寒さとともに、野菜の甘みが増す12月。白菜、大根、ほうれん草など、冬野菜が旬を迎えます。この時期の野菜は、栄養価が高く、旨味が凝縮されているのが特徴です。この記事では、そんな12月の旬な冬野菜を最大限に楽しむための情報をお届けします。選び方のポイントから、栄養を逃さない調理法、そして体の中から温まる絶品レシピまで、冬野菜の魅力を余すところなくご紹介。旬の味覚を堪能して、寒い冬を元気に乗り切りましょう!
12月に味わいたい旬の野菜:冬の食卓を豊かにする恵みと「旬」の真価
本格的な寒さを迎える12月は、白菜、大根、ほうれん草など、様々な冬野菜が旬を迎える季節です。年末が近づく師走には、おせち料理に使われる里芋、ユリ根、クワイ、レンコン、金時人参といった伝統野菜が旬のピークを迎えます。また、体が温まる鍋料理に欠かせない白菜や水菜、春菊なども、この時期ならではの美味しさを楽しめます。種類豊富なネギや、漬物に適したカブも多く出回り、食卓を豊かに彩ります。
ここでいう「旬」とは、野菜が最も美味しく、食べ頃を迎える時期のこと。日本食品標準成分表2020年版(八訂)によると、たとえば、ほうれん草では、旬の冬に採れたものに比べ、旬ではない夏に採れたものはビタミンCの含有量に約3倍の差があります。「夏採り」と「冬採り」で成分値の記載が分かれているほど。季節によって栄養価の変動が大きい成分もあるのです。(出典: 日本食品標準成分表2020年版(八訂), URL: https://www.kagome.co.jp/vegeday/nutrition/201704/6759/, 2020)
旬の野菜は収穫量が増えるため、スーパーや産直市場などで手頃な価格で手に入りやすく、美味しさと栄養を同時に満喫できる絶好の機会です。
さらに、野菜の「旬」は「走り」「盛り」「名残」という3つの段階に分けられます。「走り」は、その時期に初めて市場に出回る、みずみずしい野菜。「盛り」は、最も味が充実し、風味豊かな最盛期の野菜。「名残」は、旬の終わり頃に収穫される、味が凝縮された深みのある野菜です。それぞれの段階に適した調理法や食べ方を知ることで、12月の冬野菜をより深く味わうことができるでしょう。

旬の段階別!12月の冬野菜:走り・盛り・名残を味わい尽くす
冬野菜の収穫が本格化する12月。寒さによって野菜自身が糖分を蓄え、甘みが増す時期です。この時期の野菜は、鮮度や成長段階によって「走り」「盛り」「名残」という異なる魅力を持っています。それぞれの段階で最も美味しく、栄養価の高い状態を見極め、最適な調理法で旬の恵みを最大限に引き出しましょう。ここでは、12月に特におすすめの冬野菜を、旬の段階別にご紹介します。
12月が「走り」の野菜:初々しさと冬の訪れを感じる甘み
「走り」の野菜とは、そのシーズンに初めて収穫される、新鮮な野菜のこと。12月の「走り」の野菜は、寒さの中で甘みを増し、みずみずしさが際立つのが特徴です。生で食べても美味しく、冬の食卓に彩りと爽やかな風味を添えてくれます。サラダや和え物など、素材本来の味を活かしたシンプルな調理法で味わうのがおすすめです。
ダイコン(大根)
古くから日本で栽培され、「スズシロ」として親しまれている大根は、一年を通して店頭に並びますが、特に11月から3月にかけてが美味しい旬の時期です。根の部分にはビタミンCが豊富に含まれており、ジアスターゼが含まれており、栄養素の分解をサポートすると言われています。葉の部分はカロテンを多く含み、栄養価が高いのが特徴です。大根は部位によって味が異なり、葉に近い上部は甘みが強く、サラダや和え物に適しています。中央部分は煮物や炒め物など、幅広い料理に活用できます。先端は辛みが強いため、大根おろしや薬味として使うと良いでしょう。保存する際は、根と葉を切り離し、根は新聞紙やラップで包んで冷蔵庫の野菜室で3~4日程度保存できます。葉は下茹でしてから冷蔵または冷凍保存することで、鮮度と栄養を保つことができます。大根おろし、大根サラダ、大根とブリのカルパッチョなど、素材の味を最大限に活かした調理法がおすすめです。
