冬の庭に彩りを添える赤い実のなる木は、古いから多くの人々を魅了してきました。 緑の葉とのコントラストはもちろんのこと、寒空の下で鮮やかに輝く姿は、心に優しくしてあげましょう。 クリスマスやお正月のようなイベントが多い冬だからこそ、庭この記事では、庭を彩る赤い実のなる木をご紹介します。 庭に彩りを与え、鳥たちを惹きつける赤い実の魅力に触れて、冬の庭をより豊かなものにしましょう。
カラタチバナ(百両、百両金)
数ある「○両」シリーズの中でも特に早く見られたのがカラタチバナ(百両)です。 江戸時代には、その美しい斑入り品種が百両もの高値で取引されたことが名前の由来と伝えられています。くつかの種類を組み合わせて正月用の寄せ植えを作るのも楽しみの一つです。やや寒さに弱く、日陰を覚悟しますが、成長が緩やかなため、一度植えればほとんど手間をかけずに、明るい赤い実を観賞できる魅力的な庭木です。
ヤブコウジ(十両)
赤い実の美しさが金十両に敵対すると言われたヤブコウジ。 葉の陰でひっそりと実をつける奥ゆかしい姿は、古くから日本人の心を捉えてきました。ドカバーとしても活用できる、多様な楽しみ方ができる点が魅力です。カラタチバナと同様に寒さにはやや弱いもの、日陰への耐性が非常に強いため、日当たりの悪い場所でも元気に育ち、冬の庭に彩りを添えてくれます。
アリドオシ(一両)
急トゲが特徴的なアリドオシ。名前の由来には、「蟻をも突っ込んで」ほどのトゲを持つことに由来するという説と、長く実を鑑賞できることから「有り通し」と一瞬受け取られたという説があります。実数がカラタチバナやヤブコウジよりも少ないことから「一両」とも呼ばれますが、「千両、万両」 、有通し」とセットで植えることで、金運に恵まれるという縁起担ぎとしても親しまれています。 日陰に強く、寒さにはやや弱い性質を持ちます。 剪定などの特別な手入れはほとんど必要ありませんが、危険トゲがあるため、枝を切る際にはゴム手袋などを着用し、安全に作業することをおすすめします。
ナンテン
「難を転ずる」という語呂合わせから縁起が良いとされるナンテンは、正月の寄せ植えやお飾りの定番として広く愛されています。様子もまた格別です。耐寒性に優れているため、雪国では赤い実と白い雪が織りなす幻想的な風景を楽しむことができます。
秋から冬に赤い実がなる常緑低木:庭を彩る6つの選択肢
常緑樹は、寒い冬でも葉を落とさず、赤い実と緑の葉のコントラストがクリスマスシーズンにぴったりです。 ここでは、少しの庭や鉢植えにも適した、比較的管理が容易な低木を6種類ご紹介します。
コトネアスター
小さくて指輪の赤いものと実をつけるコトネアスターは、非常に多くの品種が存在します。直立するもの、つる性のもの、秋に紅葉するもの、大きな葉や実をつけるものなど、多様な特性を持つ品種の中から、あなたの好みや庭のスペースに合わせて選ぶ鉢植えでの栽培はもちろん、グランドカバーとして床を覆ったり、花壇のアクセントとしても活用できます。 耐暑性・耐寒性に優れ、大きく成長しすぎない品種が多いので、手間がかからず毎年安定して赤い実を楽しめるのが魅力です。
チャイニーズホーリー(ヒイラギモチ)/クリスマスホーリー(西洋ヒイラギ)
チャイニーズホーリーとクリスマスホーリーは、厳密には異なる植物ですが、市場ではどちらも「クリスマスホーリー」販売されていることが多く、非常によく似ています。クリスマスの寄せ植えやリース作りに利用される他、葉のトゲを利用して、防犯対策として低い生垣にするのも良いでしょう。 寒さには強いですが、暑さはやや苦手です。 風通しの良い場所に植えることで、病害虫の発生を抑えることができます。
ハクサンボク(暖地向き)
枝先に小さな赤い実が密集してつく様子が対面ハクサンボクは、常緑樹でありながら、秋には葉が明るく紅葉し、木全体が赤く染まる姿を朝食にします。ですので、庭の素敵なアクセントになります。実際や花がついている時期には、切り花として室内に飾るのもおすすめです。風通しの良い場所に植え、枝が密集していたら剪定を行うことで、病害虫の発生を効果的に防ぐことができます。
