パンやピザの生地作りに欠かせない「強力粉」。でも、いざ作ろうと思ったときに、強力粉のストックがない…そんなとき、諦めてしまっていませんか?実は、薄力粉や中力粉、場合によっては米粉などを上手に活用すれば、強力粉の代わりに使うことができます。この記事では、強力粉の役割や代用品の特徴、それぞれの粉でおいしく仕上げるコツを詳しく解説。代用品でも満足できるパンや生地作りを楽しみましょう!
強力粉とは?特徴と主な用途

強力粉は、小麦粉の中でもグルテン(たんぱく質)の含有量が多く、水を加えてこねることで強い粘りと弾力を生み出すのが特徴です。一般的にグルテン含有量は約11〜13%とされており、もっちりとした食感のパンやピザ生地に欠かせない粉です。
強力粉が使われる代表的なレシピ
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パン類(食パン、ロールパン、ベーグルなど) …しっかりとしたコシと噛みごたえが生まれます。
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ピザ生地 …表面はパリッと、中はもちっとした理想的な仕上がりに。
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中華まんの皮や餃子の皮(手作り時) …弾力と粘り気がある生地が作れます。
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手打ちパスタ・うどん …歯ごたえのある麺に仕上げたいときに使用されます。
このように、強力粉は“弾力や膨らみが重要な料理”に適した粉であり、他の粉では代替しにくい部分もあります。しかし、粉の性質を理解しながら代用品を選べば、十分においしく作ることが可能です。
強力粉の代用品と特徴まとめ
強力粉がなくても、他の粉で代用することは可能です。ただし、それぞれ性質が異なるため、仕上がりや作業工程に工夫が必要です。ここでは、よく使われる代用品4つの特徴と、適した用途・注意点をご紹介します。
薄力粉|軽くふんわり仕上がるが、膨らみには工夫を
薄力粉はグルテン量が少なく、サクサク・ふんわりとした仕上がりが特徴です。パン作りに使うと膨らみが足りなかったり、生地が破れやすくなることがあります。ただし、ベーキングパウダーを活用した“ノンイーストパン”や蒸しパンなどでは十分代用が可能です。少量の片栗粉や卵白を加えて弾力を補う方法もあります。
中力粉|グルテン量のバランスが良く、代用しやすい
中力粉は薄力粉と強力粉の中間の性質を持つ粉で、グルテン量も中程度です。手打ちうどんに使われることが多く、パンやピザ生地にも応用できます。特に「こねすぎ注意」を意識すれば、もっちり感のあるパンに仕上げることも可能。水分量はやや控えめにすると扱いやすくなります。
米粉|グルテンフリーでもちもち食感に
米粉はグルテンを含まないため、通常のパンのような弾力や膨らみは出にくいですが、もちもちとした食感が楽しめます。ベーキングパウダーを使用する蒸しパンや、おやき風のパンなどに向いています。グルテンフリーのレシピに活用したい場合におすすめです。膨らみを補うためには、卵やヨーグルトを加えるとより安定します。
全粒粉|香ばしさと栄養をプラスできるが、水分調整が必要
全粒粉は小麦をまるごと挽いた粉で、強力粉に比べてグルテン形成力が弱く、吸水率が高いのが特徴です。風味豊かで栄養価も高いため、パンやベーグルなどに加えると香ばしさがアップします。100%全粒粉で作ると膨らみにくくなるため、薄力粉や中力粉と混ぜて使うのがおすすめです。通常よりも水分を少し多めに加えると、生地がまとまりやすくなります。
代用粉を使った簡単レシピ
強力粉がなくても、代用粉を上手に使えばパンやピザを楽しむことができます。ここでは、各粉の特徴を活かした簡単レシピをご紹介します。
薄力粉で作る「ふんわり白パン」
材料(4個分)
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薄力粉:200g
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ドライイースト:3g
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砂糖:15g
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塩:3g
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牛乳:120ml(ぬるめ)
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無塩バター:20g
作り方
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薄力粉、砂糖、塩、ドライイーストをボウルに入れて混ぜる。
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牛乳を少しずつ加えて混ぜ、生地をこねる(ベタつくがOK)。
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バターを加え、さらによくこねてまとめる。
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ラップをして1次発酵(30℃で40分)。
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ガス抜きして4分割し、丸めて10分ベンチタイム。
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成形して天板に並べ、2次発酵(30分)。
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160℃で15〜18分焼く。
中力粉で作る「もっちりピザ生地」
材料(1枚分)
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中力粉:150g
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ドライイースト:2g
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砂糖:小さじ1
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塩:小さじ1/2
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水:90ml
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オリーブオイル:小さじ2
作り方
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中力粉、塩、ドライイースト、砂糖を混ぜる。
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水を加えて混ぜ、最後にオリーブオイルを加えてこねる。
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まとまったらラップをして30分発酵。
