苺の品種一覧:人気品種から珍しい品種、白いちごまで徹底解説
それぞれの品種の特徴や味わいの違いを知れば、いちご選びがさらに楽しくなること間違いなし。ぜひ、あなたのお気に入りのいちごを見つけてみてください。

はじめに:バラエティ豊かな苺の世界へ

苺の品種、ブランド、その多様性についてご紹介します。近年、各地の産地が独自の品種開発に力を入れているため、市場には非常に多くの種類の苺が並んでいます。当サイトでは、希少な桃苺を含め、白い苺12品種、赤い苺85品種、合計97品種を解説しています。代表的な品種であるあまおう、章姫、さちのか、女峰、とちおとめはもちろんのこと、雪うさぎや淡雪、エンジェルエイトといった白い苺、そして、夏の雫などの珍しい品種まで、苺の奥深い魅力を余すところなくお伝えします。ここでは、人気のブランド苺から、地域限定の珍しい品種、さらには白い苺や四季成り苺といった特別なカテゴリーの苺まで、幅広くご紹介。それぞれの品種が持つ独特の風味、食感、香り、そして見た目の特徴を詳細に解説することで、読者の皆様が苺選びをより一層楽しめるようにサポートします。

苺の栄養価:ビタミンCの宝庫

子供から大人まで愛される苺は、その美味しさだけでなく、ビタミンC(アスコルビン酸)を豊富に含む優れた果物です。中サイズの苺を7~8粒、約100g食べることで、成人が1日に必要とするビタミンCの推奨量(100mg)をほぼ満たすことができます。ビタミンCは、強力な抗酸化作用を持ち、免疫力の向上、風邪の予防、そして美肌効果(コラーゲンの生成促進やメラニン色素の抑制)に貢献することで知られています。さらに、苺にはカリウムも比較的多く含まれており、体内の余分なナトリウムを排出し、高血圧の予防をサポートします。また、食物繊維も含まれているため、腸内環境を整え、便秘の解消にも効果が期待できます。これらの栄養素がバランス良く含まれていることから、苺は単なるデザートとしてだけでなく、健康維持にも役立つ素晴らしいフルーツと言えるでしょう。

苺の分類:果物?野菜?その境界線

苺やメロンは、一般的に「果物」として親しまれていますが、実は農林水産省の分類では「果実的野菜」に区分されます。これは、一年で栽培と収穫が完了する草本植物であるという点で、一般的な「野菜」と同じ特性を持つためです。一方、「果樹」とは、多年生の木に実る果実を指し、栽培に数年を要するリンゴやミカンなどが該当します。しかし、市場での流通や消費者の認識においては、苺は甘く、デザートとして楽しまれることが多いため、一般的には「果物」として認識されています。このような分類の曖昧さは、学術的な定義と日常生活での認識の違いから生まれる興味深い現象と言えるでしょう。いずれにせよ、苺が私たちの食生活に彩りと健康をもたらしてくれる事実は変わりません。

赤い主要な苺の品種一覧

市場で広く流通している苺の多くは、鮮やかな赤色が特徴的な品種です。これらの赤い主要品種は、それぞれ異なる甘さ、酸味、香り、食感、そして外観を持ち、消費者の多様なニーズに応えています。各地の気候や土壌に適応した独自の品種開発が進められており、日本全国で個性豊かなブランド苺が誕生しています。例えば、濃厚な甘さと程よい酸味が絶妙なバランスの「あまおう」や、豊かな香りが魅力の「かおり野」、しっかりとした果肉で日持ちが良い「とちおとめ」など、数え上げればきりがありません。これらの品種は、そのまま食べるのはもちろん、ケーキやジャム、その他スイーツの材料としても広く利用され、日本の苺文化を豊かに彩っています。ここでは、各地で愛されている赤い主要な苺の品種について、その特徴を詳しくご紹介します。

アイベリー

愛知県で生まれた「アイベリー」は、その名の通り、愛らしい見た目が特徴のイチゴです。愛三種苗によって開発されたこの品種は、丸みを帯びたハート形の大粒の果実が目を引きます。果肉はしっかりとしており、日持ちが良いのが嬉しいポイント。濃厚な甘さとそれを引き立てる程よい酸味のバランスが絶妙で、贈答品としても選ばれるほどの高品質を誇ります。