ニンジン
ニンジンは一年を通して手に入りますが、冬の寒さで甘みが増し、より美味しくなります。日本でよく見かけるのは、ずんぐりとした西洋種と、京人参に代表される細長い東洋種です。ニンジンの英名「carrot」が示すように、β-カロテンを豊富に含んでいます。β-カロテンは油と一緒に摂ることで吸収率がアップするため、炒め物や天ぷらなど油を使った料理が最適です。保存する際は、乾燥を防ぐためにビニール袋に入れ、冷蔵庫の野菜室で立てて保存するのがコツです。キャロットラペ、千切りサラダ、まるごとローストなど、色々な調理法で甘さと栄養を堪能してください。
ホウレンソウ
ホウレンソウは年間を通して市場に出回っていますが、冬に収穫される露地栽培のものは特に甘みが際立ちます。栄養価が高く、β-カロテンに加え、鉄分、亜鉛などのミネラル、ビタミンB群、ビタミンC、葉酸など、健康維持に欠かせない栄養素が豊富に含まれています。特に根元の赤い部分には、骨の健康に役立つマンガンが多く含まれているので、捨てずに使いましょう。保存する際は、湿らせた新聞紙で包み、ビニール袋に入れて冷蔵庫の野菜室で保存すると鮮度が長持ちします。おひたし、ソテー、鍋物など、様々な料理でその栄養と美味しさを楽しめます。
12月が「旬」の野菜:一番美味しい時期を味わう
野菜の「旬」とは、その野菜が最も美味しく、栄養価も高くなる時期のことです。12月の旬の野菜は、風味豊かで味が濃く、様々な料理に活用できるのが魅力です。収穫量が増えるため、価格も比較的安価になりやすく、色々な料理に挑戦するのに最適な時期です。煮込み料理、炒め物、揚げ物など、冬の食卓を彩る主役として活躍してくれるでしょう。
ゴボウ
ゴボウを食用とするのは主に日本でしたが、近年ではアジアやヨーロッパでも独特の風味と栄養価が注目されています。ゴボウは年に2回旬があり、春の若ゴボウと、冬の寒ゴボウがあります。土の中でじっくりと育った冬ゴボウは、特有の香りとシャキシャキとした食感が特徴です。カルシウムやカリウムなどのミネラルに加え、食物繊維が豊富で、特に水溶性食物繊維のイヌリンは、血糖値の急上昇を抑制する効果が期待されています。ゴボウの香りは皮に多く含まれているため、皮を剥かずに、たわしで軽くこすり洗いするか、包丁の背で薄くこそげ落とす程度にするのがおすすめです。保存する際は、泥付きのものは新聞紙で包んで冷暗所で、洗ったものはラップで包んで冷蔵庫で保存します。きんぴらゴボウ、炊き込みご飯、かき揚げなど、様々な料理でその風味を堪能できます。
ネギ
ネギは、地域によって育てられている種類に特色があり、関西地方では葉ネギ(青ネギ)、関東地方では寒さに強い根深ネギ(白ネギ)が一般的でしたが、現在では全国各地で用途に合わせて選ばれるようになりました。特に11月から2月にかけては、寒さによって甘みが増し、より美味しくなります。緑色の部分にはβ-カロテンが、白い部分にはビタミンCが豊富に含まれています。また、特徴的な香り成分であるアリシンは、食欲を増進させる効果や殺菌作用のほか、ビタミンB1の吸収を助けたり、血行を促進したり、疲労を回復させたりする効果が期待できます。保存する場合は、新聞紙に包んで日の当たらない涼しい場所に立てて保存すると良いでしょう。長ネギを使った料理は、焼き浸しやチーズ焼き、シイタケとの炒め物など、さまざまなジャンルで楽しめます。

ハクサイ(白菜)
