ラズベリー時期:甘酸っぱい実りの季節と栽培のコツ
甘酸っぱい香りが漂うラズベリー。その鮮やかな赤色は、初夏の訪れを告げる喜びのサインです。自家栽培なら、摘みたてのフレッシュな風味を存分に楽しめます。この記事では、ラズベリーの旬な時期と、甘く美味しい実を収穫するための栽培のコツを徹底解説。初心者でも安心な品種選びから、剪定、病害虫対策まで、ラズベリー栽培のノウハウを余すことなくお伝えします。さあ、あなたもラズベリーの甘酸っぱい魅力に触れてみませんか?

ラズベリーとは?基本情報と魅力

ラズベリーは、バラ科キイチゴ属に分類される、高さ1~1.5mほどの低木です。一般的に「木苺」という名前でも親しまれています。原産地は主にヨーロッパや北アメリカですが、日本にも多くの品種が自然に生育しています。その甘酸っぱい果実は、そのまま食べるのはもちろん、ジャム、シロップ、ジュースといった加工品にも適しています。一本の株からでも実がなりやすく、比較的丈夫な品種が多いので、ガーデニング初心者にも育てやすいのが大きな利点です。

ラズベリーの品種:一季なりの品種と二季なりの品種、おすすめを紹介

ラズベリーの品種は大きく「一季なり性」と「二季なり性」に分けられます。一季なり性の品種は、年に一度、7月から8月にかけて収穫時期を迎えます。一方、二季なり性の品種は、年に二回、6月から7月と7月から10月に収穫できるのが特徴です。果実の色も、赤色、黒色、黄色、オレンジ色など、バラエティ豊かです。

一季なり性の品種

一季なり性の品種は、年に一度だけ収穫できるタイプです。代表的な品種としては、以下のようなものがあげられます。

トゲなしラズベリー・グレンモイ

栽培と収穫の容易さが魅力の、トゲがない品種です。風味豊かで甘みも十分にあり、そのまま食べても美味しくいただけます。また、アブラムシに対する抵抗性も持ち合わせています。

ブラックキャップ

黒色の実をつけるラズベリーをお探しであれば、ブラックキャップがおすすめです。最初は赤い実をつけますが、熟成するにつれて黒色へと変化していきます。完全に黒くなるまで待つことで、深みのある味わいを楽しめるのが特徴です。

二季なり性の品種

年に2回収穫が可能な二季なり性の品種。代表的な品種は以下の通りです。

夏の収穫祭

まさにラズベリーと呼ぶにふさわしい、鮮やかな赤色の果実を豊富に実らせます。夏に収穫できる量が比較的多いのが特徴です。甘さと酸味のバランスが絶妙で、芳醇な香りも人気の理由の一つです。

インディアンサマー(品種)

ラズベリーの中でも特に有名な品種の一つです。さっぱりとした酸味と、深みのある味わいがその特徴として知られています。

ナンタヘーラ(品種)

数あるラズベリーの品種の中でも、暑さに強いことで知られています。赤い実をつけ、温暖な地域でも比較的栽培しやすい品種です。種が小さいため、食べやすいのも魅力です。

ジョイゴールド(品種)

大ぶりで黄色い果実が特徴で、甘みが強くゼリーのような食感が楽しめます。生で食べるのに最適な品種です。

リサ(R)オレンジピコ

目を引くオレンジ色のラズベリーで、その実は甘美な香りを放ちます。生で味わうのはもちろん、自家製ジャムや冷凍保存にも最適です。

ジョンスクエアー(R)

棘がないため、栽培が容易な赤いラズベリーです。収穫期間が長く、多くの方に選ばれている人気の品種です。

ゴールデンエベレスト

熟すにつれて緑色から鮮やかな黄色へと変化する、珍しいラズベリーです。酸味が少なく、強い甘みが特徴なので、酸味が苦手な方にもおすすめです。

黄色いラズベリー

黄色い実をつけるラズベリーとして、ファールゴールドなどが知られています。ファールゴールドは一季成り性ですが、結実期間が長く、豊かな収穫量が期待できます。特に甘みが強いため、フレッシュな味わいを楽しむのに適しています。

ラズベリーの栽培:庭植えと鉢植え、基本の育て方

ラズベリーは、庭でも鉢でも育てられる果樹です。美味しく実らせるための基本は、日当たり、水やり、肥料、そして剪定。これらをきちんと行うことが大切です。

土作り

ラズベリーは比較的土を選びませんが、水はけと保水性のバランスが良い土壌で育てると、より生育が良くなります。自分で土をブレンドするなら、小粒の赤玉土と腐葉土を7:3の割合で混ぜるのがおすすめです。市販の果樹用培養土なら、手間なくそのまま使えるので便利。特に初心者の方にはおすすめです。庭に植える場合は、あらかじめ腐葉土を混ぜて土を耕しておきましょう。

