「柑橘の大トロ」とも呼ばれる、せとか。濃厚な甘さととろけるような食感は、一度食べたら忘れられない味わいです。せとかは、清見、アンコール、マーコットという3種類の柑橘の良いところを受け継いだ、まさに柑橘界のサラブレッド。贈答品としても人気ですが、せっかくなら一番美味しい旬の時期に味わいたいですよね。この記事では、せとかの旬の時期と、美味しさを見極めるポイントをご紹介します。
せとかとは:三つの柑橘の長所を凝縮
せとかは、「清見」をベースに、「アンコール」と「マーコット」を掛け合わせた、比較的新しい柑橘品種です。それぞれの柑橘の良い部分を受け継いでおり、際立つ甘さとたっぷりの果汁、とろけるような食感が特徴で、「柑橘のトロ」とも評されます。一般的なみかんよりもサイズが大きく、美しい外観も相まって、ギフトとしても選ばれています。
せとかの品種特性:際立つ香りと食感の良さ
せとかは、他にはない芳醇な香りを持ち、薄皮も柔らかいため、手軽にそのまま食べられる点が魅力です。果汁が多く、濃厚な甘さは一度味わうと忘れられないほど。最も美味しい旬の時期は2月~3月頃で、この時期には最高の状態のせとかを堪能できます。
せとかの名前の由来と歴史
せとかは、2001年に品種登録された新しい柑橘です。名称は、育成地の長崎県口之津町から望む『早崎瀬戸』という地名と、瀬戸内地方での栽培が期待されること、また芳香のある柑橘であることに由来しています。
せとかの旬の時期とおすすめの食べ頃
せとかは3月から4月頃まで店頭に並びますが、特におすすめの旬な時期は3月です。露地栽培のせとかは、2月中に予約しておくと、3月の上旬頃から順次発送されることが多いでしょう。ハウス栽培のせとかは、1月下旬頃から市場に出回ることがあります。
せとかの旬な時期:温室栽培と自然栽培の違い
せとかは、主に1月上旬から3月下旬にかけて収穫の最盛期を迎えます。中でも、温度管理された温室で育てられたせとかは、1月から2月にかけて市場に出回り始めます。一方、太陽の恵みをたっぷり受けて育った露地栽培のせとかは、2月下旬頃から収穫が本格化します。自然な甘さと風味を堪能したいなら、3月以降に出回る露地ものがおすすめです。
せとかの名産地:愛媛県が圧倒的な生産量を誇る
せとかの生産地として最も有名なのは愛媛県で、全国の生産量の6割以上を占めています。愛媛県内では、松山市、今治市、八幡浜市などが主要な産地として知られています。その他、和歌山県や佐賀県などでも栽培されています。
せとかの希少性:高級柑橘としての価値
愛媛県で栽培されている様々な柑橘類の中で、せとかが占める割合はわずか約1.8%程度です。その理由は、せとかの繊細な果皮にあります。傷つきやすいデリケートな性質から栽培が難しく、生産量が限られているため、希少価値が高まり、価格も比較的高級なものとなっています。
せとかの価格帯:ギフト用と自宅用
せとかは、その上品な味わいから高級柑橘として広く知られており、特に贈答用として選ばれる場合は、それに見合った価格となります。百貨店などで販売されている高品質なせとかは、1玉あたり1000円〜2000円程度で取引されることもあります。しかし、自宅用として楽しむのであれば、小ぶりなものや、見た目に少し難がある規格外品などを詰め合わせた、手頃な価格の商品を選ぶことも可能です。
せとかのサイズ:重さと形状
せとかの果実の大きさは200gから300g程度で、タンゴールタイプとしては比較的大玉です。直径は約6.5cm、高さは約4.5cm程度で、真ん丸というよりは、やや扁平な形をしています。
せとかの糖度:柑橘界の至高の味わい
せとかは非常に高い糖度を誇り、その濃厚で深みのある甘さが魅力です。せとかの平均的な糖度は12度~14度で、非常に高い甘さを誇ります。通常の温州みかんの糖度が11度前後であることを考慮すると、せとかの糖度の高さは際立っています。単に甘いだけでなく、絶妙な酸味とのバランスも良く、時間経過とともに酸味が和らぐと、より一層濃厚な甘さを堪能できます。