あかねっ娘

「あかねっ娘」は、その鮮やかな赤色が印象的なイチゴです。果肉は柔らかく、口に含むとたっぷりの果汁が広がります。酸味が控えめで、強い甘みが際立つのが特徴。比較的早い時期に収穫できる早生品種であり、見た目の美しさも評価されています。

章姫(あきひめ)

「章姫(あきひめ)」は、静岡県で誕生し、長年にわたり多くの人に愛されている品種です。「久能早生」と「女峰」を親に持ち、1992年に品種登録されました。果実は細長い円錐形で、果肉は柔らかく、みずみずしいのが特徴です。酸味が少なく、上品な甘さが口の中に広がり、優しい味わいを楽しめます。日持ちはあまり良くないので、購入後は早めに味わうのがおすすめです。その食べやすさから、小さなお子様にも人気のイチゴです。

あすかルビー

奈良県で生まれた「あすかルビー」は、輝くような赤色が美しいイチゴです。「アスカウェイブ」と「女峰」を交配して育成され、2000年に品種登録されました。果皮は光沢があり、鮮やかな赤色が食欲をそそります。果肉は比較的しっかりとしており、日持ちが良いのも特徴です。高い糖度とほどよい酸味のバランスが取れており、ジューシーな食感を堪能できます。

あまおう

福岡県で生まれた「あまおう」は、2005年に品種登録された、誰もが知る人気のいちごです。「あかい・まるい・おおきい・うまい」の頭文字から名付けられたこのいちごは、名前の通り、大きくて丸い、鮮やかな赤い実が特徴です。甘さと酸味のバランスが良く、濃厚な味わいが楽しめます。果肉がしっかりしているため、贈り物としても喜ばれています。

あまりん

「あまりん」は埼玉県が長い年月をかけて開発したオリジナルのいちごで、2017年に品種登録されました。際立つ甘さと、それを引き立てる酸味との組み合わせが素晴らしく、「あまりに美味しい」と言われています。光沢のある赤い果皮、しっかりとした果肉、そして豊かな香りが特徴です。埼玉県でのみ栽培されている、希少価値の高い高級いちごとして注目されています。

いちごさん

「いちごさん」は佐賀県が開発し、2018年に本格的に市場に出回った新しいブランドいちごです。「たくさんの人に愛されるいちごになってほしい」という願いが込められた名前です。大粒で美しい形、鮮やかな赤色が特徴で、さわやかな香りと上品な甘さ、果汁たっぷりのジューシーな食感が魅力です。バランスの良い味わいで、幅広い世代に人気があります。

いばらキッス

茨城県生まれの「いばらキッス」は、2012年に品種登録されたオリジナルのいちごです。「とちおとめ」と「とねきらり」をかけ合わせて作られました。大きめの果実と、しっかりとした果肉で日持ちが良いのが特徴です。高い糖度と程よい酸味のおかげで、濃厚ながらも後味すっきりとした甘さを楽しめます。茨城県を代表するいちごとして、多くの人に愛されています。

越後姫(えちごひめ)

新潟県で生まれた「越後姫(えちごひめ)」は、1996年に品種登録された、まさに新潟の顔とも言えるいちごです。新潟の気候に合わせて開発されたため、寒さに強く育てやすいのが魅力。口に含むと、やわらかい果肉からあふれる果汁、そして上品な甘さが広がります。酸味が少ないため、甘さを存分に堪能できるでしょう。そのデリケートな味わいから「幻のいちご」と称されることもあります。

おいCベリー

「おいCベリー」は、その名の通り、ビタミンCが豊富に含まれているのが特徴です。農研機構で開発され、2012年に品種登録されました。一般的ないちごに比べて、約1.6倍ものビタミンCを含んでいると言われています。見た目も鮮やかな赤色で、甘みと酸味のバランスが絶妙。果肉はしっかりとしており、比較的日持ちも良いとされています。健康を意識する方には、特におすすめしたい品種です。

