クリスマスが近づくと恋しくなる、ドイツの伝統菓子シュトーレン。ドライフルーツやナッツがたっぷり詰まった贅沢な味わいは、特別な時間を彩ります。本格的なシュトーレンは手間がかかるイメージですが、実は簡単レシピでも本格的なスパイスの風味をしっかり楽しめるんです!この記事では、手軽に作れるシュトーレンレシピをご紹介。今年のクリスマスは、手作りシュトーレンで、心温まるひとときを過ごしませんか?
クリスマスを彩る伝統菓子シュトーレンとは?その歴史と魅力
クリスマスシーズンが近づくと恋しくなる、ドイツの伝統的な焼き菓子シュトーレン。近年、日本でもその人気は高まり、クリスマスの定番スイーツとして定着しつつあります。シュトーレンは、アドベントと呼ばれるクリスマスを待ち望む期間に楽しまれる発酵菓子で、バターや砂糖を贅沢に使用した生地に、ラム酒に漬け込んだドライフルーツやナッツがたっぷり練り込まれています。焼き上げた後には、真っ白な粉糖がふりかけられ、その風味はまさに異国情緒たっぷり。スパイスの香りが、クリスマスの雰囲気を盛り上げます。手作りのシュトーレンは、具材が豊富で贅沢な味わいが楽しめます。焼き立てはもちろん美味しいですが、1週間ほど寝かせることで熟成が進み、風味がより一層深まるのが魅力です。日々変化していく味わいを楽しみながら、クリスマスを待ちましょう。
シュトーレン(Stollen)という名前は、ドイツ語で「坑道」を意味すると言われています。その形状が坑道に似ていることに由来するという説や、白い粉糖が幼子イエスを包む産着を表現しているという説など、様々な説が存在します。ドイツでは、クリスマスの4週間前からアドベント期間に入り、この期間にシュトーレンを薄くスライスして食べる習慣があります。これは、クリスマスを心待ちにする喜びを表すもので、熟成が進むにつれてスパイスやフルーツの香りが生地全体に広がり、味わいが深まっていく過程も楽しみの一つです。自家製シュトーレンの濃厚で奥深い味わいは、まさに大人のためのクリスマスにふさわしい一品と言えるでしょう。
シュトーレンの風味を決定づける!厳選スパイスの種類と特徴
シュトーレンの独特な風味を生み出す上で、スパイスは非常に重要な役割を果たします。使用するスパイスの種類や配合によって、シュトーレンの個性は大きく変わります。ここでは、シュトーレンによく使われる代表的なスパイスとその特徴をご紹介します。スパイスについて理解を深めることで、より本格的なシュトーレン作りや、味わい方へと繋がるでしょう。また、スパイスとナッツ類をあらかじめ計量して個別に袋に入れておくと、作業がスムーズに進みます。
シナモン
シナモンは、シュトーレンに欠かせないスパイスの一つ。甘く、どこか懐かしい香りは、心を落ち着かせ、温かい気持ちにしてくれます。アップルパイやチャイなど、様々な焼き菓子や飲み物に使われ、世界中で愛されています。シュトーレンにおいては、ドライフルーツの凝縮された甘みとバターのコクを引き立て、全体を優しくまとめる役割を担います。その汎用性の高さから、シュトーレンの風味を構成する上で、非常に重要なスパイスと言えるでしょう。
ナツメグ
甘くスパイシーな香りが特徴のナツメグは、ハンバーグやミートソースなどの肉料理の風味付けによく使われます。焼き菓子に少量加えることで、風味に深みと複雑さが加わります。シュトーレンに使用すると、生地全体に温かみのある香りが広がり、特にナッツ類との相性が抜群です。独特の風味が、シュトーレンをより洗練された大人向けの味わいに引き立ててくれます。
カルダモン
「香りの女王」とも呼ばれるカルダモンは、爽やかで清涼感のある香りと、わずかに刺激的な風味が特徴です。インド料理やエスニック料理に不可欠なスパイスであり、インドのチャイや北欧の伝統的なお菓子にも使われています。シュトーレンに加えることで、後味に清々しいアクセントと、上品で洗練された風味を加え、全体の味わいを引き立てます。
クローブ
バニラに似た甘く濃厚な香りと、ピリッとした刺激的な風味が特徴のクローブは、肉料理の煮込みやマリネ液、ソースなどの風味付けに使われるほか、焼き菓子やデザートとの相性も抜群です。少量加えるだけでも、その強い香りが全体の風味に深みと複雑さを与え、存在感を際立たせます。シュトーレンに使用することで、重厚感のある複雑な香りを演出し、より豊かな味わいに仕上げることができます。
