シャキシャキとした食感が魅力の蓮根ですが、調理前の下処理、特にアク抜きはどのようにされていますか？ 実は、蓮根のアク抜きは必ずしも必要ではありません。料理の種類や、蓮根の風味をどう生かしたいかによって、最適な方法が変わってくるんです。この記事では、蓮根のアク抜きについて徹底解説。アク抜きが必要かどうか、目的別の最適な方法（水、酢水）を詳しくご紹介します。あなたにとってベストな蓮根の下処理を見つけましょう！
レンコンのアクとは？成分とアク抜きの重要性
レンコンのアクは、主にポリフェノールの一種である「タンニン」のことです。タンニンは、レンコンの断面が空気に触れると酸化して茶色く変色する原因になり、特有の苦みやえぐみの元にもなります。レンコンのアク抜きが必要かどうかは、タンニンによる影響をどうしたいかによって変わります。例えば、レンコンの白い見た目を活かしたい料理や、素材の味を楽しみたい料理では、アク抜きをして変色やえぐみを取り除くことが大切です。一方、栄養を摂りたい場合や、濃い味付けの料理では、アク抜きをせずに調理することもできます。アク抜きは必須ではありませんが、料理の仕上がりや風味を良くするために、目的と効果を理解することが重要です。
レンコンのアク抜きは必須ではない！料理によって下処理を変えよう
レンコンはアク抜きが必要と思われがちですが、必須ではありません。アクにはえぐみや苦みの成分が含まれているため、薄味の料理ではアク抜きをした方が良いですが、濃い味付けの料理では影響は少ないです。アク抜きしないメリットもあるので、作る料理によってアク抜きをするかどうか選ぶのがおすすめです。判断基準とアク抜きの方法を解説します。
変色やえぐみを防ぎたいなら「水」にさらす
レンコンをアク抜きするメリットは、変色を防ぎ、苦味やえぐみを取り除くことです。レンコンには、アクの成分であるタンニンが多く含まれています。タンニンは、切った断面が空気に触れると酸化して茶色く変色します。サラダ、なます、天ぷらなど、レンコンの白さを活かしたい料理では、切った後すぐに水にさらすことが重要です。水にさらすことで、レンコンが空気に触れるのを防ぎ、酸化を抑えることができます。また、タンニンは苦みやえぐみの元にもなりますが、水に溶けやすい性質があるので、水にさらすことで苦みやえぐみを抑えることができます。素材の甘みや繊細な味わいを引き立たせる料理では、水でのアク抜きが重要です。ただし、切った後すぐに加熱調理する場合は変色はしにくいですが、鉄鍋など鉄を含む調理器具で煮たり炒めたりすると、タンニンが鉄と結合して黒く変色することがあるので注意が必要です。
シャキシャキ食感を活かしたいなら「酢水」を使う
れんこんをアク抜きする利点として、酢水に浸すことで食感が向上する点が挙げられます。特に、れんこん特有のシャキシャキ感を際立たせたい場合は、酢水を利用するのがおすすめです。この食感はペクチンという成分に由来しており、酢に触れることでペクチンの分解が抑制されます。れんこんに含まれるペクチンは加熱に対しても安定しているため、調理後もその食感を保持できます。きんぴらなど、れんこんのシャキシャキ感を前面に出したい料理では、酢水にさらしてから調理に取り掛かりましょう。
栄養をムダなく摂りたいならアク抜きはしなくてOK
れんこんをアク抜きすることで、苦味やえぐ味を軽減し、変色を防ぐ効果が期待できます。しかし、一方で、れんこんが持つ栄養素が失われる可能性もあります。れんこんにはビタミンCやカリウムといった栄養素が豊富ですが、これらは水に溶けやすい性質を持っています。そのため、水にさらす時間が長くなると、これらの水溶性ビタミンやミネラルが流出しやすくなります。栄養を最大限に摂取したいのであれば、アク抜きをせずに調理するという選択肢もあります。その際は、アク抜きなしでも美味しく仕上がるように、濃いめの味付けの煮物や、細かく刻んで他の食材と混ぜ合わせることで風味が気にならなくなる料理を選ぶと良いでしょう。れんこんは、ビタミンCやカリウムの他に、食物繊維も豊富に含んでおり、健康維持に様々な面で貢献します。また、他の野菜や芋類と比較してカロリーがやや高めなので、カロリーを意識する場合は、調理方法や食材の組み合わせを工夫しましょう。さらに、れんこんの皮にも栄養が豊富に含まれているため、皮ごと調理することで、より多くの栄養を摂取できます。
