種まき 春 野菜
春の陽気に誘われて、家庭菜園を始める絶好のチャンス!土に触れ、種をまく喜びは、日々の生活に潤いを与えてくれます。この記事では、春に家庭菜園で育てるのにおすすめの野菜と、成功するための秘訣を徹底解説。初心者でも安心して始められるよう、品種選びから育て方、注意点までを丁寧に紹介します。さあ、あなたも自家製野菜で食卓を彩りませんか?
春に植える野菜:初心者向け、春まき・春植え野菜の育て方と栽培のコツ
春の到来とともに、家庭菜園のベストシーズンが始まります。園芸店には多彩な苗や種が並び、葉物、果菜、根菜、豆類まで幅広い選択肢が揃います。春まき・春植え野菜は、生育が早く短期間で収穫できるものも多く、初心者にも取り組みやすいのが魅力です。暖かな日差しの中で育つ野菜は、味わいも格別。この記事では、トマト、ナス、ピーマン、キュウリ、枝豆、ニンジン、ネギ、カボチャ、ズッキーニ、オクラ、スイカ、メロンの12種類を取り上げ、それぞれのおすすめ品種や育て方、注意点を解説します。前半では春の家庭菜園全般に共通するポイントや管理のコツを、後半では具体的な野菜ごとの栽培方法をご紹介。春の心地よい気候を感じながら、自宅での野菜づくりを存分に楽しみましょう。
春の家庭菜園に植える野菜のメリット
春は家庭菜園を始める絶好の機会です。なぜなら、春には様々な種類の野菜の苗や種が豊富に出回り、選択肢が広がるからです。春まき・春植え野菜の多くは、栽培が比較的容易で、初心者にもおすすめです。葉物野菜、実を食べる果菜類、地中で育つ根菜類、そして豆類など、栽培できる野菜の種類が豊富で、食卓を豊かに彩ることができます。さらに、多くの春まき・春植え野菜は生育が早く、種まきや植え付けから収穫までの期間が短いという利点があります。そのため、短期間で成果を実感でき、忙しい方でも手軽に家庭菜園を楽しめます。
春の家庭菜園:栽培のコツと注意点
春は野菜がぐんぐん成長する季節ですが、家庭菜園を成功させるためには、いくつかの重要なポイントがあります。特に、気温の変化、病害虫、雑草対策は、収穫量や品質に大きく影響するため、適切な管理が不可欠です。家庭菜園を成功させるために、以下の点に注意して栽培に取り組みましょう。
1.適期栽培と遅霜対策
春まき・春植え野菜には、寒さに強いものと暖かくなってから育てるものがあり、それぞれに適した種まきや植え付けの時期があります。春は気候が安定しやすい反面、急な気温低下が起こることもあり、特に夏野菜の苗は寒さや霜に弱いため注意が必要です。4月上旬までは霜の可能性があるため、夜間には寒冷紗や不織布、ビニールトンネルで覆うと効果的です。耐寒性のある品種を選ぶことや、マルチング・敷きわら・カップでの保温も有効です。鳥害や害虫対策も兼ねたトンネルがけも役立ちます。霜の発生頻度は地域によって異なり、都市部では不要な場合もありますが、山間部や盆地では特に注意が必要です。地域の気候特性と生育適期を考慮し、適切な管理を行うことが家庭菜園成功の鍵となります。
2.トウ立ちを防ぎ、おいしさを逃さない早期収穫
春にまく葉物野菜は短期間で収穫でき、初心者にも育てやすいですが、春から初夏にかけては「トウ立ち」に注意が必要です。これは植物が繁殖期に入り、花を咲かせるために茎を伸ばす現象で、始まると葉は硬くなり風味も落ちます。特にホウレンソウや小松菜、大根などは発生しやすく、長い茎が伸び始めたらすぐに分かります。春にまくホウレンソウ、春菊、サラダ菜などは、トウ立ち前の早め収穫が大切です。遅れると品質が低下します。近年はトウ立ちしにくい品種もあり、選ぶことでリスクを減らせます。また、街灯の光も発生を促す要因となるため、栽培場所は光の影響を避けるのが理想です。もし避けられない場合は、通常より早めに収穫するなどの工夫が効果的です。
3.病害虫と雑草、徹底的な対策で野菜を守る