ハクサイは、日本の冬を代表する野菜の一つで、霜にあたることで繊維が柔らかくなり、甘みと風味が豊かになってさらに美味しくなります。ほとんどが水分で構成されていますが、葉の肉質はとても柔らかく、シャキシャキとした食感が特徴です。また、クセのない味わいなので、和食、洋食、中華料理など、どんな料理にも合わせやすく、冬の食卓に欠かせない存在です。ビタミンCが豊富に含まれているほか、カルシウムなどのミネラルも摂取できます。丸ごと保存する場合は、新聞紙で包んで冷暗所に立てて置くと、2~3週間ほど新鮮さを保てます。ロール白菜や焼き白菜、白菜と豚肉の煮物など、さまざまな調理法でその優しい甘みと食感を楽しめます。
キクイモ(菊芋)
キクイモは、菊に似た花を咲かせ、秋から冬にかけて地中の塊茎を食用として収穫します。見た目は生姜に似ていますが、シャキシャキとした独特の食感と、ゴボウのようなほのかな風味が特徴です。原産は北アメリカで、先住民が昔から食用として栽培していましたが、日本には江戸時代の終わりに主に飼料作物として持ち込まれました。近年、キクイモが健康野菜として注目されているのは、水溶性食物繊維の一種であるイヌリンを豊富に含んでいるためです。イヌリンは、糖分の吸収を穏やかにしたり、腸内環境を改善したりする効果が期待できます。保存する際は、土を落とさずに新聞紙で包み、冷蔵庫で保存するのがおすすめです。キクイモのきんぴらや甘酢漬け、キクイモと鶏肉の甘辛煮など、いろいろな調理法でその健康効果と食感を楽しめます。
ヤーコン
ヤーコンは、南米アンデス山脈が原産の根菜で、見た目はサツマイモに似ていますが、梨のようなシャキシャキとした食感と、ほんのりとした甘みが特徴で、生のままでも食べられます。10月から12月にかけて収穫され、収穫後にしばらく保存することで甘みが増し、晩秋から冬にかけてが最も美味しい時期です。ヤーコンが健康野菜として注目されている理由は、腸内環境を整える効果があるフラクトオリゴ糖の含有量が、野菜の中でも特に多いことです。さらに、食物繊維やミネラルも豊富に含んでおり、健康維持に役立つとされています。保存する際は、土がついたまま新聞紙で包み、冷蔵庫で3~4日程度保存できます。長期保存したい場合は、葉と根を切り分け、根は皮をむいてラップで包み、冷凍保存袋に入れて冷凍庫で保存します。ヤーコンのきんぴらや筑前煮、ヤーコンとツナのサラダなど、独特の食感と健康効果を活かした料理を楽しめます。
12月、季節の終わりに味わう滋味:深まる風味と保存の知恵
旬の終わりを告げる野菜、それが「名残」の野菜です。12月は、冬蕪の収穫が終盤を迎え、秋の味覚であるきのこもシーズンを締めくくります。この時期の野菜は、水分が抜け、味が凝縮されるため、格別な風味を堪能できます。生のまま味わうのはもちろん、冷凍や乾燥などの保存方法を工夫することで、美味しさを長持ちさせることができます。保存食として活用すれば、冬の間も旬の恵みを食卓で楽しむことができるでしょう。
蕪
春の七草「すずな」として親しまれてきた蕪は、その土地の気候や風土に合わせて様々な品種が栽培されています。旬は年に2回、春と冬に訪れます。中でも10月から12月に収穫される冬蕪は、甘みが際立っているのが特徴です。根の部分にはビタミンCやカリウムが含まれていますが、葉にはそれ以上の栄養が詰まっており、カロテン、ビタミンB群、カルシウムなどが豊富です。そのため、葉も余すことなく料理に活用しましょう。保存方法としては、葉を湿らせた新聞紙で包み冷蔵庫へ、根はビニール袋に入れて冷蔵庫で3~4日程度保存可能です。長期保存には冷凍が適しており、丸ごと皮をむいてラップで包み、冷凍保存袋に入れて冷凍庫で約1カ月保存できます。使用する際は流水で解凍すると良いでしょう。葉は下茹でして使いやすい大きさにカットし冷凍すれば、必要な時にすぐに使えて便利です。葉付き蕪を使った味噌汁や、冷凍蕪のポトフ、冷凍蕪の葉としらすの炒め物など、蕪の風味と栄養を余すことなく楽しめるレシピが豊富です。
生椎茸