れんこんのアク抜き方法と具体的な手順
次に、目的別のアク抜き方法と具体的な手順について解説します。作りたい料理や重視するポイントに応じて、最適な下処理を選びましょう。
水でアク抜きをする場合
れんこんの皮を剥き、お好みのサイズにカットします。その後、ボウルにカットしたれんこんが十分に浸かる程度の水を入れ、5～10分間さらします。この方法により、れんこんの風味を損なわずに、変色やえぐ味を抑えることができます。
酢水でアク抜きをする場合
蓮根の泥を落とし、皮を剥いたら、お好みの形にカットします。用意したボウルに水を入れ、水1リットルに対し、お酢を大さじ1杯加えた酢水を作ります。切った蓮根をその酢水に5分程度浸けておきましょう。こうすることで、蓮根独特のシャキシャキとした食感が際立ち、加熱調理後もその心地よい歯ごたえが保たれます。
料理別！れんこんのおすすめレシピ
ここでは、蓮根の持ち味である風味、食感、そして豊富な栄養を最大限に引き出すために、アク抜き方法別に最適なレシピをご紹介します。ご家庭での調理の際、ぜひ参考にしてみてください。
① れんこんのきんぴら
あのシャキシャキした食感と、甘辛い味付けが食欲をそそる、定番のお惣菜。お弁当のおかずにも最適です！
材料（2人分）
- れんこん：200g
- ごま油：小さじ2
- 砂糖：小さじ1
- 醤油：大さじ1
- みりん：大さじ1
- 白ごま：適量
作り方
- 蓮根は皮を剥き、厚さ3mm程度にスライスし、水に5分ほど浸してアク抜きをします。
- フライパンにごま油をひいて熱し、水気を切った蓮根を中火で炒めます。
- 蓮根が少し透明になってきたら、砂糖、醤油、みりんを加えてさらに炒め合わせます。
- 水分がほとんどなくなったら火を止め、白ごまを振りかければ完成です。
ポイント 蓮根は炒めすぎないように、少し歯ごたえが残る程度で火を止めると、より食感を楽しめます。
② れんこんのはさみ焼き
蓮根のシャキシャキ感と、ジューシーな肉の旨みが絶妙に組み合わさった、食べ応えのある一品です。
材料（2人分）
- れんこん：1節（約200g）
- 豚ひき肉：150g
- 玉ねぎ（みじん切り）：1/4個
- 醤油：小さじ2
- 片栗粉：適量
- サラダ油：小さじ2
たれ（混ぜておく）
- 醤油：大さじ1
- みりん：大さじ1
- 砂糖：小さじ1
作り方
- 蓮根は皮をむき、5mm幅にカットして水に浸します。
- ボウルに豚ひき肉、玉ねぎのみじん切り、醤油を入れ、よく混ぜてタネを作ります。
- 蓮根の水分を拭き取り、片栗粉を薄くまぶします。2枚の蓮根でタネを挟みます。
- フライパンにサラダ油を熱し、蓮根の両面を中火で焼き色がつくまで焼きます。
- 混ぜておいたタレをフライパンに加え、照りが出るまで煮絡めたら完成です。
ポイント 蓮根の厚みを均一にすることで、焼きムラを防ぐことができます。冷めても美味しくいただけます。
③ れんこんのすり流しスープ
口当たりが優しく、れんこん本来の甘みがじんわりと広がる、身体に染み渡るような和風スープです。
材料（2人分）
- れんこん：150g
- だし汁：300ml
- 塩：少々
- 薄口醤油：小さじ1
- 片栗粉：小さじ1（水小さじ1で溶く）
作り方
- れんこんは皮を剥き、丁寧にすりおろします。
- 鍋にだし汁を入れ、中火にかけます。すりおろしたれんこんを加えましょう。
- 焦げ付かないようにゆっくりと混ぜながら加熱します。とろみがついてきたら、塩と薄口醤油で味を調えます。
- 水溶き片栗粉を少量ずつ加え、好みのとろみに調整したら器に盛り付けます。
ポイント
れんこんをすりおろして加熱する際、加熱しすぎると粘り気が強くなりすぎてしまうため、弱火でじっくりと火を通すのが美味しく仕上げる秘訣です。
④ れんこんチップス
ちょっとしたおやつにも、お酒のお供にもぴったり！香ばしくて、ついつい手が伸びてしまうヘルシースナックです。
材料（2人分）
- れんこん：1節（約200g）
- サラダ油：適量
- 塩：少々
作り方
- れんこんは皮ごと丁寧に洗い、薄くスライスします（スライサーを使うと便利です）。
- スライスしたれんこんを水にさらし、アクを抜きます。その後、キッチンペーパーでしっかりと水気を拭き取ります。
- フライパンまたは鍋にサラダ油を熱し、160〜170℃になったら、れんこんをカリッとするまで揚げます。