苗木の選び方

ラズベリーを育てる際は、苗木から始めるのが一般的です。直接苗木を選べる場合は、細くて弱々しいものではなく、しっかりとした太さのものを選びましょう。根がしっかりと張っていて、苗がぐらつかないことも大事なポイントです。また、枝がたくさん出ているか、病気や害虫の被害がないかも確認しましょう。

植え付け:庭植えと鉢植えのやり方

ラズベリーは一本でも実をつける自家受粉性があるので、狭い庭でも育てやすいのが魅力です。たくさん収穫したい場合は、複数株植えるのがおすすめです。植え付けに適した時期は、11月から2月の落葉期です。春に新芽が出る前に植え付けを済ませましょう。ただし、真冬の植え付けは株が弱る原因になるため、避けた方が良いでしょう。

鉢植え

ラズベリーをコンパクトに育てたいなら、鉢植え栽培がおすすめです。ベランダでも手軽に楽しめます。鉢のサイズによって株の大きさを調整できるため、小さく育てたい場合は、小さめの鉢を選びましょう。一般的に、直径10cm程度の3~4号サイズの苗木が販売されているので、一回り大きい8号サイズ(直径24cm)の鉢を選ぶのがおすすめです。鉢底には、水はけを良くするために鉢底ネットと鉢底石を敷きましょう。苗をポットから取り出し、根を傷つけないように丁寧に鉢に入れ、周囲に土を詰めていきます。細い棒などで軽く突くと、根と土の間に隙間ができにくくなります。土の表面が鉢の縁から少し下になるように調整し、ウォータースペースを確保しましょう。植え付け後は、鉢底から水が流れ出るまでたっぷりと水を与えましょう。

地植え

ラズベリーは地下茎を伸ばして広がる性質があります。地植えにする場合は、周囲の植物に影響を与えないように、十分にスペースのある場所に植え付けましょう。スペースの確保が難しい場合は、地中に仕切りを埋め込むのも有効な方法です。複数の株を植える際は、株間を2m程度空けるようにしましょう。根が十分に伸びるように、植え穴は深さ40cm~50cm程度に掘ります。苗木の根鉢を軽くほぐしてから植え穴に入れ、土を被せていきます。植え付けの際に、元肥として緩効性肥料を混ぜておきましょう。施肥量は、一般的な草花や野菜よりもやや多めに与えるのがポイントです。最後にたっぷりと水を与え、乾燥を防ぐために株元にマルチングを施しましょう。敷き藁などを敷くことで、乾燥対策、保温効果、雨による泥はね防止になります。ビニールマルチを使用する場合は、高温になりすぎないようにシルバーや透明のものを選ぶと良いでしょう。

支柱立て

ラズベリーの苗木が風などで倒れないように、植え付けの際に支柱を立てておくのがおすすめです。ラズベリーが成長した後の高さを見越して、十分な長さの支柱を用意しましょう。誘引する際には、麻ひもなど柔らかい素材の紐を使用すると、茎を傷つけにくいのでおすすめです。

日当たりと場所

ラズベリーは日当たりの良い場所を好みます。日陰で育てると生育が悪くなり、花付きや実付きが悪くなることがあります。美味しい実を収穫するためには、一年を通して風通しが良く、日当たりの良い環境で育てることが大切です。ただし、真夏の直射日光や強い西日は、ラズベリーを弱らせる原因になることがあります。地植えの場合は、半日陰程度の場所で育てるのがおすすめです。鉢植えの場合は、季節に合わせて置き場所を工夫すると良いでしょう。例えば、ラズベリーは雨に当たると病気になりやすいので、梅雨時期や真夏、真冬は、軒下など雨が直接当たらない場所に移動させるのがおすすめです。

水やり

鉢植えのラズベリーは、土の表面が乾いたら、たっぷりと水を与えることが重要です。特に夏場は乾燥しやすいため、1日に2回水やりが必要になることもあります。その際は、日中の暑い時間帯を避け、朝夕の涼しい時間帯に水やりを行いましょう。落葉する冬の時期は、水やりは控えめにします。庭植えの場合は、基本的に水やりは不要です。ただし、雨が降らず乾燥した日が続く場合は、水を与えるようにしましょう。

