いちごのつぶつぶの正体とは？意外な事実から、育て方、栄養を活かす洗い方、絶品レシピまで徹底解説！

春の食卓を彩るいちご。あの表面のつぶつぶの正体をご存知ですか？この記事では、意外と知られていないいちごの秘密を徹底解説。スーパーのいちごから種を取り出し、家庭で再生栽培に挑戦する方法から、栄養を逃さない洗い方、そして旬の味覚を活かした絶品ティラミスレシピまで、いちごの魅力を余すところなくご紹介します。

私たちが普段「果実」として食べている、あの甘くてジューシーな赤い部分は、実は花の土台である花床（かしょう）が肥大化したもの。「偽果（ぎか）」と呼ばれる、植物学的には果実とは異なる部分なのです。では、いちごの本当の果実はどこにあるのでしょう？それは、いちごの表面を覆う無数の小さなつぶつぶ。これこそがいちごの真の果実なのです。このつぶつぶは「痩果（そうか）」と呼ばれ、一つのいちごに平均200～300個も存在すると言われています。この事実を知ると、いちごを食べるたびに、何百もの「果実」を同時に味わっていることに気づき、その小さな生命の力強さに驚かされます。

栽培スペースや管理の手間を考慮し、しばらくいちご栽培を控えていた筆者が、スーパーのいちごから採取した「種」を使った再生栽培を決意しました。一般的に、いちご栽培は苗を購入したり、親株から伸びるランナーを使って子株を育てたりする方法が知られています。しかし、いちごには確かに種が存在するため、理論上は種から育てることも可能です。2023年から2024年にかけて、実際に食卓に並ぶいちごの種から新たな生命を育むという、ユニークな試みに挑戦しました。ここでは、その一年間の再生栽培の記録を、詳細に解説していきます。

春になり、スーパーで購入した新鮮ないちごを食べていた時、ふと表面のつぶつぶ（痩果）からいちごを育てられないかと思いつきました。この機会を逃すと来年まで待つことになるため、種を採取することを主な目的として追加でいちごを購入し、2023年5月上旬に再生栽培を開始しました。まず、いちごの表面を薄く切り取り、種を取り出します。取り出した種は、十分に乾燥させるために数日間放置します。完全に乾燥したら、手作業で種を取り出しました。発芽率がどの程度か分からなかったため、採取した種は全て蒔くことに。土は、以前使用して余っていたプロトリーフ製の「いちごの土」を使用しましたが、乾燥していたため、種まき前にたっぷりと水を与えて吸水させました。しかし、十分に水分が行き渡ったとは言えない状態でのスタートとなりました。種まきには、3cmポット（手前）と9cmポット（奥）を用意し、それぞれに種を蒔き、軽く土をかぶせて上から軽く押さえました。水やりで種が流れないように、底面給水方式を採用し、水を張ったトレイにポットを並べました。しかし、1時間以上経っても土の表面が乾いていたため、スプレーで軽く湿らせることに。発芽するまでは、直射日光を避け、日陰で管理しました。

種をまいてから24日後の2023年5月下旬、ついに最初の芽が出ました。予想以上に時間がかかりましたが、他のポットからも次々と芽が出ることを願っていました。しかし、発芽したばかりの小さな芽が本当にイチゴの双葉なのか、それとも土に混じっていた雑草の芽なのかを見分けるのは簡単ではありませんでした。市販の培養土を使いましたが、種まきから時間が経っているため、雑草の種が飛来して発芽する可能性もあります。注意深く観察を続けました。その後、32日目の2023年6月上旬には、最初に芽が出た株が少しずつ大きくなり、ついに本葉が出始めました。その葉はイチゴ独特のギザギザした形をしていたので、これがイチゴの芽だとほぼ確信できました。この時点で底面給水から普通の水やり方法に変えることも考えましたが、まだ株が小さく、直接水をかけると倒れてしまうかもしれないので、引き続き底面給水を続けることにしました。さらに42日後の2023年6月中旬には、別の9cmポットからも新しい芽が出ているのを確認できました。種まきから発芽まで時間がかかったので、他のポットからも芽が出るのではないかと期待が高まりました。最初に芽が出たイチゴの株はまだ頼りない感じでしたが、少しずつ大きくなっていました。しかし、この時、右側に生えてきた別の植物の葉は、イチゴの葉とは明らかに違う形をしていたので、これは雑草だと判断しました。

