太陽プラム:太陽を浴びて育つ、甘くてジューシーな宝石
太陽プラム。その名の通り、太陽の恵みをたっぷりと浴びて育った、甘くてジューシーな果実です。山梨県で生まれたこのプラムは、一口食べれば忘れられない、濃厚な甘さと程よい酸味が特徴。太陽を思わせる鮮やかな紅色も魅力の一つです。今回は、そんな太陽プラムの魅力に迫ります。

プラム「太陽」について

「太陽」は、人気の高いプラム(スモモ)の品種で、「大石早生」や「ソルダム」と並び称されます。山梨県の果樹園で偶然発見され、1969年にその名が与えられました。どのような品種を掛け合わせて生まれたのかは、残念ながら分かっていません。

「太陽」の基礎知識

果物として栽培されているスモモは、大きく中国を原産とするものと、ヨーロッパのコーカサス地方を原産とするものの2種類に分けられます。日本へは奈良時代に中国原産のものが伝えられたと言われています。スモモは春、具体的には3月から4月頃に、桜の花に似た白い可憐な花を咲かせます。葉が出るよりも先に花が咲くのが特徴です。果実は夏、6月から8月にかけて丸みを帯びた形に育ち、淡い紅色から黄色へと色を変え、熟すと甘い香りを放ちます。

「太陽」の魅力

「太陽」の果実は大きく、1個あたり100~150gにもなります。果皮は目を引く濃い紅色で、見た目にも美しいプラムです。十分に熟すと、紫色を帯びた紅色になり、表面にヒビのような細い線が円を描くように現れることがあります。これは「輪紋」と呼ばれ、完熟した証です。果肉は黄白色で、やや硬めでしっかりとした食感があり、日持ちが良いのが利点です。甘味が際立ち、程よい酸味とのバランスが絶妙で、果汁も豊富。種離れが良いのも嬉しいポイントです。早く収穫すると酸味が強いため、しっかりと熟してから味わうのがおすすめです。

「太陽」の旬と主な産地

「太陽」は晩生種で、主に8月中旬から出回り始め、産地によっては9月頃まで出荷されます。「太陽」の主な産地は山梨県で、栽培面積の約63%を占めています。その他、長野県(約12%)や山形県(約10%)でも栽培されています。

「太陽」の選び方(見分け方)

果皮の色が深く鮮やかな赤色をしており、ピンと張りがあるものが高品質です。十分に熟すと、果皮がより濃い紫がかった赤色になるため、できるだけ色の濃いものを選びましょう。また、果皮に同心円状の模様である「輪紋」が見られるものは、熟度が進んでいるサインです。表面に白い粉状の物質(ブルーム)が付着しているものは、鮮度が高い証拠となります。「太陽」はブルームが出やすい品種なので、特に鮮度にこだわる場合は、ブルームがしっかりと残っているものを選んでください。

「太陽」の保存方法

スモモは、熟しきる少し前の状態で販売されることが一般的です。そのため、果実が硬い場合は、しばらくの間常温で保存し、追熟させることをおすすめします。「太陽」は、果肉が比較的しっかりとした品種なので、触ったときに少し弾力を感じる程度が食べ頃です。追熟させる際には、乾燥を防ぐために新聞紙などで包み、ポリ袋に入れて保存します。ただし、気温が高すぎると品質が劣化しやすいため、常温での保存期間を短くし、野菜室での保存がより安心です。食べる2~3時間前に冷蔵庫の野菜室に入れ、軽く冷やすことで、より美味しく味わうことができます。

「太陽」の食べ方

「太陽」は、そのまま生で食べるのが最もおすすめです。水で丁寧に洗い、丸ごと食べるか、くし形にカットして皮を剥いて食べると良いでしょう。くし形にカットする際は、スモモの溝(縫合線)に沿って、縦方向に包丁で一周切り込みを入れ、両手で左右にひねるようにして分割します。その後、種を取り除き、さらに半分にカットします。その他、スムージーやジャムなどの加工品として利用したり、ケーキやパフェなどのデザートに添えても美味しくいただけます。

「太陽」の栽培方法

スモモは、日当たりが良く、水はけの良い場所を好みます。耐寒性があり、乾燥にも強いため、基本的に全国各地で栽培が可能ですが、開花時期と収穫時期に降雨量が少ない地域が栽培に適しています。

