鮮やかな赤紫色に染まる大粒の果実、ロザリオ ロッソ。この美しいぶどうは、マスカット・オブ・アレキサンドリアとルビーオクヤマの交配によって生まれた、知る人ぞ知る希少品種です。兄弟品種であるロザリオビアンコとは対照的な色合いを持ち、その栽培量の少なさから「幻のぶどう」とも呼ばれています。市場に出回ることが極めて稀なため、その存在を知る人は限られています。もし見かけることがあれば、ぜひその芳醇な香りと上品な甘さを味わってみてください。きっと忘れられない特別な体験となるでしょう。

ロザリオ・ロッソとは?秘められた希少性と誕生秘話
ロザリオ・ロッソは、山梨県甲府市にある植原葡萄研究所で、「マスカット・オブ・アレキサンドリア」と「ルビーオクヤマ」を交配し、1984年に生まれた実生から選抜・育成されたぶどうです。その歴史は浅く、初めて結実したのは1988年と記録されています。この品種は、黄緑色の果皮を持つ「ロザリオビアンコ」と兄弟関係にありますが、ロザリオ・ロッソは鮮やかな赤紫からピンク色の大粒を持つ点が際立っています。日本全国のぶどう園で栽培されていますが、生産量はごくわずかで、政府の統計データに掲載されないほど市場に出回ることが少ない「幻のぶどう」とも呼ばれます。そのため、一般的なお店で見かけることはほとんどなく、希少性がその価値を高めています。もし出会うことがあれば、ぜひその独特な風味と食感を体験していただきたい逸品です。
ロザリオ・ロッソの比類なき特徴:色、食感、そして洗練された甘さ
ロザリオ・ロッソの果粒は、兄弟品種である「ロザリオビアンコ」と同様に、均整のとれた美しい楕円形をしています。外観上の最も特徴的な点は、その果皮の色合いです。本来は全体的に淡い赤紫からピンク色に染まるとされていますが、実際の色づきは地域や栽培環境によって異なる場合があります。
例えば、滋賀県竜王町産のロザリオ・ロッソでは、粒はしっかりとしていて味も良いものの、果皮の色付きが比較的薄いものも見られます。また、房全体が均一に色づかず、表面のみが着色していることもあります。皮はしっかりとしており、果肉との分離があまり良くないため、無理に剥くと実が崩れてしまうことがあります。
そのため、基本的には皮ごと食べることが推奨されています。しかし、好みによっては皮を剥いた方が口当たりが良いと感じる方もいるため、自由に試してみるのが良いでしょう。果肉は、シャキシャキとした独特の食感が感じられるほど引き締まっており、口に含むとジューシーで豊かな果汁が溢れます。
味わいは、すっきりとした上品な甘さが特徴で、酸味は穏やかで控えめです。この絶妙な甘さと酸味のバランスが、飽きることなく次々と食べたくなるような魅力を生み出しています。実際に、観光農園で購入されたロザリオ・ロッソの中には、果皮が濃い赤紫色に輝き、糖度が20度を超えるものもあり、その質の高さと魅力を物語っています。
ロザリオ・ロッソの産地と旬:入手困難なぶどうの収穫時期
ロザリオ・ロッソは、その希少性の高さから特定の主要産地は確立されておらず、全国各地のぶどう園で少量ずつ栽培されています。既述の通り、生産量が非常に少ないため、政府の統計データにその生産量や栽培面積が公式に記録されることはありません。これが「幻のぶどう」と呼ばれる理由の一つであり、市場に出回る量が少ない大きな要因となっています。ロザリオ・ロッソの収穫時期、すなわち旬は、地域によって大きく異なります。
原産地の山梨県では、通常9月上旬から中旬にかけてが最盛期とされています。しかし、比較的温暖な気候の九州地方では、これより早い8月下旬頃から収穫が始まることがあります。一方、冷涼な気候の山形県を含む東北地方では、旬が遅れて10月上旬頃まで収穫が続くこともあり、全国的に見ると比較的長い期間ロザリオ・ロッソを楽しむことができます。しかし、市場への流通量が非常に少ないため、旬の時期であっても、一般のスーパーなどで簡単に入手することは難しいでしょう。ぶどう狩りができる観光農園や、特定の直売所などで偶然出会えるチャンスを狙うのが、この貴重なぶどうを味わうための現実的な方法と言えるでしょう。

まとめ
ロザリオ・ロッソは、山梨県で誕生した「マスカット・オブ・アレキサンドリア」と「ルビーオクヤマ」を両親に持つ、非常に珍しい赤ぶどうです。その美しい赤紫色の果皮、シャキシャキとした食感の果肉から溢れるジューシーな果汁、そしてすっきりとした上品な甘さが特徴で、一度食べたら忘れられない魅力があります。生産量がごくわずかで、「幻のぶどう」として市場に出回る機会は限られていますが、8月下旬から10月上旬にかけて、それぞれの地域の旬の時期に観光農園などで見つけることができるかもしれません。皮ごと食べられる手軽さと、豊かな風味は、まさにぶどう愛好家を魅了する特別な存在と言えるでしょう。
ロザリオ・ロッソとはどんなブドウ?
ロザリオ・ロッソは、1984年に山梨県の植原葡萄研究所で生まれた赤色のブドウです。「マスカット・オブ・アレキサンドリア」と「ルビーオクヤマ」を掛け合わせて作られました。黄緑色の「ロザリオビアンコ」とは兄弟関係にあたります。実は大きくて、赤紫色からピンク色の美しい色合いをしています。果肉はプリッとしていて、とてもジューシー。上品でさっぱりとした甘さが魅力です。生産量が非常に少ないため、「幻のブドウ」と呼ばれることもあります。
ロザリオ・ロッソとロザリオ・ビアンコの違い
ロザリオ・ロッソとロザリオ・ビアンコは、どちらも植原葡萄研究所で開発された兄弟品種です。一番の違いは果皮の色です。ロザリオ・ビアンコは黄緑色の果皮を持つ一方、ロザリオ・ロッソは赤紫色からピンク色に染まります。また、ロザリオ・ロッソの両親は「マスカット・オブ・アレキサンドリア」と「ルビーオクヤマ」ですが、ロザリオ・ビアンコは「ロザキ」と「マスカット・オブ・アレキサンドリア」を親に持ちます。
ロザリオ・ロッソの旬はいつ?
ロザリオ・ロッソの旬は、地域によって多少異なります。原産地の山梨県では、9月の上旬から中旬頃が最も美味しい時期とされています。温暖な九州地方では8月下旬頃から収穫が始まり、東北地方では10月上旬頃まで収穫できることもあります。比較的長い期間楽しめますが、生産量が少ないため、旬の時期であっても手に入れるのは難しいことが多いです。
ロザリオ・ロッソは皮も食べられる?
はい、ロザリオ・ロッソは皮ごと食べられるブドウです。皮はしっかりとしていて、果肉との分離があまり良くないため、皮を剥かずにそのまま食べるのが一般的です。ただし、皮の食感が気になる場合は、剥いて食べることも可能です。お好みに合わせてお楽しみください。
ロザリオ・ロッソはどこで手に入る?
ロザリオ・ロッソは非常に生産量が限られており、その希少性から公的な統計にも表れないほどです。そのため、通常のスーパーマーケットなどではほとんど見かけることはありません。もし購入を考えているのであれば、ぶどう狩りが楽しめる観光農園や、特定の地域から直接取り寄せることができるオンラインショップ、あるいは地元の農産物直売所などを探してみるのが良いでしょう。一番確実なのは、旬の時期に実際に産地を訪れることだと言えます。