- 油を切ったら、熱いうちに塩を振りかけます。
ポイント
れんこんを薄くスライスするほど、パリパリとした食感に仕上がります。お好みで、カレー塩や青のり塩など、色々なアレンジを楽しんでみてください。
⑤ れんこん入りつくね
シャキシャキとしたれんこんの食感がアクセント！満足感たっぷりのヘルシーつくねです。
材料（2人分）
- 鶏ひき肉：200g
- れんこん：100g（粗みじん切り）
- しょうが（すりおろし）：小さじ1
- 醤油：小さじ2
- 酒：小さじ2
- 片栗粉：小さじ1
- サラダ油：小さじ2
たれ（混ぜておく）
- 醤油：大さじ1
- みりん：大さじ1
- 砂糖：小さじ1
作り方
- れんこんは粗みじんにし、水にさっとさらし、水気を切っておきます。
- ボウルに鶏ひき肉、れんこん、すりおろしたしょうが、醤油、酒、片栗粉を入れ、よく混ぜ合わせます。
- 食べやすい大きさに丸く成形し、油を熱したフライパンで両面に焼き色をつけます。
- 火が通ったら、あらかじめ混ぜておいたタレを加え、全体に絡めながら煮詰めます。
ポイント
れんこんの食感を活かすため、粗めに刻むのがポイントです。甘辛いタレがご飯との相性抜群です。
これらのレシピでは、れんこんの「アク抜き加減」によって風味が変わることがあります。そのため、**酢水に軽くさらす（5〜10分程度）**のがおすすめです。炒め物やチップスなど、シャキシャキ感を残したい場合は短時間、煮物やスープなど、色良く仕上げたい場合は、少し長めにアク抜きをすると良いでしょう。
まとめ
れんこんのアク抜きは、目的によって最適な方法を選ぶことが大切です。見た目の美しさや風味の良さ、食感を重視するなら、水や酢水にさらすのが効果的です。特に、変色を防ぎたい、えぐみを抑えたい場合は水に、シャキシャキとした食感を楽しみたい場合は酢水にさらすと良いでしょう。一方、れんこんに含まれるビタミンCやカリウムなどの栄養素を無駄にしたくない場合は、アク抜きをせずに調理するのも一つの選択肢です。味付けが濃い料理や、他の食材と組み合わせてれんこんの風味が気にならないような料理であれば、アク抜きをしない方が栄養価を損なわずに、素材本来の旨味を味わえます。調理する料理や、何を重視したいかに合わせて、最適な下処理を選び、より美味しいれんこん料理を楽しんでください。
レンコンのアク抜きは本当に必要？
レンコンのアク抜きは、必ずしも行わなければならないものではありません。どのような料理を作るかによって、アク抜きをするかしないか、また、どのような方法を選ぶかが大切です。例えば、レンコンの変色を抑えたい、あるいは苦味を和らげたいのであれば水にさらすのが効果的です。シャキシャキとした食感を際立たせたい場合は、酢水に浸すと良いでしょう。逆に、栄養を無駄なく摂りたい場合や、味付けの濃い料理に使う場合は、アク抜きをしなくても問題ありません。
アク抜きなしで調理すると、栄養価は高くなる？
はい、アク抜きをせずに調理することで、レンコンに含まれるビタミンCやカリウムといった水溶性の栄養素が水に溶け出すのを防ぎ、より多くの栄養を摂取することが見込めます。レンコンはこれらの水溶性栄養素に加え、食物繊維も豊富に含んでいます。これらの栄養素を余すことなく摂取したいのであれば、アク抜きをせずに調理するのがおすすめです。
レンコンのシャキシャキ感をキープするには？
レンコン特有のシャキシャキとした食感を保つには、酢水を使ったアク抜きが大変有効です。レンコンの食感はペクチンという成分によるものですが、酢に触れさせることでペクチンの分解を抑制できます。これにより、加熱調理後も心地よい歯ごたえが長持ちします。きんぴらなどの食感を重視する料理に最適です。
レンコンの皮も食べられる？
はい、レンコンの皮も問題なく食べられます。皮にも栄養が含まれているため、皮を剥かずにそのまま調理することで、より手軽に栄養を摂取できます。ただし、土などが気になる場合は、調理前にしっかりと水洗いしましょう。
れんこんの変色を防ぐには？
カットしたれんこんは、時間が経つと色が変わってしまうことがあります。これは、れんこんに含まれるポリフェノールの一種、タンニンが空気と反応することで起こります。変色を防ぐためには、カット後すぐに水に浸すのが有効です。また、調理器具にも注意が必要です。鉄製の鍋などを使用すると、タンニンが鉄分と結合し、黒く変色することがあります。