せとかの皮:特徴と上手な剥き方
せとかの皮は非常に薄いことが特徴です。手で剥くことも可能ですが、薄いためきれいに剥くには少しコツが必要です。フルーツナイフでスマイルカットにしてから剥くと、比較的簡単に剥くことができます。
せとかの美味しい食べ方:内皮ごと味わえる
せとかは外側の皮だけでなく、内側の薄皮も柔らかいため、そのまま食べられます。種もほとんどないため、カットして外皮を剥けば、手軽に美味しくいただけます。皮が薄くて剥きにくい場合は、フルーツナイフでスマイルカットにして食べるのがおすすめです。
せとか選びの秘訣
せとかを選ぶ際、鮮度を見極めるにはヘタの色を確認するのがおすすめです。ヘタが青みがかったものは、さっぱりとした酸味が特徴で、オレンジ色を帯びているものは、酸味が和らぎ甘さが際立っています。
せとかを長持ちさせる保存術
せとかが旬を迎える3月頃は、気温が上昇しやすいため、一般的なみかんよりも傷みやすい傾向があります。保存する際は、涼しい場所(約10℃)が最適です。冷蔵庫に入れる場合は、乾燥を防ぐためにポリ袋やラップで包み、野菜室で保管すると良いでしょう。美味しさを保つため、できるだけ4~5日を目安に食べきるようにしましょう。
せとかに含まれる栄養成分
せとかには、健康維持に欠かせないビタミンやミネラルが豊富に含まれています。特にビタミンCは、100gあたり57mgと豊富で、美容にも良い影響があると言われています。
せとかの親戚「麗紅」について
せとかには、「麗紅(れいこう)」という姉妹品種が存在します。麗紅もまた、濃厚な風味とほどよい酸味が調和した柑橘で、せとかと同様に高い人気を誇ります。しかし、麗紅は収穫時期が限られているため、希少価値が高い品種です。
せとかの多様な楽しみ方
せとかは、そのまま味わうのはもちろん、ジュースやゼリーといった加工品にしても美味しくいただけます。せとか本来の味わいを活かした加工品は、ギフトとしても最適です。
せとかはこんな方におすすめ
せとかは、柑橘類がお好きな方はもちろん、甘くて果汁たっぷりのフルーツがお好みの方、大切な方へのプレゼントを探している方にもおすすめです。特に、とろけるような口当たりと濃厚な甘さを体験したい方は、ぜひ一度ご賞味ください。
まとめ
「柑橘のトロ」とも呼ばれるせとかは、その異名が示すように、濃密な甘さととろけるような食感が特徴的な柑橘です。旬の時期にはぜひお召し上がりいただきたい逸品です。この記事を参考にして、せとかの選び方や保存方法を理解し、最高の状態でお楽しみください。
せとかの旬の時期は?
せとかが最も美味しくなる旬の時期は、通常3月頃と言われています。温室栽培されたものは1月下旬頃から市場に出回りますが、露地栽培のものは3月頃が最も美味しい時期となります。
せとかを長持ちさせるには?
せとかは、温度変化の少ない、ひんやりとした暗い場所での保管が最適です。冷蔵保存する際は、乾燥しないようにビニール袋などに入れ、野菜室へ。鮮度が落ちる前に、できるだけ早くお召し上がりください。
せとかはどこで手に入る?
せとかは、一般的なスーパーマーケットや百貨店のほか、こだわりの果物を扱う専門店などで見つけることができます。また、生産地から直接取り寄せることができるオンライン通販も便利です。
せとかの甘さの目安は?
せとかは、通常14度を超える高い糖度を誇り、格別な甘さが特徴です。ただし、個々の果実や栽培方法によって、甘さに若干の違いが生じることがあります。
せとかの皮は簡単に剥ける?
せとかは皮が薄いため、手で剥くことも可能ですが、やや難易度が高い場合があります。フルーツナイフなどを使ってカットすると、よりスムーズに皮を剥くことができます。