一年を通して手に入る椎茸ですが、原木栽培のものは春と秋が旬とされています。市場に出回っているのは菌床栽培のものが多く、特に年末年始の需要に向けて12月に出荷量が増加します。椎茸の旨味成分であるグアニル酸は、加熱によってさらに増加し、香りと旨味が際立ちます。ビタミンB群が豊富なだけでなく、エルゴステロールという成分は日光(紫外線)を浴びることでビタミンDに変わり、骨の形成を助ける働きをします。保存する際は密閉容器に入れ冷蔵庫で保管しますが、日持ちしないため早めに使い切るか、天日干しにすることで保存性を高め、旨味を凝縮させるのがおすすめです。冷凍する場合は、石づきを取り除き、傘と軸を分けて冷凍保存袋に入れて冷凍庫で保存します。解凍せずに凍ったまま調理できるので、とても便利です。冷凍椎茸の焼き椎茸や炊き込みご飯、天日干し椎茸の含め煮など、椎茸の豊かな風味と食感を生かした料理を堪能できます。
旬の野菜百科:12月を彩る野菜たちの魅力と活用法
12月に旬を迎える野菜について、種類や特徴を詳しくご紹介します。先述の「走り・盛り・名残」で解説した野菜(大根、人参、ほうれん草、ごぼう、ネギ、白菜、菊芋、ヤーコン、蕪、生椎茸)に加え、12月の食卓を豊かにする様々な野菜とその活用法に焦点を当てます。各野菜を分類ごとに、その魅力やおすすめの食べ方を掘り下げて解説します。このリストが、冬の食卓をより一層楽しむためのヒントになれば幸いです。
葉物野菜・青菜
冬が旬の葉物野菜や青菜は、寒さを乗り越える過程で甘みと栄養価を増します。食卓を鮮やかに彩り、様々な料理で活躍します。鍋料理、炒め物、サラダなど、調理方法も多岐にわたります。
キャベツ・ケール
冬キャベツは葉がしっかりと巻き込み、甘みが凝縮されているのが特徴です。ビタミンCが豊富で、生でサラダとして食べたり、煮込み料理に使ったりと用途は様々です。ケールは独特の苦味がありますが、栄養価が非常に高く、スムージーや炒め物によく合います。
レタス類・チコリー/ラディッキオ類
冬でもハウス栽培により、新鮮なレタス類が手に入ります。シャキシャキした食感はサラダに最適です。チコリーやラディッキオは、特有の苦味と美しい彩りが特徴で、サラダのアクセントやグリル料理の素材として利用されます。
鍋料理には欠かせない水菜や春菊も12月が旬で、シャキシャキとした食感と特有の風味が食卓を豊かにします。水菜は和え物やお浸しにも適しており、春菊は鍋物の他、天ぷらにしても美味しくいただけます。
多肉質の野菜
食用となる多肉植物は、他にはない食感と栄養価が魅力です。種類も豊富で、サラダや和え物、炒め物など、様々な調理法で楽しめます。
ハーブ・香草・薬味
冬の食卓を豊かにするハーブ、香草、薬味は、料理に独特の風味と香りを添え、食欲を刺激します。それぞれの持ち味を理解し、上手に使い分けることがポイントです。
花蕾が付いた茎や葉を食べる野菜
花蕾とその周辺の茎や葉を食する野菜は、見た目の美しさはもちろんのこと、栄養価にも優れています。冬の食卓を華やかに彩ってくれるでしょう。
ブロッコリーやスティックブロッコリー
ブロッコリーは冬に旬を迎え、ビタミンCをたっぷり含んでいます。茹でて食べるのはもちろん、炒め物やオーブン料理にも最適です。スティックブロッコリーは、茎まで美味しく食べられ、その甘みが特徴です。
カリフラワー
カリフラワーもまた、冬が旬の野菜であり、ビタミンCや食物繊維を豊富に含んでいます。サラダとしてそのまま食べるだけでなく、ポタージュスープやグラタン、あるいはピクルスなど、幅広い料理に活用できます。
花を食す、菜の花の仲間や食用菊
春の訪れを告げる菜の花は、種類によっては冬にも収穫できます。そのわずかな苦味が持ち味で、おひたしや和え物として美味しくいただけます。また、見た目も華やかな食用菊は、刺身の彩りや和え物、天ぷらなど、様々な料理に用いられます。
茎野菜
茎を食べる野菜は、その歯ごたえのある食感と独特の風味が食欲をそそります。サラダや炒め物、煮物など、様々な調理法でその美味しさを堪能できます。
セロリ
