スポンジケーキ型徹底ガイド:最適な型の選び方と型なしで作る裏技
ふんわりとした食感が魅力のスポンジケーキ。その出来栄えを大きく左右するのが、実は「型」選びなんです。素材、形状、サイズ…様々な種類があるスポンジケーキ型の中から、理想のケーキを焼き上げるための最適な型を見つけ出すのは至難の業。でも大丈夫!この記事では、素材ごとの特徴から、焼き上がりの違い、お手入れのコツまで、プロの視点から徹底的に解説します。さらに、型がない時の裏技もご紹介。あなたも今日から、最高のスポンジケーキを焼き上げましょう!

ケーキ型選びの重要性と基本

美味しいケーキを作る上で、ケーキ型の選択は非常に大切です。型の材質や形状によって、ケーキの焼き上がり具合や見た目、お手入れのしやすさが大きく変わってくるからです。この記事では、用途に合ったケーキ型を見つけるために、素材、種類、サイズの選び方、そしてお手入れ方法について詳しく解説します。ケーキ作りをさらに楽しむための情報が満載です。

ケーキ型に使われる主な素材と特徴

ケーキ型には様々な素材が使われており、それぞれ異なる特性を持っています。最適な素材を選ぶことで、理想のケーキ作りに近づけます。ここでは、代表的な素材の特徴と、お手入れ方法を詳しくご紹介します。

ステンレス製(セルクルリング)

ステンレス製の型は、錆びにくく、酸にも強いのが特徴です。衛生的で扱いやすく、お手入れも簡単です。熱伝導率はあまり高くないため、ゼリーやムースなどの冷たいお菓子を作るのに適しています。オーブンで焼き菓子を作る際は、生地が型にくっつきやすいので、クッキングシートなどを敷いて使うのがおすすめです。

ブリキ製

ブリキ製の型は、熱伝導率に優れており、ケーキ全体に均一に熱が伝わるため、焼き色が綺麗に仕上がります。焼き菓子を作るのに最適で、比較的安価に入手できるのも魅力です。ただし、水分に弱く錆びやすいというデメリットがあるため、使用後はしっかりと水気を拭き取り、湿気の少ない場所で保管するようにしましょう。

アルミ製

アルミニウム製のケーキ型は、その優れた熱伝導率により、均一な焼き上がりをサポートします。焼き加減の微調整が容易な点もメリットです。また、錆びにくく焦げ付きにくい性質を持ち、軽くて扱いやすく、お手入れも簡単です。ただし、衝撃には弱いため、取り扱いには注意が必要です。フッ素樹脂加工(テフロン加工など)が施された製品は、さらに焦げ付き防止効果が高まりますが、金属製のタワシなどで強くこすると、表面加工が剥がれる可能性があるため、注意が必要です。

シリコン製

シリコン製のケーキ型は、電子レンジとオーブンの両方に対応できる点が大きな魅力です。焼き菓子はもちろん、チョコレートや冷菓など、幅広い用途で活躍します。柔軟性があるため、焼き上がったケーキを型から取り出しやすく、汚れも簡単に落とせるため、お手入れも非常に楽です。

アルタイト(アルスター)製

アルタイト(またはアルスター)製のケーキ型は、鉄にアルミニウムメッキを施した素材で作られており、高い熱伝導率、優れた型離れ、そして耐久性を兼ね備えています。しかし、鉄を素材としているため、適切なお手入れを怠ると錆が発生する可能性があります。また、他の素材に比べてやや重いという点も考慮する必要があります。

耐熱ガラス製

耐熱ガラス製のケーキ型は、加熱調理だけでなく、冷却にも対応できる汎用性の高いアイテムです。透明な素材であるため、調理中にケーキの状態を外から確認できるのが大きな利点です。ただし、金属製の型と比較すると、熱伝導率はやや劣ります。

ケーキ型の種類と選び方のポイント

ケーキ作りで使用する型は、多種多様。理想のケーキを作るためには、ケーキの種類に合った型選びが重要です。ここでは、代表的なケーキ型について、それぞれの特徴と選び方のポイントを解説します。

パウンドケーキ型の特徴と選び方

パウンドケーキ型は、長方形の形状が特徴で、パウンドケーキ作りに欠かせません。名前の由来は、材料である砂糖、小麦粉、卵をそれぞれ1ポンドずつ使用することからきています。熱伝導の良いブリキ製が適しており、パウンドケーキのほか、カステラやパン作りにも活用できます。

スポンジケーキ型の特徴と選び方

スポンジケーキ型は、デコレーションケーキのベースとなるスポンジ生地を焼く際に使用します。美しい焼き色に仕上げたい場合は、ブリキ製やアルミ製がおすすめです。スポンジケーキだけでなく、チーズケーキなど、幅広い種類のケーキや焼き菓子作りにも応用できます。

シフォンケーキ型の特徴と選び方

シフォンケーキ型は、中央に穴が開いた形状で、ふんわりとした食感のシフォンケーキを焼くのに最適です。熱伝導率が高く、表面加工が施されていないアルミ製が推奨されます。生地が型にしっかりと密着することで、焼き上がりの縮みを防ぐ効果があります。

マドレーヌ型

マドレーヌ型は、ホタテ貝やハート形など、デザインが豊富で、色々な種類の小さめの焼き菓子作りに重宝します。サクサクに焼き上げたいなら金属製やブリキ製、手軽にお手入れしたいならシリコン製を選ぶと良いでしょう。

