暑い夏に恋しくなるのは、ひんやりと涼やかなお菓子たち。和スイーツの繊細な甘さ、定番おやつのかき氷やアイスの誘惑…あなたはどちら派ですか？この記事では、暑さを忘れさせてくれる、とっておきの夏のお菓子を大特集！見た目も涼しげな和スイーツから、子供も大人も大好きな定番おやつまで、幅広くご紹介します。今年の夏は、ひんやりスイーツで涼を感じてみませんか？
夏の和菓子の特徴：涼感を味わうための工夫
夏の和菓子は、厳しい暑さの中でも美味しく味わえるよう、様々な工夫が凝らされています。定番の小豆餡も、口当たりや甘さ、塩味、酸味などが調整され、すっきりと食べやすい仕上がりです。また、葛や寒天といった、喉ごしの良い素材が積極的に用いられ、暑さ対策にも良いとされる葛。例えば、丁寧に漉してなめらかな舌触りを実現したり、塩加減を調整したりと、冬場の餡とは異なる工夫が施されることもあります。
夏の和菓子の代表的な素材：葛、寒天、水
夏の和菓子には、葛、寒天、水といった素材が欠かせません。これらの素材は、見た目にも涼しげで、つるりとした食感が特徴です。
水まんじゅう：清涼感あふれる見た目と食感
水まんじゅうは、その涼しげな透明感と、つるつる、もちもちとした食感が魅力の和菓子です。葛粉をベースに、でんぷんやわらび粉などをブレンドして作られます。冷蔵庫で冷やしても生地が白濁せず、ぷるぷるの食感が長持ちするため、作りたての美味しさを長く楽しむことができます。「五十鈴」では、上質な吉野葛を贅沢に使用し、じっくりと煮詰めることで、柔らかさと弾力を兼ね備えた独特の食感を生み出しています。
水ようかん：夏にぴったりの涼菓
水ようかんは、通常の羊羹よりも水分を多く含み、なめらかでさっぱりとした味わいが特徴の、夏の定番冷菓です。小豆の風味を損なわないよう丁寧に煮詰め、細かい網目で丹念に漉すことで、つるんとした口当たりに仕上げています。「五十鈴」では、練り羊羹に比べて砂糖の使用量を控えめにし、甘さを抑えることで、より夏に食べやすい味わいを追求しています。
わらび餅：とろける食感と優しい甘み
わらび餅は、わらび粉を水と砂糖でじっくりと練り上げ、冷やし固めて作る日本の伝統的なお菓子です。きな粉をたっぷりかけたり、濃厚な黒蜜をたらしたりして味わうのが一般的。そのとろけるような食感と、どこか懐かしい優しい甘さは、老若男女問わず多くの人々を魅了し続けています。
葛まんじゅう：涼やかで上品な味わい
葛まんじゅうは、葛粉に水と砂糖を加えて丁寧に練り上げ、甘さ控えめのあんこを包んで蒸したお菓子です。透明感のある生地から餡がほのかに透けて見える様は、見た目にも涼しげ。冷たく、ぷるんとした口当たりと、もちもちとした食感が特徴で、上品な味わいは、お客様へのおもてなしにもぴったりです。
くずきり：清涼感あふれる喉越し
体を冷やす効果があるとも言われる葛は、夏にぴったりの食材です。つるつるとした喉越しのくずきりをキンと冷やして、黒蜜をかけていただくのは、夏の定番の楽しみ方。「有名店」では、選び抜かれた吉野葛を使用し、丹念に煮詰めることで、格別なコシのあるくずきりに仕上げています。
あゆ：愛らしい姿の焼き菓子
清流を泳ぐ鮎の姿をかたどった焼き菓子は、鮎が旬を迎える時期、主に5月末から8月にかけて作られます。ふっくらとした生地の中には、小豆あんや、もちもちとした求肥（ぎゅうひ）あんなどが詰められており、その味わいは店ごとに異なります。「有名店」では、甘さを抑えた求肥を、爽やかな生姜の絞り汁を染み込ませた生地で包み、さっぱりとした風味に仕上げています。