春は野菜だけでなく、雑草も勢いよく成長する季節です。家庭菜園で野菜を健康に育てるためには、雑草と病害虫の対策が欠かせません。春の畑でよく見られる害虫としては、アブラムシ、カメムシ、ヨトウムシ、アザミウマ、アオムシなどが挙げられます。これらの害虫は、風通しが悪く、葉が密集した場所を好みます。また、土壌が湿っていたり、栄養バランスが偏っていたりすると、野菜が弱って害虫が発生しやすくなります。野菜の苗の周りに雑草が生い茂ると、雑草が野菜の栄養を奪い、風通しや日当たりを悪くします。その結果、株元の湿度が高まり、病原菌が繁殖しやすくなり、病害虫が発生するリスクが高まります。さらに、雑草がウイルスや細菌を媒介することもあるため、病害虫の感染源となる可能性もあります。春はアブラムシやカメムシなどの害虫が活発になるため、特に注意が必要です。
4.コンパニオンプランツで相乗効果を
コンパニオンプランツとは、異なる種類の植物を一緒に植えることで、互いの成長を助け合う効果がある植物のことです。コンパニオンプランツを活用することで、限られたスペースでも効率的に様々な作物を育てることができます。特に、プランターを使った家庭菜園では、その効果を実感しやすいでしょう。コンパニオンプランツは、互いに良い影響を与え合い、害虫や病気から守る効果も期待できます。これらの相乗効果によって、野菜はより健康に育ち、食味も向上すると言われています。コンパニオンプランツを上手に活用することで、家庭菜園の収穫量と品質を同時に向上させることが可能です。
5.接ぎ木苗で安心スタート
トマト、ナス、ピーマンなどの代表的な夏野菜は、接ぎ木苗を使用するのがおすすめです。これらの野菜はナス科に属しており、連作障害を起こしやすいという共通点があります。昨年トマトを栽培した畑で今年はナスを栽培しても、同じナス科であるため、連作障害が発生する可能性があります。接ぎ木苗は、病気に強い品種の根に、美味しい実をつける品種を接ぎ木した苗です。そのため、病気への抵抗力が高く、栽培の失敗を減らすことができます。
春に種をまく野菜:収穫までの期間
春に種をまいたり、苗を植えたりする野菜は多種多様で、収穫までの期間もそれぞれ異なります。種まきからわずか1ヶ月ほどで収穫できるものもあれば、3ヶ月以上の時間を要するものも存在します。例えば、ラディッシュはおよそ1ヶ月で収穫できますが、ナスやトマトといった果菜類は収穫までに2~3ヶ月程度必要です。さらに、サツマイモの場合は3~4ヶ月ほどの期間を見ておく必要があります。このように、それぞれの野菜の特性を考慮して栽培計画を立てることで、夏から秋にかけて色々な種類の野菜を食卓に並べることが可能になります。
春まき・春植え野菜:初心者向け品種と育て方
ここでは、春の家庭菜園に最適な野菜を、種まき時期の早いものから順に、栽培方法と併せてご紹介していきます。家庭菜園初心者でも比較的育てやすい品種を中心に、それぞれの野菜の特徴や栽培のコツを詳しく解説します。ただし、野菜の栽培適期は地域や品種によって変動するため、以下の情報はあくまで目安として参考にしてください。
ほうれん草(種まき時期:2~4月)【栽培期間:種まきから約40日で収穫】
ほうれん草は春まきの代表的な葉物野菜で、栄養価が高く、プランターでも育てやすいため初心者にも人気です。本来の旬は冬ですが、3〜4月にまくと病害虫が少なく、育成しやすい環境になります。高温に弱いため、種まきは4月中旬までに済ませるのが理想です。種まきからおよそ40日で収穫でき、日当たりの良い肥沃な土を用い、土が乾いたらたっぷりと水を与えますが、過湿は避けましょう。成長途中では2〜3回の間引きを行い、株間を確保することで健やかな生育を促します。間引いた若葉も新鮮で風味が良く、食用に適します。花芽が上がると葉が硬くなり味が落ちるため、柔らかいうちの早め収穫がポイントです。家庭で育てたほうれん草はやわらかく、サラダやおひたしなど多彩な料理に活用できます。
小松菜(種まき時期:2~5月)【栽培期間:種まきから約30日で収穫】