その他のスパイス
上記の主要なスパイスに加え、バニラビーンズ、ジンジャー、アニス、オールスパイスなどもシュトーレンのレシピで用いられることがあります。これらのスパイスの種類や配合は、作り手やレシピによって異なり、それぞれの個性を表現できます。複数のスパイスを組み合わせることで、より複雑で奥深い風味のシュトーレンを作り出すことが可能です。
手軽に本格的な風味を!スパイスミックス「パンデピス」の活用
シュトーレン作りのために複数のスパイスを揃え、最適なバランスで配合することは、手間がかかり、難しく感じるかもしれません。そんな時に役立つのが、あらかじめブレンドされた「スパイスミックス」、特に「パンデピス」のようなアイテムです。これらを活用することで、手軽に本格的で複雑なスパイスの風味をシュトーレンに加えることができます。パンデピスは、スパイスが効いた風味豊かなシュトーレンを求める方にとって、最適な選択肢となるでしょう。
パンデピスは、フランス語で「スパイスのパン」を意味し、様々なスパイスを独自の割合でブレンドしたものです。例えば、シナモン、カルダモン、ナツメグ、スターアニス、しょうが、クローブといった複数のスパイスがバランス良く調合されている製品もあります。これにより、自分でスパイスを調合する手間を省き、深みのある香り高い風味をシュトーレンに与えることが可能です。それぞれのスパイスが持つ特性を最大限に活かし、互いの香りを引き立てるように作られているため、風味の失敗が少ないのも魅力です。シュトーレンだけでなく、クッキーやパウンドケーキなどのお菓子、さらにはアイスクリームやパンの風味付けにも使用でき、香り豊かでスパイシーな仕上がりを実現します。
【基本レシピ】スパイス香る自家製シュトーレン(約2~4個分)の作り方
ここでは、手作りならではの贅沢な具材をふんだんに使用し、スパイスが豊かに香る、本格的な味わいのシュトーレンレシピをご紹介します。特にスパイスの香りを存分に楽しみたい方におすすめで、焼き上げた直後から美味しくいただけますが、1週間ほど寝かせることで風味が熟成し、より深みのある味わいへと変化します。レシピでは、パンデピスのようなミックススパイス、またはシナモン、カルダモン、ナツメグなど、お好みのスパイスをブレンドして使用することを想定しています。工程は少し多いですが、一つ一つのステップを丁寧に行うことで、ご家庭でも本格的なシュトーレンを作ることができます。
下準備:材料の準備と正確な計量
本格的なシュトーレン作りを始めるにあたり、すべての材料を正確に計量し、適切な下準備をしておくことが、成功への近道です。特に、風味の決め手となるスパイスやナッツ類は、あらかじめ計量しておくと、その後の作業がスムーズに進みます。また、生地の食感や風味を向上させるための、重要な準備もいくつかあります。
ドライフルーツのラム酒漬け
シュトーレンに奥深い風味と豊かな潤いを与えるドライフルーツは、あらかじめ計量し、ラム酒に一晩以上浸けておきます。ドライフルーツの種類は、合計200gになるように、お好みのものを組み合わせてください。例えば、定番のレーズンに加え、オレンジピールやレモンピール、クランベリーなどを加えることで、より複雑で豊かな風味を楽しむことができます。漬け込みの際は、ジッパー付きの保存袋を使用すると、少量のラム酒でも全体に均一に浸透させることができ便利です。漬け込み時間は最低一晩ですが、今回のレシピでは二晩漬け込むことで、ドライフルーツがラム酒の風味をより深く吸収し、風味豊かなシュトーレンに仕上がります。漬け込み後、ザルにあげてしっかりと水気を切り、キッチンペーパーで軽く水分を拭き取ることで、生地に余分な水分が加わるのを防ぎます。
その他の事前準備
生地のベースとなるバターは、常温に戻して柔らかくしておきます。柔らかくすることで、グラニュー糖と混ぜ合わせた際に、なめらかで均一なクリーム状になりやすくなります。クリームチーズは、電子レンジで軽く温めて、滑らかな状態にしておきましょう。こうすることで、他の材料と混ざりやすくなり、ダマになるのを防ぎます。薄力粉と砂糖は、事前にふるっておくことで、生地の均一性が向上し、口当たりの良いシュトーレンに仕上がります。また、使用するスパイスやナッツ類も、あらかじめ計量して、それぞれ小分けにしておくと、作業中に迷うことなくスムーズに進めることができます。
