妊婦さんの強い味方!妊娠中に積極的に摂りたいフルーツガイド
妊娠中は、お腹の赤ちゃんと自分のために、普段以上に栄養バランスに気を配りたいもの。そんな時、手軽に栄養を補給できる強い味方がフルーツです。しかし、種類がたくさんあるだけに、「本当に安全なの?」「何を選べばいいの?」と悩む方もいるのではないでしょうか。この記事では、妊娠中に安心して食べられるおすすめフルーツを厳選してご紹介。積極的に摂りたい栄養素や、摂取する際の注意点も解説します。ぜひ参考にして、健やかなマタニティライフを送りましょう。

妊娠中は果物を食べたほうがよい?

妊娠中の果物摂取は、積極的に推奨されています。結論として、バランスの取れた食事に加えて、果物も積極的に摂るべきであり、特に制限する必要はありません。果物に含まれる自然な甘さは、お菓子やジュースなどの過剰摂取を防ぎ、不要なカロリー摂取を抑える効果が期待できます。そのため、健康的な食生活をサポートしてくれます。現代女性の「痩せ」傾向が問題視されている中、まずはバランスの良い食事を心がけることが大切です。特に、ビタミンやミネラルが豊富な果物は、毎日の食事に取り入れたい食品の一つと言えるでしょう。

妊娠中に果物をとるメリット

果物は、単に糖分を補給するだけでなく、カリウム、食物繊維、ビタミンなど、妊娠中の体に不可欠な栄養素を豊富に含んでいます。ビタミンは野菜からも摂取できますが、加熱調理によって壊れやすいビタミンCなどの栄養素が失われることがあります。一方、果物は生のまま食べることが多いため、ビタミンCなどの栄養素を効率的に摂取できます。妊娠中は体調が変わりやすく、毎日十分な量の野菜を摂取することが難しい場合もあります。手軽に生のまま食べられる果物は、野菜不足を補う強い味方となるでしょう。

妊娠中の果物の目安摂取量

一般的に利用されている食事のガイドラインとして、「食事バランスガイド」があります。このガイドでは、5つの料理グループで「何を」「どれだけ」食べたら良いかが示されており、果物の場合、成人は1日に2SV(1SV=100g)が推奨されています[*1]。妊婦向けのガイドラインもあり、妊娠初期の果物摂取量の目安は、みかんなら2個、りんごなら1個とされています。妊娠中期・後期には、さらに1SVずつ追加し、合計3SV(300g/日)が推奨されています[*2]。これは、みかんなら3個、りんごなら1.5個に相当します[*2]。ただし、これはあくまで目安であり、主食、主菜、副菜(野菜)をバランス良く摂取した上で、果物も300g程度を目安にすると良いでしょう。「朝食やおやつに食べる」など習慣化し、過剰摂取にならないように注意しましょう。

妊娠中に食べてはいけない果物はある?

一般的に、妊娠中に「絶対に避けるべき」とされる果物は存在しません。多くの果物は、妊娠中の母体と胎児の健康を支えるために不可欠な栄養素を豊富に含んでおり、基本的に安心して摂取できます。ただし、どのような食品にも共通して言えることですが、過剰な摂取は推奨されません。特定の果物が優れた栄養価を有しているからといって、そればかりを大量に摂取したり、食事全体における果物の割合が極端に多くなったりすると、栄養バランスが崩れる可能性があります。特に、果物には天然の糖分である果糖が含まれているため、過剰に摂取すると糖質の摂りすぎとなり、体重増加につながるだけでなく、妊娠中は血糖値が上昇しやすいため、妊娠糖尿病のリスクを高める可能性もあります。過度な制限は不要ですが、果物を含む特定の食品の摂りすぎには注意が必要です。バランスの取れた食事を心がけ、食事バランスガイドなどを参考に、適切な量を摂取するようにしましょう。

【栄養素別】妊娠中に意識して摂りたい果物

妊娠期間中、特に胎児の発育が活発になる中期から後期にかけては、積極的に果物を摂取することが推奨されます。果物は様々な栄養素を含んでいますが、特定の栄養素を重点的に補給したい場合に役立つおすすめの果物を紹介します。ただし、特定の栄養素に偏ることなく、多種類の果物をバランス良く摂取することが最も大切です。以下の情報を参考にして、ご自身の体調や好みに合わせて、毎日の食生活に取り入れてみてください。

葉酸を多く含む果物

葉酸は、妊娠を計画している女性や妊娠初期の女性にとって、胎児の神経管閉鎖障害のリスクを軽減するために、積極的に摂取することが推奨されている重要な栄養素です[*3]。さらに、葉酸は赤血球の生成にも関わっており、不足すると貧血を引き起こしやすくなるため、妊娠中期以降も継続して食事から十分に摂取する必要があります。果物の中で葉酸を比較的多く含むものとしては、マンゴー、さくらんぼ、いちごなどが挙げられます。葉酸は熱に弱いため、生のまま食べることが推奨されます。1日に摂取する量の目安は、100g(いちご約5個、マンゴー1/2個)です。また、手軽に食べられるドライマンゴーは、砂糖が添加されている場合が多いため、過剰摂取には注意が必要です。