肥料

ラズベリーにたくさんの実を収穫するためには、定期的な肥料やりが欠かせません。植え付けの際には、元肥として緩効性肥料を施しておくと良いでしょう。緩効性肥料は約2年間効果が持続するため、頻繁な植え替えを必要としないラズベリーに適しています。2月頃には寒肥を施し、翌年の開花と結実に備えましょう。さらに、5月~6月と9月にも追肥を行うと効果的です。年に3回の施肥を心がけましょう。
◯鉢植えの場合 鉢植えのラズベリーには、葉の色を観察しながら適切なタイミングで肥料を与えます。新芽が出始める前の3月に、粒状の肥料を1株あたり約3グラム施します。同様に、5月から6月と8月から9月にも、同じ量の肥料を与えましょう。
◯地植えの場合 庭植えのラズベリーの場合も、施肥のタイミングは鉢植えとほぼ同じです。ただし、肥料の量には注意が必要です。新芽が出始める前の3月に、1株あたり約50グラムの粒状肥料を施します。5月から6月と8月から9月には、1株あたり約25グラムの肥料を与えましょう。株の成長に合わせて、肥料の量を少しずつ増やしていくことが大切です。

植え替え

鉢植えで育てているラズベリーは、根が成長するにつれて鉢の中で密集し、成長が滞ることがあります。このような状態になった場合は、ラズベリーの植え替えが必要です。2~3年に1回のペースで植え替えを行うのがおすすめです。植え替えの適期は、植え付けと同様に、真冬を除く11月~2月の落葉期です。この時期は植物が休眠状態にあるため、植え替えによる負担を軽減できます。植え替えの手順は以下の通りです。まず、ラズベリーの株を鉢から取り出し、根を丁寧にほぐします。傷んだ部分や変色している根は、カットして取り除きましょう。その後、一回り大きい鉢に新しい用土を使って植え替えます。

ラズベリーの剪定:一季なりの品種と二季なりの品種で異なる剪定方法

ラズベリーの剪定は、一季なりの品種と二季なりの品種それぞれの特性に合わせて行う必要があります。剪定の基本は、混み合っている枝や枯れた枝、細すぎる枝を切り落とすことです。ただし、春に伸びてきた新しい枝は翌年に実をつけるため、誤って切らないように注意しましょう。

一季なりの剪定

一季成りラズベリーの剪定は、おおむね7~8月に行います。実をつけた枝は、その年の冬を迎える頃には自然と枯れてしまうため、夏場の剪定が重要になります。剪定の際は、地面に近い部分で枝を切り落とします。こうすることで、株元に新しい枝を伸ばす余裕が生まれ、翌シーズンも良質な実を収穫できるようになります。

二季なりの剪定

二季成りラズベリーの剪定は、12月から3月頃を目安に行いましょう。秋に収穫が終わるまでは、剪定を控えるのがポイントです。秋に実をつけた枝には、翌年も花芽がつく可能性があるため、むやみに切らないように注意しましょう。こうすることで、次のシーズンも同じ枝から収穫が見込めます。
剪定する際は、実をつけた部分を目印にカットします。実がついていない箇所からは、今後実がなる可能性があります。また、枯れてしまった枝は適宜切り落として構いません。湿度が高くなるのを防ぐためにも、枯れた枝は根元から取り除くようにしましょう。

ラズベリーの収穫:収穫時期と収穫方法

ラズベリー栽培の一番の楽しみは、何といっても収穫です。ラズベリーの実はデリケートで傷つきやすいので、最適なタイミングを逃さずに収穫することが大切です。

収穫時期

一季成りラズベリーは、年に一度だけ収穫時期を迎えます。その時期は、おおよそ6月から7月にかけてです。果実が鮮やかな赤色に熟し、軽く触れるだけで簡単に収穫できる状態になれば、収穫のサインです。二季成りラズベリーは、年に2回収穫できるのが魅力です。最初の収穫期は6~7月、そして2回目は7~10月頃になります。夏と秋の二度にわたって実をつけるため、比較的長い期間収穫を楽しめるのが特徴です。

収穫方法

ラズベリーは、開花後およそ1ヶ月で収穫適期を迎えます。果実の色は品種によって異なりますが、熟すと芳醇な香りを放ち、果肉は柔らかくなります。傷みやすいデリケートな果実なので、収穫時期を逃さないことが大切です。実の感触や香りを確かめ、最適なタイミングで収穫しましょう。果実は非常に柔らかいため、潰さないように丁寧に摘み取ります。完熟した実であれば、軽く引っ張るだけで簡単に収穫できます。まだ熟していない実を落としてしまわないように、枝を優しく扱うことがポイントです。
生で味わうのはもちろん、果汁を絞ってフレッシュジュースにしたり、自家製ジャムを作る場合は、十分に熟した完熟の実を収穫するのがおすすめです。一方、お菓子作りの材料やシロップを作る際は、完熟直前の実を収穫すると日持ちが良くなります。用途に合わせて収穫のタイミングを調整してみましょう。