キャラボク(伽羅木)の雌株
クリスマスシーズンにぴったりの、ベル形をした発色な赤色の実と繊細な葉を持つキャラボクは、低い生垣や庭のポイントとして親しみやすい庭木です。 晩夏から初秋にかけて、直径8mm~12mmほどの丸い実をつけます。 和風庭園の垣根によく用いられ、背丈の低い常緑針葉樹の一種です。性があるため、誤って口にしないようにしてください。 葉が黄色い品種もありますし、寒い地域では冬に葉が茶色くなることがありますが、その趣は変わりません。 樹形が乱れやすいため、年に1~2回、刈り込みや剪定を行うことで、美しい姿を長く保ってます。
アオキ(青木)の雌株
アオキの名前は、一年を通して葉や茎が青々としていることに由来します。 秋から冬にかけて、明るい楕円形の赤い実をつけて、庭に明るい彩りを与えます。 斑入りの品種が多く、日陰を強い性質から、日当たりの悪い場所でも明るい印象を添えてくれる貴アオキは丈夫で育てやすいですが、樹形が崩れやすいため、時々切り戻し剪定を行うことで、美しい樹形を維持し、より多くの実を発揮することができます。
ピラカンサ(トキワサンザシ)
秋になると、葉が隠れるほどに無数の赤い実をつけるピラカンサは、その圧倒的な実の多さで人々を魅了する庭木です。 秋から冬にかけて、住宅地でも豊かな実をつける様子が見られ、その数は他の庭木と比べても目立っています。頃からで、直径約6mmの丸い実をつけます。 春には白い可憐な花を咲かせ、一年を通して楽しめる、庭のシンボルツリーとして最適です。
秋~冬に赤い実を付ける落葉低木の庭木5種
落葉低木は、秋に葉を落とした後も美しい赤い実が枝に残り、寂しくなりがちな冬の庭に彩りを添える、貴重な存在です。ここでは、小さな庭や鉢植えでも育てやすく、冬の景色に温かみを加えてくれる5種類の低木をご紹介します。
オトコヨウゾメ(雄楊染)
オトコヨウゾメは、まるで小さな宝石のような赤い実をつけます。生で食べると少し苦味がありますが、果実酒にすると美味しく楽しめます。変わった庭木を探している方や、ちょっと個性をプラスしたい方におすすめです。風通しの良い場所に植えて、枝が混み合ってきたら、伸びた杉枝を根元から剪定することで、病害虫を防ぎ、健康な状態を維持できます。
ガマズミ(莢蒾)
秋になると枝先に真っ赤な実をたくさんつけるガマズミは、その明るい色合いで庭を明るく彩ります。熟した実は甘酸っぱく、そのまま食べても美味しいですが、ジャムや果実酒に加工するのもおすすめです。
セイヨウカマツカ(西洋鎌柄、アロニア)
繊細な枝葉に赤い実を点々とつけてヨウカマツカは、秋の紅葉も見事で、庭をカラフルに染め上げます。初夏に咲く白い小花も愛らしく、四季折々の変化を楽しめる庭木として人気です。
ウメモドキ(梅擬)の雌木
秋の初めから冬の間まで、長く赤い実を楽しめるウメモドキ。 梅に似た葉の形からその名が付きましたが、梅の仲間ではありません。 全体的にコンパクトな木ですが、実付きが良く、冬の庭に彩りを与えてくれます。 自然な雰囲気の庭や玄関先のアクセントに特におすすめです。
クコ(枸杞)
杏仁豆腐のトッピングでおなじみのクコの実ですが、中国では昔より健康を優先されてきました。 収穫された実は、およそ2週間ほど太陽の下で乾燥させることで食用になります。 夏には愛らしい紫色の花を咲かせ、秋から冬にかけては光沢のある赤い実をつけるため、観賞用としても実用性も抑えた庭木として人気があります。 日当たりと風通しの良い場所を選ぶことで、病害虫のリスクを軽減できます。 自然な樹形が崩れやすい傾向があるため、数年に一度、落葉期に剪定を行うことをおすすめします。 枝には小さなトゲがあるため、作業を行う際は手袋を着用すると安心です。
秋~冬に赤い実をつける常緑中高木の庭木7選
