里芋の茎部分を指す「芋がら」と「ずいき」は、日本の食文化に根付いた伝統的な食材です。独特の食感とあっさりとした味わいが特徴で、近年では健康意識の高まりとともに再び注目を集めています。この記事では、芋がらとずいきの基本情報から、種類、栄養価、適切な下処理、美味しい調理法、保存方法までを詳しく解説します。この記事を通して、芋がら・ずいきの魅力を最大限に引き出し、毎日の食卓に取り入れるためのヒントを見つけてください。
芋がら・ずいきとは?定義と関係性を解説
「芋がら」と「ずいき」は、どちらも里芋の「芋茎(いもくき)」と呼ばれる部分を指しますが、状態によって呼び名が変わります。生の里芋の茎を「ずいき」と呼び、ずいきから皮を取り除いて乾燥させたものが「芋がら」です。生のずいきは、フキを太くしたような形状で、内部はスポンジ状で柔らかく、シャキシャキとした食感が特徴です。乾燥した芋がらは、水で戻すとふっくらとした食感になり、味が染み込みやすくなります。
これらの食材は、淡白でクセのない味わいが特徴で、昔から日本の食卓を豊かにしてきました。その素朴ながらも奥深い風味は、長年愛されてきた理由の一つです。近年では、栄養価の高さから健康食品としても注目されており、豊富な食物繊維に加え、カリウムやカルシウムなどのミネラル、ポリフェノールなどの抗酸化物質を含んでいるため、健康的な食生活に役立つ食材として再評価されています。
ずいきの種類:特徴を徹底比較
「ずいき」には、栽培方法や里芋の品種によっていくつかの種類が存在し、それぞれ異なる特徴を持っています。市場でよく見られるのは、「赤ずいき(紅ずいき)」、「白ずいき(白だつ)」、「青ずいき(はすいも)」の3種類で、これらを乾燥させたものが「芋がら(干しずいき)」と呼ばれます。ずいきの収穫時期は6月から9月頃で、長いものでは1mに達することもありますが、一般的には20〜30cm程度にカットされた状態で販売されています。
赤ずいき(紅ずいき):鮮やかな色彩の伝統野菜
赤ずいき、または紅ずいきは、その名の通り、葉柄が赤みを帯びているのが特徴です。主に葉柄が赤い「八つ頭」や「唐芋(えび芋)」などの里芋の品種から収穫されます。主な産地は石川県や福井県など、日本各地に点在しており、伝統的な和食の食材として古くから親しまれてきました。料理に鮮やかな彩りを添えることができるのも魅力です。
白ずいき(白だつ):特別な栽培方法が生み出す高級食材
白ずいき、別名白だつは、その名の示す通り、雪のような白い葉柄が特徴的な野菜です。この白さは、一般的な栽培方法とは異なり、生育中に光を遮断する「軟白栽培」という特別な技術によって実現されます。具体的には、茎を紙やゴザで覆い、日光を完全に遮ることで、葉緑素の生成を抑制し、白く柔らかい状態を保ちます。主に宮崎県、大分県、愛知県などで栽培されており、その上品な風味と美しい外観から、料亭をはじめとする高級料理店で珍重される傾向があります。市場への流通量が限られているため、スーパーなどで見かけることは稀で、もし見つけられたら非常に幸運と言えるでしょう。
青ずいき(はすいも/リュウキュウ):シャキシャキとした食感が魅力の茎野菜
青ずいきは、「はすいも」という品種の茎を食用とするもので、鮮やかな緑色の葉柄が特徴です。注目すべきは、このはすいもが、通常の里芋とは異なり、芋を食用とせずに、茎の部分のみを食べることを目的として栽培されている点です。したがって、里芋のように芋を収穫するのとは異なる栽培方法が用いられます。主な産地は高知県で、地元では「リュウキュウ」という名で親しまれています。そのシャキシャキとした食感と、見た目にも美しい緑色が食欲をそそります。
芋がら(干しずいき):乾燥させることで生まれる独特の風味
芋がらは、主に赤ずいきを収穫した後、乾燥させたものを指します。「干しずいき」とも呼ばれ、長期保存を可能にするために加工されます。乾燥させる過程で水分が抜け、旨味が凝縮されるため、独特の風味が際立ちます。調理する際には、水またはぬるま湯で時間をかけてじっくりと戻す必要があります。適切に戻すことで、ふっくらとした食感が蘇り、煮物や炒め物など、様々な料理でその風味を楽しむことができます。
芋がら・ずいきの栄養価と健康効果
一見すると素朴な食材である芋がらとずいきですが、実は現代人に不足しがちな栄養素を豊富に含んだ、非常に健康的な食品です。特に、食物繊維、カリウム、カルシウムといったミネラル類が豊富で、さらにポリフェノールなどの抗酸化物質も含まれています。これらの栄養素は、健康維持をサポートする様々な効果が期待されています。
