スコーンは、一般的に広く認識されたお菓子となり、コンビニエンスストアのスナックコーナーやカフェのデザートメニューにも並びます。ホームペーキングが流行る昨今、自宅で作る人も増えています。チョコレートが苦手な人へのバレンタインギフトとしても最適です。

しかしながら、焼き上がりを見極めるのは難しく、上手く火を通せていない生焼けのスコーンになってしまうことも。生焼けのスコーンは、期待した美味しさを半減させてしまうだけでなく、時には胃腸を壊す可能性もあります。そこで、スコーンが生焼けでないかを見分ける3つの方法を提案します。

生焼けの見分け方①焼き色で判断

まず最初に、スコーンの表面を確認します。焼き上がりの様子を見ることは、生焼けかどうか判断する最も一般的な方法です。スコーンがちゃんと焼けていれば、その表面は美しいゴールデンブラウン色になります。白っぽい部分や茶色と白色が混ざっている部分がある場合は、生焼けの可能性があります。

生焼けの見分け方②中心部にフォークで触れて判断する

焼き色だけでは判断が難しいときは、焼き上がったスコーンの中心にフォークや竹串を刺してみましょう。すっと差し込めるようであれば中までしっかり焼けていますが、刺したときにねばついた生地が付いてくる、または固い感触がある場合は、生焼けの可能性があります。特にスコーンの中心部は熱が届きにくいため、外側だけで判断せず、必ず中心をチェックするのが大切です。この確認は焼成後すぐ行えるため、初心者の方にもおすすめの見分け方です。

生焼けの見分け方③焼き色の均一性を確認

最後に、スコーンを半分に割ってみてください。その断面を見ることで、生焼けかどうかがはっきりとわかります。もし、白っぽい部分や生地のような感じがする部分がある場合は、それは生焼けです。スコーンがちゃんと焼けていれば、その断面は均一に黄金色でふんわりとした感じになります。

スコーンの生焼けは、以下の3つの主な原因が考えられます。

生焼けの原因①オーブンの温度が低い

スコーンがしっかり焼けない原因のひとつに、オーブンの温度設定ミスがあります。レシピ通りの温度に設定したつもりでも、実際には庫内が設定温度まで達していないケースもあります。オーブンによっては予熱が不十分だったり、温度センサーに誤差がある場合もあるため、温度計を使用して実際の庫内温度を確認するのもおすすめです。焼き上がりに不安がある場合は、温度を10℃ほど高めに設定してみるのもひとつの方法です。

生焼けの原因②焼き時間が短い

オーブンの温度が適切でも、焼き時間が足りないと当然中まで火が通りません。スコーンの厚みやサイズによっては、レシピよりも長く焼く必要が出てくることもあります。特に大型のスコーンや生地が厚めの場合は、中心まで熱が届くのに時間がかかります。一般的な目安は180℃で20〜25分程度ですが、様子を見ながら5分ずつ延長し、焼き色や香りの変化を見逃さないようにしましょう。

生焼けの原因③生地に水分が足りない

意外に思われるかもしれませんが、水分不足も生焼けの一因になります。水分が少ないと熱伝導が悪くなり、生地の中心部にうまく熱が通らなくなります。また、水分が足りないことで生地がまとまらず、均等に膨らまず焼きムラの原因にもなります。逆に混ぜすぎるとグルテンが出てしまい、スコーン特有のサクホロ食感が損なわれるので注意が必要です。粉っぽさがなくなる程度に優しく手早く混ぜ合わせるのがコツです。

スコーンを生焼けにしないためには、適切な温度と時間のバランスが重要です。目安としては180℃に予熱したオーブンで20〜25分程度焼きますが、生地の大きさや湿度によって調整が必要です。焼成中はオーブンの扉を途中で開けないことも大切です。冷気が入ると温度が下がり、生焼けになりやすくなります。特に最初の5〜10分はスコーンが膨らむ大切な時間帯なので注意しましょう。また、焼成前に軽く牛乳を表面に塗ることで、焼き色がつきやすくなり見た目の判断材料にもなります。

スコーンが生焼けの状態であるにも関わらず食べてしまうと、いくつかの健康リスクがあります。まず、加熱が不十分な小麦粉には食中毒を引き起こす可能性のある菌（サルモネラ菌、カンピロバクターなど）が残っていることがあり、これを摂取すると腹痛や下痢、発熱といった症状が現れる恐れがあります。また、生焼けのスコーンはでんぷんが加熱されておらず、消化しにくいため、お腹が張ったりガスが溜まったりすることも。特に日本人は生の小麦に弱いため注意が必要です。さらに、食感や風味も大きく損なわれ、せっかくの手作りスコーンが残念な仕上がりになってしまいます。

もし焼きあがったスコーンが生焼けだった場合でも、すぐに捨ててしまう必要はありません。再加熱することでしっかり火を通すことが可能です。まず、オーブンを180℃に再設定し、スコーンを10〜15分ほど追加で焼いてみましょう。断面にフォークで穴をあけておくと、中まで火が通りやすくなります。トースターを使用する場合は、180℃で5〜10分程度が目安ですが、焦げやすいのでアルミホイルを軽くかぶせると安心です。フライパンを使うなら、弱火でじっくり両面を焼くと、外側はカリッと中はふんわり仕上がります。ただし、一度生焼けだったものは傷みやすいため、早めに食べきるようにしましょう。