小松菜は、真冬の厳しい寒さを避ければ、ほぼ一年を通して栽培できる、非常に育てやすい野菜です。春に種をまく場合は、2月下旬以降を目安に種まきを始めると、およそ1ヶ月という短い期間で収穫時期を迎えます。生育スピードが非常に速いため、家庭菜園初心者の方でも手軽に栽培を楽しむことができます。プランターでの栽培にも適しています。ただし、気温が高くなる時期に栽培すると、アブラムシなどの害虫が発生しやすくなる傾向があるため、適切な時期に種をまき、害虫対策をしっかりと行うことが重要です。生育が早い分、収穫のタイミングを逃さないように注意しましょう。
ダイコン(種まき時期:2月~4月)【栽培期間:種まき後、およそ2ヶ月で収穫】
ダイコンといえば冬野菜のイメージが強いかもしれませんが、春に種をまくことで、夏の訪れを前に収穫の喜びを味わえます。種を選ぶ際は、「春まき用」と「秋まき用」があるので、間違えないように注意しましょう。ダイコン栽培で大切なのは、収穫時期を逃さないこと。遅れてしまうと、根の中心に「す」が入ったり、繊維が硬くなり風味が落ちてしまうことがあります。およそ2ヶ月という比較的短い期間で収穫できるため、家庭菜園の計画も立てやすいのが魅力です。
カブ(種まき時期:2月~4月)【栽培期間:種まきから約40日程度で収穫】
カブは春と秋のどちらでも栽培できますが、生育に適した温度は20~25℃と、比較的温暖な気候です。春に種をまく場合は、気温が上がりきる前に種まきを済ませ、暑さで根が傷んだり、花が咲いて硬くなる(トウ立ち)前に収穫することを意識しましょう。特に小カブは、プランターでも気軽に栽培でき、種まきから約40日ほどで収穫できるため、初心者の方にもおすすめです。やわらかく甘みのあるカブは、様々な料理で活躍する人気の野菜です。
アスパラガス(植え付け時期:3月~4月)【栽培期間:種から育てる場合は3年目の春に収穫(根株からは2年目から)】
アスパラガスは種から育てると収穫までに約3年かかりますが、一度植えると10年ほど毎年収穫できる多年草です。春には園芸店で数年育てられた根株が販売されており、これを利用すれば2年目から収穫が可能です。種まきは春に行い、初夏に植え付けるのが一般的ですが、根株から始めれば手軽に栽培を始められます。根に水分を蓄える性質があるため、常に湿った状態は避け、やや乾燥気味に育てるのが適しています。水やりは土の表面が乾いてからたっぷり行い、過湿を防ぐことが長期的な収穫につながります。
ルッコラ(種まき時期:3月~5月)【栽培期間:種まきからおよそ40日で収穫】
ルッコラは、ピリッとした辛みとゴマのような香りが特徴的な、風味豊かな野菜です。ハーブの一種でもあり、丈夫で育てやすいのが特徴です。春に種をまく場合、3月から6月が適期です。この時期よりも早く種をまいたり、遅すぎたりすると、生育が悪くなったり、枯れてしまうこともあるので、適期を守ることが大切です。種まきから約40日という短期間で収穫できるため、家庭菜園にも取り入れやすく、サラダや料理のアクセントとして楽しめます。
春に種まきできる野菜:ニンジン【栽培期間:種まきから収穫まで約3ヶ月】
ニンジンの魅力は、その栄養価の高さ。β-カロテンやビタミン、食物繊維が豊富で、健康維持に役立ちます。一般的には一年を通して手に入りますが、家庭菜園では春または秋に種をまき、収穫の喜びを味わえます。特に春まき栽培では、夏に採れたての新鮮なニンジンを食卓へ。また、普段は捨ててしまう葉も、美味しく食べられるのが家庭菜園ならではのメリットです。発芽がやや難しいとされるニンジンですが、種を多めにまくことで成功率を高めることができます。
ネギ(葉ネギ・根深ネギ)(種まき時期:3~5月)【栽培期間:種まきから約2ヶ月で収穫(葉ネギの場合)】
ネギはユリ科の野菜で、中国原産とされ、日本の食文化にも深く根付いています。独特の風味と辛味があり、消化促進や整腸作用などの効果も期待できます。種類は大きく根深ネギ(白ネギ)と葉ネギに分かれ、栄養価は葉ネギの方が高いとされます。根深ネギは春と秋に種まきできますが、葉ネギは発芽適温の幅が広く、真夏を避ければほぼ一年中栽培可能です。春まきでは夏の高温や害虫のピークを避けて収穫できるため、初心者にも育てやすいでしょう。生育適温は約20℃で、30℃を超えると成長が鈍ります。寒さには比較的強く-8℃程度まで耐えられますが、多湿には弱いため、水はけの良い環境での栽培が重要です。ここでは、関東地方における根深ネギの栽培方法を中心に解説します。