2023年7月上旬、種まきから62日経ったイチゴの株は、ある程度の大きさにはなりましたが、茎が細長く伸びる「徒長」という状態になっていました。この徒長した株をどうすればいいのか数日考えた結果、実験的に茎を土に埋めてみるという大胆な方法を試すことにしました。この方法がイチゴに良い影響を与えるかは分かりませんでしたが、他にも徒長していない株があったので、比較しながら観察することにしました。真夏の2023年8月中旬、104日目には、小さかったイチゴの株は猛暑を乗り越え、明らかに大きくなりました。まだ全体的に頼りない感じはありましたが、夏越しができるかもしれないという希望が見えてきました。しかし、茎を埋めた実験株は残念ながら枯れ始めていました。新しい芽が出ている様子も少しありましたが、主な原因は水不足だと考えられました。毎日水やりをしていたにもかかわらず、猛暑で土が完全に乾ききってしまい、株がぐったりしている日があったからです。そして2023年9月上旬、127日目には、枯れかけていた茎埋め実験株は完全に枯れてしまいましたが、残りのイチゴは順調に成長を続け、無事に厳しい夏を乗り越えることができました。夏越しができたので、次のステップとして、近いうちに1株ずつ9cmポットに植え替える計画を立てました。

2023年9月下旬、種まきから144日目になり、いよいよ株を大きく育てるために9cmポットへの植え替え作業を行いました。今回はイチゴ専用の培養土ではなく、汎用性の高い野菜用の培養土を使うことにしました。3cmポットで育っていたイチゴは1株だけだったので、根っこを傷つけないようにそのまま新しい9cmポットに植え替えました。根がしっかりと張っていて、順調に育っている様子でした。一方、9cmポットには3株が密集していたので、これらを丁寧に分けて、3つの株に植え替えました。株分けの際に根が少し切れてしまうのは避けられませんでしたが、その後の成長に影響がないか心配でした。植え替えが終わったらたっぷりと水をやり、元の場所に置きました。さらに詳しく調べてみると、元々9cmポットにあった一番大きな株が実は2株だったことが分かり、これらも別々に分けた結果、種から育てたイチゴは全部で5株になりました。2023年10月上旬の160日目には、株を日当たりの良い場所に移動させました。以前の写真と比べると、成長がゆっくりに見えていた株も着実に大きくなっているのが分かりました。そして2023年10月下旬、172日目には、一般的に10月中に植え付けを終えるのが良いとされている情報をもとに、最終的な定植作業を行うことにしました。底面給水機能のある鉢（20型×2、25型×2）と8号のスリット鉢を用意し、ここでも野菜用の培養土を使いました。イチゴの生育を助けるコンパニオンプランツとして、ニンニクを一緒に植えることにしました。ニンニクにはイチゴの成長を促進する効果があると言われています。20型鉢には、以前再生栽培で育てた小さな六片ニンニクを、25型鉢とスリット鉢にはスーパーで買った発根・発芽済みのニンニクを植えました。ニンニクは鉢の後ろ側、イチゴは前側に植えて、たっぷりと水やりをして定植を終えました。半日陰で育てることも考えましたが、最終的には日当たりの良い場所で育てることにしました。

2023年11月上旬、定植してから186日経ったイチゴの株は、左上の1株を除いて、順調に育っていました。しかし、その左上の株の葉には、何かに食べられた跡があり、よく見ると毛虫がいるのを見つけました。この毛虫が葉を食べていた犯人だと分かりました。他の株からは新しい葉がどんどん出てきており、コンパニオンプランツとして植えた小さなニンニクも芽を出し、順調に育っていました。2023年11月中旬の197日目には、植え付けの時に緩効性肥料入りの培養土を使っていたものの、念のため追肥をすることにしました。これは、植え付けの時に肥料を足していなかったので、肥料が足りなくなるかもしれないと考えたからです。毛虫に葉を食べられたイチゴの株は、この時期も回復しようとしていましたが、本格的な冬が来る前に、ある程度の大きさまで回復してくれることを願っていました。

2023年12月下旬、種まきから237日が経過し、ほとんどの株は順調に生育しており、一緒に植えたニンニクも大きく成長していました。しかし、残念ながら、害虫によって葉を食べられてしまったイチゴの株は、完全に枯れてしまったようです。一方、スリット鉢で育てていたイチゴには、早くも花が咲いているのを確認できました。しかし、この時期に実をならせるのは適していないと判断し、株の消耗を避けるため、咲いた花はすべて摘み取ることにしました。2024年1月下旬、263日目には、肥料の説明書きに記載された時期に合わせて、肥料を追加しました。この際、イチゴが枯れてニンニクだけが残った鉢にも同様に肥料を与えました。一部のイチゴの株では、葉が黄色く変色し始める様子が見られましたが、新しい葉が育っていることから、株自体は生きていると判断しました。病気の可能性も考慮し、念のため枯れた葉はすべて取り除きました。この時期に花が咲き、実がなったとしても、良い収穫は期待できないと考えました。