おおきみ

「おおきみ」は、農研機構九州沖縄農業研究センターが開発した、文字通り大きな実が特徴的な品種です。2004年に品種登録され、その平均的な重さは20g以上にもなります。鮮やかな赤色の果皮と、しっかりとした果肉が特徴で、日持ちが良いことから、業務用や加工用としても重宝されています。甘みが強く、酸味が控えめなので、ジューシーな甘さを楽しみたい方におすすめです。

おぜあかりん

群馬県生まれの「おぜあかりん」は、その美しい光沢のある赤い果実が目を引く、群馬県期待のオリジナル品種です。果肉はしっかりとしていて、日持ちが良いのが特徴。高い糖度と控えめな酸味が生み出す、際立つ甘さが魅力です。豊かな香りとジューシーな食感も持ち合わせており、群馬県の新しいブランドいちごとして、その名が広まることが期待されています。

かおり野

三重県で生まれた「かおり野」は、2010年に品種登録されたいちごです。「とちおとめ」と「章姫」を親に持ち、その名前が示すように、際立つ爽やかで気品ある香りが魅力です。果実は大きめで、鮮やかな橙赤色の果皮はつややか。果肉は締まっており、強い甘みと穏やかな酸味が調和した、バランスの良い味わいです。

かおりん

埼玉県生まれの「かおりん」は、2019年に品種登録された新しい品種です。埼玉県が開発した「あまりん」の姉妹品種として知られています。その名の通り、特徴は芳醇で華やかな香り。果皮は光沢のある鮮やかな赤色で、見た目も美しいいちごです。高い糖度と程よい酸味が絶妙なバランスを生み出し、口の中に広がるジューシーさが楽しめます。主に埼玉県で栽培されており、今後の広がりが期待されています。

清香(きよか)

福岡県の木下氏によって育成された「清香(きよか)」は、2005年に品種登録されました。果肉がしっかりとしており、日持ちが良いのが特徴です。糖度が高く、適度な酸味もあるため、濃厚ながらも後味すっきりとした甘さを堪能できます。口いっぱいに広がる豊かな香りと、その食味の良さで人気を集めているいちごです。

きらぴ香

静岡県で誕生した「きらぴ香」は、静岡県農林技術研究所で育成され、2014年に品種登録されました。「きらきらとした輝き」と「上品な甘さと香り」が名前の由来となっています。光沢のある鮮やかな赤色の果皮、しっかりとした果肉が特徴で、比較的日持ちが良いとされています。糖度が高く酸味が穏やかなため、その上品な甘さが際立ちます。静岡県を代表するブランドいちごとして、全国的にその名を知られています。

久能早生(くのうわせ)

1981年、静岡県で誕生した「久能早生(くのうわせ)」は、人気品種「章姫」の親としても知られています。かつては静岡県の久能地区を中心に「石垣いちご」として栽培され、その独特な栽培方法と長い歴史から、静岡を代表する特産品として名を馳せていました。しかし、近年では新品種の台頭により、市場で見かける機会は減少しつつあります。果実はやや硬めで、細長い形状をしており、酸味が強めなのが特徴です。そのさっぱりとした酸味は加工にも適しており、ジャムなどに利用されていました。古き良き時代のいちごの風味を求めるファンも少なくありません。

こいのか

「こいのか」は、農研機構九州沖縄農業研究センターで開発され、2004年に品種登録されました。「さがほのか」と「とよのか」を交配して生まれた品種です。美しい円錐形の果実が特徴で、鮮やかな赤色が目を引きます。果肉は比較的しっかりとしており、糖度が高く、酸味は穏やかなため、際立つ甘さを堪能できます。口の中に広がるジューシーな食感と、豊かな香りも魅力です。

恋みのり

「恋みのり」は、農研機構九州沖縄農業研究センターで育成され、2017年に品種登録された新しい品種です。その名前には「多くの人に愛されるように」「実り豊かな人生を送れるように」という願いが込められています。大きめの果実が特徴で、鮮やかな赤色が食欲をそそります。果肉はしっかりとしており、日持ちが良いとされています。糖度が高く、酸味は控えめなので、甘みが口いっぱいに広がります。芳醇な香りとジューシーな食感も人気の理由で、全国各地で栽培が拡大しています。