ラディッシュ(種まき時期:3月中旬~5月上旬)
春に種をまく野菜の中でも、ラディッシュは特に栽培が容易な部類に入ります。種まきからおよそ1ヶ月で収穫期を迎えるため、家庭菜園初心者の方でも比較的すぐに成果を実感できるでしょう。栽培場所は日当たりと水はけが良い場所を選び、3月中旬から5月上旬を目安に種をまきましょう。土壌が乾燥しないように水やりを心掛け、適切な間引きを行うことで、丸く美味しいラディッシュが育ちます。プランターでの栽培にも適しており、病害虫にも比較的強いため、初めての家庭菜園に挑戦する方にもおすすめの野菜です。
シュンギク(種まき時期:3~5月)
シュンギクは比較的寒さに強い性質を持つため、春の家庭菜園では早めの時期に種まきするのがおすすめです。ただし、気温の上昇とともに日照時間も長くなる春は、他の葉物野菜と同様にシュンギクも花芽をつけやすくなります。近年では、花芽がつきにくいように改良された品種も販売されているので、春に栽培する場合はこれらの品種を選ぶとより育てやすくなるでしょう。シュンギク栽培で特に重要なのが、適切な間引きです。生育中に2回程度、株間が十分に広がるように間引きを行うことで、風通しが良くなり、病害虫の予防にもつながります。適切な間引きを行うことで、栄養豊富で風味豊かなシュンギクを収穫し、その独特の香りと味覚を存分に楽しむことができます。
レタス(リーフレタス含む)(種まき時期:3~5月)
レタス(リーフレタス含む)は春から初夏に育てやすく、プランターや室内のキッチンガーデンでも手軽に栽培できます。種まき適期は3月中旬〜5月上旬で、約2ヶ月で収穫可能です。日当たりが良く水はけの良い土壌を選び、水分を好むため土が乾かないようこまめに水やりしましょう。リーフレタスは赤色や緑色、フリル状など多彩な品種があり、苗から育てれば彩り豊かな食卓を演出できます。防虫ネットを使うと害虫被害を防ぎやすく、外葉から必要な分だけ収穫すれば長期間楽しめます。ただし日照時間が長くなると花芽がつきやすく、葉が硬くなるため、花芽が見え始める前に株ごと収穫するのが美味しさを保つコツです。家庭菜園ならではの新鮮で柔らかなレタスは、サラダや付け合わせにぴったりです。
トマト(ミニトマト)(植え付け適期:4月下旬~5月上旬)【栽培期間:苗の植え付けからおよそ2~3ヶ月で収穫】
トマトは南米原産のナス科野菜で、ビタミンC、カロテン、そしてリコピンなど、健康に良いとされる成分が豊富に含まれています。大玉、中玉、小玉、ミニトマトとサイズや色のバリエーションも豊かで、育てやすさから家庭菜園で非常に人気のある野菜の一つです。春に家庭菜園に植え、夏に収穫する色鮮やかなトマトは、種まきを3月から4月にかけて行いますが、育苗に自信がない初心者の方には、4月~5月頃に園芸店やホームセンターで販売されている苗を購入して栽培を始めることをおすすめします。
ナス(植え付け時期:4月下旬~5月上旬)【栽培期間:苗の植え付けからおよそ2~3ヶ月で収穫】
夏野菜の代表格とも言えるナスは、インド東部を原産とするナス科の植物です。栽培に成功すれば、初夏から秋にかけて長期間にわたり収穫を楽しめます。一般的な紫色のナスだけでなく、白い品種や丸い賀茂ナスなど、様々な色、形、食感のナスがあり、家庭菜園ならではのバラエティ豊かなナスを味わうことができます。
ピーマン(植え付け時期:5月~6月)
ピーマンは、熱帯アメリカが原産のナス科の野菜です。実はトウガラシの仲間であり、カロテンやビタミンCが豊富で、健康に良い影響を与えます。原産地が温暖な地域であるため、日本の暑い夏でも丈夫に育ちますが、栽培はやや難しいとされています。
キュウリ(植え付け適期:5月~6月)