豊富な食物繊維が腸内環境をサポート
芋がら・ずいきの大きな魅力の一つは、その食物繊維の豊富さです。食物繊維は腸内環境を整える上で非常に大切で、便秘対策はもちろん、腸内フローラの改善や免疫力アップにも貢献します。さらに、血糖値の急上昇を抑制したり、コレステロール値を下げる効果も期待できるため、塩分の排出を助ける働きがあるため、健康的な血圧維持を心がける方に適しています。生活習慣が気になる方の食生活をサポートします。シャキシャキとした食感は、食物繊維がたっぷり含まれている証拠。美味しく食べながら、健康的な毎日を応援してくれます。
ミネラルが身体の機能を調整
芋がら・ずいきには、私たちの体に必要なミネラルもバランスよく含まれています。特に注目したいのは、カリウムとカルシウムです。カリウムは、体内の余分な塩分を排出し、水分バランスを保つ役割を果たします。むくみ対策や高血圧予防に効果が期待できます。一方、カルシウムは骨や歯の形成に必要な栄養素です。カルシウム不足が気になる方におすすめです。現代の食生活では不足しがちなこれらのミネラルを、芋がら・ずいきから効率的に摂取できるのは嬉しいポイントです。
ポリフェノールなどの抗酸化物質で若々しさを維持
加えて、芋がら・ずいきには、ポリフェノールなどの抗酸化物質も豊富に含まれています。抗酸化物質は、体内で発生する活性酸素を取り除き、細胞の老化やダメージを防ぐ働きがあります。これにより、生活習慣病の予防や免疫力向上、美容にも良い影響があると言われています。特にポリフェノールは、植物由来の色素や苦味成分であり、様々な健康効果が報告されています。豊富な栄養素を含む芋がら・ずいきは、昔ながらの食材としてだけでなく、健康志向が高まる現代において、改めて注目すべき食材と言えるでしょう。
【出典】日本食品標準成分表2020年版(八訂)
【参照】eーヘルスネット:抗酸化物質(2024/04/26)
芋がら・ずいきの選び方と旬の時期
美味しい芋がらやずいきを選ぶには、いくつかのコツがあります。また、食材が最も美味しくなる旬の時期を知ることは、その魅力を最大限に味わうためにとても大切です。
新鮮な生ずいきの選び方
生のずいき(赤ずいき、白ずいき、青ずいき)を選ぶポイントは、全体的にみずみずしく、シャキッとしていることです。しなびたものは鮮度が落ちている兆候です。切り口の色もチェックし、変色がなく、きれいな状態のものを選びましょう。太めのものは、食感が良く、満足感も得られます。赤ずいきは、産地直売所などで束で売られていることが多いので、手に取って状態を確認するのがおすすめです。鮮やかな緑色の青ずいき(はすいも)は、スーパーでパック詰めされていることが多いです。
良質な乾燥いもがらの見分け方
乾燥芋がら(干しずいき)を選ぶ際は、できるだけ色の変化が少なく、傷んでいないものを選びましょう。乾燥野菜なので多少の色ムラはありますが、明らかに黒ずんでいたり、不自然な傷があるものは避けるのが賢明です。丁寧に乾燥されたものは、風味も良く、品質も安定しています。
ずいきの希少な種類と流通状況
ずいきの中でも、特に「白ずいき(白だつ)」は市場に出回ることが少なく、通常のスーパーではほとんど見かけません。これは、手間のかかる軟白栽培という方法で育てられているためで、主に高級料亭などで使われることが多い食材です。もし見つけたら、ぜひ味わってみてください。青ずいき(はすいも)は比較的スーパーでも手に入りやすく、赤ずいきは産地の直売所などで購入しやすいでしょう。
芋がら・ずいきの旬の時期
芋がら・ずいきの旬は、一般的に6月~9月頃です。この時期に収穫されるものは、水分をたっぷり含んでおり、シャキシャキとした食感が楽しめます。生のずいきは旬の時期しか手に入らないため、この時期にぜひ味わってみてください。乾燥芋がらは一年を通して手に入ります。
芋がら・ずいきの下処理:種類別に詳しく解説
芋がらやずいきを美味しくいただくには、アク抜きなどの適切な下処理が欠かせません。特にずいきには特有の「アク」が含まれており、これを丁寧に除くことで、風味が増し、より美味しく味わうことができます。アクの強さは種類によって異なるため、それぞれの特性に合わせた下処理を行うことが重要です。
生の赤ずいきの丁寧な下処理方法