生地作り:風味を凝縮、素材を丁寧に練り上げる
シュトーレン作りで特に重要なのが生地作り。独特の風味と食感は、この工程で決まると言っても過言ではありません。ここでは、泡立て器とゴムベラを使い分け、素材の持ち味を最大限に引き出していきます。
バターと砂糖を丹念に混ぜる
まずは、室温に戻して柔らかくしたバターをボウルに入れ、泡立て器で丁寧に混ぜてクリーム状にします。そこに砂糖を加え、白っぽく、空気を含んでふんわりとするまでしっかりと混ぜ合わせましょう。この工程でしっかりと空気を抱き込ませることで、焼き上がりの生地がより軽やかになります。
卵を少量ずつ加えてなめらかに
溶き卵を、ほんの少しずつ、数回に分けて先ほどのボウルに加え、その都度泡立て器で丁寧に混ぜていきます。分離しないように、ゆっくりと混ぜ合わせるのがポイントです。卵を少しずつ加えることで、バターと卵がしっかりと結びつき、なめらかで均一な生地の土台が完成します。
隠し味を加える:クリームチーズとヨーグルト
柔らかくしておいたクリームチーズとヨーグルトを、(卵を加えた)ボウルに加え、ゴムベラで丁寧に混ぜ合わせます。ここからはゴムベラの出番です。クリームチーズとヨーグルトを加えることで、生地に奥深いコクとしっとりとした食感、そしてほのかな酸味が加わり、他では味わえない特別な風味を生み出します。
粉類とスパイスのブレンド
ステップ(6)で用意したボウルに、予めふるっておいた薄力粉とグラニュー糖を投入し、さらに、お好みのスパイスミックス(例えば、パンデピスミックスなど)を加えます。ゴムベラを使い、粉類を切り混ぜるようにして、均一な状態になるまで丁寧に混ぜ合わせます。混ぜすぎは禁物です。グルテンの生成を最小限に抑えることで、シュトーレン独特の、口の中でほどけるような食感を実現します。
生地の分割とフィリングの組み込み
手順(8)で仕上がった生地から、およそ4分の1量を別のボウルへ移します。この生地は、後ほどドライフルーツを包み込む役割を担う外側の生地として使用します。残りの4分の3の生地には、事前に水気を切ったドライフルーツと、計量済みのナッツ類(アーモンドやクルミなど)を投入し、生地全体に均等に散らばるように、優しく混ぜ合わせます。その後、別に取っておいた外側の生地(4分の1量)と、フィリングを混ぜ込んだ生地(4分の3量)を、最終的に作りたいシュトーレンの個数に応じて分割します(例:2個作りたい場合は2等分、4個作りたい場合は4等分)。この分割作業によって、焼き上がりのサイズが均一になり、見た目も美しく仕上がります。
生地の冷却(重要ポイント)
分割したプレーン生地とフィリング入り生地は、それぞれラップで包み、約15分間冷凍庫で冷やします。この冷却ステップは、その後の成形作業をスムーズに行うための非常に重要なポイントです。生地が冷えることで、格段に扱いやすくなり、べたつきを抑え、美しい形状を保ったまま成形作業を進めることができます。
成形:シュトーレンならではの美しいフォルムを作り出す
シュトーレンの独特な形状は、その伝統的な魅力の重要な要素です。冷凍庫でしっかりと冷やした生地を使用し、心を込めて成形していきます。
生地で優しく包み込む
まずはラップを広げ、寝かせておいたプレーンな生地(全体の約25%)を、均一な厚さで丸く広げます。次に、その中央に、風味豊かなドライフルーツなどを混ぜ込んだ生地(残りの75%を均等に分けたもの)を配置し、外側の生地で内側の生地を丁寧に包み込み、形を整えます。この工程は、焼き上がりの美しさを左右するだけでなく、ドライフルーツが過度に焦げるのを防ぐ役割も果たします。
特徴的な楕円形を作り出す
生地を包み終えたら、再びラップで挟み込み、軽く楕円形に伸ばします。そして、生地の中心を目安に、二つ折りにします。この独特の形こそが、シュトーレンならではの美しいシルエットを生み出す秘訣です。この成形作業を、シュトーレンを作る本数分(例:3本)繰り返しましょう。