鉄分を多く含む果物

妊娠中は、胎児への栄養供給や血液量の増加に伴い、貧血になりやすい傾向があるため、鉄分の積極的な摂取が重要です。これは、胎盤や臍帯に鉄分が必要となることや、妊婦の血液量が増加し、赤血球の成分であるヘモグロビンが多く必要になるためです。また、出産や授乳にも鉄分が必要となるため、妊娠中からしっかりと蓄えておくことが大切です。妊娠中に不足しがちな鉄分を補給するのに適した果物としては、ぶどうやプルーンが挙げられます。特に、干しぶどう(レーズン)や乾燥あんず、乾燥バナナなどのドライフルーツには、鉄分が豊富に含まれています。乾燥させているため、一度に食べる量は少量でも、効率的に鉄分を摂取できるのが利点です。1日に摂取する量の目安は、ぶどうを半房、プルーンを2粒程度とします。外出時の手軽な間食としても適しており、飴やチョコレートの代わりにドライフルーツを選ぶことで、美味しく鉄分を補給できるだけでなく、不要な糖分の摂取を抑える効果も期待できます。また、ビタミンCやタンパク質と一緒に摂取することで、鉄分の吸収率を高めることができます。

ビタミンCを多く含む果物

ビタミンCは、美しい肌や丈夫な骨を作るコラーゲンの生成に必要不可欠な栄養素です。また、体の防御機能を高める抗酸化作用も持ち合わせています。ビタミンCは、水に溶けやすく、熱に弱い性質を持つため、毎日こまめに摂取することが大切です[*3]。ビタミンCが豊富な果物として、キウイ、オレンジ、富有柿などが挙げられます。これらの果物は、さっぱりとした風味で、つわりの時期でも比較的食べやすいでしょう。ネーブルオレンジやキウイであれば1個、柿であれば半分程度で、一日に必要なビタミンCを摂取することができます。生のまま食べられるため、調理による栄養素の損失を最小限に抑え、効率的にビタミンCを摂取できるのが利点です。

食物繊維を多く含む果物

食物繊維には、水溶性と不溶性の2種類があり、それぞれ異なる効果をもたらします。水溶性食物繊維は、糖の吸収を緩やかにし、血糖値の急上昇を抑制する効果が期待できます。一方、不溶性食物繊維は、便量を増やし、腸の動きを活発にすることで、腸内環境を整え、スムーズな排便を促します。妊娠中は、大きくなる子宮による腸の圧迫やホルモンの影響で便秘になりがちです。そのため、積極的に食物繊維を摂取することが重要になります。野菜からの摂取も大切ですが、おやつ代わりに果物を適量食べることで、手軽に食物繊維を補給できます。食物繊維が多い果物としては、いちじくなどが知られていますが、多くの果物に食物繊維が含まれています。

カリウムを多く含む果物

カリウムは、筋肉の動きや神経の伝達を正常に保つために重要なミネラルです。また、体内の余分な塩分を排出する作用があり、むくみの解消に役立ちます。カリウムは、むくみや高血圧の予防に効果的なため、妊娠中のトラブルや妊娠高血圧症候群の予防にも役立つと考えられています。特に妊娠後期は、胎児の成長に伴い血液量が増加するため、むくみやすくなります[*6]。そのような時期に、果物からカリウムを摂取することは、むくみ対策として有効です。カリウムを豊富に含む果物には、キウイフルーツ、バナナ、アボカドなどがあります。バナナは1日に約1本(100g)、アボカドは1/2個程度が推奨量です。カリウムは水溶性で、加熱調理すると失われやすい性質があるため、生のまま食べられる果物は、カリウムの貴重な供給源となります。ただし、腎臓疾患のある方は、カリウムの摂取を制限する必要があるため、これらの果物の摂取は控えましょう。

まとめ

果物は、手軽に食べられるだけでなく、ビタミン、ミネラル、食物繊維などの栄養素が豊富に含まれており、妊娠中の女性にとって強い味方となる食品です。妊娠中は、食事に関する制限が多く、何を食べるべきか悩むことも少なくありませんが、果物は適切な量を守り、注意点を意識することで、安心して積極的に摂取できます。果物に含まれる栄養素は、母体の健康維持だけでなく、お腹の中の赤ちゃんの成長もサポートします。日本には四季折々の美味しい果物がありますので、旬の果物を食生活に取り入れ、その恵みを味わってみてください。

Q1: 妊娠中に避けるべき果物はありますか?

A1: 妊娠中に「絶対ダメ」とされる果物は、基本的にありません。多くの果物は、妊娠中の母体と赤ちゃんにとって大切な栄養源となります。しかし、過剰な摂取は禁物です。糖分の摂りすぎによる体重増加や妊娠糖尿病のリスク、体を冷やす作用のある果物の偏った摂取には注意が必要です。また、食中毒予防のため、果物は食べる前にしっかり水洗いしましょう。

Q2: 妊婦は1日にどのくらいの果物を食べれば良いのでしょうか?

A2: 厚生労働省の「食事バランスガイド」では、妊娠初期の果物の摂取目安は1日2SV(約200g)とされています。これは、みかんなら2個、りんごなら1個程度です。妊娠中期・後期には1日3SV(約300g)が推奨され、みかんなら3個、りんごなら1個半程度になります。これらの量を参考に、食事全体のバランスを考えながら摂取しましょう。

Q3: 妊娠中の便秘に効果的な果物はありますか?

A3: 妊娠中は、ホルモンバランスの変動や大きくなる子宮の影響で便秘になりがちです。便秘対策には、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維が豊富な果物が役立ちます。特にいちじくは食物繊維が豊富ですが、様々な果物にもバランス良く食物繊維が含まれているため、色々な種類の果物を積極的に摂ることが推奨されます。

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