古都華(ことか)

「古都華(ことか)」は、奈良県で生まれたイチゴです。奈良県農業研究開発センターで育成され、2011年に品種登録されました。光沢のある濃い赤色の果実が特徴で、その美しい見た目から高級いちごとして知られています。果肉は比較的硬めでしっかりとしており、日持ちが良いとされています。非常に高い糖度と、ほどよい酸味のバランスがとれており、濃厚で深みのある甘さが楽しめます。豊かな香りと独特の風味が魅力で、贈り物としても選ばれています。

さがほのか

「さがほのか」は、その名の通り佐賀県で生まれたいちごです。佐賀県農業試験研究センターで開発され、2001年に品種登録されました。「とよのか」と「大錦」を掛け合わせて誕生しました。果実は美しい円錐形で、光沢のある鮮やかな赤色が目を引きます。果肉は比較的しっかりとしており、日持ちが良いのも特徴です。甘みが強く、酸味は穏やかなため、上品な甘さを堪能できます。口当たりの良さも魅力で、佐賀県を代表するいちごとして広く親しまれています。

さちのか

「さちのか」は、農林水産省野菜茶業試験場久留米支場にて育成され、1999年に品種登録されたいちごです。「とよのか」と「アイベリー」を交配して生まれました。果実はきれいな円錐形で、つややかな赤色が特徴的です。果肉は硬めで、日持ちにも優れています。高い糖度と、それを引き立てる程よい酸味のバランスが絶妙で、濃厚な甘さとさっぱりとした風味を同時に楽しめます。日本各地で栽培されており、人気品種の一つとして知られています。

さぬき姫

「さぬき姫」は、2009年(平成21年)に品種登録された香川県オリジナルのいちごです。「さちのか」と「とちおとめ」を親に持ちます。果皮は光沢のある明るい赤色で、果肉は比較的柔らかく、たっぷりの果汁を含んでいます。酸味が少なく、洗練された甘さが際立ち、優雅で芳醇な香りが楽しめます。香川県を代表するブランドいちごとして、その人気は年々高まっています。

真紅の美鈴(しんくのみすず)

「真紅の美鈴(しんくのみすず)」は、見た目の濃さから「黒いちご」と呼ばれることもある珍しい品種です。千葉県で開発され、2012年に品種登録されました。果皮は非常に濃い赤色で、まるでルビーのような輝きを放っています。果肉はしっかりとしており、非常に高い糖度を誇り、濃厚な甘みと豊かな香りが特徴です。酸味は控えめで、深みのある味わいを堪能できます。その希少性から、高級いちごとして珍重されています。

スカイベリー

栃木県で生まれた「スカイベリー」は、「00-24-1」と「栃木20号」を親に持つ、2014年登録のいちごです。栃木県が誇るブランドいちごとして知られています。目を引くのは、その大粒で美しい円錐形。光沢を帯びた鮮やかな赤色は、まるで空に輝く星のようです。果肉はしっかりとしており、日持ちにも優れています。味わいは、高い糖度と控えめな酸味が織りなす、上品でまろやかな甘さが特徴。贈答品としても選ばれることの多い、人気の品種です。

チーバベリー

千葉県生まれの「チーバベリー」は、千葉県農林総合研究センターによって開発され、2017年に品種登録されました。名前は、千葉県の人気キャラクター「チーバくん」に由来します。果実は大きく、しっかりとした硬さが特徴で、日持ちが良い点も魅力です。表面は光沢のある鮮やかな赤色をしています。口に含むと、高い糖度と程よい酸味が絶妙に調和し、濃厚ながらも後味すっきりとした甘さを堪能できます。千葉県を代表する新たなブランドいちごとして、その動向が注目されています。

とちあいか

「とちあいか」は、栃木県農業試験場が育成し、2018年に品種登録された新しいいちごです。栃木県の看板品種「とちおとめ」の後継として、大きな期待が寄せられています。果実は可愛らしいハート型に近い円錐形で、目を引く鮮やかな赤色が特徴です。果肉は твердый で、日持ちにも優れています。味わいは、高い糖度と穏やかな酸味の組み合わせにより、際立つ甘さが堪能できます。栃木県から全国へと、その人気が広がることが期待されています。