オーブンで丁寧に焼き上げる
成形が終わったシュトーレンを、いよいよオーブンでじっくりと焼き上げます。適切な温度管理と焼き時間を守ることで、外側はカリッと香ばしく、内側はしっとりとした極上のシュトーレンが完成します。
オーブンの準備と焼き加減
オーブンシートを敷いた天板に、成形したシュトーレンを間隔を空けて並べます。オーブンを180℃に予熱し、同時に天板も温めておくことで、生地全体に均一に熱が伝わりやすくなります。予熱完了後、シュトーレンをオーブンに入れ、約50分を目安に焼き上げます。焼き色をこまめに確認し、焦げ付きそうであればアルミホイルを被せて調整してください。竹串を刺して生地が付いてこなければ、焼き上がりです。
仕上げ:バターと粉砂糖で包み込む
焼き上がったシュトーレンは、温かいうちに溶かしバターと粉砂糖で丁寧に覆います。この作業が、シュトーレン特有の風味を閉じ込め、日持ちを良くし、何よりも印象的な雪のような外観を作り出します。
バターと粉糖の丁寧な重ね塗り
焼き立ての温かいシュトーレンに、溶かしバターをハケでたっぷりと塗布します。バターが十分に染み込んだら、その上から粉砂糖をふんだんに振りかけます。この工程を2~3回繰り返すことで、シュトーレン全体にバターと粉砂糖の層がしっかりと作られ、しっとりとした口当たりと豊かな甘みが加わります。使用する粉砂糖は、一般的なもので問題ありません。
溶けにくい粉砂糖で仕上げの化粧
溶かしバターと粉砂糖の重ね塗りを終えたら、最後の仕上げとして、溶けにくいタイプの粉砂糖をたっぷりと振りかけます。この溶けにくい粉砂糖は、湿気に強く、美しい白色を長く保つことができるため、シュトーレンの見た目を長期間きれいに保てます。完全に冷えるまでそのまま置いておき、冷めた後もまだ覆われていない部分があれば、再度溶けにくい粉砂糖を振りかけると、より美しく仕上がります。
熟成と食べ頃:時間をかけて味わう醍醐味
シュトーレンは、焼き上がってすぐに食べても美味しいですが、数日から1週間程度寝かせることで、ドライフルーツやスパイスの香りが生地全体に馴染み、より奥深い味わいに変化します。
熟成方法
焼き上がったシュトーレンが完全に冷めたら、粉砂糖でしっかりとコーティングします。その後、ラップで丁寧に包み、さらにアルミホイルで包むか、密閉できる容器に入れて冷蔵庫で保存してください。1週間ほど熟成させることで、より風味豊かになります。熟成期間中は、日ごとに変化する風味を楽しみましょう。もちろん、焼き立てでも美味しくいただけますが、熟成させることで、より深みのある味わいになります。
食べ方
熟成させたシュトーレンは、薄くスライスして味わうのがおすすめです。日ごとに変わる風味を楽しみながら、クリスマスを心待ちにするのが、本場ドイツの伝統的な食べ方です。
失敗しない!シュトーレン作りの成功ポイントとコツ
シュトーレン作りを成功させるには、いくつかの重要なポイントがあります。これらのポイントを意識することで、見た目も美しく、風味豊かなシュトーレンを作ることができます。特に、生地の成形方法には、美味しさを左右する重要な要素が隠されています。また、丁寧な下準備やちょっとした工夫が、最終的な仕上がりに大きな影響を与えます。
成形方法の工夫と目的
シュトーレンの成形には様々な方法がありますが、ここでは、ドライフルーツなどをたっぷり練り込んだ生地を、プレーンな外側の生地で包む方法をご紹介します。この成形方法には、いくつかのメリットがあります。まず、焼き上げ時にレーズンなどのドライフルーツが表面に出て焦げるのを防ぎ、しっとりとした食感を保ちながら、フルーツの風味を最大限に引き出すことができます。また、焼き上がった後に溶かしバターや粉砂糖を塗る際、表面が均一にコーティングされやすく、見た目の美しさだけでなく、保存性を高めることにもつながります。外側の生地は薄くデリケートなため、丁寧に扱いましょう。パンマットやスケッパーなどを用いて、作業台から生地を剥がし、具入りの生地を優しく包み込むように成形するのがコツです。
生地を休ませるタイミング