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生地を薄くのばし、好みの具をのせる。
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250℃で10〜12分焼成。
米粉で作る「グルテンフリー蒸しパン」
材料(シリコンカップ4個分)
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米粉:100g
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ベーキングパウダー:小さじ1
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卵:1個
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牛乳:100ml
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砂糖:30g
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サラダ油:大さじ1
作り方
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卵、砂糖、牛乳、油をボウルでよく混ぜる。
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米粉とベーキングパウダーを加えて混ぜる。
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型に流し入れ、蒸し器で15分蒸す。竹串がスッと通ればOK。
全粒粉で作る「香ばしい丸パン」
材料(6個分)
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全粒粉:120g
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中力粉:80g
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ドライイースト:3g
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塩:3g
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砂糖:10g
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ぬるま湯:130ml
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オリーブオイル:大さじ1
作り方
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粉類、イースト、塩、砂糖を混ぜ、ぬるま湯を加えてこねる。
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まとまったらオリーブオイルを加え、さらにこねる。
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ラップをして1次発酵(40分)。
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6分割して丸め、15分ベンチタイム。
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成形し、2次発酵(30分)。
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180℃で20分焼く。
失敗しないための調整ポイント
強力粉の代用品を使う場合、いつも通りのパン作りとは違った注意点があります。仕上がりに差が出やすいからこそ、ちょっとした工夫が大切です。ここでは、代用粉で美味しく仕上げるためのコツを解説します。
水分量は慎重に調整する
代用粉によって吸水性が異なるため、レシピ通りに水分を加えると、生地がベタついたりまとまらなかったりすることがあります。 特に全粒粉やおからパウダーは吸水性が高いので、水分は少しずつ加えながら調整しましょう。逆に、薄力粉や米粉は水分が浮きやすいため、混ぜすぎにも注意が必要です。
生地は練りすぎず、丁寧に扱う
薄力粉や中力粉はグルテン量が少ないため、練りすぎると生地が固くなり、膨らみにくくなります。こねる際は力を加えすぎず、生地がまとまったら早めにこねを止めるのがコツです。必要以上に触らず、丁寧に扱うことで、ふんわりと仕上がりやすくなります。
発酵時間は少し長めにとる
強力粉よりグルテンが弱い代用品を使う場合、発酵に時間がかかることがあります。特に中力粉や薄力粉でパンを作る際は、発酵時間を10~15分ほど長めに設定するのがおすすめです。目安は生地が約2倍にふくらむまで。時間よりも見た目の変化を重視しましょう。
グルテン補強素材を活用するのも手
弾力や膨らみを補いたい場合は、以下のような補強素材を加えるのも効果的です。
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卵白:生地のつながりを良くし、焼き上がりの弾力を補う
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グルテンパウダー(市販):グルテン量を補うプロ向け素材
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ヨーグルトや豆乳:しっとり感をプラスし、生地が扱いやすくなります
強力粉がない状況でも、これらの工夫を取り入れることで、代用粉でもしっかりとした仕上がりを実現できます。

まとめ|強力粉がなくても手作りパンは楽しめる!
強力粉はパンやピザ生地作りに欠かせない存在ですが、手元になくても薄力粉・中力粉・米粉・全粒粉といった代用品で美味しいパン作りは可能です。粉の特性に応じた水分量の調整やこね方、発酵時間の工夫をすれば、弾力や膨らみのある生地に仕上げることができます。この記事で紹介した代用レシピや調整ポイントを活かせば、強力粉切れのピンチもチャンスに変わるはずです。
あなたも代用粉で、手軽においしい手作りパン生活をはじめてみませんか?
強力粉の代用品で一番おすすめはどれですか?
中力粉が最もバランスがよく、パンやピザの代用粉として扱いやすいためおすすめです。こねすぎに注意し、水分をやや控えめにするときれいに仕上がります。
薄力粉でパンを作ると、ふくらまないのはなぜ?
薄力粉はグルテンが少ないため、生地の弾力が足りず、発酵しても膨らみにくくなります。発酵時間を長めに取り、補強素材(卵白など)を加えると改善されます。
グルテンフリーでパンを作りたいときは何を使えばいい?
米粉やおからパウダーがグルテンフリーの代用品として使えます。ベーキングパウダーや卵を使ったレシピで蒸しパンや焼きパン風に仕上げるのがおすすめです。
全粒粉だけでパンを作っても大丈夫?
可能ですが、膨らみにくく、やや重たい仕上がりになります。中力粉や薄力粉を混ぜて使うと、風味と膨らみのバランスが良くなります。
イーストがない場合、代用できますか?
はい、ベーキングパウダーやヨーグルトを使った発酵不要のレシピでもパン風に仕上げることができます。ただし、本格的な膨らみは出にくい点に注意が必要です。