ラズベリーの増やし方:挿し木と株分け

もしご自宅で育てているラズベリーを増やしたい場合は、挿し木や株分けに挑戦してみましょう。

挿し木

ラズベリーの挿し木には、「緑枝挿し」と「根挿し」という2つの方法があります。緑枝挿しは、採取した挿し穂をそのまま土に植え、発根を促す方法です。適期は6月~7月で、その年に伸びた新しい枝を切り取り、挿し穂として利用します。挿し穂には、葉を2~3枚残しておくと良いでしょう。根挿しは、2月~3月の休眠期に、地下茎から伸びている太い根の一部を切り取り、土に埋めて増やす方法です。緑枝挿しに比べて成長に時間がかかりますが、暑い時期に行う緑枝挿しよりも成功しやすいというメリットがあります。
どちらの方法にも共通して重要なのは、挿し木専用の栄養分を含まない用土を使用することです。他の植物の種や根などが混入しているものは避け、清潔な新しい土を選びましょう。また、挿し穂を土に挿す前に、切り口を水に浸して十分に吸水させます。1時間程度水につけて、たっぷりと水を吸わせましょう。土に挿す際は、挿し穂を無理に押し込まないように注意してください。無理に押し込むと、傷んでしまい、挿し木の成功率が低下する可能性があります。土に挿し終えたら、しばらくは直射日光を避け、半日陰の場所で水切れに注意しながら育てていきましょう。

株分け

ラズベリーの場合、挿し木よりも株分けの方が手軽に増やせるケースが多いかもしれません。株の中心部からシュートと呼ばれる若い枝が多数出てきたら、地下茎を切り分けて株分けに利用します。根をつけた状態でカットし、鉢などに植え付けましょう。適期は5月~6月頃です。一般的に、若い株からは株分けできるほどのシュートが生じないため、2年以上育ててから株分けを行うのがおすすめです。

ラズベリーの病害虫予防

ラズベリーは比較的、病気や害虫の影響を受けにくい植物ですが、油断せずに適切な予防策を講じ、健全な生育を促しましょう。
ラズベリーは、他の果樹と比較すると病害虫に対する抵抗力があると言えます。しかし、全く被害がないわけではありません。例えば、ハダニやケムシ、ハマキムシの幼虫、コガネムシなどが現れることがありますので、早期発見と対策が重要です。また、灰色かび病は発生しやすい病気の一つです。特に湿度が高くなる時期に発生しやすいため、6月から7月下旬にかけて枝葉を整理し、風通しを良くすることで予防効果が期待できます。

ラズベリーの多様な利用法

収穫したラズベリーは、そのまま食べるのはもちろん、ジャムやシロップ、お菓子作りなど、様々な用途で楽しむことができます。また、冷凍保存も可能です。収穫後すぐに消費できない場合は、冷凍保存が便利です。ただし、風味を損なわないためには、2~3日以内に食べきるのがおすすめです。冷凍保存する際は、果実同士がくっつかないように、トレーや平皿に並べて冷凍しましょう。一度凍結してしまえば、袋などにまとめて保存しても大丈夫です。 さらに、葉を乾燥させてお茶として楽しむこともできます。ハーブティー愛好家の方には特におすすめです。

まとめ

ラズベリー栽培は、初心者の方でも比較的容易に始められる家庭菜園として最適です。可愛らしい花を観賞するだけでなく、美味しい果実を収穫する喜びも味わえます。この記事を参考に、ラズベリー栽培に挑戦してみてはいかがでしょうか。

ラズベリーは日陰でも育ちますか?

ラズベリーは、日光が十分に当たる場所を好みます。日陰で栽培すると、実のつきが悪くなる可能性があります。

ラズベリーは毎年収穫できますか?

ラズベリーには、一年に一度だけ実をつける品種と、一年に二度収穫できる品種が存在します。品種によって収穫時期が異なるため、注意が必要です。

ラズベリー栽培で気をつけるべき病害虫は何ですか?

ラズベリーは比較的丈夫な植物ですが、それでもハダニや灰色かび病といった病害虫には注意を払う必要があります。早期発見と適切な対策が重要です。
ラズベリー