とちおとめ

「とちおとめ」は、栃木県農業試験場で育成され、1996年に品種登録されて以来、日本全国で広く栽培されている代表的な品種の一つです。「とよのか」と「女峰」という二つの品種を掛け合わせて誕生しました。その果実は美しい円錐形で、光沢のある鮮やかな赤色が食欲をそそります。果肉は твердый で、日持ちが良いのも嬉しいポイントです。口に含むと、高い糖度とバランスの取れた酸味が広がり、濃厚な甘みと爽やかな風味を楽しむことができます。その優れた食味と栽培のしやすさから、長年にわたり日本のいちご市場をリードし続けています。

とよのか

「とよのか」は、かつて日本のいちご市場を牽引した主要品種の一つです。農林水産省の試験場にて育成され、1984年に登録されました。親品種の交配により誕生し、主に西日本で広く栽培されていました。果実はやや小ぶりな円錐形で、つややかな赤色が特徴です。果肉はしっかりしており、日持ちにも優れています。甘みが強く、酸味が穏やかなため、バランスの取れた上品な味わいが楽しめます。近年では新品種に人気を譲りつつありますが、後続の多くの品種開発に貢献した功績は大きく、その名は親品種として語り継がれています。

女峰(にょほう)

「女峰(にょほう)」は、1990年代後半まで東日本で広く親しまれた代表的な品種です。現在でも一部地域で栽培されており、その特徴は、小ぶりながらも美しい円錐形と、鮮やかな赤色の光沢です。果肉は硬めで、甘さと酸味の調和がとれており、特に酸味を好む層から根強い支持を得ています。芳醇な香りは、ケーキなどの加工用途にも適しています。「章姫」や「あすかルビー」など、人気品種のルーツとしても知られています。

はるみ

「はるみ」は、秋田県立大学が開発した、寒冷地での栽培に適した夏いちごです。2011年に品種登録され、夏から秋にかけて収穫できる四季成り性を持つことが特徴です。果実は美しい円錐形で、明るい赤色が目を引きます。果肉はしっかりとしており、日持ちが良いのも魅力です。高い糖度と適度な酸味が、絶妙なバランスを生み出しています。夏季のいちご供給を支える品種として、今後の発展が期待されています。

ひのしずく

「ひのしずく」は、熊本県で生まれたオリジナル品種で、2006年に品種登録されました。「佐賀大EL9号」と「熊本24号」を掛け合わせて誕生しました。果実はきれいな円錐形で、鮮やかな赤色をしています。果肉は比較的硬く、日持ちにも優れています。糖度が高く、酸味が穏やかなため、甘さが際立つ味わいが特徴です。みずみずしい食感と豊かな香りが楽しめ、熊本県を代表するいちごとして、広く愛されています。

紅ほっぺ

静岡県で生まれた「紅ほっぺ」は、「章姫」と「さちのか」という品種を親に持ち、2002年にその美味しさが認められ品種登録されました。その名の通り、見た目も味も「紅い」のが特徴で、ついつい頬が緩んでしまうほどの美味しさです。果皮はつややかな赤色に輝き、果肉も赤く染まります。甘さと酸味のバランスが絶妙で、一口食べれば濃厚な甘さとコクが口の中に広がります。果肉はしっかりとしており、比較的日持ちが良いのも嬉しいポイント。今や静岡県を代表するいちごとして、全国で愛されています。

まりひめ

和歌山県生まれの「まりひめ」は、「章姫」と「さちのか」を交配して生まれた、まさに和歌山育ちのオリジナル品種。2010年に品種登録されました。丸みを帯びた美しい円錐形をしており、光沢のある鮮やかな赤色の果皮が特徴です。果肉は柔らかく、口に入れると果汁がじゅわっと溢れ出し、ジューシーな食感が楽しめます。酸味が少ないため、上品な甘さが際立ち、優雅な香りが鼻をくすぐります。和歌山県のブランドいちごとして、その優しい甘さと香りで多くの人々を魅了しています。

