較的少ないとされていますが、大量発生すると樹液を吸い取り、木の元気をなくしてしまう可能性があります。そのため、早期発見と早期対策が大切です。必要に応じて、適切な殺虫剤を使用したり、手作業で取り除くなどの対策を検討しましょう。
まとめ
この記事では、南米原産の果樹、フェイジョアについて、基本情報から独特な風味、様々な食べ方、栽培のコツ、そして栽培に関する疑問点とその解決策を紹介しました。フェイジョアは、耐寒性があり、病害虫にも比較的強く、成長すると1.5mから3mほどの高さになります。一年を通して美しい葉とエキゾチックな花(花びらは食用になります)、そして秋には芳醇な香りの果実を楽しむことができます。果肉は追熟することで柔らかくなり甘みが増し、バナナやパイナップルのような強い香りが特徴です。生で食べるのはもちろん、ジャムやパウンドケーキ、果実酒など、色々な料理やお菓子に利用できます。
自家栽培する際は、フェイジョアの多くが自家不和合性を持つため、異なる品種を2種類以上一緒に植えることが実を結ぶために重要です。また、日当たりの良い場所を選び、鉢植えの場合は土の表面が乾いたらたっぷりと水を与えること、定期的な肥料やり、水はけの良い土(赤玉土と腐葉土を7:3で混ぜたものなど)を使用すること、適切な時期に剪定や摘蕾、人工授粉といった手入れをすることで、健康な木を育て、美味しい果実を収穫できます。この記事で紹介したポイントを参考に、フェイジョアの栽培に挑戦し、自宅でその恵みを味わってみてください。

質問1. 苗を選ぶ際の注意点は?
フェイジョアには多くの品種があるため、苗を購入する際は、品種名が明確に表示されているものを選びましょう。フェイジョアは自家不和合性が強いものが多く、一つの品種だけでは受粉しにくく、実がなりにくいことがあります。一部の品種、例えば「アポロ」は自家結実性があるとされていますが、確実に実を収穫したい場合は、異なる品種の苗を2つ以上購入することをおすすめします。同じ品種を複数植えても意味がないので、ラベルをよく確認し、異なる特性を持つ品種を選びましょう。アポロは多くの品種と受粉可能なので、一緒に植える品種としても適しています。また、病害虫の被害がないか、根がしっかりしているかを確認することも大切です。
質問2. 実がならないのはなぜ?
フェイジョアが実を結ばない理由で最も多いのは、先述した自家不和合性による受粉不足です。異なる品種を一緒に植えていない場合や、同じ品種の株を複数鉢植えにしているだけの場合、また、開花時期がずれてしまうと受粉がうまくいきません。昆虫による自然受粉に頼りすぎたり、人工授粉を行わない場合も、結実率は低下します。その他、日照不足、肥料不足、水のやりすぎによる根腐れ、剪定の時期や方法が間違っていて花芽を切り落としてしまった、といった栽培管理の問題も考えられます。剪定は、花芽が形成される前の3月~4月頃に行うと、花芽を落とさずに済み、実がなりやすくなります。適切な環境と管理を行い、必要に応じて人工授粉をすることで、結実を促すことができます。
質問3. 収穫時期と食べ頃は?
フェイジョアの収穫時期は、一般的に10月下旬から11月頃です。この時期になると、果実はある程度熟していますが、収穫してすぐはまだ十分に熟しておらず、食べ頃ではありません。そのため、収穫後に追熟が必要です。特に、果皮の色が濃い緑色で硬いものは、追熟期間を長めに設けましょう。
フェイジョアの果実が自然に落下した場合は、追熟が進んで食べ頃になっていることが多いです。落ちた果実を拾って、すぐに食べられる状態であることが多いでしょう。追熟期間は品種や保存環境によって異なりますが、室温で数日から1週間程度置くと、果肉が柔らかくなり、バナナやパイナップルのような甘い香りが強くなります。この香りが強くなり、果実が少し柔らかくなった時が、最も美味しい食べ頃です。
質問4. フェイジョア栽培に適した土のブレンド方法はありますか?
フェイジョアは、水はけのよい土壌を好みます。鉢植えで育てる際は、土が常に湿った状態にならないように注意しましょう。基本となるのは赤玉土で、これに腐葉土を混ぜる場合は、赤玉土7に対し腐葉土3の割合がおすすめです。この割合で混ぜ合わせることで、根が健全に成長しやすく、水分と空気のバランスが適切に保たれます。
質問5. フェイジョアの剪定を6月に行うのは良いでしょうか?
フェイジョアの本格的な剪定に適した時期は、新芽が伸び始める前の3月から4月です。この時期に不要な枝を整理し、樹の形を整えることで、花芽の形成に悪影響を与えにくくなります。一方、6月頃に行う剪定は、主に新しく伸びた枝(新梢)の先端を切り取る「摘芯」が適しています。摘芯は、枝の数を増やし、樹の内部への日当たりと風通しを良くする効果があります。ただし、この時期に大がかりな剪定を行うと、その年にできるはずだった花芽を切り落としてしまい、収穫量が減ってしまう可能性があります。したがって、樹形を整えたい場合は3月~4月に、枝が密集するのを防ぎたい場合は6月頃に軽い摘芯をするのがおすすめです。
質問6. フェイジョアの実は鳥に食べられやすいですか?
フェイジョアの果実は、熟すと甘い香りが強くなるため、鳥に狙われることがあります。特に、完熟して地面に落ちた果実や、木の上で柔らかくなった果実は、鳥にとって格好の餌となります。鳥による被害を防ぐには、果実が色づき始めた頃から防鳥ネットを木全体に被せるのが一般的です。また、CDや光るテープなどを吊るして鳥を脅かすのも、一時的な対策として効果が期待できます。
質問7. 品種が分からない実生(みしょう)のフェイジョアの実は美味しくないのでしょうか?
フェイジョアを種から育てた場合、親木と同じ特徴を受け継がないことが多く、果実の味や品質が親とは異なる可能性があります。市販されている多くの品種は、味が良く、優れた特性を持つものを選び抜き、接ぎ木などで増やしたものです。そのため、実生のフェイジョアは、期待した通りの味にならなかったり、酸味が強かったり、香りが弱かったりと、品質にばらつきが出やすい傾向があります。もちろん、偶然美味しい実をつける実生株が生まれることもありますが、確実に美味しい果実を収穫したいのであれば、品種がはっきりしていて実績のある接ぎ木苗を選ぶと良いでしょう。もし実生株を植えたのであれば、まずはどんな実がなるか楽しみに育ててみるのも良い経験になるでしょう。
質問8. フェイジョアの果実が確認できるようになるのはいつ頃ですか?
フェイジョアの実は、花が咲き終わり、受粉が順調に行われた後に徐々に大きくなり始めます。具体的には、開花時期である春から初夏にかけて、花の受粉が終わると、小さくて可愛らしい実が姿を現し始めます。最初は非常に小さく見過ごしてしまいがちですが、夏が過ぎるにつれて徐々にその存在感を増し、秋が深まる10月下旬から11月にかけて収穫できるほどの大きさに成長します。実の成長を確認するためには、開花後に小さく実った果実が自然に落下することなく、順調に成長しているかを丁寧に観察することが大切です。