独特の香りと心地よい歯ごたえが魅力のセロリは、冬に旬を迎えます。サラダとしてそのまま食べるのはもちろん、スープや炒め物に加えることで風味豊かな一品に。ビタミン、ミネラル、食物繊維が豊富に含まれています。
スプラウト
かいわれ大根やブロッコリーなどの発芽野菜であるスプラウトは、栄養価が非常に高いことで知られています。サラダやサンドイッチに加えるのはもちろん、料理のアクセントとしても最適で、手軽に栄養を摂取できるのが嬉しいポイントです。
果菜類
冬場でも、ハウス栽培などの技術のおかげで一年を通して楽しめる果菜類は、私たちの食生活に豊かな色彩とバリエーションをもたらしてくれます。それぞれの個性を活かして、様々な調理法で味わいましょう。
ピーマン、パプリカ
ピーマンやパプリカは、一年を通して栽培されており、冬場でも新鮮なものが手に入りやすいのが魅力です。ビタミンCが豊富で、料理に鮮やかな彩りを添えてくれるため、炒め物やサラダ、あるいは肉詰めなど、幅広い料理で活躍します。特にパプリカは甘みが強く、生のまま食べてもおいしいのが特徴です。
甘味種とうがらし
辛味がほとんどない甘味種のとうがらしは、炒め物や揚げ物、煮物など、野菜として様々な料理に用いられます。独特の風味と鮮やかな色味が、料理のちょっとしたアクセントとして効果的です。
辛味~激辛種とうがらし
料理にピリッとした辛さと風味をプラスしてくれる辛味種のとうがらしは、少量でも存在感を発揮し、薬味として重宝されます。乾燥させたものや粉末状にしたものも一年中利用可能で、世界各国の料理に欠かせないスパイスとして親しまれています。
トマト
冬に収穫されるトマトは、夏のトマトと比較して糖度が高まり、より濃厚な風味を持つとされていますが、正確な情報の確認が必要です。サラダの彩りとしてはもちろん、スープやパスタソースなど、多様な料理に活用できる万能な野菜です。
ナス
冬場でもハウス栽培によって、みずみずしいナスが手に入ります。煮物や焼きナス、揚げ物など、様々な調理法で美味しく味わえ、特に油との相性が抜群です。
オクラ
独特の粘りが特徴的なオクラは、冬でも温室栽培によって市場に出回ります。和え物や味噌汁の具材、天ぷらなどにして楽しむことができ、食物繊維やビタミン、ミネラルなどの栄養素を豊富に含んでいます。
キュウリ
冬のキュウリは、露地栽培が盛んな夏に比べると流通量は少ないものの、ハウス栽培によって新鮮なものが安定供給されています。サラダや浅漬け、酢の物など、シャキシャキとした食感が料理に清涼感を与えます。
瓜類
冬が旬の瓜類は種類が限られますが、漬物として食卓に並ぶことが多いでしょう。独特の風味と歯ごたえが魅力です。
ズッキーニ
ズッキーニはハウス栽培によって、冬でも手に入れることができます。夏野菜として知られていますが、一年を通して味わえる野菜です。炒め物やグリル料理、煮込み料理など、様々な調理法で楽しめます。
カボチャ
カボチャは収穫後、貯蔵することで甘みが増し、冬に美味しさがピークを迎えます。煮物や天ぷら、スープ、サラダなど、色々な料理に使える栄養満点の野菜です。
とうもろこし
冬には冷凍、缶詰、乾燥したものが一般的ですが、品種によってはハウス栽培で生でも食べられるものがあります。甘みが強く、スープや炒め物、サラダなどに最適です。
さや豆と各種豆類
スナップエンドウや絹さやといったさや豆、その他さまざまな種類の豆は、冬場でも収穫できるものがあります。食物繊維とタンパク質がたっぷり含まれており、煮物、炒め物、サラダなど、幅広い料理で楽しめます。
地中で育つ根菜
地中で育つ根菜は、寒さに耐えることで甘みと栄養を蓄え、冬の食生活を豊かにしてくれる大切な食材です。奥深い風味と豊富な食物繊維が特徴です。
紅色のダイコン
鮮やかな紅色が目を引く紅色のダイコンは、サラダやピクルスに使うと食卓を華やかにします。一般的な白い大根と同様に、ビタミンCや消化酵素を含んでいます。
