長野県生まれの新品種「シナノスマイル」は、その名の通り、見た目の美しさと味わいで人々を笑顔にするぶどうです。鮮やかな赤色の果皮と大粒な果実が特徴で、一口食べれば、濃厚な甘さとジューシーな果汁が口いっぱいに広がります。実はこのシナノスマイル、「巨峰」の血を引くサラブレッド。長野県の育種家が丹精込めて育て上げた、まさに「赤い宝石」とも呼べる逸品です。この記事では、シナノスマイルの魅力に迫ります。
「高墨」から生まれた、注目の大粒赤ぶどう
シナノスマイルは、長野県須坂市の育種家、返町静男氏によって生み出されました。1982年に「高墨」の自然交雑実生から選抜・育成された、鮮やかな赤色の大粒ぶどうです。1995年8月には「夕映」という名前で品種登録されました。「シナノスマイル」の親である「高墨」自体も、「巨峰」の交雑実生から生まれた品種です。そのため、シナノスマイルは「巨峰」の血を濃く受け継ぐ、いわば孫世代にあたるぶどうと言えるでしょう。この血統は、シナノスマイルの大粒な果実や、その美味しさに大きく影響していると考えられています。長年の育種努力によって生まれた、独自の甘みと食感は、多くのぶどう愛好家を魅了しています。

大粒で果汁たっぷり!甘みと酸味のハーモニーと栽培のポイント
シナノスマイルの果房は、有岐円錐形でボリュームがあり、「巨峰」によく似た外観をしています。太くて短い果梗が果粒をしっかりと支え、収穫や輸送時の脱粒を防ぎます。果粒は非常に大きく、ほぼ球形に近い形をしており、その大きさは「巨峰」に匹敵するほどです。1粒あたり約15gにもなります。果皮は鮮やかな赤色から赤紫色で、やや厚みがありますが、果肉との分離が良いので、皮が剥きやすいのが特徴です。栽培面では、裂果が少なく、果粒が軸から落ちにくいというメリットがあり、収穫後の貯蔵性にも優れています。これにより、高品質な状態を保ったまま市場へ出荷でき、消費者は美味しいシナノスマイルをより長く楽しむことができます。果肉はジューシーで、程よい歯ごたえがあります。甘みと酸味のバランスが取れており、濃厚ながらもすっきりとした後味が特徴です。糖度は18~20度にもなり、強い甘みが楽しめます。今回撮影したぶどうは種無しでしたが、栽培方法によっては種ありのものもあります。
希少な品種、栽培地域と生産量の変化
政府が発表した平成22年のデータによると、シナノスマイルの全国栽培面積はごくわずかで、希少なぶどうであることがわかります。当時、栽培面積が最も広かったのは宮崎県で2.1ヘクタール、次いで秋田県が1.7ヘクタール、長野県と新潟県がそれぞれ1ヘクタールでした。しかし、近年では栽培状況が変化し、長野県が3.9ヘクタール(42.39%)でトップとなり、秋田県が2.8ヘクタール(30.43%)、山形県が1.5ヘクタール(16.3%)、新潟県が1ヘクタール(10.87%)と続いています。これらのデータからも、シナノスマイルが特定の地域でのみ、少量生産されている希少なぶどうであることがわかります。市場ではなかなか手に入らないかもしれませんが、見かけた際には、ぜひその特別な味わいを試してみてください。
収穫時期と食べ頃を見極める
シナノスマイルは、発祥の地である長野県須坂市では、9月下旬頃に成熟する中生種に分類されます。ただし、実際の収穫時期は、栽培環境や方法によって多少前後します。早いところでは8月下旬頃から収穫が始まり、一般的には9月下旬頃までが収穫期間となります。そのため、シナノスマイルの旬な時期は、8月下旬から9月下旬頃と言えるでしょう。この時期には、市場にも多く出回り、新鮮なシナノスマイルを味わうことができます。旬の時期に収穫されたシナノスマイルは、糖度と酸味のバランスが最高で、ジューシーで濃厚な美味しさを存分に楽しむことができます。

まとめ
シナノスマイルは、信州の地で生まれた、あの「巨峰」をルーツに持つ赤色の美しいぶどうです。親品種である「高墨」の自然交雑から生まれた、まさにサラブレッド。最大の特徴は、その大粒の実と、口にした時の感動的な甘さです。房から実が落ちにくく、皮離れが良いので食べやすく、そして何よりも糖度18~20度という驚きの甘さと、それを引き立てる絶妙な酸味のバランスが、ジューシーで濃厚な味わいを生み出します。栽培面においても、実割れが少なく、貯蔵性にも優れているため、作り手にとっても嬉しい品種です。栽培されている地域は限られており、長野県をはじめ、秋田県、山形県、新潟県などが主な産地として知られる希少なぶどうです。旬は8月下旬から9月下旬。この時期に最高の美味しさを味わえます。ぜひ一度、この特別なぶどうをご堪能ください。
シナノスマイルはどのようなぶどうですか?
シナノスマイルは、長野県須坂市で生まれた、選りすぐりの大粒赤色ぶどうです。そのルーツは「高墨」という品種で、「巨峰」の血を引いています。1995年8月に品種登録された、比較的新しい品種です。際立つ特徴は、なんといってもその甘さとジューシーさ、そしてそれを引き締める酸味の絶妙なバランスです。一粒は約15gと大きく、赤紫色の美しい果皮は剥きやすいため、手軽に食べられます。
シナノスマイルの旬の時期はいつですか?
シナノスマイルは、長野県須坂市において9月下旬頃に成熟する中生種とされています。しかし、実際の収穫は8月下旬頃から始まり、9月下旬頃まで行われます。したがって、最も美味しい旬の時期は、この収穫期間と重なります。
シナノスマイルの糖度はどのくらいですか?
シナノスマイルの糖度は、通常18~20度と非常に高いのが特徴です。そのため、口にした瞬間に広がる強い甘みと、濃厚な味わいを楽しむことができます。
シナノスマイルは種なし品種?
写真などで紹介されているシナノスマイルは種なしであることが多いですが、栽培環境や個体差により種が入っている場合もあります。購入の際は、種なしであるかどうかを必ず確認するようにしましょう。
シナノスマイルの主な産地
最近の調査では、シナノスマイルの主な生産地は長野県が最も多く、栽培面積は約3.9ヘクタールです。続いて秋田県が約2.8ヘクタール、山形県が約1.5ヘクタール、新潟県が約1ヘクタールとなっています。以前は宮崎県も主要な産地の一つでしたが、現在では全国的に見ても栽培面積が限られており、希少価値の高いぶどうと言えます。