2024年3月中旬、318日目には、25型鉢で育てていたイチゴはどちらも完全に枯れてしまい、コンパニオンプランツとして植えていたニンニクのみが残りました。これらの鉢はイチゴ栽培の記録から外すことにしました。しかし、スリット鉢のイチゴは再び花を咲かせました。受粉は自然の力に頼る予定でしたが、この時期に受粉を手伝ってくれる虫が十分にいるか心配でした。20型鉢の一つからもつぼみが見つかり、少しでも収穫できるかもしれないという期待が高まりました。2024年4月上旬、343日目には、スリット鉢と20型鉢の一つの株が、丸々と大きく成長しているのが見て分かりました。花びらが散ったということは、受粉がうまくいっていれば、これから実が徐々に大きくなっていくはずです。種から育てたことを考えると、もしすべてのつぼみがイチゴになってくれれば、満足できる収穫量になると予想されました。2024年4月中旬の352日目、3月に肥料を追加するのを忘れていたことに気づき、慌てて肥料を与えました。スリット鉢のイチゴはとても良い状態に見え、このまま順調に成長してくれることを願いました。まだ花が咲いていなかったイチゴにもつぼみがつき始め、さらなる期待が高まります。この時期には、将来的に株を増やすために、ランナーも採取しておきました。

2024年5月上旬、367日目には、左側のイチゴが水不足で元気がなくなっているのを確認しましたが、これくらいの水切れなら水やりで回復すると考えました。スリット鉢のイチゴは赤く色づき始め、収穫が近いことを知らせていました。新しい花も咲いており、引き続き収穫が見込めそうです。そして2024年5月上旬、372日目には、ついに真っ赤に熟したイチゴを収穫する時が来ました。本当はあと1〜2日待つことも考えましたが、一部が何かに食べられているのを見つけ、近くにアリがいたことから、アリによる食害だと判断し、急いで収穫することにしました。収穫したイチゴは、どこから見ても見事で、甘い香りが漂っていました。種から育てたこの再生栽培は、手間はかかったものの、見事に甘いイチゴを実らせることに成功し、大きな喜びを与えてくれました。

スーパーで購入したイチゴから種を取り出し、再生栽培に挑戦する道のりは、決して簡単ではありませんでした。ちゃんと発芽するのか、発芽した芽が本当にイチゴなのか、そして厳しい夏や冬を乗り越えることができるのかなど、常に多くの不安を抱えながらの栽培となりました。途中、冬を越せずに枯れてしまった株もありましたが、最終的には甘くて美味しいイチゴを収穫するという目標を達成することができました。このイチゴの再生栽培は、決して「楽」とは言えませんが、植物の生命力や成長の過程を間近で観察できる、非常に興味深く貴重な経験となりました。苦労の末に収穫できたイチゴの味は格別で、大きな達成感と満足感を得ることができました。園芸初心者からベテランまで、誰もが植物栽培の奥深さを再認識できる素晴らしい体験となるでしょう。

みずみずしく甘酸っぱいいちごを味わう時、その栄養価と風味を最大限に引き出すには、適切な洗い方が不可欠です。いちごは水に長く浸けてしまうと、ビタミンCなどの水溶性栄養素が失われやすい性質を持っています。そこで、以下の3つのポイントを意識することで、いちご本来の栄養と美味しさを損なわずに堪能できます。

まず、「食べる直前に洗う」こと。あらかじめ洗ってしまうと、水分が蒸発して鮮度が落ちたり、傷みやすくなることがあります。口にする直前に必要な量だけを洗うことで、いつでもフレッシュな状態を保てます。次に、「ヘタをつけたまま洗う」こと。ヘタを取ってから洗うと、切り口から水が侵入し、栄養素が流れ出しやすくなります。ヘタ付きで洗うことで、栄養の流出を防ぎ、いちご本来の風味を維持できます。そして、「手早く洗い流す」こと。流水でやさしく、かつ素早く洗うことで、表面の汚れを落としつつ、いちごが水分を吸収しすぎるのを防ぎます。これらの簡単な3つの秘訣を守るだけで、いちごの栄養と美味しさを存分に引き出し、より美味しく、健康的に味わえるでしょう。

いちごが旬を迎えるこの時期に、その魅力を最大限に活かした特別なデザートをご紹介します。

「果肉まで赤い蜜いちご」を使って作られるこの極上ティラミスは、従来のティラミスのイメージを覆す、ユニークで魅力的な特徴があります。最も注目すべき点は、一般的なティラミスで使用されるココアパウダーやコーヒーリキュールを一切使用しないことです。これにより、いちご本来の鮮やかな赤色と甘酸っぱい風味が際立ち、見た目にも愛らしく、華やかな仕上がりになります。コーヒーの苦みが苦手な方や、お子様でも安心して楽しめる、幅広い世代に喜ばれるデザートです。