シュトーレンの生地作りで、分割後に生地を約15分間冷凍庫で冷やすのは、その後の成形をスムーズにするための重要なコツです。冷やすことで生地が扱いやすくなり、べたつきを抑えながら綺麗に形作ることができます。特に、ドライフルーツなどの具材を多く含んだ生地は柔らかく、常温では扱いにくいことがあります。冷却することで、ストレスなく理想的な形に仕上げることが可能になります。
ドライフルーツの漬け込みと水切り
ドライフルーツをラム酒に漬け込む際は、ビニール袋を使うと便利です。少量でも全体にラム酒を均一に行き渡らせることができ、風味を無駄なく染み込ませることができます。漬け込み時間は最低でも一晩、できれば二晩置くことで、より深くラム酒の香りを吸わせ、しっとりとした風味豊かな仕上がりになります。漬け込み後、ザルでしっかりと水気を切り、キッチンペーパーで軽く拭き取ることが大切です。余分な水分が生地に移るのを防ぎ、生地のべたつきや、焼き上がりの食感を損ねるのを防ぎます。
シュトーレンを格上げする!至福の食べ方とペアリング
豊かなスパイスの香りが特徴のシュトーレンは、そのままでも十分に美味しいですが、相性の良い飲み物や添え物と組み合わせることで、さらにその魅力を引き立て、特別な時間を作り出すことができます。熟成によって日々変化するシュトーレンの風味を最大限に味わうためのおすすめの食べ方をご紹介します。
グリューワイン(ホットワイン)や温かい飲み物と共に
スパイスが効いた濃厚なシュトーレンには、本場ドイツのクリスマスでお馴染みのグリューワイン(ホットワイン)が良く合います。温めた赤ワインに、シナモン、アニス、レモンなどのスパイスや柑橘類を加えて、香りが立つまで温めます。お好みで蜂蜜を加えると、より飲みやすくなります。シュトーレンの複雑なスパイスの香りと、グリューワインの温かい香りが口の中で混ざり合い、体も心も温まるクリスマスの定番の組み合わせです。アルコールが苦手な方や、お子様と一緒に楽しむ場合は、お気に入りの温かい紅茶やコーヒー、ココアなどもおすすめです。シュトーレンの濃厚な風味と温かい飲み物の組み合わせが、クリスマスの寒さを和らげてくれるでしょう。
アイスクリームを添えて、温かいチャイと共に
シュトーレンに使われるスパイスは、意外にも乳製品と相性抜群です。そのため、冷たいアイスクリームを添えるのは、ぜひ試していただきたい食べ方の一つ。特におすすめはバニラアイスクリーム。シュトーレンの芳醇なスパイスの香りを引き立て、口の中で温かさと冷たさの絶妙なコントラストが生まれます。濃厚なシュトーレン生地と、なめらかなアイスクリームの組み合わせは、まさに至福の味わいです。さらに、スパイスを効かせたミルクたっぷりのチャイを合わせれば、エキゾチックな香りが広がり、贅沢なデザートタイムになること間違いなし。チャイのスパイシーさが、シュトーレンの風味をより一層引き立て、奥深い味わいを堪能させてくれるでしょう。
心躍るクリスマスのひとときを、スパイス香るシュトーレンと共に
今回は、ドイツの伝統的なクリスマス菓子、シュトーレンに欠かせないスパイスの魅力、その香りを最大限に引き出すための手作りレシピ、そして熟成を経たシュトーレンをさらに美味しく味わうためのヒントをご紹介しました。シュトーレンは単なるお菓子ではなく、クリスマスを心待ちにする特別な期間、「アドベント」を彩る大切な存在です。この時期にこそ、スパイスが豊かに香るシュトーレンを味わいながら、クリスマスの準備を進める時間は、私たち大人にとっても、子供の頃のようなワクワク感を思い出させてくれるはずです。
毎日少しずつ切り分けて食べるシュトーレンは、時間が経つにつれて風味が深まり、その変化を楽しむことができます。この日々の小さな喜びが、クリスマスへの期待感を高め、心を豊かにしてくれるでしょう。ドライフルーツの凝縮された甘さと、スパイシーで奥深い香りが織りなすハーモニーは、まさに大人向けのクリスマスにふさわしい味わいです。ぜひ今年は、この記事でご紹介したスパイスの知識や詳細なレシピを参考に、スパイスが贅沢に香り、具材たっぷりのシュトーレンを手作りして、アドベント期間を特別なものにしてみてはいかがでしょうか。手作りのシュトーレンが、心温まるクリスマスの思い出作りの一助となることを願っています。
シュトーレンとはどんなお菓子なのでしょうか?