冬の庭を彩る、赤い実と緑の葉のコントラストが美しい常緑中の高木は、庭のシンボルツリーとして存在感を放ち、クリスマスの雰囲気を演出してくれます。 特に暖かい地域に適した庭木が多く、比較的暖かい地域にお住まいの方にはぜひ、庭への植栽を検討していただきたいです。
ソヨゴ(冬青)の雌木
シンボルツリーとして特に人気のあるソヨゴは、秋から冬にかけて、小さなサクランボのような赤い実をつけています。前の由来は、葉が風にそよぐ際に「そよそよ」と音を立て、さらに独特の「しゃらしゃら」という心地よい聞こえることに由来します。
ナナミノキ(七実の木)の雌木【暖地向き】
ナナミノキは、光沢のある緑色の葉とパープルな赤い実のコントラストが際立ち、冬の庭を明るく飾る常緑樹です。 比較的大きく成長する庭木なので、広めの庭のシンボルツリーや目隠しとして適しています。樹高を調整したい場合は、花が終わった後に剪定を行うことができますが、過度な剪定は今後の期待付きに影響を考慮する可能性があるため、注意が必要です。
イチイ
キャラボクとよく似た寒い赤い実と寂しい葉を持つイチイは、キャラボクよりも大きく成長する常緑の中の高木です。 耐寒性が非常に高く、冬のさの厳しい地域でも葉の色が変わらず、雪が積もると美しい景色を眺めます。肉(仮種皮)に包まれた中に黒い種子を持つ実をつけます。寒い地域に多く分布し、高く成長するのが特徴です。キャラボクと同様に、実の種子には毒性があるため、誤って口にしないよう注意が必要です。カイガラムシが発生する場合があるので、見つけたら早めに除去しましょう。
サンゴジュ【暖地向き】
夏から冬にかけて長い期間、赤い実を楽しめるサンゴジュ。 名前の由来は、赤い実が集まって垂れ下がる様子がサンゴのように見えることからきています。 太い葉が特徴で、防火樹として利用されることもあります。垣や目隠しとして植えるのがおすすめで、庭の景観を整えながら、防風・防火の役割も果たします。 日当たりと風通しの良い場所に植え、年に1~2回程度の剪定を行うことで、病害虫を予防し、健康な状態を保ってます。
モチノキの雌木【暖地向き】
暖かい地の工場や街路樹でおなじみのモチノキは、オレンジ色の丸い実を付けます。 控えめながらも彩りを添えてくれる庭木で、どんな庭にも合わせやすいのが魅力です。 10月頃から実を付けますが、大きく育つと実を見つけるのは難しい生垣や目隠しにおすすめで、潮風に強いとされますが、植栽された木は塩害で傷むので注意が必要です。風の良い場所に植え、2年に1度くらい剪定を行うと病害虫を防ぎ、健康な樹形を保ってます。
モッコク【暖地向き】
モッコクは秋に朱色の丸い実を付け、実が熟すと中から赤い種が出てくるという特徴的な結実をします。 葉は濃い緑色で光沢があり、朱色の実とのコントラストが美しいです。 モチノキとともに「庭木三名木」の一つとされ、広い和風庭園の目隠しやシンボルツリーにおすすめです。 カイガラムシが発生しやすい傾向がありますが、風通しの良い場所に植え、年に1回ほど剪定を行うことで予防できます。 カイガラムシを見つけたら早めに除去しましょう。
クロガネモチ(黒鉄黐)の雌木【暖地向き】
濃い緑色の葉と、光沢のある赤い実のコントラストが美しいクロガネモチ。 秋の始まりから冬の終わりまで、長い期間その実を楽しめるのが魅力的なポイントです。 実になる時期は10月頃からで、モチノキに似た雰囲気を持っています。 大きく成長すると実が見えにくいこともありますが、その存在感は全体的に落ち着いた色合いで、風格のある印象を考慮して、広い庭の生垣や目隠しに最適です。 風通しと日当たりの良い場所に植えることで、病害虫を予防し、実を良くすることができます。 年に一度、剪定を行うことで、樹木のサイズを調整し、美しい樹形を維持することが可能です。
秋~冬に赤い実を付ける落葉中高木の庭木4種
