和菓子の中でも広く愛される「あんこ」は、甘さと風味だけでなく、その健康効果でも注目されています。小豆を主原料とするあんこは、食物繊維やミネラルが豊富で、現代の食生活に不足しがちな栄養素を補える優れた食品です。特に、低脂肪でありながら満腹感を得られるため、健康的な間食として人気です。さらに、和菓子には無添加のものも多く、体に優しいおやつと言えるでしょう。今回は、あんこの持つ健康効果を徹底的に解説し、その魅力を多角的に探ります。
【あんこの健康効果】鉄分や抗酸化作用を持つ、女性にとって嬉しい栄養がたっぷり!
つぶあんとこしあん、栄養素が豊富なのはどちら? あんバターサンドやフルーツ大福など、流行のあんこスイーツはヘルシーなのでしょうか?
日本国内はもとより、今では海外でも大人気のあんこスイーツ。実は美味しいだけでなく、あんこには栄養が豊富であることを知っていますか? 今回、管理栄養士の倉田祥子さんに、あんこの栄養成分や女性にとって嬉しい健康効果、そしてなぜあんこがヘルシーとされるのかについて尋ねてみました。これだけ良いことづくしだと、一層あんこスイーツに手が伸びちゃうかもしれませんね!
豊富な栄養! あんこの持つ栄養素
あんこの主成分であるあずきには、どのような栄養素が含まれているのでしょうか。「あんこには、糖質、タンパク質、脂質といった、私たちの健康に欠かせない主要な栄養素が含まれています。また、食物繊維やカリウム、カルシウム、鉄、亜鉛などのミネラルも豊富に含んでいます。あずきは栄養価の高いスーパーフードとされており、あんこにするとその栄養価は若干低下しますが、それでも重要な栄養素を多く含んでいるため、ヘルシーな食品として評価されています。」
さらに、あんこは甘みを出すために砂糖が加えられることが多いですが、驚くことに、あずきに含まれる特定の成分が血糖値の急な上昇を抑えてくれると言われています。
「あずきの皮に含まれるポリフェノールには、血糖値の上昇を抑制する効果があります。同様に、食物繊維もその働きを助けます。これら2つの成分のおかげで、糖分が多めに含まれていてもヘルシーにあんこを楽しむことができるのです。」
加えて、あずきはビタミンB群が豊富で、「ビタミンB1は糖質の代謝に有用であり、あんこに含まれる糖分とビタミンB1の組み合わせは、糖のエネルギー代謝をサポートします。また、ビタミンB2も含んでおり、これは脂質の代謝に役立ちます。たとえば、流行中のあんバターサンドイッチでは、バターの持つ脂質をエネルギーに変える手助けをしてくれるため、単にカロリーが高いだけの食品ではないのです。」
鉄分の摂取
あずきには鉄が豊富に含まれているため、生理があり貧血を起こしやすい女性には欠かせない栄養素です。間食として、あんこは非常におすすめです。また、鉄はビタミンCと共に摂取すると吸収が良くなるので、フルーツ大福やフルーツあんみつは女性に最適なおやつとなります。
若々しい状態を保つ抗酸化力
さらに、あずきの皮に含まれるポリフェノールは、抗酸化作用がある成分として広く認識されています。「老化や病気を引き起こす要因の一つとされる体内の『酸化』に対抗するためには、抗酸化作用を持つ食品を積極的に摂取することが大切です。」
あんこスイーツは健康的? ダイエットに適しているのか
和菓子は健康に良いと聞いたことがあるかもしれませんが、それは本当でしょうか?甘味を楽しみながら健康的と言われる理由について考えてみましょう。
和菓子は、特にあんこを使用したものは、洋菓子に比べて脂質が少なく、その結果カロリーも低いとされています。たとえば、大福1個は約150~250カロリーですが、ケーキ1個は400~500カロリーに達することもあります。ただし、糖質は高めなので、ダイエット中や糖質制限中の方、糖尿病の方は注意が必要です。
また、頭を使う仕事や勉強の際にはあんこを使ったスイーツが推奨されています。糖分が不足すると脳の機能が低下してしまうので、勉強や仕事の合間にあんこスイーツを楽しむのは良いアイデアです。糖質オフダイエットが流行していますが、糖分不足で頭がぼーっとするのは、この原因によるものだと言えるでしょう。
つぶあんとこしあん、栄養面で優れているのはどっち?
つぶあんとこしあんの好みは人それぞれですが、栄養価に違いはあるのでしょうか。
倉田さんによると、「あずきの皮にはポリフェノールや食物繊維が含まれているため、つぶあんの方が栄養価が高いと言えます。こしあんでは皮が取り除かれるため、砂糖が多めに加えられることもあります」とのことです。