シュトーレンは、バター、砂糖、ドライフルーツ、ナッツなどをふんだんに使用したドイツの伝統的な焼き菓子です。クリスマスまでの準備期間である「アドベント」に、少しずつスライスして食べる習慣があり、熟成が進むにつれて風味が変化していくのが特徴です。その形は、おくるみに包まれた幼子イエス・キリストを象徴しているとも言われています。
シュトーレンはいつ食べるのが一般的ですか?
ドイツでは、クリスマス前の4週間を指す「アドベント」の期間に、毎日少しずつスライスして食べるのが伝統的な習慣です。焼き立てをすぐに食べるのも美味しいですが、作ってから数日~1週間程度、冷蔵庫で寝かせることで、スパイスやドライフルーツの香りが生地全体に馴染み、より一層深みのある味わいを楽しむことができます。
シュトーレンにはどんなスパイスが使われますか?
シュトーレンには、主にシナモン、ナツメグ、カルダモン、クローブなどのスパイスが用いられます。シナモンは甘美で温かみのある香り、ナツメグはほのかな甘さと刺激的な風味、カルダモンは爽やかで清涼感のある香り、そしてクローブは甘く濃厚な香りをそれぞれシュトーレンに与えます。これらのスパイスが合わさることで、奥深い独特の風味が生まれます。その他、バニラ、ジンジャー、アニス、オールスパイスなども使われることがあります。
シュトーレンにおすすめのスパイスミックスはありますか?
各種スパイスを個別に用意する手間を省きたい場合は、「パンデピス」のようなスパイスミックスを利用するのが便利です。パンデピスは、シナモン、カルダモン、ナツメグ、スターアニス、ショウガ、クローブなど、複数のスパイスがバランス良く配合されており、本格的な風味を手軽にシュトーレンに加えることができます。
シュトーレンを美味しく食べる方法はありますか?
シュトーレンは薄くスライスして、本場ドイツのようにシナモンやアニス、レモンなどを加えた温かいグリューワイン(ホットワイン)や、お好みの紅茶やコーヒーと共に味わうのがおすすめです。また、冷たいバニラアイスクリームを添え、ミルクをたっぷり加えたスパイスチャイと一緒に味わうことで、エキゾチックな香りのハーモニーと温度のコントラストが楽しめる、贅沢なデザートとしても堪能できます。
シュトーレンを作る際、フィリングはどのくらい前に準備すべきですか?
ドライフルーツなどのフィリングは、生地を仕込む10日以上前(それよりもっと前からでも構いません)にラム酒などに漬けて準備しておくのが理想的です。特にラム酒に漬け込んだドライフルーツは、一晩から二晩ほど漬け込むことで風味が十分に染み込み、生地にしっとりとした深い味わいをもたらします。漬け込み後は、しっかりと水気を切ることが重要です。
シュトーレン生地作りの秘訣は?
シュトーレン作りで特に大切なのは、生地を丁寧に仕込むことです。まず、室温に戻したバターと砂糖を、滑らかでふんわりとしたクリーム状になるまで混ぜ合わせます。そこに卵を少量ずつ加え、分離しないよう丁寧に混ぜて乳化させましょう。次に、あらかじめ混ぜておいた薄力粉とスパイスを加え、混ぜすぎないように注意しながら、切るようにさっくりと混ぜ合わせます。生地を冷蔵庫で少し休ませることで、成形がぐっと楽になります。また、ドライフルーツなどを混ぜ込んだ生地を、プレーンな生地で包むように成形すると、焼き色がきれいに仕上がり、焦げ付きも防げます。