植え付け・移植

植え付けに最適な時期は、11月から3月にかけてです。苗木を植え付ける際は、支柱を立ててしっかりと支え、植え付け後にはたっぷりと水を与えてください。庭植えの場合、苗よりも少し大きめの植え穴を掘り、土の配合は、赤玉土(大粒)を3割、完熟腐葉土を2割混ぜ合わせ、深植えにならないように注意して植え付けます。鉢植えの場合は、市販の果樹用培養土を使用するか、赤玉土(小粒)7~8:腐葉土3~2の割合で配合した用土を使用し、同様に深植えにならないように植え付けましょう。植え替えは、木の生育状況を見ながら、通常2~3年に一度行うのが目安です。

水やり

根がしっかりと活着した後は、水やりは控えめにし、乾燥気味に管理する方が生育には適しています。庭植えの場合、基本的に水やりは自然の降雨に任せます。ただし、夏場に日照りが続く場合は、必要に応じて水やりを行いましょう。鉢植えの場合は、土の表面が乾いたらたっぷりと水を与えてください。

施肥

庭植えの場合は、2月と10月に、鉢植えの場合は2月、5月、10月に、有機肥料または速効性の化成肥料を施します。

剪定

剪定の適期は、12月から2月です。プラム(すもも)の花芽は夏に形成され、翌年の春に開花します。短い枝に多くの実をつける性質があるため、長く伸びすぎた枝(長果枝)を切り詰める剪定を行います。また、6月から7月にかけて、伸びすぎた枝を間引くように剪定すると、樹全体のサイズをコンパクトに保つことができます。

摘果

実がなりすぎると、木全体の栄養が分散し、果実が十分に大きく育ちません。そのため、摘果作業が重要となります。実が親指の第一関節ほどの大きさになった頃(開花から約1ヶ月後)に、生育の悪いものや傷ついた実を選んで摘み取ります。最終的には、品種によって差はありますが、およそ10~15cm間隔で実が一つ残るように調整します。

病害虫

注意すべき病気としては、黒星病、灰かび病、ふくろみ病などが挙げられます。また、アブラムシ、コスカシバ、シンクイムシ、カイガラムシといった害虫の被害にも注意が必要です。

自家受粉について

スモモやプラムの多くは自家不和合性を持つ品種が多く、一本の木だけでは実を結びにくい性質があります。「太陽」は自家結実性が低いため、他品種の花粉による受粉が必要です。受粉樹としては、「ソルダム」「サンタローザ」「大石早生」などが適しています。品種同士の相性も考慮する必要があるため、事前に確認しておくと良いでしょう。

用途

庭植え、鉢植えどちらでも栽培可能です。桜に似た美しい花は観賞用としても楽しめます。収穫した果実はそのまま生で食べるのはもちろん、ペクチンを豊富に含むため、ジャムやゼリー作りに最適です。また、スモモ酒やプラム酒などの果実酒としても楽しむことができます。

太陽の恵みを、まるごと

スモモの品種「太陽」は、その名の通り太陽の光をたっぷり浴びて育ち、甘みと酸味が見事に調和した、見た目も味も素晴らしい果実です。そのまま味わうのはもちろん、工夫次第で様々な楽しみ方ができます。旬の時期にはぜひ、「太陽」の豊かな味わいを堪能してください。

まとめ

この記事では、スモモ「太陽」の特性から、選び方のコツ、保存方法、おすすめの食べ方、さらには栽培のヒントまで、幅広くご紹介しました。「太陽」は、その美味しさはもちろんのこと、比較的育てやすい点も魅力です。この記事を参考に、「太陽」の魅力を余すことなくお楽しみください。

スモモ「太陽」はどこで購入できますか?

スモモ「太陽」は、主に8月中旬から9月にかけて、スーパーマーケットや果物専門店で見かけることができます。インターネット通販でも手軽に購入可能です。農家直送のオンラインストアなどを活用するのも良いでしょう。

スモモ「太陽」は冷蔵庫で保存できますか?

十分に熟したスモモ「太陽」は、冷蔵庫の野菜室での保存が可能です。保存する際には、乾燥を防ぐため、新聞紙などで優しく包み、ポリ袋に入れてください。ただし、冷蔵保存によって甘みが損なわれることもありますので、できるだけ早くお召し上がりいただくことをおすすめします。

太陽プラムを活用した、とっておきのレシピは?

太陽プラムは、その用途の広さも魅力です。例えば、自家製ジャムやコンポートにすれば、太陽プラムならではの甘酸っぱさを存分に楽しめます。また、スムージーに加えても美味しく、爽やかな味わいがプラスされます。さらに、タルトやケーキといった焼き菓子に彩りを添えるのも素敵です。プラムのほどよい酸味は、お菓子全体の風味を一層引き立ててくれるでしょう。
すもも