もういっこ

宮城県で生まれた「もういっこ」は、2008年に品種登録されたオリジナル品種。「もう一個食べたくなる」という気持ちが、そのまま名前になった可愛らしいいちごです。果実は大きめで、しっかりとした硬さがあり、日持ちが良いのが特徴です。甘さと酸味のバランスが良く、一口食べれば濃厚な甘さと爽やかな風味が口いっぱいに広がります。ジューシーな食感と豊かな香りも魅力の一つで、宮城県を代表するブランドいちごとして、広く栽培されています。

やよいひめ

群馬県で生まれた「やよいひめ」は、2005年に品種登録されたオリジナル品種。群馬県で最も旬を迎える3月から5月、つまり弥生の頃にちなんで名付けられました。果実は比較的大きく、しっかりとした硬さがあり、日持ちが良いのが特徴です。果皮はつややかな赤色で、見た目も美しいいちごです。糖度が高く、酸味は控えめなので、まろやかな甘さを存分に楽しめます。春先の長い期間楽しめる品種として、多くの人に愛されています。

ゆうべに

ゆうべには、熊本県が独自に開発し、2017年に登録された比較的新しい品種です。親品種には「紅ほっぺ」と「かおり野」が選ばれ、それぞれの良いところを受け継いでいます。果実は大粒で、つややかな紅色が目を引きます。果肉は硬めでしっかりとしており、比較的日持ちが良いのが特徴です。甘さと酸味のバランスが絶妙で、濃厚ながらも後味はすっきりとしています。熊本県を代表する新たなブランドいちごとして、その食味の高さから高い評価を受けています。

ゆめのか

ゆめのかは、「久留米55号」と「系531」という品種を交配して生まれたいちごで、2007年に品種登録されました。その名の通り、夢のような美味しさを追求して名付けられたと言われています。果実は大きく、光沢のある赤色が食欲をそそります。果肉はしっかりとしており、輸送性にも優れています。甘みと酸味のバランスが良く、一口食べると濃厚な甘さと爽やかな酸味が口の中に広がります。

よつぼし

よつぼしは、2017年に品種登録された比較的新しい品種で、「三重県農業研究所」など4つの研究機関が共同で開発しました。「甘味」「酸味」「風味」「おいしさ」の4つの要素がバランス良く揃っていることが名前の由来です。果実はきれいな円錐形で、鮮やかな赤色が特徴です。果肉は硬めで、ジューシーな食感を楽しめます。甘さと酸味のバランスが絶妙で、豊かな香りが口の中に広がります。全国各地で栽培されており、人気が高まっています。

夏いちご(四季成り性)品種

一般的ないちごは冬から春にかけて旬を迎えますが、品種改良によって夏から秋にも収穫できる「夏いちご」または「四季成り性いちご」と呼ばれる品種が登場しています。これらの品種は、通常のいちごが育ちにくい環境でも栽培できるため、一年を通して新鮮ないちごを提供することが可能です。特に、夏場のケーキやデザートなど、業務用の需要に応えるために重要な役割を果たしています。夏いちごは、果肉が硬めで酸味が強い傾向があります。ここでは、代表的な品種である「なつおとめ」についてご紹介します。

なつおとめ

「なつおとめ」は、群馬県で生まれた夏秋いちごの代表的な品種で、2007年に品種登録されました。主に7月から11月にかけて収穫され、夏場の暑さにも比較的強く、安定した収穫量が見込めることから、業務用途や加工品によく用いられます。果実は美しい円錐形で、見た目も鮮やかな赤色が特徴です。果肉はしっかりとした硬さがあり、日持ちが良い点も魅力です。糖度と酸味のバランスが絶妙で、夏でもおいしいいちごを堪能できます。

白いちごの注目品種

近年、市場で注目を集めているのが、果皮が白い「白いちご」です。熟しても白い色を保つ珍しさから、贈答品としても人気があります。白いちごは、アントシアニンの生成を抑制する遺伝的特性を持っており、甘みが強く酸味が少ない傾向があります。また、通常の赤いいちごとは異なる、独特の芳香も特徴です。桃やパイナップルのような風味を持つ品種も存在します。「淡雪」や「初恋の香り」、「パールホワイト」など、さまざまな品種が栽培されており、当サイトでは2022年5月時点で10種類の白いちごをご紹介しています。ここでは、特に人気の高い白いちごの品種を詳しく見ていきましょう。