キュウリはインド北西部が原産のウリ科の野菜で、そのほとんどが水分で構成されています。夏を代表する野菜の一つであり、収穫期には次々と実をつけ、急速に大きくなります。収穫せずに放置すると株が弱ってしまうため、こまめに収穫することが大切です。
ズッキーニ(種まき時期:4月~5月)
ズッキーニは、南米を原産とするウリ科の野菜です。果実がまだ若いうちに収穫して食用とするのが特徴で、加熱調理に適しています。イタリア料理では定番の食材で、油との相性が抜群。輪切りにして肉と一緒に炒めたり、天ぷらや煮物、スープなど、さまざまな料理に活用できます。ビタミンやカロテンを豊富に含み、低カロリーである点も魅力です。温暖で乾燥した気候を好みますが、夏の暑さにはやや弱い性質があります。比較的丈夫で育てやすいため、家庭菜園にもおすすめです。土質はあまり選びませんが、水はけの良い畑で栽培すると良く育ちます。
オクラ(種まき時期:4~5月)【栽培期間:種まきから収穫まで約2ヶ月(約40日)】
オクラは東北アフリカ原産のアオイ科野菜で、刻んだ際に出る粘りが特徴です。食物繊維が豊富で、ビタミンB群、ビタミンC、カロテン、カルシウム、鉄など多くの栄養素を含みます。生食、煮物、和え物、天ぷら、炒め物など調理法も幅広く楽しめます。高温を好み暑さに強い一方、寒さには弱く、気温が10℃を下回ると生育が難しくなります。日当たりが良く肥沃で水はけの良い畑が理想で、酸性土壌は不向きなため、pH6.0〜6.5が適しています。春まき野菜の中でも暖かい環境を好む夏野菜で、地植えでは人の背丈ほどまで成長することもあります。種からでも育てやすく、高い栄養価を持つため、家庭菜園初心者にもおすすめです。
スイカ(植え付け適期:5月~6月)
スイカは南アフリカ原産のウリ科野菜で、夏に冷やして食べると格別の美味しさを楽しめます。果肉には果糖やブドウ糖などの糖質が多く含まれ、疲労回復に役立つほか、ビタミンA・B群・Cやカリウム、マグネシウムなどのミネラルも豊富です。赤い果肉はリコピンとカロテンによるもので、栄養補給にも適しています。高温と強い日差しを好み、日当たりの良い畑でよく育ちます。土壌適応性は高いものの、水はけの良い環境が望ましく、肥料は特に初期の窒素分を控えることが重要です。窒素を与えすぎると葉や茎ばかりが茂り、実付きが悪くなるため注意しましょう。
メロン(植え付け時期:4月~5月)
メロンは、インド原産のウリ科野菜です。一般的に「メロン」として親しまれているのは、芳醇な甘さと香りが際立つ西洋系メロンで、東洋系メロンはあっさりとした味わいから「ウリ」と呼ばれることが多いです。ビタミンCやカリウムを豊富に含み、果肉の色は緑、黄、白など様々。表面の模様も、無地、網目状(ネットメロン)、縦縞模様など、多様な品種が存在します。
ゴーヤ(種まき時期:4~5月)【栽培期間:種まきから収穫まで約2ヶ月】
ゴーヤは夏を代表する野菜の一つで、あの独特な苦みが食欲を刺激し、夏バテ対策にもなると言われています。つる性の植物であるため、夏の強い日差しを和らげる緑のカーテンとしても親しまれています。日当たりの良い場所を好む丈夫な性質を持ち、家庭菜園でも比較的容易に育てることができます。種まきの適期は4月から5月で、順調に育てば約2ヶ月後には収穫の時期を迎えます。見た目にも涼しげなグリーンカーテンとして目を楽しませてくれるだけでなく、健康にも良いゴーヤを収穫できる、まさに一石二鳥の野菜です。
サツマイモ(植え付け時期:4月下旬~5月)
サツマイモを春に育てる場合は、3〜4月に種芋を準備し発芽させ、育った苗を5〜6月に植え付けます。家庭菜園初心者は、園芸店などで販売される苗を購入して植え付けから始めると手軽です。植え付けから収穫までは約4〜5ヶ月で、日当たりの良い水はけの良い場所が適しています。サツマイモは痩せた土地でもよく育ち、肥料の与えすぎは葉やつるばかりが茂る「葉ボケ」「つるボケ」を招き、芋の肥大を妨げます。特に窒素分の過多に注意し、肥料は控えめにしましょう。植え付け後の水やりも少なめに管理します。伸びたつるは適度に整理し、収穫時は芋を傷つけないよう丁寧に掘り上げます。肥料管理を適切に行うことで、甘く美味しいサツマイモが収穫できます。