生の赤ずいきは、比較的アクが強い傾向にあるため、念入りな下処理が求められます。以下の手順に従ってアク抜きを行いましょう。
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**皮むき:** まず、フキと同様に、包丁の背や指先を使って、切り口から外側の皮を丁寧に剥きます。この皮は硬く、アクを多く含むため、しっかりと剥ききることが大切です。
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**適切な長さにカット:** 皮を剥いた後、調理しやすいように2~3cm程度の長さに切り分けます。
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**水への浸け置き:** カットしたずいきをボウルに入れ、たっぷりの水に約30分間浸してアクを抜きます。
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**酢水で茹でる:** 鍋に水と少量の酢(水の量に対して大さじ1程度)を加え、沸騰させます。そこにずいきを入れ、軽く茹でます。酢を加えることでアクが抜けやすくなり、変色を防ぐ効果も期待できます。
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**再度水にさらす:** 茹で上がったら直ちに冷水に移し、さらに30分程度水にさらして残りのアクを丁寧に抜きます。この際、何度か水を交換すると、より効果的です。
この手順を踏むことで、赤ずいき特有のえぐみが和らぎ、素材本来の美味しさを引き立てることができます。
白ずいきのアク抜き:簡単な処理でOK
白ずいきは、軟白栽培されているため、アクが比較的少ないのが特徴です。そのため、赤ずいきほど手間をかけなくても、美味しく下処理できます。
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**皮を剥く:** 赤ずいきと同様に、外側の皮を丁寧に剥きます。
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**酢を加えたお湯で軽く茹でる:** 皮を剥いたら、少量の酢を加えたお湯でさっと茹でるだけで十分です。その後、冷水に取って冷ましましょう。
この簡単な方法でも、白ずいきの繊細な風味を損なうことなく、アクを効果的に抜くことができます。
緑のはすいも(青ずいき)のアク抜き:塩もみもおすすめ
緑のはすいも(青ずいき)もアクが少ないため、簡単な下処理で美味しくいただけます。
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**皮を剥く:** 外側の皮を剥きます。
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**水にさらす、または塩もみをする:** 皮を剥いた後、水にさらすだけでもアク抜き効果は期待できます。よりしっかりとアクを抜きたい場合や、独特の青臭さが気になる場合は、少量の塩をまぶして軽くもみ、水洗いして絞るという方法も効果的です。
塩もみをすることで、余分な水分が抜け、よりシャキシャキとした食感を楽しむことができます。
乾燥芋がらの丁寧な戻し方と下処理
乾燥させた芋がらは、生のずいきとは異なり、独特の下処理と戻し方が必要です。丁寧に時間をかけて戻すことで、乾燥状態からふっくらとした食感を取り戻し、美味しく調理することが可能になります。
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**丁寧に水洗いする:** まず、乾燥芋がらを流水で丁寧に洗い、表面に付着している汚れやほこりを洗い流します。
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**ぬるま湯でじっくりと戻す:** ボウルにたっぷりのぬるま湯を準備し、芋がらを浸して約1時間かけて戻します。芋がらが完全に柔らかくなるまで、必要に応じて浸水時間を調整してください。
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**もみ洗いと水気を絞る:** 戻した芋がらを両手で丁寧に揉み洗いし、余分な水分をしっかりと絞ります。この工程で、残っているアクやぬめりを効果的に除去します。