淡雪(あわゆき)

「淡雪」は、その名の通り、雪のような淡いピンク色の果皮を持つ白いちごです。奈良県で開発され、2009年に品種登録されました。果肉は硬めで、糖度が高く酸味が穏やかなため、上品な甘さが際立ちます。口に含むととろけるような食感で、見た目の美しさも相まって贈り物としても選ばれています。

あその小雪

熊本県生まれの「あその小雪」は、阿蘇中央高校の生徒たちが開発に携わったことで知られる白いちごです。「あそ」という名前は、豊かな自然に囲まれた阿蘇市に由来します。この品種は、熊本県農業研究センターが開発した「熊本SNK-B1」を元にしています。果皮は純白で、果肉はきめ細かく、強い甘みと穏やかな酸味が特徴です。口に入れた瞬間に広がる芳醇な香りと上品な甘さは、白いちごの中でも特に評価が高い理由の一つです。

桃薫(とうくん)

淡いピンク色の果皮を持つ「桃薫」は、まるで桃のような芳醇な香りが特徴的な、他にはない品種です。独立行政法人 農業・食品産業技術総合研究機構によって開発され、2011年に品種登録されました。名前が示すように、桃やココナッツを連想させる甘く優雅な香りを持ち、口にした瞬間、その香りの強さに感銘を受けるでしょう。果肉は比較的柔らかく、高い糖度と穏やかな酸味のバランスが、際立つ甘さを引き立てます。その珍しい外観と独特の風味は、高級いちごとしての地位を確立しています。

初恋の香り

「初恋の香り」は、白いちごの先駆けとして知られる品種です。完熟しても淡いピンク色の果皮を保ち、その愛らしい見た目と、甘く上品な香りが魅力です。千葉県の三好アグリテックによって育成され、2006年に品種登録されました。果肉はしっかりとした食感で、糖度が高く、酸味は控えめであるため、まろやかな甘さを堪能できます。その印象的な外観と希少性から、贈答品や特別な日のデザートとして選ばれています。

パールホワイト

「パールホワイト」は、奈良県の前田氏によって生み出された白いちごで、2015年に品種登録されました。その名の通り、真珠のように輝く純白の果皮が特徴です。きめ細かい果肉は、高い糖度を持ちながらも、酸味が非常に少ないため、上品な甘さが際立ちます。特有の芳香を放ち、口の中でとろけるような食感が魅力です。白いちごの中でも特に優れた品質と美しい外観から、高級いちごとして高く評価されています。

雪うさぎ

「雪うさぎ」は、佐賀県の井手重夫氏が育成し、2015年に品種登録された白いちごです。雪のように真っ白な果皮と、うさぎの耳を思わせる可愛らしい形が名前の由来です。しっかりとした果肉は、高い糖度と控えめな酸味のバランスにより、際立つ甘さを楽しめます。独特の香りと、さっぱりとした後味が魅力で、その見た目のインパクトも相まって、高級フルーツとして人気を集めています。

ワイルドストロベリー類の特徴と栽培

ワイルドストロベリーとは、一般的に栽培されているイチゴ(フラガリア・アナナッサ)とは異なる、野生種のイチゴを指します。日本においてはノイチゴなどが自生していますが、園芸店で「ワイルドストロベリー」として販売されているのは、主にヨーロッパ原産の「フラガリア・ベスカ(Fragaria vesca)」です。これらの野生種は、栽培品種と比較して実が非常に小さく、凝縮された甘みと豊かな香りを持つ点が特徴です。観賞用としても人気があり、可愛らしい白い花と赤い実が庭やプランターを彩ります。実は、デザートの飾り付けやハーブティー、ジャムなどに利用され、その独特な風味を楽しむことができます。比較的育てやすく、病害虫にも強いため、家庭菜園やガーデニングの初心者にも適しています。