おせち料理に欠かせない八つ頭、ゆり根、クワイ、レンコン、金時ニンジンなども、12月には特に風味が増す根菜です。八つ頭は里芋の一種で、ねっとりとした食感が特徴。ゆり根は上品な甘さがあり、茶碗蒸しや甘露煮に最適です。クワイは縁起物としてお正月料理に使われ、独特のほろ苦さとシャキシャキした歯ごたえが魅力です。レンコンはシャキシャキした食感と穴から「見通しが良い」とされ、煮物や炒め物で重宝されます。金時ニンジンは、鮮やかな赤色と高い甘みが特徴で、煮物やおせち料理に彩りを添えます。
各種芋類
芋類は冬の食卓に欠かせない存在であり、主食としても活躍する栄養満点の野菜です。体を温め、エネルギー補給に役立ちます。
じゃがいも
一年を通して手に入るじゃがいもですが、旬は秋から冬。貯蔵することで甘みが増し、より美味しくなります。煮物や炒め物はもちろん、揚げ物やスープにも最適な万能野菜です。ビタミンCやカリウムなどの栄養も豊富に含んでいます。
さつまいも
秋の味覚として知られるさつまいもは、冬に食べ頃を迎えます。貯蔵によって糖度が高まり、焼き芋にすると格別な甘さを楽しめます。天ぷらや大学芋、スイーツなど、様々な調理法で美味しくいただけます。食物繊維が豊富なのも魅力です。
里芋
独特のぬめりと、ほっくりとした食感が魅力の里芋。煮物や味噌汁など、日本の冬の食卓には欠かせない野菜です。消化が良いだけでなく、カリウムも豊富に含んでいます。お正月料理に使われる八つ頭も、里芋の一種です。
山芋
長芋や大和芋といった種類がある山芋は、強い粘りが特徴です。すりおろしてとろろご飯にしたり、シャキシャキとした食感を活かしてサラダや和え物にしたりと、生で食べるのもおすすめです。消化を助ける酵素を多く含み、滋養強壮の効果も期待できます。
球根類
地中で育つ球根野菜は、独特の風味と長期保存が可能な点が魅力です。日々の食卓に奥深い味わいを加えてくれます。
タマネギ/玉葱/たまねぎ
一年を通して入手可能なタマネギですが、冬に収穫されるものは甘みが際立ちます。炒め物に入れると甘さが際立ち、あらゆる料理のベースとして活躍します。健康維持に役立つとされる成分も豊富です。
ニンニク/大蒜/にんにく
料理に豊かな風味を加えるニンニクは、強い香りと健康効果で知られています。アリシンをはじめとする成分が、疲労回復や免疫力アップに貢献すると言われています。寒い季節には、体を温める料理に積極的に取り入れたい食材です。
その他の根菜(こんさい)
上記に分類されない根菜も、冬の食卓を彩る大切な存在です。それぞれの特性を活かした調理法で、冬の味覚を堪能しましょう。
タケノコ
一般的にタケノコは春の食材として知られていますが、実は冬に旬を迎える品種も存在します(例えば寒竹など)。その持ち味は何と言っても、他に類を見ない風味と心地よい歯ごたえ。煮物や炊き込みご飯にすれば、食卓を豊かなものにしてくれるでしょう。
木の実・種子類
冬ならではの楽しみといえば、木の実や種子類。栄養が豊富で、料理にちょっとした彩りを添えたり、小腹が空いたときのおやつとしても重宝します。
ぎんなん
秋の終わりから冬にかけて旬を迎えるぎんなんは、独特の香りと、もちっとした食感が魅力です。茶碗蒸しに入れたり、炒め物に加えたり、シンプルに塩煎りにするだけでも美味しく味わえます。ただし、食べ過ぎにはくれぐれもご注意ください。
山菜・野草
冬に採取できる山菜や野草は種類こそ少ないものの、地域によっては貴重な恵みとなります。厳しい冬の寒さに耐えて育つため、他にはない風味や栄養価を備えているのが特徴です。
山菜・野草
地域によっては、早春の息吹を感じさせるフキノトウや、清涼感あふれるセリなどが収穫できます。自然の恵みであるこれらの山菜や野草は、天ぷらやお浸しにすることで、その独特な風味を堪能できます。
キノコ
