特別な日をより一層素晴らしく演出するためのスイーツといえば、タルトが注目されています。フランス生まれのこのデザートは、サクサクの生地と豊かなフィリングが絶妙に融合し、贈る人の気持ちをしっかりと伝えます。見た目も美しく味わいも多彩なタルト。その魅力を深掘りしてみましょう。
タルトの起源に迫る
タルトの誕生時代や場所についての謎を、各種生地の特性を考察しながら探ってみましょう。一般的には、中世ヨーロッパに起源を持つとされています。
そもそもタルトとは何か?
ケーキショップやカフェで人気のタルト。豊富な果物を使ったフルーツタルトや、素朴なエッグタルト、手間のかかるタルトタタンなど、種類はさまざまです。フランス発祥とされるこのお菓子は、生地の器にフルーツやクリームを詰めて作られます。生地にもさまざまなタイプがあり、代表的なものは3つです。
・シュクレ生地(パートシュクレ)シュクレは、フランス語で「甘い」という意味です。この生地は砂糖を多めに使用し、バターと砂糖を混ぜ合わせて作ります。そのため、しっかりとした甘さが特徴で、焼き色も付きやすく、他の生地に比べて固めの仕上がりになります。
・ブリゼ生地(パートブリゼ)ブリゼは「壊れた」「砕けた」という意味を持ちます。この生地は、卵を使わずに作られ、サクサクとした食感が特徴です。また、砂糖とバターは控えめで、甘さが少なく、タルトやキッシュの底生地としてよく使用されます。
・サブレ生地(パートサブレ)サブレは「砂のような」という意味を持ち、ザラザラとした「砂のような」食感が特徴です。冷えたバターを多く用いることで、口溶けの良い食感に仕上がります。甘さは控えめで、クッキーやクリームタルトに多く使われます。
これら3種類の生地は、用途や求める食感によって使い分けることで、多様なタルトが楽しめます。
タルトの起源はどこにあり、誕生の背景とは?
タルトはフランスに起源を持つスイーツとして知られていますが、その歴史は古代ローマの「トールタ」というお菓子にまで遡ります。このトールタは、古代ギリシャやエジプトの食文化にも影響を受けているとされています。タルトは、食べられる容器に入れて提供することで、ジャムやクリームを食べやすくするために発展したと言われています。また、ヨーロッパでは、パイ生地を上に載せて焼き、中身のリンゴが煮込まれてジャム状になったものが「アップルパイ」として知られていますが、これも「リンゴのタルト」と呼ばれることがあります。
タルトという名前の由来は何か?
この言葉の起源は古代ローマのラテン語に関連しています。ラテン語で「torta」と呼ばれる円形のデザートがあり、この言葉は「ねじる、巻く」という意味を持つ動詞「torere」から派生しています。ラテン系の言語文化の中で、フランス語の「torte」は「tarte」に変化しました。スペイン語では「トルタ」がケーキを指すこともありますが、地域によっては厚焼き料理全般を意味し、特にスペインの卵料理であるトルティージャや中南米の薄いパンであるトルティーヤの語源ともなっています。