木イチゴ類の特徴と種類

木イチゴ類は、バラ科キイチゴ属に分類される植物の総称であり、一般的に食用とされるイチゴ(フラガリア属)とは、植物学的に異なる種類です。代表的なものとしてラズベリーやブラックベリーが挙げられますが、日本にはクサイチゴ、モミジイチゴ、ナワシロイチゴなど、様々な在来種が存在します。これらの植物は、樹木のように茎が木質化し、多くの場合とげを持っています。果実は、小さな果実が多数集まって一つの塊を形成する「集合果」であり、甘酸っぱい独特の風味と、赤、黒、黄など多様な色が特徴です。生食はもちろん、ジャムやソース、パイ、タルトなどのデザートに広く利用され、加工適性が高いことでも知られています。栄養価も高く、ビタミンCやアントシアニン、食物繊維などを豊富に含んでいます。野生で見かけることもありますが、近年では多様な園芸品種が開発され、家庭菜園での栽培も増えています。

まとめ

この記事では、様々なイチゴの品種について、その基本的な情報から健康への効果、そして具体的な品種ごとの特徴を詳しく解説しました。白いちご10品種、赤いいちご82品種、合計92品種を紹介しており、各品種が持つ独自の甘さ、酸味、香り、食感といった個性を深く掘り下げています。代表的な赤い品種から、その珍しい見た目で注目を集める白いちご、さらには夏に収穫できる四季成り性の品種、そして通常のイチゴとは異なるワイルドストロベリー類や木イチゴ類まで、幅広い視点からイチゴの世界を紹介しました。各品種の情報は、イチゴ選びの参考になるだけでなく、日本の優れた農業技術と品種改良の進化を感じる手助けとなるでしょう。ぜひ、この情報を活用して、お気に入りのイチゴを見つけ、その奥深い魅力を十分に楽しんでください。

Q1: イチゴは果物ですか、それとも野菜ですか?

A1: イチゴは、農林水産省の分類上では「果実的野菜」に分類されます。これは、一年で栽培から収穫までが完了する草本植物であるという点で、野菜としての性質を持つためです。しかしながら、一般的には甘く、デザートとして食されるため、消費者の感覚としては「果物」として認識されています。

Q2: いちごはどんな栄養成分を含んでいるの?

A2: いちごはビタミンCの宝庫と言えるでしょう。中サイズのものを7~8粒(約100g)食べれば、大人の1日に必要なビタミンC推奨量をほぼ満たせます。それだけでなく、カリウムや食物繊維、ポリフェノールの一種であるアントシアニンも豊富に含んでいます。これらの成分によって、免疫力アップ、美肌効果、高血圧の予防、そして腸内環境の改善といった効果が期待できます。

Q3: なぜ白いちごは白いの?

A3: 白いちごが白い理由は、アントシアニン(赤い色素)を作る能力が遺伝的に低いか、その生成が抑制されているからです。そのため、熟しても赤くならずに白いままとなります。一般的に、甘みが強く酸味が少ない傾向があり、独特の芳香を放つ品種も存在します。

Q4: 夏に食べられるいちごはあるの?

A4: はい、夏から秋にかけて収穫できる「夏いちご」や「四季成りいちご」と呼ばれる品種が存在します。これらの品種は、通常のいちごとは異なり、暑い時期の栽培に適応するように改良されています。業務用や加工用として、一年を通して安定的にいちごを供給するために重要な役割を果たしており、「なつおとめ」などが代表的な品種として知られています。

Q5: 「ワイルドストロベリー」と「木いちご」は普通のいちごと何が違うの?

A5: 「ワイルドストロベリー」は、私たちが普段食べている栽培種のイチゴ(フラガリア・アナナッサ)とは異なる、野生種のイチゴ(主にフラガリア・ベスカ)のことです。実は小さく、香りがより凝縮されているのが特徴です。一方、「木いちご」は、植物学的にはイチゴとは全く異なるバラ科キイチゴ属の植物(ラズベリーやブラックベリーなど)の総称です。茎が木のように硬くなり、多くの種類はトゲを持ちます。果実は集合果であり、イチゴとは異なる風味や食感を楽しめます。
いちご