キノコは一年を通して栽培されていますが、自然の中で育った天然キノコは、秋から冬にかけて旬を迎えます。豊富なうまみ成分を含んでおり、鍋料理や汁物、炒め物など、さまざまな料理でその風味を発揮します。
キノコ類
シメジ、エノキ、マイタケ、エリンギなど、バラエティ豊かなキノコが冬の食卓を彩ります。低カロリーでありながら食物繊維が豊富で、うまみ成分もたっぷり。料理の味わいを一層引き立てます。先にご紹介した「名残」の野菜、生シイタケも12月には特に多く出荷される代表的なキノコです。

まとめ
12月は、白菜、ほうれん草、人参など、たくさんの冬野菜が旬を迎えるシーズンです。加えて、旬の終わり頃のきのこ類と組み合わせれば、体を温める鍋料理がさらに美味しくなります。冬野菜は、厳しい寒さの中で凍らないように糖分を蓄えるため、旬の時期には特に甘みが増し、格別な美味しさを感じられます。また、これらの冬野菜にはβ-カロテンやビタミンCなどが豊富に含まれており、これらの冬野菜にはβ-カロテンやビタミンCなどが豊富に含まれており、健康維持に役立つものがたくさんあります。この時期に、比較的安価で手に入る冬野菜を、鍋物、煮物、漬物など色々な料理で食卓に取り入れ、栄養と美味しさを満喫しましょう。
旬の「走り」「盛り」「名残」ってどんな意味?
野菜の「旬」は、出始めの時期である「走り」、収穫が最も盛んな「盛り」、そして旬が終わる頃の「名残」という3つの段階に分けられます。「走り」の野菜は、みずみずしくフレッシュな風味が特徴で、サラダなどの生食に最適です。「盛り」の野菜は、最も味が濃く、栄養価も高いため、様々な調理法で美味しく味わえます。「名残」の野菜は、水分が減って味が凝縮されており、濃厚な風味が特徴で、保存食などにも適しています。
12月に旬を迎える野菜には、どんな栄養が詰まっているの?
冬に旬を迎える野菜たちは、厳しい寒さを乗り越えるために、自ら糖分を蓄えて甘みを増します。それと同時に、栄養価もぐんとアップするんです。例えば、大根や白菜、かぶなどはビタミンCがたっぷり。風邪の予防に一役買ってくれます。また、人参やほうれん草にはカロテンが豊富に含まれており、免疫力を高めたり、目の健康をサポートしたりする効果が期待できます。さらに、ごぼうやヤーコン、菊芋などは食物繊維が豊富で、腸内環境を整えてくれる強い味方です。
冬野菜を長持ちさせる、上手な保存方法って?
冬野菜の保存方法は、種類によってちょっとずつ違います。大根やかぶを例にとると、まずは葉を切り離し、根の部分は新聞紙やラップで包んで冷蔵庫の野菜室へ。葉っぱは、さっと茹でてから冷蔵または冷凍保存するのがおすすめです。人参やネギは、ビニール袋に入れて冷蔵庫の野菜室に立てて保存すると、より長持ちします。きのこ類は、密閉容器に入れて冷蔵保存するか、天日干しや冷凍保存も可能です。それぞれの野菜の特性に合わせた保存方法で、おいしさと栄養をキープしましょう。
大根や人参は一年中あるけれど、12月が特に美味しい理由って?
確かに、大根や人参は一年を通して手に入りますが、12月の冬に収穫される露地栽培のものは、寒さにさらされることで、自分の身を守るために糖分を蓄えるんです。だから、甘みがぎゅっと凝縮されて、夏場に比べて段違いに美味しく感じられるんですね。特に人参はカロテンがたっぷり。油を使った料理にすることで、カロテンの吸収率がアップしますよ。
菊芋やヤーコンって、どんな特徴がある珍しい野菜なの?
菊芋は、見た目は生姜に似ていますが、シャキシャキとした食感と、ごぼうのような独特の風味が特徴です。水溶性食物繊維であるイヌリンが豊富に含まれていて、糖質の吸収を抑えたり、腸内環境を整えたりする効果が期待されています。一方、ヤーコンはサツマイモに似ていますが、梨のようなみずみずしい食感で、生で食べることもできます。フラクトオリゴ糖の含有量が非常に多く、食物繊維やミネラルも豊富なので、健康野菜として注目を集めています。