あんみつ：多彩な味わいが魅力
あんみつは、角切りにした寒天に、赤エンドウ豆や小倉あんを添え、黒蜜や白蜜をかけていただく甘味です。彩り豊かに、求肥や杏の甘露煮が添えられることもあります。定番のバリエーションとして、白玉を加えた「白玉あんみつ」や、冷たいアイスクリームをトッピングした「クリームあんみつ」も人気です。また、キウイやさくらんぼ、桃といった旬のフルーツを盛り付けた「フルーツあんみつ」も、見た目も華やかで涼しげです。
錦玉羹「金魚」：涼を呼ぶ愛らしい姿
寒天に砂糖や水飴を加えて甘みを凝縮し、型に流し込んで固めた和菓子を「錦玉羹」と呼びます。夏の風物詩として親しまれているのは、金魚鉢を模った錦玉羹です。練り切りで作られた色とりどりの小石や、羊羹で作られた金魚が透明な寒天の中でゆらめく様子は、涼しさを演出します。
練り切り「朝顔」：夏の風情を凝縮
白餡をベースに、季節の風景を繊細に表現した「練り切り」。さまざまな意匠がありますが、夏に特に人気を集めるのは、夏の訪れを告げる「朝顔」を象ったものです。淡い紫色を帯びた涼しげな佇まいは、夏のおもてなしに最適です。
その他の夏の和菓子
上記でご紹介したものの他にも、みつ豆、葛餅、麩まんじゅう、若鮎など、様々な和菓子が夏の食卓を彩ります。
和菓子の甘味：季節による変化
気温の変化は、人が求める甘さの度合いに影響を与えると言われています。例えば、冬に美味しく感じる練り羊羹は、糖度が非常に高いですが、夏の暑い時期には少し重たく感じるかもしれません。最近では、和菓子全体の甘さが控えめになる傾向が見られ、気候や環境、人々の好みに合わせて味が変化しています。
贈り物としての和菓子
「五十鈴」の夏の和菓子は、お盆の時期の帰省土産としても喜ばれています。爽やかな風味とともに、見た目にも涼しさを感じられる夏の和菓子は、贈り物として最適です。
和菓子と飲み物の組み合わせ
夏の和菓子は、冷たいお茶や麦茶、炭酸水などと良く合います。甘さ控えめの和菓子には、少し苦みのあるお茶を合わせることで、より一層美味しく味わえます。
まとめ
日本の夏を彩る和菓子は、見た目の涼やかさだけでなく、素材や製法にも工夫が凝らされています。それぞれの和菓子が持つ独自の風味や食感を、ぜひお試しください。この夏は、涼しげな和菓子とともに、日本の美しい夏を満喫してみてはいかがでしょうか。
水まんじゅうと葛まんじゅう、何が違うの？
夏の涼菓として人気の水まんじゅう。主な材料は葛粉ですが、透明感を出すために、でんぷんやわらび粉などを加えることもあります。一方、葛まんじゅうは葛粉、水、砂糖のみで作られるのが一般的です。水まんじゅうは、冷蔵庫で冷やしても透明感が損なわれにくく、独特の食感を保てます。
夏に楽しむ和菓子、保存方法のコツは？
夏の和菓子は、冷蔵保存が基本です。ただし、乾燥しやすいものもあるので注意が必要です。密閉できる容器に入れたり、ラップで丁寧に包んだりして、乾燥を防ぎましょう。一番確実なのは、購入したお店の指示に従うこと。お店の方が、それぞれの和菓子に最適な保存方法を知っています。
和菓子を選ぶ時のヒント
和菓子選びで大切なのは、自分の好みを把握すること。甘さ、食感、そして見た目の美しさなど、自分が何を重視するのかを考えてみましょう。素材の産地や製法にこだわって選ぶのもおすすめです。贈答用として選ぶ場合は、相手の好みを考慮し、季節感を取り入れると、より喜ばれるでしょう。