タルト型

タルト型は、円形が一般的で、他の型と比べて浅い形状が特徴です。底が取れるタイプが使いやすいでしょう。タルト以外にも、キッシュやパイ作りにも活用できます。

ケーキ型のサイズの選び方

ケーキ型選びでは、サイズも大切なポイントです。作りたいケーキの大きさに合わせて、適切なサイズを選びましょう。ケーキ型のサイズは「号」で示され、1号はおよそ3cmに相当します。ケーキ型のサイズと、おおよその対応人数は以下の通りです。

  • 3号:直径9cm(約1~2人向け)
  • 4号:直径12cm(約2~4人向け)
  • 5号:直径15cm(約4~6人向け)
  • 6号:直径18cm(約6~8人向け)
  • 7号:直径21cm(約8~10人向け)
  • 8号:直径24cm(約10~12人向け)

レシピと異なるサイズのケーキ型を使う場合の計算方法

レシピに記載されているサイズと違うケーキ型を使う際は、材料の量を調整する必要があります。ここでは、その計算方法を解説します。スポンジケーキの場合、型の高さは大きく変わらないことが多いため、半径の2乗の比率で計算するのがおすすめです。
例えば、5号(直径15cm)のレシピを、6号(直径18cm)の型で焼くケースを考えてみましょう。
(1) 7.5cm × 7.5cm × 3.14 : 9cm × 9cm × 3.14
(2) 7.5cm × 7.5cm : 9cm × 9cm
(3) 56.25 : 81
81 ÷ 56.25 = 1.44
つまり、5号サイズから6号サイズに変える時は、材料を1.44倍にするのが適切です。同じように計算すれば、異なるサイズの型でも、ちょうど良い分量を割り出すことができます。
以下に、一般的なサイズの変換倍率の目安を示します。
  • 5号(15cm)のレシピを4号(12cm)の型で焼く場合:材料×約0.64倍
  • 5号(15cm)のレシピを6号(18cm)の型で焼く場合:材料×約1.44倍
  • 6号(18cm)のレシピを4号(12cm)の型で焼く場合:材料×約0.44倍
  • 6号(18cm)のレシピを5号(15cm)の型で焼く場合:材料×約0.7倍

ケーキ型のメンテナンス方法

お気に入りのケーキ型を長く愛用するためには、適切なメンテナンスが欠かせません。使用する前、使用している間、使用した後で、それぞれお手入れ方法が異なります。ここでは、基本的なお手入れ方法と、錆を防ぐためのポイントを解説します。

基本的なメンテナンス方法

(使用前)食器用洗剤を付けたやわらかいスポンジで丁寧に洗い、水分を完全に拭き取ってください。初めて型を使用する際は、素材によってはシーズニング(空焼き)が必要な場合がありますので、事前に確認しましょう。シーズニングとは、オーブンで型のみを焼くことで、耐久性の向上や、油なじみを良くする効果があります。
(使用時)分量外のバターやショートニングをケーキ型に薄く塗り、その上から薄力粉を軽くはたいてから生地を流し込みます。こうすることで、焼き上がったケーキを型からきれいに取り出すことができます。シリコン製の型など、材質によっては油を塗る必要がないものもあります。
(使用後)食器用洗剤を付けたやわらかいスポンジで優しく洗い、水分を残さないようにしっかりと拭き取ります。洗い終わったら、完全に乾燥させてから保管しましょう。

錆を防ぐためのポイント

ケーキ型に錆が発生してしまうと、せっかくのケーキ作りも台無しです。錆を防ぐために、以下の点に注意しましょう。
  • ケーキ型を洗った後は、水分が残らないように丁寧に拭き取ることが重要です。
  • 予熱後のオーブンの余熱を利用して乾燥させ、水分を蒸発させます。
  • 長期間保管する際は、オーブンで乾燥させた後、キッチンペーパーなどで食用油(植物油)を薄く塗って保護します(油を塗らずに保管すると、空気中の湿気によって錆びてしまうことがあります)。
その後、乾燥剤と共にビニール袋などに入れて密封して保存すると、より効果的です。

まとめ

ケーキ作りは、用途に合わせた適切な型の選択と、丁寧なメンテナンスによって、より一層楽しく、そして美味しくなります。この記事で紹介した情報を参考に、素材、種類、サイズを考慮し、理想のケーキ型を選んで、さらにレベルの高いケーキ作りに挑戦してみてください。毎日のお手入れをしっかりと行い、お気に入りのケーキ型を長く大切に使いましょう。

ケーキ型、素材別おすすめは?

「これが一番!」という素材はありません。どんなケーキを作りたいか、何を重視するか(お手入れの楽さ、焼き上がりの色など)でベストな素材は変わります。例えば、焼き色をきれいにしたいなら金属製、お手入れが簡単な方が良いならシリコン製が良いでしょう。

ケーキ型、使い始めに空焼きは必要?

素材によって異なります。鉄やアルタイトなどの錆びやすい素材は、空焼きで長持ちさせ、油なじみを良くします。シリコンやステンレスなら空焼きは不要です。買ったケーキ型の説明書をしっかり確認しましょう。

レシピと違うサイズの型を使う時の材料の調整方法は?

型の大きさが変われば、材料の量も変える必要があります。特に、スポンジケーキのように高さがあまり変わらないケーキは、型の半径の二乗比で計算するのがおすすめです。例えば、5号(直径15cm)のレシピを6号(直径18cm)の型で焼く場合、材料は約1.44倍にすると良いでしょう。
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