プディングと聞くと、多くの人がとろりとした甘いデザートを思い浮かべるでしょう。しかし、プディングの世界はそれだけにとどまりません。イギリスの伝統的な料理からアジアのバリエーションに至るまで、この魅惑の料理は時代や文化を超え、多くの地域と料理法を持ち合わせています。本記事では、プディングの多様性に迫り、甘味としてだけでなく主菜やサイドディッシュとしての楽しみ方についても探ります。さあ、一緒にプディングの奥深い世界を探険しましょう。
プディングの定義
「プディング」という言葉は、主にイギリスで一般的に用いられ、多くの種類の料理やお菓子を指します。様々な材料を混ぜ合わせ、蒸して固めた料理やスイーツの総称として使われます。この中には肉を使用したソーセージのようなものから甘いデザートまで含まれ、多岐に渡っています。蒸し料理に限らず、茹でたり、オーブンで焼いたりする調理法もありますが、いずれの場合も型に入れることで、水分や油分を保持した柔らかな仕上がりが特徴です。また、「デザート」を意味することもあり、レストランのメニューでは「本日のプディング」としてその日のデザートを紹介する場合があります。
プリンとは何か、プリンとプディングの違いを探る
「プリン」という名前は、もともと「プディング」に由来するとされています。西洋から日本にプディングが伝わってきた際、その言葉は日本ではあまり馴染みがなかったため、「プリン」という名前に変化したと言われています。味わいの面では、プリンはフランスのデザート「クレームカラメル」や「クレームランヴェルセ」から影響を受けたとされています。これらはほぼ同じデザートで、容器の底にカラメルを敷き、その上に卵、牛乳、砂糖の混合液を注ぎ込んで焼き固めます。日本で一般的な「カスタードプリン」とも同様の方法で作られます。「ランヴェルセ」はフランス語で「ひっくり返す」という意味があり、食べる際に容器を逆さまにしてカラメルが上になるようにして食べるため、この名前が付けられたとされています。プリンは世界中で楽しまれているスイーツでありながら、国によって名前や材料が少しずつ異なるユニークな存在です。ちなみに、イギリスではこのデザートはフランスの名称「クレームカラメル」として知られています。
プディングのバリエーションとは?
イギリスでは、非常に多くの種類の甘いプディングが楽しまれています。いくつかの代表的なプディングをご紹介しましょう。
ブレッド&バタープディング(パンプディング)
先ほど触れた「プリン」に匹敵するほど、全世界で親しまれているプディングの一種です。食後に余った少し硬くなったパンにバターを塗り、プリン液をかけてオーブンで焼くのが基本の作り方です。フルーツを加えたり、カラメルソースやマーマレードをトッピングするなど、アレンジの幅も広がります。
夏のプディング
ベリーが豊富に収穫できる夏にぴったりなデザート、夏のプディング。まずはベリーと砂糖を軽く火にかけ、果実とシロップを分けます。その後、薄切りにしたパンをシロップに浸して型に敷き詰め、果実を詰め込んでしっかりと冷やして完成です。油脂はほとんど使用しないため、軽やかに楽しめます。
クリスマスプディングの魅力
その名の通り、クリスマスに楽しむためのプディングです。レーズンをはじめとする豊富なドライフルーツが主役として活躍しています。パン粉、牛の脂、卵などが生地をまとめ、洋酒やスパイスが風味を加えています。この生地をじっくりと5時間以上蒸し上げた後、1ヶ月以上寝かせて熟成させます。伝統的には秋から準備を行い、クリスマス当日に改めて温めていただきます。