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**使いやすい長さにカット:** 調理する料理に合わせて、適切な長さにカットします。
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**お酢を加えたお湯で軽くゆでる:** 鍋に水と少量の酢を加え、沸騰させた後、カットした芋がらをさっとゆでます。
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**冷水で洗い、再度水気を絞る:** ゆでた芋がらを冷水に取り、手早く洗い、再度しっかりと水気を絞ります。
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**味を確認する:** 最後に、少しだけ味見をして、まだアクやえぐみを感じるようであれば、再度お酢を加えたお湯で軽くゆでて、水洗いする工程を繰り返してください。
上記の下処理を丁寧に行うことで、乾燥芋がら特有の風味を最大限に活かしつつ、えぐみのない美味しい料理に仕上げることが可能です。
芋がら・ずいきの美味しい食べ方とアレンジレシピ
芋がらとずいきは、あっさりとした風味と独特の食感で、様々な料理に利用できる食材です。伝統的な和食から現代風のアレンジレシピまで、その魅力を存分に引き出す食べ方をご紹介します。
伝統的な和食での楽しみ方
昔から日本の食卓で親しまれてきた芋がら・ずいきは、その独特の食感と風味を活かしたシンプルな和食と相性抜群です。代表的な食べ方としては、天ぷらやお吸い物があります。天ぷらにすることで、衣の香ばしさとずいきのシャキシャキとした食感のハーモニーを楽しむことができます。また、お吸い物の具材として使用すると、出汁の旨味を吸い込み、上品な味わいをプラスしてくれます。その他、けんちん汁や味噌汁の具材としても、食物繊維が豊富なヘルシーな一品として用いられてきました。
煮物・和え物・酢の物などの定番料理
ずいきはスポンジ状で柔らかく、味が染み込みやすいという特徴があるため、煮物や和え物、酢の物といった料理に最適です。定番の食べ方としては、煮物として鶏肉や油揚げと一緒に煮込むと、ずいきに味がしっかりと染み込み、食欲をそそる一品になります。酢の物や酢味噌和えにすれば、さっぱりとした口当たりで食卓の箸休めにぴったりです。シャキッとした食感が、他の食材との食感のアクセントとしても効果を発揮します。
現代風アレンジレシピのご提案
昔ながらの食べ方にとらわれず、芋がらやずいきは、現代的な食卓にもマッチする食材です。特に油との相性が抜群で、炒め物に取り入れることで、その香ばしさが際立ちます。例えば、定番のきんぴらごぼうのように、他の根菜類と一緒に炒め煮にしたり、豚肉などと組み合わせて中華風やエスニック風にアレンジするのも良いでしょう。また、素揚げにすれば、カリッとした食感と香ばしい風味が食欲をそそり、塩を軽く振るだけで絶品おつまみとして楽しめます。さらに、グラタンの隠し味として使うなど、創造性豊かな料理にも活用できる、ポテンシャルの高い食材です。
DELISH KITCHENおすすめレシピ:滋味深い芋がら炒め煮
DELISH KITCHENがお届けするおすすめ芋がらレシピは、「シャキシャキ食感がたまらない♪ いもがらの炒め煮」です。このレシピでは、丁寧にアク抜きし、水で戻した芋がらが、柔らかく味がしみ込みやすい状態になる特性を最大限に活かしています。シンプルな調味料で仕上げることで、芋がら本来の素朴な風味と、心地よいシャキシャキ感を存分に堪能できます。どこか懐かしい、心温まる味わいは、ご飯のお供に最適です。丁寧な下処理こそが、芋がらの美味しさを引き出す秘訣ですので、ぜひお試しください。
芋がら・ずいきの保存方法
芋がらとずいきを、できるだけ長く美味しく味わうためには、適切な保存方法を把握しておくことが大切です。生のままの状態、アク抜き後の状態、そして乾燥させた芋がらと、それぞれ適した保存方法が異なります。
生のずいきの保存方法
生のずいきは、何よりも鮮度が重要です。手に入れたら、できるだけ早く調理するのがベストですが、すぐに調理できない場合は、新聞紙で丁寧に包み、風通しの良い冷暗所で保管しましょう。適度な湿度を保ちながら乾燥を防ぐことで、一時的に鮮度を維持できます。ただし、長期保存には向かないため、購入後はなるべく早めに下処理を行い、調理することをおすすめします。