このレシピには、果肉まで赤い品種のいちごがおすすめです。加熱しても風味が損なわれにくく、ティラミスのようなデザートに使うことで、いちごの存在感を際立たせることができます。この品種は、その名の通り果肉の中心まで真っ赤に染まり、強い甘みと芳醇な香りが特徴で、加熱しても風味が損なわれにくいというメリットがあります。そのため、ティラミスのようなデザートに使うことで、いちごの存在感を際立たせ、より一層美味しく楽しめます。この特別なティラミスは、まるで宝石箱のような美しい見た目と、口いっぱいに広がるいちごの豊かな味わいで、特別な日のデザートや大切な方への贈り物にぴったりです。レシピの詳細は、ダーリンのつまさんのブログで公開されていますので、ぜひ参考にして、ご自宅でこの絶品ティラミス作りに挑戦してみてください。

この記事では、身近な果物であるいちごに隠された意外な事実から、その栄養を最大限に引き出す洗い方、家庭で楽しめる再生栽培の魅力、そして特別なティラミスレシピまで、様々な角度からいちごの魅力を深掘りしてきました。普段私たちが口にしている赤い部分が「偽果」であり、表面のつぶつぶこそが「痩果」と呼ばれる真の果実であるという事実は、いちごに対する認識を新たにするきっかけになったのではないでしょうか。そして、その小さな痩果から芽吹き、一年以上かけて大切に育てられたスーパーのいちごからの再生栽培の記録は、自然の力と育てる喜びを改めて教えてくれます。さらに、いちごの栄養を逃さず美味しく味わうための3つの洗い方ポイントや、上級食育アドバイザー考案の極上ティラミスレシピは、いつもの食卓に新しい楽しみと彩りを与えてくれるはずです。ぜひ、これらの知識を活かし、いちごをより深く味わい、新たな方法で楽しんでみてください。手軽な洗い方の工夫から、挑戦的な栽培、そして贅沢なスイーツ作りまで、いちごがもたらす豊かな体験が、皆様の食卓と生活を豊かに彩ることを願っています。

実はいちごのあの甘くて赤い部分は、植物学の世界では「偽果」と呼ばれているんです。私たちが美味しいと感じている部分は、花の土台である花托が成長したもの。本当の果実は、表面に散らばる小さな粒々、つまり痩果なんです。

いちごの表面を飾るあの小さな粒は「痩果」といい、それぞれが独立した小さな果実なんです。それぞれの痩果の中には種が隠されていて、一つのいちごには約200個から300個もの痩果があるんですよ。

いちごを洗う際、ヘタをつけたまま洗うのがおすすめ。なぜなら、ヘタを取ってしまうと、切り口から水が入り込み、大切なビタミンCなどの栄養素が流れ出てしまう可能性があるからです。さっと洗い、水につける時間を短くすることもポイントです。

一つのいちごには、表面に約200個から300個もの「痩果」という小さな果実が詰まっています。つまり、私たちが普段何気なく食べているいちご一粒には、数百もの果実が凝縮されているということなんです。

市販のイチゴの種から再び栽培する場合、発芽から収穫までおよそ1年かかり、夏の暑さ対策や冬の寒さ対策、病気や害虫への対策など、乗り越えるべき壁が多く存在します。決して容易ではありませんが、丹念に世話を続けることで、甘い果実を実らせることも不可能ではありません。それは非常にやりがいのある経験となるでしょう。辛抱強く、手間暇を惜しまない覚悟があれば、挑戦する価値は十分にあります。

はい、コンパニオンプランツはイチゴの再生栽培にも有効と考えられます。この記事の例ではニンニクを一緒に植えており、ニンニクにはイチゴの生育を促進する効果があると言われています。病害虫の抑制や土壌の状態を良くする効果も期待でき、相性の良い植物を組み合わせることで、より健康なイチゴを育てることが期待できます。

イチゴの徒長とは、日光不足や過度な水やり、肥料の与えすぎなどが原因で、茎が不自然に細長く伸びてしまう現象を指します。この記事の例では、徒長した株の茎を土に埋めるという実験的な試みが行われましたが、最終的には枯れてしまいました。徒長を防ぐためには、十分な日光を確保し、適切な水やりと肥料の管理を行うことが大切です。徒長してしまった場合は、日当たりの良い場所へ移動させ、土を追加して茎を支えるなどの方法が考えられますが、初期段階での環境改善が最も効果的です。