有塩バター 無塩バター

バターを選ぶ際、「有塩」と「無塩」のどちらを選ぶかは、料理の種類や個人の好みによって異なります。しかし、この2つのタイプには味わいだけでなく、調理方法や栄養面での違いもあります。今回は、有塩バターと無塩バターの特徴と使い分けについて詳しく解説します。

料理におけるバターの役割

バターは料理に豊かな風味と濃厚な味わいをもたらす魔法の調味料です。焼き菓子やパンに使えば、しっとりとした食感とコクのある味わいを生み出します。素材本来の味を引き立て、香ばしい焼き色をつけるのも得意技。高温調理でも低温調理でも活躍し、クリームソースやホワイトソースの風味作りに欠かせません。サクサクのクッキーやタルト生地を作ったり、スポンジケーキをふわふわに、パウンドケーキをしっとりと仕上げるなど、お菓子作りでも多彩な役割を担っています。さらにビタミンAやDを含む栄養価の高さも魅力で、風味、コク、そして栄養まで兼ね備えた万能選手がバターなのです。

無塩バターと有塩バターの違い

バターの売り場には「加塩バター」と「食塩不使用バター」が並んでいます。一般に「無塩バター」と呼ばれる食塩不使用バターは、生乳に本来含まれる微量の塩分以外は塩を使用していません。一方で「有塩バター」とも呼ばれる加塩バターには、食塩が1.5%程度含まれています。 製法はほぼ同じで、最終工程で塩を加えるかどうかが違います。無塩バターのほうが賞味期限が短く、一般に価格が高めに設定されています。 カロリーに大きな差はありませんが、調理や菓子作りの用途に合わせて使い分けると良いでしょう。無塩バターは本来の乳製品の風味を楽しめ、焼き菓子などに適しています。一方の加塩バターは塩気とコクがあり、パンやお料理向けです。塩分制限が必要な方は無塩バターをおすすめします。

なぜお菓子作りには無塩バターを使うの?

お菓子作りにおいて無塩バターを使う最大の理由は、素材本来の風味を損なうことなく、バターの豊かな香りと滑らかな口当たりを最大限に生かせることにあります。一般的に有塩バターには一定量の塩分が含まれているため、お菓子の味が塩っぽくなりすぎてしまう可能性があります。一方、無塩バターには食塩が一切入っていないため、レシピどおりの塩分量を調整しやすく、素材の味わいとバターの風味を理想的な塩梅で楽しめます。 さらに、小麦粉のグルテン形成に食塩が影響を及ぼすことから、無塩バターを使うことで理想的な食感を実現しやすくなります。ふわっとしたスポンジやサクサクのクッキー、サクサクのタルト生地など、お菓子本来の食感を損なうことなく仕上げられるのが大きなメリットです。 お菓子作りでは素材の風味を最大限に活かすことが何よりも重要です。無塩バターを使うことで、バターの豊かな風味を存分に楽しめるだけでなく、素材本来の味わいを損なうことなく、理想的な仕上がりを実現できるのです。

有塩バターがない時の代用品

手元に有塩バターが無い場合、様々な調理材料で賢く代用できます。無塩バターに適量の食塩を加えるのが最も手軽な方法です。例えば100gの無塩バターに対し、塩を1.5g加えれば有塩バターの風味を再現できます。 また、植物油やマーガリンを使うのも代替案として有効です。オリーブオイルやナッツオイル、米油などを使えば、バターに代わる風味を加えられます。マーガリンを用いる際は、できる限り質の高いものを選び、適量の塩を加えることで、より風味を引き立てることができます。 さらに、フランス産の天然塩"ゲランドの塩"もユニークな代替品の一つです。無塩バターやオイルに小さじ1杯のゲランドの塩を加えれば、有塩バターに匹敵する味わいを楽しめるでしょう。

無塩バターがない時の代用品

無塩バターが手に入らない時の代替品は、さまざまな選択肢があります。まずは植物油が挙げられます。オリーブ油やごま油など、香り高い油を使えば、料理に風味を加えることができます。マーガリンも代用品として使用できますが、マーガリンには塩分が含まれていることが多いため、レシピに合わせて調整が必要かもしれません。 卵の黄身も無塩バターの代替品として機能します。卵黄には油脂分が豊富に含まれているため、バターと同様にしっとりとした食感を作り出すことができます。ただし、卵独特の風味が強く出てしまうため、一部の料理では向かないかもしれません。 最後に、アーモンドやヘーゼルナッツなどのナッツを使うのも一案です。ナッツをペースト状にすれば、バターのような油分を活かすことができます。特にお菓子作りには適しており、ナッツの香ばしい風味も楽しめます。 有塩バターの使用は控えめにしましょう。有塩バターには食塩が含まれているため、バターを大量に使う菓子作りでは、塩分の量が多くなり、味がしょっぱくなる可能性があります。レシピに無塩バターと記載されている場合は、有塩バターを代用しないよう注意が必要です。ただし、一部のタルトやクッキーなど、お菓子の種類によっては有塩バターを使用しても問題ありません。 油を代用する場合は、クセのないサラダ油などが適しています。油にはバターの旨味やコクはありませんが、しっとり感を与える目的で使用することは可能です。また、無塩のマーガリンも代替品として利用できます。マーガリンの中にはお菓子用に塩分控えめのものもあり、無塩バターに近い仕上がりになるでしょう。

まとめ

有塩バターは、塩の風味が加わり、味わいが深くなるため、パン作りやグリル料理など、味付けが必要な料理に適しています。一方、無塩バターは素材本来の風味を最大限に生かせるため、デリケートな味付けが必要なお菓子作りや、ソースなどの基本調味料に向いています。場合によっては、無塩バターに適量の塩を加えるのも一案です。状況に応じて使い分けることで、料理の味わいが一層引き立ちます。

バター