枝豆(大豆)(種まき時期:4月~6月)
夏の食卓に欠かせない枝豆は、マメ科に属する野菜で、原産地は中国です。タンパク質やビタミンB1、B2などの栄養素が豊富に含まれており、「畑の肉」とも呼ばれるほど栄養価が高いのが特徴です。
インゲン(種まき時期:4月~6月)
インゲンは比較的容易に育てられ、収穫の喜びも味わえる春の味覚です。種まきから約2ヶ月で収穫期を迎えます。つるあり種は支柱やネットが必要ですが、つるなし種は比較的省スペースで栽培可能です。日当たりの良い場所を選び、水はけの良い土壌で育てることが大切です。水やりは土の表面が乾いたらたっぷりと行い、過湿には注意しましょう。インゲンは根粒菌により窒素を固定できるため、肥料は控えめに。害虫対策には、防虫ネットの設置や、こまめな葉の観察が有効です。
カボチャ(種まき時期:3月下旬~5月上旬)
カボチャは、南米を原産とするウリ科の代表的な野菜です。ビタミンAに変換されるβ-カロテンを豊富に含み、栄養価に優れています。カボチャには、日本カボチャ、西洋カボチャ、ペポカボチャの3つの主要な種類があり、それぞれ異なる特徴を持ちます。日本カボチャは、ねっとりとした食感が特徴で、地域ごとの多様な品種が存在します。西洋カボチャは、ホクホクとした粉質の肉質を持ち、果皮の色も黒緑色、白色、赤色など様々です。ペポカボチャには、未熟なうちに収穫するツルなしカボチャや、カラフルな外観を持つ品種があります。
「春に植える野菜」と「春野菜」の違いについて
「春に植える野菜」と「春野菜」は響きが似ていますが、意味は異なります。「春野菜」は春に旬を迎える野菜で、その時期に最も美味しく食べられるものを指します。一方、「春に植える野菜」は春に種まきや苗の植え付けを行う野菜全般を指し、収穫時期は必ずしも春とは限りません。例えば、カブや葉ネギは春にまいて春のうちに収穫できるため「春野菜」にも分類されますが、アスパラガスは春が旬でも収穫まで1〜3年かかります。また、トマトやナスは春に植えても収穫は夏であり「夏野菜」に分類されます。この違いを理解しておくと、収穫時期を見越した家庭菜園の計画が立てやすくなります。
まとめ
春は家庭菜園を始めるのに最適な季節で、穏やかな気温と順調な生育環境が整い、初心者でも栽培成功の可能性が高まります。本格的な暑さや梅雨前に収穫できる野菜も多く、達成感を味わいやすい時期です。春まき・春植え野菜の特性や生育適期、遅霜やトウ立ち、病害虫、雑草などの注意点を把握すれば、安心して栽培を始められます。今回紹介した12種類の野菜は、それぞれ難易度が異なるため、初心者は育てやすい品種から始め、経験を積んだらスイカやメロンなど難易度の高い品種にも挑戦するとよいでしょう。丹精込めて育てた野菜を収穫できたときの喜びは格別で、自分の手で育てた新鮮な味わいは格別です。春の心地よい陽気の中、家庭菜園を通じて豊かな収穫と育てる楽しさを存分に味わってください。
よくある質問
質問1:春に種をまく野菜で、家庭菜園初心者にも育てやすいものは?
春まき野菜の中では、生育期間が短く手間も少ないホウレンソウ、コマツナ、カブ、ハツカダイコンがおすすめです。トマト、ナス、キュウリ、ピーマンなども、春先に販売される苗から育てれば種まきの手間を省け、初心者でも始めやすくなります。
質問2:春まき野菜の種まきに適した時期はいつですか?
野菜によって異なりますが、一般的には3〜5月が多くの春まき野菜に最適です。例えば、ホウレンソウやダイコンは2〜4月、ハツカダイコンは3月中旬〜5月上旬、ルッコラやレタスは3〜5月、オクラやゴーヤは4〜5月が適期です。
質問3:「春に植える野菜」と「春野菜」の違いとは?
「春野菜」は春に旬を迎える野菜を指し、「春に植える野菜」は春に種まきや苗植えをする野菜全般を指します。カブや葉ネギは春に植えて春が旬の「春野菜」ですが、トマトやナスは春に植えても収穫は夏で「夏野菜」に分類されます。