夏の和菓子 とい えば

暑い夏、ひんやりとしたスイーツはまさに至福のひととき。今回は、日本の伝統と西洋の洗練が織りなす、夏におすすめのお菓子を厳選しました。涼やかな見た目と味わいで、心身ともにクールダウンできる和洋のお菓子たち。老舗の和菓子屋が作る繊細な水羊羹やあんみつなど、バラエティ豊かなラインナップでお届けします。今年の夏は、極上のお菓子とともに、涼やかな時間をお過ごしください。

1)水羊羹

水羊羹は、その名の通り水分を多く含み、羊羹とは異なる、みずみずしい口当たりが魅力です。冷やすことで、その美味しさが際立ちます。みずみずしくツルッとしたのどごしの良さから、とくに夏の風物詩として親しまれています。あっさりとした味わいは小さなお子様からご年配の方まで幅広く愛されており、お中元や手土産としても人気が高いお菓子の一つです。

2)葛まんじゅう

涼しげな印象を与える「葛まんじゅう」は、つるりとした葛の生地で上品な甘さの餡を包んだ、素朴な和菓子です。その滑らかな舌触りと、甘さを抑えた味わいは、暑い季節にもさっぱりと美味しくいただけます。もりもとでは、夏季限定でご用意しております。お召し上がりになる前に冷やすことで、より一層、清涼感あふれる喉ごしをご堪能いただけます。

3)若鮎

「若鮎」は、鮎の姿を模したカステラ生地で、やわらかな求肥を包んだ和菓子です。岐阜や京都の名産品として有名ですが、夏になると全国各地の和菓子店でお目にかかることができます。夏の短い期間のみ漁が許される鮎は、夏の訪れを告げる風物詩であり、俳句の世界では夏の季語としても親しまれています。

4)水無月

京都では、毎年6月30日に、半年間の罪や穢れを清め、残りの半年の健康を祈る「夏越の祓」という神事が執り行われます。この行事に欠かせないのが「水無月」という和菓子です。貴重だった氷を模した三角形のういろうに、魔除けの意味を持つ小豆を添えた水無月には、暑い夏を無事に過ごしたいという昔の人々の願いが込められています。

5)くずきり

夏の涼を呼ぶ和の甘味、「くずきり」。その冷たい舌触りと、黒蜜ときなこの濃厚な甘さが絶妙に調和します。見た目はところてんに似ていますが、原料は異なり、ところてんが海藻由来であるのに対し、くずきりは葛という植物から作られています。もっちりとした食感ながらも、喉ごしが良く、食欲不振になりがちな夏でも美味しくいただける逸品です。

6)あんみつ

夏の涼を呼ぶ和スイーツといえば、つるりとした白玉や寒天に、甘い蜜とあんこを添えた「あんみつ」。色とりどりのフルーツが宝石のように輝き、見た目も華やかです。ちなみに、あんこ抜きのものは「みつ豆」と呼ばれています。

7)上生菓子

繊細な技巧が光る「上生菓子」は、季節の風情を映し出す芸術品です。夏には、紫陽花や向日葵を象った練り切り、涼しげな水遊びや金魚鉢を表現した錦玉羹など、多彩な意匠が楽しめます。店や職人によって異なる個性が際立つ上生菓子は、夏の趣を豊かに演出してくれるでしょう。

冷やして味わう

常温保存可能なゼリーや水羊羹も、冷蔵庫で冷やすことで、より一層の清涼感が楽しめます。また、冷凍庫で凍らせれば、シャーベットやアイスのような新しいデザートとして楽しむことも可能です。水まんじゅう、葛まんじゅう、わらび餅なども冷やしていただくのが最適です。

旬の果物をあしらう

夏は、味も見た目も素晴らしいフルーツが豊富になる時期です。例えば、スイカ、さくらんぼ、マンゴーといった彩り豊かな果物を和菓子に添えれば、夏の雰囲気がさらに際立ちます。これらの鮮やかな色合いと芳醇な味わいが、夏の時間をいっそう特別なものへと変えてくれるでしょう。

見た目にも工夫を凝らして

夏の趣を感じさせる和菓子は、その盛り付けや器にもこだわってみましょう。清涼感を醸し出すガラスの器や、木のぬくもりを感じるボードなど、様々な選択肢があります。心惹かれる盛り付けで季節を表現すれば、いつものお茶の時間が、さらに特別なひとときとなるでしょう。

夏の和菓子で「涼」を味わう

夏の和菓子は、古くからの製法と涼やかな味わいが魅力です。その冷たさや食感に加え、見た目の美しさや季節感あふれる意匠も楽しめます。旬の果物を添えるなど、少し手を加えることで、夏の特別なひとときを演出することもできるでしょう。今年の夏は、和菓子とともに、夏の訪れを心ゆくまで感じてみてはいかがでしょうか。

夏の和菓子