葉を落とした後も、紫な赤い実で庭を彩ってくれる落葉中高木は、冬の庭に活気を与えます。 これらの庭木は、寒冷地でも育てやすいものが多く、特に雪国では、赤い実と白い雪が織りなす美しい景色を楽しむことができます。 落葉後も実が残ることで、冬の庭のアクセントとして、その役割を十分に与えてくれるでしょう。
ハナミズキ(花水木)
初夏に咲く白やピンクの花が有名なハナミズキですが、秋から冬にかけてもまた魅力的です。 楕円形の光沢のある赤い実が、葉の上に並んでいる姿は愛らしく、実の時期は10月頃からです。
サンシュユ(山茱萸、ハルコガネバナ、アキサンゴ)
光沢のある赤い実が枝から垂れ下がるサンシュユは、見た目にも美しい庭木です。 実は生食だけでなく、果実酒やジャムにも加工できます。 実の時期は9月から12月頃まで。 落葉後も実が残り、春には黄色の花を咲かせるこれから、「ハルコガネバナ」や「アキサン」とも呼ばれます。一年を通して変化を楽しむため、シンボルツリーとしておすすめです。比較的大きく育つため、毎年落葉期に剪定を行い、樹形を整えるのがおすすめです。
アオハダ(青皮膚)の雌株
丸くて運命の赤い実を枝に沿ってつけてアオダは、秋の黄葉も美しく、赤い実と黄色の葉が似合う景色は格別です。 苗木は雌雄が難しいですが、もしかしたら雌株に出会えたら、迷わずシンボルツリーとして迎えたいものです。 すらっとした樹形は、洋風の庭にも調和し、上品な印象を与えます。
ナナカマド(七竈)【寒冷地推奨】
ナナカマドは、何気に赤い実を楽しめる庭木として人気があります。 紅葉前は緑の葉と赤い実のコントラストが美しく、紅葉期には木全体が赤く染まり、冬には雪景色の中で赤い実が映えます。て様々な表情を見せるために、シンボルツリーに最適です。 日当たりの良い場所に植えると実際付きがよくなり、より多くの実を収穫できます。 大きく成長するため、1~2年に一度、剪定を行うことで樹形維持をし、生育を促進しましょう。
まとめ
秋から冬に赤い実をつける庭木は種類が豊富で、それぞれ個性的な魅力があります。 お正月飾りやクリスマスの彩り、日陰を明るくするグランドカバーやシンボルツリーなど、用途や環境に合わせて選ぶことができます。 その年の気候や地域によっては、実の付き具合に差が出たり、強風で落ちたりたり、鳥に食べられたりすることもありますが、庭で実を眺める部屋、飾る喜び、小鳥を観察する時間は、私たちに癒しと楽しみを与えてくれます。
なぜ秋から冬に赤い実をつける木が多いのですか?
赤い実のなる木が秋から冬にかけて実をつけるのは、種子を効率的に散布するための戦略です。この時期は他の植物の葉が落ち、赤い実が目立ちやすいため、鳥などの動物に発見されやすくなります。冬は食料が少ないため、赤い実は鳥にとって貴重な栄養源となり、植物と動物の共生関係が進化の過程で確立されたと考えられています。
赤い実がなる庭木を育てる上での留意点は?
赤い実をつける庭木を栽培する際には、いくつかの注意点があります。 まず、植物の種類によっては「雌雄株が異なる」場合、実を結ぶためには雌株と雄株を一緒に植える必要があります。お子様様やペットがいるご家庭では、誤食を防ぐために特に注意が必要です。 病気や害虫の予防策としては、風通しと日当たりの良い場所を選び、定期的な剪定を行うことが大切です。 さらに、ナンテンやキャラボクのように、種に毒性を含む種類もあるため、取り扱いには十分な注意を払いましょう。
赤い実のなる木は、クリスマスや新年の装飾に活用できますか?
はい、赤い実をつける木は、クリスマスや正月飾りとして非常に優遇され、様々な用途で利用されています。例えば、クリスマスホーリーやピラカンサの赤色の実は、リースやスワッグ作りの材料として最適です。ンリョウやナンテンは、その縁起の良さから新年の門松や寄せ植えに必要な存在となっています。これらの実のついた枝を切り花として室内に飾るだけでも、冬のインテリアを鮮やかに演出し、季節感を味わうことができます。