アク抜き済みずいきの冷凍保存
大量のずいきを入手した場合や、すぐに使えるように下処理済みの状態で保存したい場合は、冷凍保存がおすすめです。アク抜きを終えたずいきは、水気を丁寧に拭き取り、少量ずつラップで包んでから、密閉できる冷凍保存用バッグに入れて冷凍庫へ。このとき、ずいき同士がくっつかないように少し間隔を空けて冷凍すると、使う際に必要な分だけ取り出しやすくなります。冷凍したずいきは、凍ったまま煮物や炒め物などに利用できます。解凍すると若干食感が変わることがあるため、煮崩れしても問題ない料理に使うのが良いでしょう。
乾燥いもがらの保存方法
乾燥芋がらは、保存食として作られているため、比較的長期保存が可能です。保存する際は、直射日光と高温多湿を避け、風通しの良い冷暗所を選びましょう。密閉できる容器や保存袋に入れて保存することで、湿気や虫を防ぎ、品質を保てます。適切な方法で保存すれば、賞味期限も長く、必要な時にいつでも使える便利な食材として重宝します。
まとめ
里芋の茎から採れる「芋がら」と「ずいき」は、日本の食文化に根付いた食材です。生の「ずいき」には、赤ずいき、白ずいき、青ずいきなど様々な種類があり、それぞれに独特の風味と特徴があります。そして、「ずいき」を乾燥させた「芋がら」は、保存性を高め、旨味を凝縮した食材として、一年を通して楽しむことができます。
これらの食材は、シャキシャキとした食感と、あっさりとしていながらも奥深い味わいが魅力です。伝統的な煮物や和え物はもちろん、現代的な炒め物や創作料理にも活用できます。また、豊富な食物繊維、カリウムやカルシウムなどのミネラル、ポリフェノールといった栄養素を含んでおり、健康的な食生活をサポートする食材としても注目されています。丁寧な下処理を行うことで、アクや苦味を取り除き、芋がら・ずいき本来の美味しさを味わうことができます。ぜひこの記事を参考に、旬の時期には生のずいきを、それ以外の時期には乾燥芋がらを食卓に取り入れて、日本の食文化を楽しんでみてはいかがでしょうか。
芋がらとずいきは同じものですか?
基本的に同じ里芋の茎を指しますが、状態が異なります。生の里芋の茎を「ずいき」と呼び、そのずいきから皮を剥いて乾燥させたものが「芋がら」と呼ばれています。
芋がら・ずいきの栄養価とは?
芋がらとずいきは、食物繊維をたっぷり含んでおり、お腹の調子を整えたり、便秘気味の方にもおすすめです。さらに、カリウムやカルシウムといったミネラルに加え、ポリフェノールなどの抗酸化成分も豊富です。これらの成分は、高血圧の予防や骨の健康をサポートし、若々しさを保つ効果も期待できると言われています。
芋がら・ずいきの下ごしらえの方法は?
生のずいきの場合、まず外側の皮を丁寧に剥き、水に浸してアクを取り除きます。その後、お酢を加えたお湯で軽く茹でて、再度水にさらします。乾燥芋がらの場合は、水で軽く洗い、ぬるま湯に約1時間浸して柔らかく戻します。その後、よく揉み洗いして水気を絞り、お酢を加えたお湯で茹でてから、水洗いしてしっかりと絞ります。種類によってアクの強さが異なるため、それぞれ適切な下処理をすることが大切です。
ずいきの種類について
ずいきには、主に「赤ずいき」、「白ずいき」、「青ずいき」の3つの種類が存在します。赤ずいきは、里芋の一種である八つ頭などの赤い品種から採れます。白ずいきは、日光を遮断して栽培されたもので、白く柔らかいのが特徴です。青ずいきは、ハスイモやリュウキュウとも呼ばれ、芋ではなく茎を食用とする専用の品種です。
芋がら・ずいきの入手先と旬の時期
青ずいき(はすいも)は、スーパーマーケットでパック詰めされたものが比較的よく見られます。赤ずいきは、長いものが束になった状態で、農産物直売所などで販売されていることが多いです。白ずいきは、生産量が少ないため、料亭などで使われることが多く、一般のスーパーではあまり見かけることはありません。生のずいきの旬は、6月から9月頃です。乾燥芋がらは、一年を通して手に入れることができます。
アク抜きで酢を使うのはなぜですか?
里芋の茎である芋がらのアク抜きに酢を用いるのは、アクの主成分であるシュウ酸カルシウムを効果的に中和するためです。酢を加えることで、よりスムーズにアクを取り除くことができます。さらに、酢には変色を抑制する効果も期待できるため、特に赤みがかった芋がらの色合いを美しく保つ上でも有効です。













